前条第一項の規定に違反した者は、百万円以下の過料に処する。
要点商法13条は、12条1項に違反して不正の目的で誤認されるおそれのある商号を使った者に100万円以下の過料を科す。過料は刑罰ではなく秩序罰で、納付額は国庫に入る。
Q · 店名を真似されたら、商法13条で相手を100万円の過料にできるの?
過料は科せるが国庫に入り、被害者には渡らない
商法13条は、12条1項に違反して不正の目的で誤認されるおそれのある商号を使った者に100万円以下の過料を科します。ただし過料は刑罰ではなく秩序罰で、裁判所が職権で科すもの。納付されても国庫に入り、被害者であるあなたには一円も渡りません。実際に被害を回復する手段は、12条2項の差止請求と損害賠償(民法709条)、周知性があれば不正競争防止法2条1項1号です。13条はあくまで看板役の制裁規定にすぎません。
苦労して育てた店名やブランドを、近所に開いた別の店がそっくり真似して使い始めた。客が混同して向こうに流れていく。腹は立つが、何ができるのか。商法13条はその答えの一部だ。商法12条1項は「不正の目的で、他の商人と誤認されるおそれのある名称・商号を使ってはならない」と定め、13条はこれに違反した者に100万円以下の過料を科す。だが誤解してはならない点が二つある。第一に、過料は刑罰ではない。前科のつかない秩序罰(軽い行政的な制裁金)だ。第二に、本当の武器は過料ではない。過料は国庫に入るだけで、被害を受けたあなたの懐は一円も潤わない。あなたが動かすべきレバーは、12条2項の差止請求(使用そのものをやめさせる)と損害賠償、そして周知性があれば不正競争防止法だ。13条は看板役で、実弾は別の条文に込められている。
商法13条は商号冒用に対する過料を定める規定であり、12条1項に違反して不正の目的で他の商人と誤認されるおそれのある商号を使用した者に、100万円以下の過料を科す。過料は前科を伴わない秩序罰であり、刑事罰とは区別され、裁判所が非訟事件手続により職権で科す行政的制裁である。
不正の目的で、他の商人と誤認されるおそれのある名称・商号を使う行為です。商法12条1項が禁止し、13条が違反者に100万円以下の過料を科します。
過料は前科のつかない秩序罰(行政的制裁金)で、罰金は刑罰です。商法13条は過料なので、科されても前科にはならず、国庫に納付されます。
支払われません。過料は全額が国庫に入り、商号を真似された被害者の損害填補にはなりません。回復には差止と損害賠償が必要です。
できます。商法12条2項により、使用によって利益を侵害される商人は侵害の停止・予防(差止)を請求できます。過料より実効的な手段です。
民法709条の不法行為に基づき損害賠償を請求できます。周知性があれば不正競争防止法による賠償の方が立証が通りやすい場面が多いです。
商法12条は『不正の目的』の立証が必要ですが、不正競争防止法2条1項1号は商号の周知性を示せば相手の目的を問わず差止・賠償に進めます。
登記が通っても適法とは限りません。不正の目的があれば商法12条・会社法8条違反、周知表示なら不正競争防止法違反を問われます。
安全とは言えません。現行登記は同一住所の同一商号以外の類似商号をほぼ審査せず、登記後も12条違反や不競法違反を問われる余地が残ります。
科せるのは過料(100万円以下)で、罰金ではありません。しかも過料は国庫に入り、被害者のあなたには渡りません。さらに過料は裁判所が職権で科すもので、実際に発動される例は多くないのが実情です。業界裏話ヒント:弁護士が本気で動かすのは商法12条2項の差止請求と損害賠償(民法709条)、周知性があれば不正競争防止法です。過料は「ついでに付くおまけ」程度に位置づけ、最初から実弾はそちらに込めて交渉に入る
商法12条1項は「不正の目的」を要件にするので、混同させて利益を得る意図の立証が鍵になります。看板の書体や配色、立地、SNSでの言及など、わざと寄せた痕跡を集めてください。業界裏話ヒント:「不正の目的」の立証が難しいときは、自分の商号に周知性さえあれば相手の目的を問わない不正競争防止法2条1項1号に切り替える。商法よりも不競法の方が通しやすい場面は実務で多い
登記が通ったことと適法であることは別問題です。現行の商業登記では、同一住所の同一商号でない限り類似商号はほぼ審査されません。登記後でも商法12条違反や不正競争防止法違反を問われる余地が残ります。業界裏話ヒント:開業前は、法務局の登記の前にまず商標と周知商号の調査をする。登記の可否は安全の証明にならない、というのを知っているかどうかで、後の紛争リスクが大きく変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商法13条:商号冒用に100万円以下の過料(秩序罰) | — |
| 誰に利益が及ぶか | 国庫(被害者には渡らない) | — |
| 発動の要件 | 12条1項違反=不正の目的+誤認のおそれ | — |
| 発動の主体 | 裁判所が職権で科す(当事者は請求できない) | — |
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