登記権利者は、共同して登記の抹消の申請をすべき法人が解散し、前条第二項に規定する方法により調査を行ってもなおその法人の清算人の所在が判明しないためその法人と共同して先取特権、質権又は抵当権に関する登記の抹消を申請することができない場合において、被担保債権の弁済期から三十年を経過し、かつ、その法人の解散の日から三十年を経過したときは、第六十条の規定にかかわらず、単独で当該登記の抹消を申請することができる。
要点不動産登記法七十条の二は、担保権者である法人が解散し清算人の所在も不明で、弁済期から三十年かつ解散から三十年を経過した場合に、登記権利者が単独で抵当権等の登記を抹消できると定める。
Q · 解散した会社の古い抵当権が登記簿に残っているとき、相手なしで消せますか?
相手が解散法人で二つの三十年を満たせば単独で消せます
不動産登記法七十条の二により、担保権者である法人が解散し、法務省令所定の調査によっても清算人の所在が判明しない場合、被担保債権の弁済期から三十年かつ解散の日から三十年を経過していれば、登記権利者は単独で抵当権等の抹消を申請できます。共同申請を求める六十条の例外であり、七十条第四項の供託ルートと異なり供託金は不要です。ただし二つの三十年はいずれも満たす必要があり、弁済期を証する資料がない場合は供託や公示催告のルートに切り替えることになります。
祖父の代の土地を売ろうとして登記事項証明書を取ったら、昭和三十年代設定の抵当権が残っていた。権利者は「○○無尽株式会社」、とうに解散している。清算人を探しても誰も出てこない。この瞬間、その土地は売れない。買主も融資銀行も、担保が付いたままの不動産を嫌うからだ。従来は公示催告と除権決定を待つか、被担保債権の全額を供託するか、いずれにせよ時間か金が飛んだ。令和五年四月から使えるようになった三本目の鍵が不動産登記法七十条の二である。相手方の法人が解散していること、法務省令の定める方法で調べても清算人の所在が判明しないこと、被担保債権の弁済期から三十年、かつ法人の解散の日から三十年が経過していること。この四つが揃えば、登記権利者は相手の関与なしに単独で抹消を申請できる。登記は共同申請が原則(六十条)だが、その原則を正面から外す例外がここにある。しかも供託金は不要だ。三十年という数字を、どの日付から数えるかを知っているかどうかで結果が変わる。
不動産登記法七十条の二は、休眠担保権の単独抹消を定める規定である。登記義務者たる法人が解散し、法務省令所定の調査によっても清算人の所在が判明せず、被担保債権の弁済期から三十年かつ解散の日から三十年を経過した場合に、共同申請の原則を定める同法六十条の例外として、登記権利者による単独の抹消申請を認める。供託は要件とされない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実体上は消滅している可能性が高いのに、登記簿上だけ残り続けている先取特権・質権・抵当権のことです。権利者が解散した無尽会社や旧信用組合など、現存しない法人であることが多く、不動産の売却や融資を妨げます。
令和三年法律第二十四号で新設され、令和五年四月一日から施行されています。所有者不明土地対策の一環で、相続登記義務化と同じ改正パッケージに含まれています。施行日前に要件を満たしていた事案にも使えます。
登記義務者が法人であること、その法人が解散していること、省令所定の調査でも清算人の所在が判明しないこと、被担保債権の弁済期から三十年かつ解散の日から三十年を経過していること。この四つをすべて満たす必要があります。
起算点は二つあります。一つは被担保債権の弁済期、もう一つは法人の解散の日です。抵当権の設定日ではありません。両方から三十年が必要なので、実質的には遅い方の日付が基準になります。
消せます。従来は公示催告と除権決定、または被担保債権全額の供託しか手段がありませんでしたが、令和五年からは七十条の二による単独申請という三本目のルートが加わりました。この方法だけ供託金が不要です。
七十条第二項が委任する法務省令の定める方法によります。法人の登記事項証明書(閉鎖分含む)から清算人を特定し、その住所を調査したうえで、判明しなかったことを証する情報を申請書に添付します。調査記録そのものが要件です。
二つの三十年を満たすなら七十条の二が有利です。供託金が不要だからです。ただし戦前の担保権で元本が数十円という場合、供託額が数千円で済み、要件立証の手間を考えると供託の方が早いこともあります。
登記申請書のほか、法人の解散を証する登記事項証明書、清算人の所在が判明しないことを証する調査資料、被担保債権の弁済期を証する情報が中心です。弁済期は登記記録に記載があればそれを使います。
登記記録に弁済期の定めが記録されていればその日付で数えます。記録がなく他に証する資料もない場合、本条の三十年を証明できず、七十条第四項の供託ルート(被担保債権と利息等の全額を供託して単独で抹消する方法)に切り替えるのが実務です。業界裏話ヒント:明治大正期や戦前の担保権は元本が数十円ということも珍しくなく、供託額が数千円で済むことがある。三十年を待つより供託した方が早くて安い場面は実在する
使えません。本条は登記義務者が解散した法人で、その清算人の所在が判明しない場合に限られます。相手が自然人なら七十条第一項の公示催告と除権決定によるルート、または同条第四項の供託ルートを使うことになります。業界裏話ヒント:登記簿の権利者欄に「株式会社」「組合」の文字があるかどうかで進む条文が分岐する。まずそこを見るだけで、司法書士への相談の入口が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文と手段 | 七十条の二:解散法人の担保権を単独申請で抹消 | — |
| 相手方の属性 | 解散した法人に限る(自然人は対象外) | — |
| お金の負担 | 供託金は不要。登録免許税と調査実費のみ | — |
| 期間要件と所要時間 | 弁済期から三十年かつ解散から三十年の二重要件 | — |
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