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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

不動産登記法 第50条(合体に伴う権利の消滅の登記)

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登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。以下この款及び第百十八条第五項において同じ。)の登記以外の権利に関する登記がある建物について合体による登記等をする場合において、当該合体による登記等の申請情報と併せて当該権利に関する登記に係る権利の登記名義人(当該権利に関する登記が抵当権の登記である場合において、抵当証券が発行されているときは、当該抵当証券の所持人又は裏書人を含む。)が合体後の建物について当該権利を消滅させることについて承諾したことを証する情報が提供されたとき(当該権利を目的とする第三者の権利に関する登記がある場合にあっては、当該第三者が承諾したことを証する情報が併せて提供されたときに限る。)は、法務省令で定めるところにより、当該権利が消滅した旨を登記しなければならない。

この条文の基本情報

合体に伴う権利の消滅の登記とは何ですか?

定義合体に伴う権利の消滅の登記とは、不動産登記法第50条に定められた規定で、「登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 不動産登記法第50条(合体に伴う権利の消滅の登記)は、日本の不動産登記法に含まれる条文です。
  2. 不動産登記法第50条の条文原文は「登記官は、所有権等(所有権、地上権、永小作権、地役権及び採石権をいう。」で始まります。
  3. 不動産登記法第50条は第三款 建物の表示に関する登記に置かれています。
  4. 不動産登記法の公布日は平成16年6月18日です。
  5. 不動産登記法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 不動産登記法第50条の前の条は不動産登記法第49条です。
  7. 不動産登記法第50条の次の条は不動産登記法第51条です。
  8. 不動産登記法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第50条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000123
  • 本サイト収録不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/416AC0000000123/50

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点不動産登記法50条は、合体による登記等の申請情報と併せて抵当権者等の承諾を証する情報が提供されたときは、登記官が当該権利の消滅を登記しなければならないと定める。

Q · 増築で二棟をつないだら、建物についていた抵当権はどうなりますか?

承諾書を出せば消せる、出さなければ持分の上に残ります

不動産登記法50条により、合体による登記等の申請情報と併せて、抵当権者などの登記名義人が合体後の建物について当該権利を消滅させることを承諾した旨を証する情報を提供すれば、登記官はその権利が消滅した旨を登記しなければなりません。承諾を証する情報を出さなければ抵当権は消えず、合体前の建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記されます。その権利を目的とする転抵当などの登記があるときは、第三者の承諾も併せて必要です。

解説

母屋と離れを渡り廊下でつないだ瞬間、登記簿の世界では二棟の建物が閉鎖され、一棟の新しい建物が生まれる。これが合体である。問題はそこに付いていた抵当権だ。何もしなければ、その抵当権は消えずに、合体後の建物の「持分」の上に生き残る。二棟の価格比で按分された持分に抵当権が乗った登記簿は、売却でも借換えでも金融機関に嫌われる。50条は、その汚れを合体登記と同時に洗い流す唯一の窓口である。抵当権者が「合体後の建物についてこの権利を消滅させることを承諾する」と書いた情報を、合体の申請情報と一緒に出す。それだけで登記官は権利が消滅した旨を登記しなければならない。ただし所有権・地上権・永小作権・地役権・採石権は対象外、そして転抵当のような第三者の権利が付いていれば、その第三者の承諾も同時に要る。一人でも取りこぼせば、この扉は閉じる。

法的な位置づけ

不動産登記法50条は、建物の合体による登記等の際における担保権等の消滅の登記を定める規定である。所有権等以外の権利の登記名義人が、合体後の建物について当該権利を消滅させることを承諾したことを証する情報が申請情報と併せて提供された場合、登記官はその権利が消滅した旨を登記しなければならない。当該権利を目的とする第三者の登記があるときは、その承諾も要する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.合体前の各建物の登記事項証明書を取得して乙区を洗い出す 合体させる全ての建物について登記事項証明書を取得し、乙区の抵当権・根抵当権・賃借権と、それを目的とする転抵当・質権、甲区の差押え・仮処分まで漏れなく確認する。承諾を集めに行く前に相手方の全員を確定させる
  2. 2.権利者ごとに承諾書の様式と稟議期間を確認する 抵当権者が金融機関の場合、承諾は担保の放棄と同義であるため内部稟議に2週間前後かかる前提で逆算する。「承諾してほしい」ではなく「合体後の建物へ抵当権を設定し直す担保の組み替え」として持ち込むと交渉が進みやすい
  3. 3.第三者の権利の登記があれば同時に承諾を取る 抵当権を目的とする転抵当や質権の登記があるときは、その第三者の承諾を証する情報も併せて提供しなければ登記官は消滅の登記をしない。抵当証券が発行されている場合、承諾権限を持つのは登記名義人ではなく証券の所持人または裏書人である
  4. 4.合体による登記等の申請情報と併せて承諾情報を提供する 合体の日から1か月以内に合体による登記等を申請し(不動産登記法49条1項)、その申請情報と併せて承諾を証する情報を提供する。後出しは効かず、この一回だけが50条の窓口である
  5. 5.承諾が取れなかった権利は持分存続を前提に計画を組み直す 承諾が得られない権利は消滅させられず、合体前の建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記される。持分抵当が付いた状態を前提に、借換え・売却の時期と条件を再設計し、後日別途の抹消登記の費用も見込んでおく

よくある質問 AI による整理

Q1建物の合体とは何ですか?

増築などで二棟以上の建物が構造上一体となり、一棟の建物になることです。登記簿では従前の建物の登記が閉鎖され、新しい一棟の建物の登記が起こされます(不動産登記法49条)。

Q2合体登記はいつまでに申請するの?

合体の日から1か月以内です(不動産登記法49条1項)。怠ると10万円以下の過料の対象になります(同164条)。承諾書待ちで申請自体を遅らせるのは避けてください。

Q3承諾書がないと抵当権はどうなる?

消えません。合体前の各建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記されます。持分に抵当権が付いた建物は、借換えや任意売却で金融機関の審査が一段厳しくなります。

Q4合体と合併の違いは?

合体は建物が現実に一つになった事実で、登記は義務です。合併は登記簿上の操作にすぎず、所有権以外の権利の登記があれば原則としてできません(不動産登記法56条)。

Q5抵当権を消すのに誰の承諾が必要?

権利の登記名義人の承諾です。抵当証券が発行されているときは証券の所持人または裏書人、その権利を目的とする転抵当等の登記があるときは第三者の承諾も併せて必要です。

Q6所有権や地上権も50条で消せる?

消せません。所有権・地上権・永小作権・地役権・採石権は「所有権等」として対象外です。50条で消滅の登記ができるのは、抵当権・根抵当権・賃借権などの登記に限られます。

Q7承諾書は後から出しても間に合う?

間に合いません。承諾を証する情報は合体による登記等の申請情報と併せて提供する必要があります。後日消すには別途の抹消登記と登録免許税(不動産1個につき1,000円)がかかります。

Q8住宅ローン中の家を隣家とつなげても大丈夫?

工事自体は可能ですが、合体登記で抵当権が持分の上へ移ります。着工前に金融機関へ相談し、承諾または合体後の建物への抵当権設定という担保の組み替えを合意しておくのが安全です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1銀行が承諾書を出してくれないんですが、増築工事はもうやってしまいました。どうなりますか?

合体登記自体は承諾がなくても申請できます(不動産登記法49条)。抵当権は消えず、合体前の建物の価格の割合による持分の上に存続する形で登記されるだけです。1か月の申請義務(同49条1項)は止まらないので、承諾待ちで申請を遅らせるのは悪手。実務のポイント:銀行が渋る本音は担保割れの懸念。「承諾を」ではなく「合体後の建物に抵当権を設定し直させてほしい」と担保の組み替えとして持ち込めば、稟議は通りやすくなる

Q2抵当証券って何ですか。うちの抵当権にも関係ありますか?

抵当権を有価証券にして流通させる仕組み(抵当証券法)です。50条は、抵当証券が発行されている場合、承諾するのは登記名義人ではなく証券の所持人または裏書人だと定めています。住宅ローンで遭遇することはまずありません。実務のポイント:条文に残る制度は消えたのではなく、まだ生きている案件があるという意味。昭和期の工場や商業ビルの登記簿では現物が出てくることがあり、その一件だけで承諾を取りに行く相手が根本から変わる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「合体すれば抵当権も一緒に消える」と誤解している人は実は少ない。多くの人が見誤るのは、残ったあとの形だ。残存する抵当権は建物全体ではなく持分の上に乗る。持分抵当が付いた建物は、任意売却でも借換えでも審査が一段厳しくなり、金融機関の一言で融資対象外になることがある。消えるか残るかではなく、どんな形で残るかが勝負を決める
  • 「合体と合併はどう違うのか」という問いの立て方自体が少しずれている。合併(54条1項3号)は登記簿の上だけの操作で、所有権以外の権利の登記があれば原則できない(56条)。合体は建物が現実に一つになった事実であり、やるかどうかを選べない。選択肢ではなく、起きてしまった事実に登記を追いつかせる手続である
  • 承諾書は抵当権者から取れば足りると思われがちだが、その抵当権を目的とする転抵当や質権の登記があれば、その第三者の承諾を証する情報も併せて提供しなければ登記官は消滅の登記をしない。さらに抵当証券が発行されている場合、承諾権限を持つのは登記名義人ではなく証券の所持人または裏書人である
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる事象50条:建物が現実に一体化した合体による登記等に伴う権利の消滅56条:登記簿上の操作である建物の合併の登記の制限
68条:既存の権利に関する登記そのものの抹消
所有権等以外の権利の登記があるとき承諾を証する情報の提供により、合体登記と同時に消滅の登記ができる所有権以外の権利の登記があると原則として合併の登記ができない
登記上の利害関係を有する第三者の承諾があれば抹消できる
手続の性質起きてしまった事実に登記を追随させる義務的手続(49条1項、1か月)所有者が選択して行う任意の手続
権利の消滅原因が生じたあとに行う任意の手続
タイミングと費用申請情報と併せて提供する一回限りの窓口、追加の抹消登記が不要権利の登記を先に整理しなければ申請自体ができない
後日行う場合は別途の登録免許税(不動産1個につき1,000円)が必要

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地登記規則第88条・民法第811条

台湾では不動産の付合を民法811条が定め、合併登記における他項権利の処理は土地登記規則が規律する。権利者の同意を前提に処理する点で発想は近いが、日本のように合体登記と権利消滅を一体の申請で処理する明文の窓口という形はとっていない

韓国
민법 제256조および 부동산등기법の建物合併に関する規定

韓国も付合の実体法規定を民法に置き、登記手続法で合併の制限を定める構造。所有権以外の権利の登記がある場合に合併登記を制限する点は日本の56条に近い

ドイツ
BGB § 946、GBO § 890

ドイツでは建物は原則として土地の本質的構成部分であり、日本のような建物独立不動産制を前提とした「建物の合体」概念そのものが存在しない。土地の Vereinigung における担保権の順位保護が対応する問題領域となる

アメリカ
Doctrine of accession / fixtures、UCC § 9-334

米国では建物は土地の一部として扱われ、動産が不動産に付合した場合の担保権の優先関係が UCC の fixture ルールで処理される。登記官が権利消滅を職務として記録するという構造は持たない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 工場の2棟の間を増築でつなぎ、工事は完了した。合体による登記等の申請義務は合体の日から1か月(不動産登記法49条1項)、怠れば10万円以下の過料(同164条)。では、2棟のうち1棟に信用金庫の根抵当権が残っていたら、その1か月の間に何をしなければならないか。答えは、金融機関の稟議を通して承諾を証する情報を取り付けること。稟議に2週間かかる金融機関は珍しくないので、逆算すると動き出すべきは工事完了の前になる
  • 隣家を買い取り、壁を抜いて一体の店舗にした。旧建物に付いていた住宅ローンの抵当権は消えず、合体後の建物の持分の上へ移って登記される。承諾情報を出さなかった代償は、次に借換えを申し込んだ日に判明する
  • 貸し手側、つまり抵当権者の立場に立つとどう見えるか。債務者から「建物を合体させるので承諾書をください」と言われ、深く考えずに押印すれば、担保が消えたまま債権だけが残る。実務では、合体後の建物への新たな抵当権設定登記と引き換えにする、あるいは弁済と同時履行にするのが定石で、承諾書は最後まで手元に置く。この一枚の紙は、担保そのものと同じ重さを持っている

取るべき行動

被害を受けた側:合体させる側、つまり建物所有者の立場なら順序が命になる。1. 合体前の各建物の登記事項証明書を取り、乙区の権利(抵当権・根抵当権・賃借権など)と、それを目的とする転抵当・差押えを全部洗い出す2. 権利者ごとに承諾書の様式を確認、金融機関は内部稟議に2週間前後かかる前提で逆算する3. 承諾が取れない権利は消滅を諦め、持分の上に残る前提で借換え計画を立て直す4. 承諾を証する情報は合体登記の申請情報と併せて提供する、後出しは効かない

訴えられた側:承諾を求められた権利者、多くは金融機関や個人の抵当権者の立場なら、承諾は担保の放棄と同義だと理解するところから始まる。1. 被担保債権の残高と合体後の建物の担保価値を先に把握2. 無償で承諾せず、弁済または合体後の建物への新たな抵当権設定登記と引き換えにする3. 抵当証券が発行されている場合、承諾権限があるのは証券の所持人または裏書人であり、登記名義人の押印だけでは足りない4. 承諾書の交付日と提出先を管理し、先に渡して条件が履行されない事態を避ける

時効(請求できる期限):合体による登記等の申請義務は合体の日から1か月以内(不動産登記法49条1項)、怠れば10万円以下の過料(同164条)。50条の権利消滅の登記に固有の期限はないが、承諾を証する情報は合体登記の申請情報と併せて提供する必要があり、この一回を逃せば、後日は別途の抹消登記(登録免許税は不動産1個につき1,000円)を要する

学説

通説:建物の合体は民法242条の付合の一場面であり、従前の建物の上に存した権利は民法247条2項により合体後の建物の持分の上に存続する。不動産登記法50条は、この実体法上の帰結を、権利者の承諾という意思要素を介して修正し、登記簿から権利を消滅させる手続的な窓口を用意した規定と理解される。

手続法的理解:本条の「登記しなければならない」という文言は登記官を羈束する趣旨であり、承諾を証する情報が形式的に整っている限り、登記官に消滅登記をするか否かの裁量はない。物理的事実の反映は強制、権利の得喪は当事者の合意に委ねるという役割分担が条文構造に表れている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)不動産登記法全部改正 現行不動産登記法(平成16年法律第123号)の制定により本条が置かれた。旧法時代に整備されていた建物の合体に関する登記の枠組みを引き継ぎつつ、所有権等の定義を括弧書きで明示し、抵当証券が発行されている場合の承諾主体や、当該権利を目的とする第三者の承諾の要否を条文上明確化した

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:現行不動産登記法(平成16年法律第123号)の全部改正により本条が置かれた。旧法時代に整備されていた建物の合体に関する登記の枠組みを引き継ぎつつ、所有権等の定義を括弧書きで明示し、抵当証券が発行されている場合の承諾主体および当該権利を目的とする第三者の承諾の要否を条文上明確化した

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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