倉荷証券の所持人は、その倉荷証券を喪失したときは、相当の担保を供して、その再交付を請求することができる。この場合において、倉庫営業者は、その旨を帳簿に記載しなければならない。
要点商法608条は、倉荷証券の所持人が証券を喪失したとき、相当の担保を供して倉庫営業者に再交付を請求できると定める。倉庫営業者は再交付を帳簿に記載しなければならない。
Q · 倉荷証券を失くしたら、もう商品は引き出せないの?
担保を積めば再交付を請求できる
商法608条により、倉荷証券の所持人は証券を喪失しても、相当の担保を供すれば倉庫営業者に再交付を請求できます。倉庫営業者は再交付の事実を帳簿に記載する義務を負います。ただし再交付を受けても元の証券は法的に失効しないため、二重流通を防ぐには非訟事件手続法の公示催告・除権決定を別途申し立てる必要があります。担保は失くした証券が表章する商品価値に応じて求められます。
倉庫に預けた商品の引換券、それが倉荷証券だ。この一枚があれば商品を引き出せるし、裏書きすれば商品そのものを動かさずに転売も担保差入れもできる。問題は、その一枚を失くしたとき。ただの紙なら再印刷で済むが、有価証券はそうはいかない。失くした紙が誰かの手に渡れば、その人が善意なら商品を持っていかれかねない。だから商法608条は二段構えにした。あなたは「相当の担保」(後で元の証券が出てきて二重払いの危険が生じたときの保険となる供託金や保証)を差し入れれば再交付を請求できる。そして倉庫営業者は再交付の事実を帳簿に記載する義務を負う。誰がいつ再交付を受けたか、記録に残すことで二重流通の事故を防ぐ。失くした瞬間に詰む話ではない、出口は法律が用意している。
商法608条は倉荷証券の再交付を定める規定であり、証券を喪失した所持人が相当の担保を供することを条件に倉庫営業者へ再交付を請求でき、倉庫営業者はその旨を帳簿に記載すべき義務を負うことを規律する。有価証券たる引換証券の喪失という事故に、迅速な救済と取引安全の双方を両立させる仕組みである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
倉庫営業者が寄託物の返還請求権を表章して発行する有価証券です。これを引き換えなければ商品を引き出せず、裏書きによって商品を動かさずに譲渡や質入れができます。
寄託物を預かる倉庫営業者が、寄託者の請求に応じて発行します。米や農産物を扱う倉庫業者、物流倉庫、農協などが発行主体になります。
喪失した有価証券を法的に失効させる手続です。裁判所が公示催告で権利者の申出を促し、申出がなければ除権決定で元の証券を無効にします。非訟事件手続法が規律します。
倉荷証券は倉庫に保管中の物品を表章し、船荷証券は海上運送中の物品を表章します。いずれも引換証券・処分証券ですが、根拠条文と発行主体が異なります。
商品そのものを移動させずに、証券の裏書と交付だけで物品の権利を譲渡したり質入れしたりできます。在庫を担保に融資を受ける手段としても使われます。
法律上の固定期間はなく、担保の準備と倉庫営業者との合意次第です。担保が現金供託でなく保証状で足りるか事前に交渉すると、手続が早く進む場合があります。
受けられます。在庫を担保化する動産・債権担保融資(ABL)で、倉荷証券は信用の土台になります。証券を紛失すると与信枠そのものが揺らぐため管理が重要です。
失くした証券が善意の第三者に渡ると、その第三者に商品を持っていかれる危険が時間とともに高まります。再交付と公示催告を速やかに進めるべきです。
すぐ無条件で、とはいきません。商法608条は「相当の担保」の差入れを再交付の条件にしています。失くした証券が第三者の手に渡って二重に権利行使される危険に備えるためです。担保の額は表章する商品価値に応じて決まります。業界裏話ヒント:再交付を受けても元の証券は法的に生きたままです。安心しきって公示催告(非訟事件手続法)を怠ると、後から本物を持った善意の第三者に商品を持っていかれる穴が残ります
現金供託に限られません。実務では銀行の保証や保証状で代替できる場合があり、倉庫営業者との合意次第です。商品価値が高いほど担保も重くなるので、資金を寝かせない形を最初に交渉する価値があります。業界裏話ヒント:倉庫営業者は再交付に応じる一方、担保が不十分だと自らが二重責任を負うリスクを抱えます。だから担保の中身は双方の利害が一致する交渉点で、所持人側から保証状を提案すると話が早く進むことが多い
あります。608条後段は再交付の帳簿記載を義務付けています。記載を怠ると、後で元の証券を持つ第三者が現れたとき、誰にいつ再交付したかを立証できず、二重交付の責任を一身に負いかねません。業界裏話ヒント:この帳簿記載は形式的な事務ではなく、倉庫営業者自身の防御記録です。再交付時の本人確認資料と担保関係書類をセットで保存しておくと、紛争時に正当な手続を踏んだ証明になり、損害賠償の盾になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 608条:証券を喪失したときの再交付(紛失危機への救済) | — |
| 発動の要件 | 相当の担保の差入れ + 倉庫営業者による帳簿記載 | — |
| 残るリスクと次の一手 | 元の証券は失効しないため公示催告・除権決定が別途必要 | — |
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