倉庫営業者は、寄託者の請求により、寄託物の倉荷証券を交付しなければならない。
要点商法 600 条は、倉庫営業者が寄託者の請求により寄託物の倉荷証券を交付する義務を定める。倉荷証券は荷物を表す有価証券で、裏書譲渡により現物を動かさず所有権を移せる。
Q · 倉庫に荷物を預けたら、自動で倉荷証券がもらえるの?
いいえ。寄託者が請求して初めて交付されます。
商法 600 条により、倉庫営業者は寄託者の請求があったときに倉荷証券を交付する義務を負います。請求しなければ証券は発行されず、荷物は単なる保管物のままです。倉荷証券は荷物そのものを表す有価証券で、裏書譲渡すれば現物を動かさずに所有権を移転でき、銀行に差し入れて在庫担保融資(ABL)の担保にもできます。ただし倉荷証券を発行できるのは倉庫業法の許可を受けた業者に限られるため、預ける前に発行可否を確認することが重要です。
あなたが大量の米やコーヒー豆、金属を倉庫に預けたとする。多くの人は『預かり証』をもらって終わり、と思う。だが請求すれば受け取れる倉荷証券は、ただの預かり証ではない。荷物そのものを表す有価証券だ。倉荷証券を裏書きして相手に渡せば、倉庫の中の現物に一切触れることなく、その荷物の所有権が移転する(引渡証券性)。銀行に差し入れれば、現物を動かさずに融資の担保になる。海外のバイヤーに売るときも、紙一枚で取引が完結する。商法 600 条が定めるのは、寄託者(預けた側)がこの証券を『請求する権利』と、倉庫営業者がそれに『応じる義務』だ。あなたが請求しなければ証券は発行されない。請求して初めて、倉庫の中の荷物が、動かせる資産に変わる。
商法 600 条は、倉荷証券の交付請求権と倉庫営業者の交付義務を定める規定である。倉荷証券は寄託物を表章する有価証券であり、引渡証券性および文言証券性を備える。発行は寄託者の請求を要件とし、倉庫営業者が請求なく当然に発行するものではない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
倉庫に預けた荷物そのものを表す有価証券です。商法 600 条が交付請求権を定め、裏書譲渡により現物を動かさずに所有権を移転でき、担保にも供せます。
いいえ。倉荷証券を発行できるのは倉庫業法 13 条の許可を受けた倉庫業者だけです。許可のない倉庫では 600 条の請求権を行使しても証券は出てきません。
売れます。倉荷証券を裏書譲渡すれば、倉庫内の現物を一歩も動かさずに買主へ所有権を移転できます。物流コストをかけずに在庫を転売できます。
どちらも貨物を表章する引渡証券ですが、倉荷証券は倉庫に保管中の物、船荷証券は海上運送中の物を対象とします。倉荷証券は商法 600 条以下が規律します。
交付請求権自体に特別な時効規定はなく、寄託物が倉庫にある限り請求できます。なお倉庫営業者の責任に関する債権は、原則として出庫日から 1 年で時効にかかります。
寄託物の種類・品質・数量、寄託者・倉庫営業者の情報、保管場所、保管料などが必要的記載事項です(商法 601 条)。文言証券のため記載が証券関係を定めます。
旧法は処分用の預証券と質入用の質入証券に分ける複券主義でしたが、煩雑で取引実態に合わず、2018 年改正で倉荷証券一本の単券主義に統一されました。
できます。倉荷証券に質権設定の裏書をして交付すれば、現物を動かさずに質入れでき、在庫を担保にした資金調達が可能になります。
預かり証は単なる受領の証明ですが、倉荷証券は荷物そのものを表す有価証券です(商法 600 条)。裏書きして渡せば現物を動かさずに所有権が移り、銀行の担保にもできます。業界裏話ヒント:倉荷証券を発行できるのは倉庫業法 13 条の許可を受けた業者だけで、日本で実際に発行する倉庫は限られます。『倉荷証券で担保』を前提に取引するなら、預ける前に発行可否を確認しないと、後から証券化できず資金計画が崩れる
すぐ諦める必要はありません。一定の手続を踏めば再交付や荷物の返還を受けられます。ただし証券は有価証券なので、紛失時は公示催告・除権決定(非訟事件手続法)などの手続が必要で、時間がかかります。業界裏話ヒント:倉荷証券が第三者の手に渡り善意で取得されると、その人が正当な権利者になってしまう。紛失に気付いたら、再交付手続より先に倉庫業者へ即時連絡し引渡し停止を求めるのが実務上の鉄則
可能です。在庫を倉庫業者に預けて倉荷証券を発行してもらい、それを金融機関に差し入れる動産担保融資(ABL)の手法があります(商法 600 条以下)。業界裏話ヒント:不動産担保のない中小企業ほど、この『紙に変えた在庫』が資金調達の生命線になる。ただし倉庫業者の許可、在庫評価、二重担保の防止が前提。証券化に対応できる物流・金融パートナーを持っているかが、資金調達力の差になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律内容 | 商法 600 条:倉荷証券の交付請求権・交付義務 | — |
| 発生する権利義務 | 寄託者の交付請求権/倉庫営業者の交付義務 | — |
| 実務上の意味 | 在庫を動かせる資産に変える証券化の起点 | — |
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