日本国憲法 第56条
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- 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
- 2.両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第56条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第56条の条文原文は「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。」で始まります。
- 日本国憲法第56条は第四章 国会に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第56条の前の条は日本国憲法第55条です。
- 日本国憲法第56条の次の条は日本国憲法第57条です。
- 日本国憲法第56条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第56条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第56条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/56
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法56条は、両議院が総議員の三分の一以上の出席で議事を開き、出席議員の過半数で議決すると定める。可否同数のときは議長が決する。
Q · 国会で法律を可決するには、何人の議員の賛成が必要なの?
出席議員の過半数。定足数は総議員の三分の一です
日本国憲法56条により、両議院は総議員の三分の一以上の出席がなければ議事を開き議決できません(1項、定足数)。そのうえで議事は出席議員の過半数で決し、可否同数のときは議長が決します(2項)。逆算すると、衆議院465人なら155人の出席で会議が成立し、その過半数の78人の賛成で可決できます。つまり制度上は全議員の約六分の一の賛成でも法律が成立しうるのです。
解説
国会で法律が一本成立するのに、何人の議員の賛成が要ると思うだろうか。憲法56条はこう定める。各議院は総議員の三分の一以上が出席しなければ議事を開けない(1項、定足数)。議事は出席議員の過半数で決し、賛否同数のときは議長が決める(2項)。ここから逆算すると、衆議院465人なら155人の出席で会議が成立し、その過半数である78人の賛成で可決できる。全議員のおよそ六分の一だ。あなたが「国民の代表の多数が決めた」と信じている法律は、制度上はこれほど薄い多数でも通りうる。さらに『総議員』が法律上の定数なのか欠員を除いた現在数なのかは実務上解釈が分かれ、欠員が増えると定足数の母数そのものが争点になる。たった二項の手続規定が、日本の立法の正統性の厚みを静かに規定している。
法的な位置づけ
日本国憲法56条は、両議院の議事における定足数と表決の原則を定める規定である。1項は総議員の三分の一以上の出席を議事・議決の要件とし、2項は出席議員の過半数による議決と、可否同数の場合に議長が決する旨を規定する。憲法に特別の定めがある場合を除く一般則として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1国会の定足数とは何ですか?
議事を開き議決するために必要な最低出席人数のことです。憲法56条1項は両議院とも総議員の三分の一以上と定めます。衆院なら155人、参院なら83人が目安です。
Q2可否同数のときは誰が決めるのですか?
議長が決します(憲法56条2項)。普段は中立を保ち投票しない議長が、賛否同数の瞬間だけ決定権を握ります。引き分けでやり直しにはなりません。
Q3議長のキャスティングボートとは何ですか?
可否同数の場合に議長が持つ決定権のことです。憲法56条2項が根拠で、通常は投票しない議長が同数時のみ最終判断を下します。
Q4衆議院は何人の出席で議事を開けますか?
総議員465人の三分の一にあたる155人以上の出席が必要です(憲法56条1項)。これを下回ると議事を開き議決することができません。
Q5強行採決はなぜ有効に成立するのですか?
出席議員が総議員の三分の一を超えていれば、反対派が退席していても定足数を満たし、出席議員の過半数で可決できるからです(憲法56条)。
Q6牛歩戦術や本会議欠席は採決を止められますか?
出席を三分の一未満に追い込めば議事は開けませんが、与党が単独で定足数を超えていれば空振りに終わります。効くかは思想でなく出席数の算術で決まります。
Q7憲法56条と96条は何が違うのですか?
56条は通常の議決で出席議員の過半数、96条は憲法改正の発議で各議院の総議員の三分の二以上を要します。同じ国会でも事項により多数のハードルが全く違います。
Q8国会法49条は憲法56条とどう関係しますか?
憲法56条1項の定足数を法律レベルで具体化したのが国会法49条です。本会議は総議員の三分の一以上の出席を要すると定め、憲法の原則を実務化しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1定足数が足りないまま採決したら、その法律は無効になるんですか?
理屈の上では56条1項違反ですが、現実には無効になりにくい。最高裁は、法律が両院で可決され適法な手続で公布された以上、議事手続に瑕疵があったかを裁判所は審査しないとしました(警察法改正無効事件、最大判昭和37.3.7)。議院の自律を尊重する立場です。実務のポイント:つまり『定足数が足りなかった』と後から訴えても、裁判所は中身に立ち入らない。国会の手続違反を正す力は、司法ではなく選挙と世論にしかない。ここを知ると、議事ルールが裁判の問題ではなく政治の問題だと分かる
Q2『総議員の三分の一』って、欠員がいたら分母はどうなるんですか?
実務上、解釈が分かれています。法律で定めた議員定数を基準とする法定数説と、欠員を除いた現在の議員数を基準とする現在数説があり、衆参両院は法定数説を採用しています(衆議院465人、参議院248人)。実務のポイント:どちらの説を採るかで定足数の人数が変わり、欠員が多い時期には『議事は有効に開かれたか』が政治的な争点になりうる。56条のたった一行の裏に、数十年続く解釈論が眠っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「法律は国会議員の過半数の賛成で決まる」と思っている人が多いが、56条が要求するのは出席議員の過半数にすぎない。しかも定足数は総議員の三分の一。理論上は全議員の約六分の一の賛成で法律が成立しうる。あなたが想像する『過半数』と、制度上の『過半数』は、母数からして違う
- 「『総議員の三分の一』なんて単純な掛け算だ」と思いがちだが、その『総議員』が何を指すかで実務は割れている。法律上の議員定数を基準とする法定数説と、欠員を差し引いた現在数を基準とする現在数説があり、両院は法定数説を採る。一行の条文の裏に、母数をめぐる解釈論が横たわっている
- 賛否同数なら採決はやり直しになる、と考える人がいるが、56条2項は明確だ。可否同数のときは議長が決する。普段は中立を保ち投票しない議長が、その瞬間だけキャスティングボートを握る。引き分けという結末は、この条文には存在しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる議決 | 通常の議事・議決(一般則) | 法律案の議決(59条) 憲法改正の発議(96条) |
| 必要な多数 | 出席議員の過半数 | 原則は出席議員の過半数、衆院の再議決は出席議員の三分の二以上 各議院の総議員の三分の二以上 |
| 母数 | 出席議員(定足数は総議員の三分の一) | 出席議員 総議員(出席ではなく全議員が基準) |
| 正統性のハードル | 低い(薄い多数でも成立しうる) | 中(両院不一致時に衆院優越の特別多数) 高い(特別多数 + 国民投票が後続) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も立法院の議事定足数を総議員の三分の一とし、表決は出席過半数を原則とする点で日本に近い。具体的な定足数は職権行使法で具体化される。
韓国は議決定足数として在籍議員の過半数の出席を要求し、日本の三分の一より高い。表決は出席議員の過半数で、可否同数は否決とする点が日本と異なる。
ドイツは表決を投票の多数(Mehrheit)とし、議決能力(Beschlussfähigkeit)の定足数は基本法でなく連邦議会議事規則で過半数出席と定める。
米国は各院の定足数を過半数(majority)とし、日本の三分の一より高い。定足数を欠く場合の出席強制(compel attendance)の手続も規定する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし会期末の深夜、与党だけが議場に残り、野党が退席したまま採決が行われたら? 出席議員が総議員の三分の一を超えてさえいれば、その採決は有効に成立しうる。定足数さえ満たせば、反対派が物理的にその場にいなくても法律は通る。「強行採決」と報じられる場面の多くは、この算術の上に立っている
- 重要法案の採決前夜、野党が『定足数破り』で本会議を欠席する戦術を検討する。だが衆院465人のうち与党が単独で155人を超えていれば、この戦術は空振りに終わる。残された時間は数時間、戦術が効くかどうかは思想ではなく出席数の算術だけで決まる
- あなたが選挙で投じた一票が、ある議員を当選させた。その議員が閑散とした本会議場で投じる一票が、出席議員の過半数の一部になる。あなたの一票の射程は、そこまで伸びている
学説
法定数説(通説・両院採用):56条1項の『総議員』は法律で定めた議員定数(衆院465・参院248)を基準とする説。欠員があっても母数は定数のまま固定され、定足数の計算が安定する。衆参両院が採用している。
現在数説:『総議員』を欠員を差し引いた現在の議員数と解する説。欠員が多い時期には母数が下がり定足数も下がるため、議事の成立可否をめぐる解釈上の争点となりうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定・公布(1946年11月3日公布、1947年5月3日施行)に伴い56条として新設。両議院の定足数と表決の原則を定めた。以後、日本国憲法は一度も改正されていない。
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