要点健康保険法167条は、事業主が被保険者の前月分の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除できると定める。退職により使用されなくなる月に限り、前月分とその月の分の二か月分を控除できる。
Q · 給与から引かれている健康保険料って、今月分ですか?
今月分ではなく前月分。退職月だけ二か月分引かれる。
健康保険法167条1項により、事業主が報酬から控除できるのは「前月の標準報酬月額に係る保険料」です。したがって毎月の給与から引かれているのは前月分であり、入社初月には引くべき前月がないため控除が生じません。ただし同項の括弧書きにより、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合に限り、前月分とその月の分の二か月分を控除できます。退職月の手取りが大きく下がるのはこの処理によるものです。賞与は同条2項により当該賞与から同時に控除され、控除したときは3項により計算書の作成と本人への通知が義務づけられます。
給与明細の「健康保険料」欄に載っている金額は、今月分ではない。先月分である。健康保険法167条1項が、事業主に控除を認めているのは「前月の標準報酬月額に係る保険料」だけだからだ。この一行が牙をむくのは退職のときである。同項の括弧書きは、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合に限って、前月分とその月の分、つまり二か月分をまとめて控除できると定めている。最後の給与で保険料が二回引かれて手取りが半分近くまで落ちるのは、経理のミスでも嫌がらせでもなく、この括弧書きどおりの処理である。さらに3項は、控除したら計算書を作成して本人に通知しなければならないと事業主に義務づけている。いくら、何を根拠に引いたのかを出せと言う権利は、あなたに最初から与えられている。
健康保険法167条は、保険料の源泉控除に関する規定である。事業主は、通貨で支払う報酬から被保険者負担分である前月の標準報酬月額に係る保険料を控除でき、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合は前月分とその月の分を控除できる。賞与については当該賞与から標準賞与額に係る保険料を控除する。控除した事業主には、計算書を作成し控除額を被保険者へ通知する義務が生じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
事業主が給与や賞与から被保険者負担分の健康保険料を天引きできる根拠条文です。控除できる範囲と、控除したときの計算書作成・通知義務を定めています。
167条1項が認めるのは前月分の控除です。ただし給与規程で当月控除方式を採る会社もあり、その場合は条文の外側の運用となるため、入社時に方式を確認しておくと混乱を防げます。
167条1項が認めるのは前月分の控除であり、過去の未控除分の一括回収までは含みません。労働基準法24条の全額払原則に戻るため、本人の同意なしに強行することはできません。
健康保険法159条の免除に該当する期間は保険料の徴収自体が行われないため、控除も生じません。免除には事業主からの申出が必要で、手続漏れがあると通常どおり引かれます。
資格喪失日は退職日の翌日です。月末退職ならその月の保険料が発生し最終給与から二か月分引かれますが、月末前日退職ならその月分は発生せず、代わりに国民健康保険料か任意継続保険料が生じます。
保険料の徴収権と還付を受ける権利の時効は2年(健康保険法193条)で、起算点は納期限の翌日です。会社に対する控除しすぎ分の返還請求は賃金として扱われ、時効の扱いが異なります。
保険者への納付義務を負うのは事業主であり(健康保険法161条2項)、被保険者本人ではありません。資格が有効である限り給付は受けられ、未納の責任は事業主が負います。
介護保険第2号被保険者に該当し、健康保険料に介護保険料が上乗せされるためです。控除の根拠は同じ167条で、標準報酬月額に介護分の料率を加えて計算されます。
問題ない。167条1項が認めるのは前月分の控除であり、入社初月には引くべき前月が存在しないためである。翌月から控除が始まる。業界裏話ヒント:会社によっては当月控除方式を採っており、その場合は初月から引かれる。転職時に前職が当月控除、現職が前月控除だと、一時的にどちらからも引かれない月や、逆に二重に引かれたように見える月が生じる。入社時に給与規程のどちらの方式かを確認しておくと、初回明細で慌てずに済む。
適法である。167条1項括弧書きが、被保険者がその事業所に使用されなくなった場合に限り、前月分とその月の分の控除を認めている。業界裏話ヒント:最終給与の額が小さくて二か月分を引ききれない場合、会社は不足分を別途請求してくる。振込額がマイナスになることは法的にありえないので、後から請求書が届いても不当請求ではない。逆に、退職金からの控除は原則想定されていないため、退職金から引かれていたら根拠を尋ねる価値がある。
ある。2項の控除対象となる標準賞与額には上限が設けられており、健康保険は年度(4月から翌年3月)累計573万円、厚生年金保険は1回あたり150万円が上限である(健康保険法45条)。業界裏話ヒント:健康保険側は年度累計なので、賞与を複数回に分けて支給しても上限額そのものは動かない。年度途中の転職や複数事業所勤務で保険者が変わる場合の累計の扱いは一律ではないため、高額賞与がある人は保険者に直接確認しておくと過払いを防げる。
3項は計算書の作成と控除額の通知を義務づけており、実務上は控除額を記載した給与明細の交付でこれを満たすと扱われている。業界裏話ヒント:明細に「健康保険料」と一括表示されていても、その裏には標準報酬月額の等級と料率がある。会社に求めれば等級は開示される。残業代が大きく減ったのに等級が据え置きだと、実態より高い保険料を払い続けることになる。等級の確認を年に一度やる人と、やらない人の差は、数年で十万円単位になる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 健保法167条:事業主が報酬・賞与から被保険者負担分を控除できる権限と通知義務 | — |
| 義務を負う者 | 事業主(控除は権限、計算書の作成・通知は義務) | — |
| タイミング | 月給は前月分、退職月は前月分+その月の分、賞与は当該賞与から同時に控除 | — |
| 逸脱したときの帰結 | 範囲外の控除(当月分の先取り・未控除分の一括回収)は労働基準法24条の全額払原則違反となりうる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。