登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。
要点不動産登記法 50 条は、合体による登記等の申請情報と併せて抵当権者等の承諾を証する情報が提供されたときは、登記官が当該権利の消滅を登記しなければならないと定める。
Q · 増築で二棟をつないだら、建物についていた抵当権はどうなりますか?
承諾書を出せば消せる、出さなければ持分の上に残ります
不動産登記法 50 条により、合体による登記等の申請情報と併せて、抵当権者などの登記名義人が合体後の建物について当該権利を消滅させることを承諾した旨を証する情報を提供すれば、登記官はその権利が消滅した旨を登記しなければなりません。承諾を証する情報を出さなければ抵当権は消えず、合体前の建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記されます。その権利を目的とする転抵当などの登記があるときは、第三者の承諾も併せて必要です。
母屋と離れを渡り廊下でつないだ瞬間、登記簿の世界では二棟の建物が閉鎖され、一棟の新しい建物が生まれる。これが合体である。問題はそこに付いていた抵当権だ。何もしなければ、その抵当権は消えずに、合体後の建物の「持分」の上に生き残る。二棟の価格比で按分された持分に抵当権が乗った登記簿は、売却でも借換えでも金融機関に嫌われる。50 条は、その汚れを合体登記と同時に洗い流す唯一の窓口である。抵当権者が「合体後の建物についてこの権利を消滅させることを承諾する」と書いた情報を、合体の申請情報と一緒に出す。それだけで登記官は権利が消滅した旨を登記しなければならない。ただし所有権・地上権・永小作権・地役権・採石権は対象外、そして転抵当のような第三者の権利が付いていれば、その第三者の承諾も同時に要る。一人でも取りこぼせば、この扉は閉じる。
不動産登記法 50 条は、建物の合体による登記等の際における担保権等の消滅の登記を定める規定である。所有権等以外の権利の登記名義人が、合体後の建物について当該権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が申請情報と併せて提供された場合、登記官はその権利が消滅した旨を登記しなければならない。当該権利を目的とする第三者の登記があるときは、その承諾も要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
増築などで二棟以上の建物が構造上一体となり、一棟の建物になることです。登記簿では従前の建物の登記が閉鎖され、新しい一棟の建物の登記が起こされます(不動産登記法 49 条)。
合体の日から 1 か月以内です(不動産登記法 49 条 1 項)。怠ると 10 万円以下の過料の対象になります(同 164 条)。承諾書待ちで申請自体を遅らせるのは避けてください。
消えません。合体前の各建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記されます。持分に抵当権が付いた建物は、借換えや任意売却で金融機関の審査が一段厳しくなります。
合体は建物が現実に一つになった事実で、登記は義務です。合併は登記簿上の操作にすぎず、所有権以外の権利の登記があれば原則としてできません(不動産登記法 56 条)。
権利の登記名義人の承諾です。抵当証券が発行されているときは証券の所持人または裏書人、その権利を目的とする転抵当等の登記があるときは第三者の承諾も併せて必要です。
消せません。所有権・地上権・永小作権・地役権・採石権は「所有権等」として対象外です。50 条で消滅の登記ができるのは、抵当権・根抵当権・賃借権などの登記に限られます。
間に合いません。承諾を証する情報は合体による登記等の申請情報と併せて提供する必要があります。後日消すには別途の抹消登記と登録免許税(不動産 1 個につき 1,000 円)がかかります。
工事自体は可能ですが、合体登記で抵当権が持分の上へ移ります。着工前に金融機関へ相談し、承諾または合体後の建物への抵当権設定という担保の組み替えを合意しておくのが安全です。
合体登記自体は承諾がなくても申請できます(不動産登記法 49 条)。抵当権は消えず、合体前の建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記されるだけです。1 か月の申請義務(同 49 条 1 項)は止まらないので、承諾待ちで申請を遅らせるのは悪手。業界裏話ヒント:銀行が渋る本音は担保割れの懸念。「承諾を」ではなく「合体後の建物に抵当権を設定し直させてほしい」と担保の組み替えとして持ち込めば、稟議は通りやすくなる
抵当権を有価証券にして流通させる仕組み(抵当証券法)です。50 条は、抵当証券が発行されている場合、承諾するのは登記名義人ではなく証券の所持人または裏書人だと定めています。住宅ローンで遭遇することはまずありません。業界裏話ヒント:条文に残る制度は消えたのではなく、まだ生きている案件があるという意味。昭和期の工場や商業ビルの登記簿では現物が出てくることがあり、その一件だけで承諾を取りに行く相手が根本から変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる事象 | 50 条:建物が現実に一体化した合体による登記等に伴う権利の消滅 | — |
| 所有権等以外の権利の登記があるとき | 承諾を証する情報の提供により、合体登記と同時に消滅の登記ができる | — |
| 手続の性質 | 起きてしまった事実に登記を追随させる義務的手続(49 条 1 項、1 か月) | — |
| タイミングと費用 | 申請情報と併せて提供する一回限りの窓口、追加の抹消登記が不要 | — |
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