当事者が寄託物の保管期間を定めなかったときは、倉庫営業者は、寄託物の入庫の日から六箇月を経過した後でなければ、その返還をすることができない。
要点商法612条は、保管期間を定めなかったとき、倉庫営業者は入庫の日から六箇月を経過するまで寄託物を返還できないと定める。ただしやむを得ない事由があれば例外となる。
Q · 倉庫に荷物を預けたら、業者から急に「早く引き取って」と言われた。従うしかないの?
保管期間を定めていなければ、入庫から六箇月間は返還を拒めます。
商法612条により、保管期間を定めなかった場合、倉庫営業者は寄託物の入庫の日から六箇月を経過するまで返還できません。つまり預ける側には最低六箇月の保管が保証されます。倉庫が満杯になった・採算が合わない程度では「やむを得ない事由」に当たらず、早期の引き取り要求を拒めます。ただし火災・建物の倒壊・危険物の判明など、保管の継続が客観的に不能または危険な事由があれば、六箇月を待たずに返還できます。
倉庫に商品を預ける契約で、いつまで預けるかの期間を決めなかったとする。普通に考えれば、預かる側の倉庫業者が「もう置き場所がないから明日引き取って」と言える気がする。ところが商法612条は逆を定める。期間の定めがないときでも、倉庫業者は入庫の日から六箇月が経過するまで、寄託物を返還することができない。つまりあなたは、何も交渉しなくても最低六箇月の保管が保証される。これは民法663条1項(期間の定めがない寄託は、受寄者がいつでも返還できる)を、倉庫営業という商売の場面でひっくり返した特則だ。倉庫業者の側から見れば、六箇月分の保管料が確保される。預ける側から見れば、急な「引き取れ」で荷物が行き場を失うリスクが消える。ただし火災や建物の取り壊しなど、やむを得ない事由があれば六箇月を待たずに返還できる。
商法612条は倉庫営業における寄託物返還の制限を定める規定であり、当事者が保管期間を定めなかった場合、倉庫営業者は寄託物の入庫の日から六箇月を経過するまで返還できない旨を規定する。期間の定めのない寄託につき受寄者がいつでも返還できるとする民法663条1項の特則として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
他人のために物品を倉庫に保管することを業とする者です。商法599条で定義され、612条以下の特則が適用されます。
寄託物の入庫の日が起算点です。契約日や保管料支払日ではなく、現実に物品が倉庫に入った日から六箇月を計算します。
商法612条は適用されず、合意した保管期間に従います。612条は期間を定めなかった場合だけを補う規定です。
満杯や採算悪化はやむを得ない事由に当たりにくく、原則として六箇月以内の一方的な返還はできません。
寄託は物の保管を目的とし、賃貸借は物の使用収益を目的とします。倉庫に物を預けるのは通常寄託で、商法612条が適用されます。
倉荷証券が発行されると、その証券と引換えでなければ返還を請求できません。証券の所持が返還請求の前提になります。
倉庫営業者は債務不履行となり、移送費用や寄託者に生じた損害の賠償責任を負う可能性があります。
原則として寄託物の出庫の時に支払います。六箇月の保管が保証される分、保管料も対応して発生します。
保管期間を定めていなければ、商法612条で倉庫業者は入庫から六箇月間は返還できません。火災や倒壊などやむを得ない事由がなければ、その要求に従う義務はありません。業界裏話ヒント:実務では倉庫側が標準倉庫寄託約款で個別の保管期間や解約条項を定めていることが多い。まず契約書と約款に期間の定めがあるか確認する。約款に何も無ければ612条の六箇月が生きる
できます。612条が縛るのは倉庫業者の側だけです。寄託者であるあなたは、民法662条によりいつでも返還を請求できます。ただし約定の保管料や違約金の扱いは契約次第。業界裏話ヒント:早期に引き取っても、約款で最低保管期間分の保管料を取られる設計になっていることがある。引き取る自由はあっても、料金の精算条項を先に読まないと想定外の請求が来る
満杯や採算悪化の程度では原則として認められません。火災、建物の倒壊・取り壊し、預かった物が危険物と判明したなど、保管の継続が客観的に不能または危険なレベルが必要です(612条ただし書)。業界裏話ヒント:やむを得ない事由の立証責任は早期返還を主張する倉庫業者側にある。業者が都合が悪くなった程度で押し返してきたら、その事由が客観的に保管不能かを問い返すだけで、たいてい引き下がる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 受寄者(倉庫業者)からの返還 | 入庫から六箇月経過まで返還不可(商法612条本文) | — |
| 寄託者からの返還請求 | いつでも請求可(民法662条準用) | — |
| 適用対象 | 倉庫営業者への商事寄託 | — |
| 早期返還の例外 | やむを得ない事由があれば可(612条但書) | — |
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