要点健康保険法 92 条は、指定訪問看護事業者に事業所ごとの人員配置義務を課し、具体的な員数は厚生労働省令が定める。運営基準は厚生労働大臣が定め、その制定には中央社会保険医療協議会への諮問を要する。
Q · 訪問看護ステーションって、看護師を何人置けばいいんですか?
常勤換算 2.5 人以上。数字は条文ではなく省令にあります
健康保険法 92 条 1 項は員数を「厚生労働省令で定める基準に従い厚生労働省令で定める員数」と定めるのみで、数字自体を書いていません。実際の下限は指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準(平成 12 年厚生省令第 80 号)にあり、保健師・助産師・看護師・准看護師を常勤換算 2.5 以上、管理者は常勤の保健師または看護師とされています。基準を割った期間に受領した訪問看護療養費は、返還を求められる可能性があります。
訪問看護ステーションを開くのに、資本金の要件はない。だが看護師の頭数には、小数点まで刻まれた下限がある。健康保険法 92 条 1 項は、指定訪問看護事業者に対し「厚生労働省令で定める基準に従い厚生労働省令で定める員数」の看護師その他の従業者を置くことを義務づける。条文自体は数字を書かない。数字は省令(指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準)にあり、そこに保健師・助産師・看護師・准看護師を常勤換算 2.5 以上、管理者は常勤の保健師または看護師と書かれている。あなたが経営者なら、2.5 を割った月は指定基準違反であり、その期間に受け取った訪問看護療養費は返還を求められうる。あなたが利用者や家族なら、ステーションが突然「訪問回数を減らします」と言い出す理由の多くが、この数字の周辺にある。そして 2 項・3 項は、運営ルールを厚生労働大臣が定め、定める前に中央社会保険医療協議会に諮ると宣言している。診療報酬を決めるあの会議が、あなたの家に来る看護師の人数の下限も動かしている。
健康保険法 92 条は、指定訪問看護事業者の人員配置義務と運営基準の定立方法を規定する。1 項は訪問看護事業所ごとに厚生労働省令所定の員数の看護師その他の従業者を配置すべき旨を、2 項は運営に関する基準を厚生労働大臣が定める旨を、3 項は指定訪問看護の取扱いに関する部分の制定について中央社会保険医療協議会への諮問を要する旨を定める。
健康保険法 92 条 1 項の委任を受けた厚生労働省令が定める配置義務で、保健師・助産師・看護師・准看護師を常勤換算 2.5 以上、管理者は常勤の保健師または看護師とされています。
従業者全員の一週間の勤務延べ時間を、その事業所で定める常勤者の週所定労働時間で割って算出します。頭数ではなく比率で測るため、非常勤者の時間も積み上げて評価されます。
省令上、管理者は常勤の保健師または看護師とされています。准看護師は管理者になれません。管理業務のほか訪問業務を兼ねる場合の員数算入は、地方厚生局の運用に幅があります。
法人設立、事業所の確保、常勤換算 2.5 以上の人員確保を整えたうえで、地方厚生局へ指定訪問看護事業者の指定申請を行います。人員が揃わなければ申請の入口に立てません。
健康保険法 92 条 2 項により厚生労働大臣が定めます。国会の法改正を経ずに水準を動かせる構造で、医療提供体制の実情に合わせた可変装置として設計されています。
診療報酬改定を審議する厚生労働大臣の諮問機関で、支払側・診療側・公益の三者構成です。本条 3 項により、指定訪問看護の取扱いに関する運営基準も諮問の対象になります。
本条に固有の期間規定はありません。実務上は基準を割っていた期間が対象となり、月次の勤務実績が整っているほど範囲を絞れます。一般消滅時効(民法 166 条)が問題となります。
人員基準違反が直ちに取消につながるわけではなく、通常は報告徴収や個別指導が先行します。改善が見込めない場合や虚偽報告など悪質な事情があるときに取消・効力停止へ進みます。
数えられる。常勤換算とは、非常勤者の勤務時間の合計を常勤者の所定労働時間で割る計算方法で、省令(指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準 2 条)が求めているのは頭数ではなくこの比率である。業界裏話ヒント:管理者の勤務時間を員数に算入できるかは、管理業務専従か訪問業務にも従事しているかで扱いが分かれ、地方厚生局ごとに運用の幅がある。開設前に管轄厚生局へ事前相談し、回答者名と日付を残したメモを作っておくと、後の監査で決定的な防御材料になる。
直ちに取消にはならない。通常はまず報告徴収や個別指導が入り、改善が見込めない場合や虚偽報告など悪質な事情があるときに指定取消や効力停止へ進む。ただし取消にならなくても、基準を割っていた期間の訪問看護療養費は返還の対象になりうる。業界裏話ヒント:返還は「自主返還」という形式を取ることが多く、遡及する期間の設定には実務上の幅がある。月次の勤務実績が整っている事業所ほど期間を短く画定でき、記録が乏しい事業所ほど広く取られる。
根拠法は別で、医療保険側は健康保険法 92 条と厚生労働省令、介護保険側は介護保険法 74 条と都道府県の条例が基準を定める。ただし常勤換算 2.5 以上という中核部分は共通しており、実務では同じステーションが両方を担う。業界裏話ヒント:医療保険側では助産師も従業者に算入できるが、介護保険側の訪問看護では扱いが異なる。さらに給付の優先順位(原則は介護保険優先、厚生労働大臣が定める疾病等や特別訪問看護指示書の期間は医療保険)を取り違えると、レセプト返戻が積み上がる(最新の改正状況をご確認ください)。
調べられる。契約時に交付される重要事項説明書と運営規程には従業者の職種・員数や管理者が記載されており、閲覧を求めることもできる。指定の有無は地方厚生局が公表する指定訪問看護事業者一覧で確認できる。業界裏話ヒント:指定取消や効力停止の行政処分は厚生局のサイトで公表され、過去分も残る。事業所を選ぶ前にステーション名で検索すれば、パンフレットには絶対に載らない情報が数分で出てくる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 健保法 92 条:事業所ごとの人員配置と運営基準の定立方法 | — |
| 数字の所在 | 条文に数字なし。厚生労働省令(常勤換算 2.5 以上)へ全面委任 | — |
| 名宛人 | 指定訪問看護事業者(既に指定を受けた者の継続的義務) | — |
| 違反したときの効果 | 基準割れ期間の療養費返還、報告徴収・個別指導、悪質なら指定取消・効力停止 | — |
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