倉荷証券は、記名式であるときであっても、裏書によって、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。
要点商法606条は、倉荷証券が記名式であっても裏書だけで譲渡・質入れできると定める。倉庫の在庫を動かさず証券で流通させられるが、裏書禁止の記載があればこの特例は適用されない。
Q · 倉庫にある在庫を、商品を動かさずに担保にしてお金を借りられますか?
できる。倉荷証券の裏書だけで在庫を担保化できる
できます。商法606条により、倉庫営業者が発行した倉荷証券は、記名式であっても裏書だけで譲渡したり質権の目的にできます。商品を倉庫から一歩も出さずに、証券を裏書して銀行に質権設定すれば融資が引けます。これが在庫担保融資(ABL)の基本形です。ただし証券面に「裏書禁止」と記載されている場合はこの特例が使えず、普通の指名債権譲渡の手続(通知・確定日付)が必要になります。担保に取る側は受領前に裏書禁止記載の有無と裏書の連続を確認すべきです。
会社の倉庫に積み上がった在庫。あれを商品を一切動かさずに現金化したり、銀行の担保に入れたりできると知っているか。鍵は倉荷証券という一枚の紙にある。商法606条は、この証券が記名式(特定の人の名前が書いてある形式)であっても、裏書(証券の裏に署名して次の人へ渡す手続)だけで譲渡でき、質権(担保)の目的にもできると定める。普通、名前入りの債権を譲るには相手方への通知や確定日付といった面倒な手続が要る。だが倉荷証券は「法律上当然の指図証券」とされ、その面倒を丸ごと飛ばせる。つまり倉庫に眠る商品が、株券のように紙の上で流通する金融商品に変わる。ただし証券に「裏書禁止」と書かれていれば、この特権は消え、普通の債権譲渡の手続に戻る。あなたが在庫を抱える事業者なら、この一枚が資金繰りの切り札になりうる。
商法606条は倉荷証券の譲渡方法を定める規定であり、倉庫営業者が発行する倉荷証券は、記名式であっても裏書によって譲渡し、または質権の目的とすることができる旨を規定する。これを法律上当然の指図証券といい、券面に裏書を禁止する旨の記載がある場合のみが例外とされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
倉庫営業者が寄託された商品について発行する有価証券です。証券の裏書や引渡しが商品そのものの譲渡・引渡しと同じ効力を持ち、商品を動かさず権利を移転できます(商法606条、607条)。
証券面に「裏書を禁止する」と記載することで、商法606条の裏書による譲渡・質入れの特例を排除する記載です。これがあると普通の指名債権譲渡の手続が必要になります。
倉庫営業者に倉荷証券を発行してもらい、その証券に質権者あての裏書をして証券を引き渡します。商品を倉庫から出さずに質権が成立し、第三者にも対抗できます(商法606条)。
先に裏書を備えて証券を占有した者が優先します。商品の取り合いではなく証券(紙)の占有の先後で勝敗が決まります(商法607条の物権的効力)。
倉庫業法上の登録を受けた倉庫営業者だけです。担保に取る前に相手が正規の登録業者かを確認しないと、紙はあっても実体が伴わない事態になりかねません。
倉荷証券は倉庫保管中の商品、船荷証券は海上運送中の商品の証券です。船荷証券は倉荷証券の規定をほぼ準用しており(商法763条)、裏書による流通の仕組みは同じ思想に立ちます。
不動産担保がなくても、倉庫の在庫を担保に資金調達する手法です。倉荷証券を裏書して質権設定することで、商品を動かさず融資を受けられます(商法606条)。
はい。平成30年(2018年)改正・令和元年(2019年4月1日)施行で、預証券・質入証券の二券制度を廃止し、倉荷証券一本(単券主義)に統一されました。譲渡も質入れも一枚の裏書で行えます。
預り証は単なる証拠書類ですが、倉荷証券は有価証券で、紙の裏書や引渡しがそのまま商品の譲渡・引渡しになります(商法606条、607条)。商品を動かさず権利だけを移せるのが決定的な差です。業界裏話ヒント:倉荷証券を発行できるのは倉庫業法上の登録を受けた倉庫営業者だけ。担保に取るなら、相手が正規の登録業者かをまず確認する。これを飛ばすと、紙はあっても中身が空ということになりかねない
譲れます。商法606条は、記名式であっても裏書で譲渡・質入れできると明記しており、これを法律上当然の指図証券と呼びます。例外は券面に「裏書禁止」と書かれている場合だけです。業界裏話ヒント:普通の記名債権なら確定日付ある通知などが要るのに、倉荷証券はその手続を丸ごと飛ばせる。この差を知らず「名前が書いてあるから手続が面倒そうだ」と取引をためらう人が、実は一番損をしている
むしろ出さないのが前提です。倉荷証券を発行してもらい、それを裏書して質権を設定すれば、商品を倉庫に置いたまま担保にできます(商法606条)。これが在庫担保融資(ABL)の基本形です。業界裏話ヒント:銀行が在庫担保に消極的なのは、商品の現存・品質・二重担保の確認が難しいから。倉荷証券があれば倉庫業者が現物を管理し、券面で内容が特定されるので、融資のハードルが一気に下がる
直ちに権利を失うわけではありません。倉荷証券には再交付の制度があり(商法609条)、相当の担保を供して再発行を受けられます。ただし手続に時間がかかり、その間に第三者が善意で証券を取得すると厄介になります。業界裏話ヒント:有価証券としての性質上、紛失は手形・小切手と同じく公示催告・除権決定の対象になりうる。無くした瞬間に倉庫業者へ届け出て、第三者への引渡しを止めてもらうのが鉄則
| dimension | thisArticle | alternatives |
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| 規律する内容 | 商法606条:倉荷証券の譲渡・質入れの方法(裏書) | — |
| 効力の中身 | 記名式でも裏書だけで譲渡・質入れ可能(当然の指図証券) | — |
| 例外・限界 | 「裏書禁止」記載があれば普通の債権譲渡手続に戻る | — |
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