日本国憲法 第55条
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両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第55条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第55条の条文原文は「両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。」で始まります。
- 日本国憲法第55条は第四章 国会に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第55条の前の条は日本国憲法第54条です。
- 日本国憲法第55条の次の条は日本国憲法第56条です。
- 日本国憲法第55条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第55条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第55条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/55
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法55条は、両議院が各々その議員の資格争訟を自ら裁判すると定める。司法審査は及ばず、議席を失わせるには出席議員の三分の二以上の議決を要する。
Q · 議員の資格に問題があるとき、それを裁くのは裁判所ですか?
裁判所ではなく議院自身で、議席剥奪には三分の二が必要
日本国憲法55条により、両議院は各々その議員の資格に関する争訟を自ら裁判します。これは議院の自律権に属し、その結論には最高裁ですら司法審査を及ぼせません。ただし議員の議席を実際に失わせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決が必要です(同条但書)。過半数で気に入らない少数派議員を簡単に追い出せないようにする少数派保護の安全装置です。なお有権者が選挙の効力を争うルート(公職選挙法の選挙無効・当選無効訴訟)は別軌道で裁判所が扱います。
解説
裁判所がすべての法的争いを裁くと思っているなら、ここに穴がある。国会議員が「そもそも議員になる資格があったのか」を争うとき、その判断を下すのは裁判所ではない。衆議院なら衆議院が、参議院なら参議院が、自分たちの手で裁く。これを資格争訟の裁判(議員の資格の有無をめぐる紛争を、その議院が自ら判定する手続)と呼ぶ。被選挙権を失っていた、兼職禁止に触れていた、そういう資格の有無をめぐる争いだ。しかも一度議院が下した結論には、最高裁ですら口を出せない。司法権が及ばない数少ない聖域の一つである。さらに議員の議席を実際に奪うには、出席議員の三分の二という高いハードルを課した。多数派が気に入らない少数派議員を、過半数で簡単に追い出せないようにする安全装置だ。あなたが投票で選んだ議員を守るのも、不正な議員を排除するのも、この一文が握っている。
法的な位置づけ
日本国憲法55条は資格争訟の裁判を定める規定であり、各議院が自院の議員の資格の有無に関する争訟を自ら裁判する権限を有する旨を規定する。議院の自律権に基づき司法審査の対象外とされ、議席を失わせる議決には出席議員の三分の二以上の多数を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.争うべき制度(資格争訟か選挙無効か)を切り分ける 当選後の議員資格そのものを問うなら憲法55条の資格争訟(議院の管轄)、選挙の効力を問うなら公職選挙法の選挙無効・当選無効訴訟(裁判所の管轄)。入口を間違えると門前払いになるため、誰が・どの土俵で争うかを最初に確定する
- 2.資格争訟か懲罰除名(58条)かを区別する 「そもそも議員になる資格があったか」を問うのが資格争訟(55条)、「資格はあるが議院内で非行があった」ことへの制裁が除名(58条)。争点と立証対象がまったく異なるため、どちらの土俵かを明確にして主張を組み立てる
- 3.国会法111条以下に従い議院へ提起する 資格争訟は議院内部の手続として国会法111条以下に基づき提起する。実体面では被選挙権の喪失・兼職禁止違反など資格要件の充足/不充足を具体的事実で立証する
- 4.会派の票読みを固める(三分の二/三分の一) 議席を失わせるには出席議員の三分の二以上の議決が必要なため、提起側は三分の二を、防御側は三分の一を確保すれば足りる。司法への上訴という後戻りカードがないため、議決前の会派内説得が唯一最大の勝負所となる
よくある質問 AI による整理
Q1資格争訟の裁判とは何ですか?
議員の資格の有無をめぐる争いを、その議員が所属する議院自身が裁判する手続です。被選挙権の喪失や兼職禁止違反などが争点となり、裁判所は関与しません(憲法55条)。
Q2議員の議席を失わせるには何人の賛成が必要ですか?
出席議員の三分の二以上の多数による議決が必要です(憲法55条但書)。過半数では足りず、多数派が少数派議員を簡単に追い出せないようにする安全装置です。
Q3資格争訟は誰が申し立てられますか?
議院内部の手続で、国会法111条以下に基づき他の議員が争訟を提起します。有権者個人が直接申し立てる手続ではなく、有権者は別途裁判所の選挙無効・当選無効訴訟を用います。
Q4地方議員の資格も議会だけで決まりますか?
いいえ。地方議員の資格決定(地方自治法)には裁判所の審査が及びます。司法の外に置かれるのは国会議員だけで、ここに国政と地方の大きな違いがあります。
Q5資格争訟の手続は国会法の何条ですか?
国会法111条以下が資格争訟の裁判手続を具体化しています。憲法55条が原則を定め、国会法が提起・審査の実務的な流れを規律します。
Q6議員資格争訟に司法審査は及びますか?
原則として及びません。資格争訟の裁判は議院の自律権に属し、司法権を定める憲法76条の例外として、裁判所は介入できないと解されています。
Q7被選挙権を失っていた議員の当選はどうなりますか?
資格争訟で議院が資格なしと裁けば議席を失います(三分の二の議決要)。あわせて選挙の効力自体は公職選挙法の当選無効訴訟で裁判所が争うルートもあります。
Q8兼職禁止に触れると議員資格を失いますか?
兼職禁止違反は資格争訟の典型的な争点です。資格なしと判断され、出席議員の三分の二の議決があれば議席を失います。要件は公職選挙法等が定めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1議員の資格に問題があったら、私たち有権者は裁判所に訴えられないんですか?
有権者が争えるのは『選挙の効力』で、公職選挙法に基づく選挙無効・当選無効訴訟を裁判所に提起します。一方、当選後の議員資格そのものをめぐる争訟(憲法55条)は議院の専権で、有権者個人が直接申し立てる手続ではありません。実務のポイント:実務では、当選の効力を争う筋(裁判所)と議員資格を議院内で問う筋(議院)は別物として動きます。報道では混同されがちですが、どちらのルートかで戦う相手も期限も全く変わる
Q2資格争訟で議院が出した結論に、後から最高裁で文句は言えないんですか?
原則として言えません。資格争訟の裁判は議院の自律権に属し、その判断には司法審査が及ばないと解されています(憲法55条、76条の例外)。裁判所が立ち入らない数少ない領域の一つです。実務のポイント:同じ『議員資格』でも地方議会の場合は地方自治法上、裁判所の審査対象になります。国会議員だけが司法の外にあるという非対称は、統治構造を理解する鍵で、知る人と知らない人で議論の前提がずれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「議員の資格に問題があるなら裁判所に訴えればいい」と思いがちだが、国会議員に関してはそうではない。資格争訟の裁判は議院の専権であり、その結論に司法審査は及ばない。争う先は裁判所ではなく、議院そのものだ
- 「資格争訟と懲罰除名は同じもの」という問いの立て方自体が誤っている。55条の資格争訟は「そもそも議員になる資格があったか」を問うもの、58条の除名は「資格はあるが議院内で非行があった」ことへの制裁。入口がまったく違う。どちらも三分の二要件だが、戦う土俵が別だ
- あなたから見れば「過半数で議員を辞めさせられる多数決の世界」に見えるが、憲法から見れば「三分の二を集めなければ議席は奪えない少数派保護の世界」。この落差を知らないと、多数派が邪魔者を簡単に排除できると誤解したまま政治ニュースを読むことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 問われる対象 | 55条 資格争訟:そもそも議員になる資格があったか | 58条 除名:資格はあるが議院内の非行への制裁 地方自治法127条 地方議員の資格決定 |
| 裁く主体 | 所属する議院自身(衆議院/参議院) | 所属する議院自身(懲罰権) 地方議会(ただし裁判所の審査が及ぶ) |
| 可決要件 | 議席剥奪に出席議員の三分の二以上 | 除名に出席議員の三分の二以上 地方議会の議決(地方自治法) |
| 司法審査 | 及ばない(76条の例外) | 原則及ばない(議院自律権) 及ぶ(裁判所に出訴可能) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では議員資格・当選の効力をめぐる争いは原則として裁判所(当選無効訴訟)や罷免手続で処理され、議会自身が専属的に裁く構造ではない点が日本と対照的
韓国憲法64条は議員資格審査・除名を国会の権限とし、除名に再籍議員三分の二、かつ国会の処分に対し裁判所への出訴を認めない。司法審査排除まで含め日本55条にきわめて近い
ドイツは選挙審査(Wahlprüfung)を連邦議会の職務としつつ、その決定に対し連邦憲法裁判所への不服申立てを認める。司法審査を完全に排除する日本とは異なる
米国憲法は各議院を自院議員の選挙・返還・資格の裁判者とし、議員除名に三分の二を要する。本条の直接の理念的源流に当たる議会自律の原型
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが当選させた議員が、実は当選前に被選挙権を失っていたと判明したら、誰がそれを裁く? 裁判所ではなく、その人が所属する議院そのものだ。有権者のあなたが起こせる選挙無効訴訟(裁判所ルート)とは別軌道で、議院内部の争訟手続が動く
- あなたが新人議員として初当選した直後、対立会派から「あなたには兼職禁止違反があり、議員資格なし」と争訟を申し立てられた。あと数週間で議院の議決。出席議員の三分の二が議席剥奪に賛成しない限り議席は守られるが、その間あなたは資格を疑われたまま議場に立ち続ける
- 地方議会で同じ争いが起きたら話は逆になる。市議会議員の資格決定には裁判所の審査が及ぶ(地方自治法)。国会議員だけが司法の外にいる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず争うべきが『資格争訟』(憲法55条、議院の管轄)か『選挙の効力』(公職選挙法の選挙無効・当選無効訴訟、裁判所の管轄)かを切り分ける。入口を間違えると門前払い2. 当選後の議員資格そのものを問うなら議院に提起、手続は国会法111条以下3. 議席剥奪には出席議員の三分の二の議決が必要なので、法理の組み立てと並行して会派の支持を読む4. 議院の結論に司法審査が及ばない点を最初から戦略に織り込む
訴えられた側:1. 争いが資格争訟(55条)か懲罰除名(58条)かを確認、争点と防御がまったく異なる2. 資格争訟なら『議員資格の要件(被選挙権・兼職禁止)を満たしている』ことを実体で立証3. 議席を失わせるには三分の二の議決が要るため、三分の一の支持を固めれば防げる、票読みが防御の中心4. 裁判所への上訴はできないので、議場の一回の議決にすべてを賭ける構えで臨む
時効(請求できる期限):資格争訟の裁判そのものに憲法上の明文の出訴期間はないが、議席を失わせるには出席議員の三分の二の議決を要する(憲法55条但書)。なお選挙の効力を争う選挙無効・当選無効訴訟は公職選挙法上の出訴期間(選挙の日から一定期間内など)が別途あり、どのルートを選ぶかで期限が異なる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:資格争訟の裁判は議院の自律権に属し、その判断には司法審査が及ばないと解する。司法権を定める憲法76条の例外であり、議院内部事項への不介入原則を根拠とする。議席剥奪に三分の二を要する但書は少数派保護の趣旨と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により新設(公布1946年11月3日、施行1947年5月3日)。各議院による議員資格争訟の裁判権と、議席剥奪の三分の二要件を定める。以後改正なし。
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