倉庫営業者は、寄託物の出庫の時以後でなければ、保管料及び立替金その他寄託物に関する費用(第六百十六条第一項において「保管料等」という。)の支払を請求することができない。
要点商法 611 条は、倉庫営業者が寄託物の出庫の時以後でなければ保管料等を請求できないとする後払い原則を定める。ただし一部出庫の場合は、出庫の割合に応じて請求できる。
Q · 倉庫の保管料って、契約書に書いていなければいつ払えばいいの?
法律上は荷物を出庫するときの後払いが原則です
商法 611 条により、倉庫営業者は寄託物の出庫の時以後でなければ、保管料・立替金その他の費用(保管料等)を請求できません。つまり法律の初期設定は「後払い」で、荷物を引き取るときに精算する建付けです。ただし一部を出庫する場合は、その出庫の割合に応じて請求できます。実務の多くは標準倉庫寄託約款などで「前払い」に書き換えていますが、契約に支払時期の有効な定めがない場合は、この後払い原則が適用される余地があります。
ネットショップを運営して在庫を外部倉庫に預けている、引っ越しでトランクルームに家財を入れている、製造業で部材を物流倉庫に保管している。どの場面でも、保管料をいつ払うかは契約書の言うとおりだと思っているかもしれない。だが商法 611 条のデフォルトは意外だ。倉庫営業者は、寄託物が出庫される時より前には、保管料も立替金もその他の費用も請求できない。つまり法律の初期設定は「後払い」、荷物を引き取るときにまとめて精算する建付けになっている。例外はただし書きで、一部だけ出庫するなら、その出庫の割合に応じて請求できる。なぜこれを知る価値があるか。実務のほとんどの倉庫契約は、標準倉庫寄託約款などで「毎月前払い」へと静かに書き換えているからだ。だが契約書が支払時期について沈黙している、約款の組入れが怪しい、そんな隙間が生じた瞬間、あなたが盾にできるのはこの後払い原則になる。
商法 611 条は倉庫営業者の保管料等の支払時期を定める規定であり、倉庫営業者は寄託物の出庫の時以後でなければ保管料・立替金その他の費用を請求できないとする後払いを原則とする。ただし寄託物の一部を出庫するときは、その出庫の割合に応じて支払を請求することができる。任意規定であり、当事者の特約により上書きできる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
他人のために物品を倉庫に保管することを業とする者です(商法 599 条)。商法上の倉庫営業者には保管料に関する 611 条の後払い原則や商人間の留置権が適用されます。
商法 611 条が出庫の時以後の後払いを原則とします。保管中の途中請求は原則できず、契約で前払いを定めて初めて前払いが可能になります。
保管料の発生(債権の成立)と請求できる時期は別問題です。発生は保管開始時からですが、請求は商法 611 条により原則として出庫の時以後となります。
商法 611 条ただし書きにより、出庫した割合に応じて保管料等を請求できます。全量出庫を待たず、出した分だけ部分的に精算する建付けです。
商法 611 条は任意規定のため、約款による前払い特約は原則有効です。ただし約款の組入れ(民法 548 条の 2)が適切でなければ後払い原則が復活する余地があります。
商人間の留置権(商法 521 条)により、倉庫営業者は保管料の弁済を受けるまで寄託物を留め置けます。後払い原則とは別に、未払い時の出庫の壁になります。
契約で前払いを定め未払いがあれば、留置権により出荷拒否は適法となり得ます。一方、支払時期の有効な定めがない場合は後払い原則を主張できる余地があります。
倉庫業法上の営業倉庫にあたるトランクルームには商法の倉庫営業規定が及び得ます。単なる場所貸し(賃貸借)型は適用外で、契約の性質により分かれます。
契約でそう定めていれば月次前払いになりますが、商法 611 条の法律上の原則は逆で、出庫の時までは請求できない後払いです。多くの倉庫が標準倉庫寄託約款などで前払いに書き換えているだけです。業界裏話ヒント:契約書に支払時期の明確な定めがない、または約款がきちんと組み入れられていない場合、後払い原則が復活する余地があります。料金で揉めたら、まず『契約に有効な支払時期の定めがあるか』を弁護士に確認してもらう価値があります
原則として返してもらえません。倉庫営業者には商人間の留置権(商法 521 条)があり、弁済を受けるまで寄託物を留め置けます。後払い原則とは別に、この留置権が出庫の壁になります。業界裏話ヒント:争いがあるのは一部の金額だけ、というケースは多い。その場合、争いのない確定額を弁済または供託(民法 494 条)すれば留置の根拠が消え、荷物を取り戻せることがあります。相手の言い値で全額を払う前に、争点を切り分けるのが定石です
商法 611 条ただし書きにより、一部を出庫するときは、その出庫の割合に応じて保管料等を支払えば足ります。全額を一括で請求されても、引き取る分の割合だけ精算する余地があります。業界裏話ヒント:これは膠着を崩す実務上の武器です。全体の料金で揉めて荷物が全部止まっているとき、急ぎの在庫だけ割合精算で先に出す。出荷停止による損失を抑えつつ、残りの交渉の時間を稼げます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商法 611 条:保管料等の支払時期(出庫時の後払い原則) | — |
| 荷主への効果 | 出庫まで支払不要が原則、特約で前払いに上書き可 | — |
| 倉庫営業者の武器 | 一部出庫の割合精算(ただし書き) | — |
| 覆せる手段/前提 | 任意規定のため有効な前払い特約で上書き | — |
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