要点不動産登記法 49 条は、二以上の建物が合体した場合、合体の日から一月以内に合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の登記の抹消を申請する義務を定める。
Q · 増築で二棟がつながったら、登記は何をいつまでにやればいいの?
合体の日から一月以内に合体による登記等の申請が必要です
不動産登記法 49 条 1 項により、二以上の建物が合体して一個の建物となったときは、合体の日から一月以内に、合体後の建物についての表題登記と合体前の建物についての表題部の登記の抹消をセットで申請しなければなりません。1 項 2 号・4 号・6 号に該当する場合は、合体後の建物の所有権の登記も併せて申請します。さらに 3 項・4 項により、合体後に持分を取得した者や、表題部所有者の更正の登記・所有権の登記を受けた者にも、その日から新たな一月の申請義務が生じます。正当な理由なく怠ると 10 万円以下の過料の対象です(164 条)。
母屋と離れを渡り廊下でつなぐ。工場の二棟の間の壁を抜いて一体にする。倉庫を増築して隣の建物とくっつける。その工事が終わった瞬間、登記記録の世界では二個あった建物が死に、法律上は一個の新しい建物が生まれている。不動産登記法 49 条は、合体の日から 1 か月以内に、合体後の建物の表題登記と、合体前の建物の表題部の登記の抹消をセットで申請する義務を課す。義務者は工事をした当のあなただ。だがこの条文の本当の牙は 1 項ではなく 3 項と 4 項にある。合体後にその持分を買った人、合体後に相続や売買で表題部所有者や所有権の登記名義人になった人にも、取得の日から新しい 1 か月が課される。前の持ち主がサボった宿題は、あなたの名義になった瞬間、あなたの宿題として書き換えられる。
不動産登記法 49 条は、二以上の建物が物理的に合体して一個の建物となった場合の登記手続を定める規定である。合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題部の登記の抹消を一体の手続として構成し、合体前の建物の登記の状態に応じて申請義務者を六つの類型に区分する。登記記録上のみ建物をまとめる建物の合併の登記(54 条)とは、要件も手続も異にする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
二以上の建物が増築や接続工事により物理的に一個の建物となることです。登記の世界では合体前の建物が消滅し、新たな一個の建物が生じたものとして扱われます。
建物図面・各階平面図、所有権を証する情報、合体前の各建物の価格を証する情報、代理人に依頼する場合は代理権限証明情報などが必要です。事案により追加されます。
正当な理由なく申請を怠ると 10 万円以下の過料の対象になります(164 条)。実務上より痛いのは、売買や融資の場面で現況と登記記録の不一致が発覚することです。
既存建物への単なる増築は表題部の変更登記です。別々に登記された二以上の建物が接続され、構造上・利用上一個の建物と評価される場合に合体となります。
できます。登記記録上まとめる合併は 56 条の制限を受けますが、物理的に一体化した合体は手続が進み、抵当権は合体後の建物の持分の上に存続する扱いとなります。
民法の付合の考え方により、原則として合体前の各建物の価格の割合で定まります。そのため各建物の価格を証する情報の作り方が持分割合を左右します。
1 項各号が場合分けをしており、2 号・4 号・6 号では所有権の登記も併せて申請します。合体前がいずれも表題登記なしの場合は 2 項で 47 条・48 条を準用します。
49 条 4 項により、表題部所有者についての更正の登記または所有権の登記があった日から一月です。前所有者の工事日ではなく、自分の登記の日が起算点になります。
別物である。合併は物理的に別々の建物を登記記録の上でまとめる手続で(54 条)、抵当権などの登記があると 56 条の制限に引っかかる。物理的に一個になった場合は合体として 49 条の手続になる。業界裏話ヒント:抵当権付きの二棟を一本にしたいとき、合併は門前払いでも合体なら登記は通り、抵当権は合体後の持分の上に残る。工事の作り方次第で通る道が変わる
手遅れではない。申請義務は期限を過ぎても消えず、今からでも合体による登記等は申請できる。164 条の過料は「正当な理由がないのにその申請を怠ったとき」が要件なので、自ら是正した事実は評価の対象になる。業界裏話ヒント:本当に痛いのは過料より取引の場面である。決済直前に発覚すると、遅れるのは登記ではなく取引そのものが飛ぶ
合体による登記等は建物の表示に関する登記なので、申請代理の専門家は土地家屋調査士である(土地家屋調査士法 3 条)。司法書士の領域は権利に関する登記で、49 条 1 項後段の所有権の登記を併せて申請する場面では両者が連携する。業界裏話ヒント:現況と登記が食い違う話を最初に司法書士へ持ち込むと調査士へ回されて時間を落とす。この種の相談は調査士から入るのが最短距離
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 物理的な状態 | 49 条 合体:二以上の建物が工事により物理的に一個になっている | — |
| 手続の内容 | 合体後の建物の表題登記+合体前の建物の表題部の登記の抹消(必要に応じ所有権の登記も) | — |
| 他の登記による制限 | 抵当権等があっても手続は進み、権利は合体後の建物の持分の上に存続する扱い | — |
| 申請期限と制裁 | 起算日から一月(1 項・3 項・4 項)、怠れば 10 万円以下の過料(164 条) | — |
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