海難に際し契約で救助料を定めた場合において、その額が著しく不相当であるときは、当事者は、その増減を請求することができる。この場合においては、前条の規定を準用する。
要点商法 794 条は、海難救助の契約で定めた救助料が著しく不相当なとき、当事者が増減を請求できると定める。判断には前条 793 条の危険度・結果・労力等の要素を準用する。
Q · 海で曳航してもらった後に届いた救助料の請求が高すぎる。サインしたら払うしかないの?
払う前なら「著しく不相当」として減額を請求できます
商法 794 条により、海難に際し契約で定めた救助料の額が著しく不相当であるときは、当事者はその増減を裁判所に請求できます。増減の基準は前条 793 条を準用し、危険の程度、救助の結果、要した労力と費用などを総合判断します。重要なのは、これは契約の無効ではなく金額の増減である点と、救助される側だけでなく安く買い叩かれた救助者の側からも増額を請求できる双方向の制度である点です。
エンジンが止まり、潮に流される小型ボート。通りかかった業者が「曳航してやる、料金は後で」と近づき、藁にもすがる思いでサインする。後日届いた請求書は法外な額。普通の契約なら「サインした以上は払え」で終わる。だが海の上は違う。商法794条は、海難に際し契約で定めた救助料が著しく不相当であるとき、当事者がその増減を請求できると正面から認める。窮迫した状況で足元を見られて結んだ契約を、後から覆せる数少ない明文規定だ。しかも増減の基準は前条793条を準用し、危険の程度、救助の結果、要した労力と費用、その他一切の事情を裁判所が総合判断する。つまり「サインしたから終わり」ではない。海難の現場で結ばれた契約には、最初から「後で見直す」という安全弁が組み込まれている。あなたが知っておくべきは、この安全弁は救助される側だけでなく、安く買い叩かれた救助者の側からも引けるということだ。
商法 794 条は海難救助における救助料の増減請求を定める規定であり、海難に際し契約で定めた救助料の額が著しく不相当である場合に、当事者がその増減を請求できる旨を規定する。増減の判断基準は前条 793 条を準用し、契約の効力自体は維持したまま金額のみを公正な水準へ調整する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
海難に遭った船や積荷を救助した者が、救助された側に請求できる報酬です。商法上の海難救助は契約の有無を問わず成立し、危険な状況での曳航などが対象になります。
商法 793 条が基準を定め、危険の程度、救助の結果、要した労力と費用、その他一切の事情を総合して決めます。固定の計算式はなく、事案ごとの総合判断です。
救助料債権は救助作業が終了した時から原則 2 年で時効消滅します。増減請求もこの期間内に行う必要があり、起算点は救助作業の終了時です(最新の改正状況をご確認ください)。
対象になり得ます。海難性が高い状況での曳航は海難救助として救助料の対象になります。穏やかな海での単なる燃料切れの曳航は通常の役務として低額で済む傾向があります。
商法 795 条が救助料の限度を定め、救助された物の価額が一つの上限の目安になります。価額を超える救助料は原則として認められません(現行効力を要確認)。
救助した船舶や積荷そのものに対し、救助料を優先的に回収できる担保権です。相手に資力がなくても、救助した財産から優先弁済を受けられる点が陸の役務代金と異なります。
通常の役務契約はサインで額が確定しますが、海難救助契約は商法 794 条により、額が著しく不相当なら後から増減を請求できる安全弁が組み込まれています。
「不成功無報酬(No Cure, No Pay)」を原則とする国際標準の海難救助契約書式です。救助料は後の仲裁で決まる仕組みで、日本の救助契約実務でも参照されます。
状況次第で取られる。商法上の海難救助は契約の有無にかかわらず成立し、危険な状況での曳航は救助料の対象になりうる(商法792条、793条)。ただの好意か報酬を伴う救助かは、危険の程度などで判断される。業界裏話ヒント:穏やかな海での単なる燃料切れの曳航は『海難救助』ではなく通常の役務として扱われ、低額で済むことが多い。逆に荒天・座礁・浸水など海難性が高いほど救助料は跳ね上がる。請求が来たら、まず当時の海象が本当に『海難』だったかを争点にできる
争う余地はあるが、難易度は上がる。794条の増減請求は支払いの前後を問わず理論上可能だが、任意に全額支払った事実は『不相当ではないと認めた』方向に働きやすい。業界裏話ヒント:実務では、支払い時に『金額に異議を留保する』旨を一筆書面で残すかどうかが決定的。異議を留保せず払うと、後の増減請求で『なぜあのとき払った』と必ず突かれる。払う前に専門家へ一本相談を入れるだけで立場が大きく変わる(最新の改正状況をご確認ください)
794条は増減を双方向に認めており、救助の危険や労力に対して額が著しく低ければ、救助者の側から増額を請求できる(商法794条、793条準用)。業界裏話ヒント:救助した船や積荷には救助料債権の先取特権が認められ、相手が払わなければその物から優先的に回収できる仕組みがある。『相手に資力がない』場合でも、救助した財産そのものを押さえる道がある点が、陸の役務代金とは決定的に違う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 794 条:救助料が著しく不相当なときの増減請求 | — |
| 適用の前提 | 契約で救助料を定めた + 額が著しく不相当 | — |
| 効果 | 金額の増減(契約は維持) | — |
| 上限・限界 | 793 条の要素を準用して総合判断 | — |
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