日本国憲法 第85条
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国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第85条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第85条の条文原文は「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」で始まります。
- 日本国憲法第85条は第七章 財政に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第85条の前の条は日本国憲法第84条です。
- 日本国憲法第85条の次の条は日本国憲法第86条です。
- 日本国憲法第85条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第85条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第85条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/85
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法85条は、国費の支出と国の債務負担に国会の議決を必要とすると定める。内閣は国会の承認なく支出できず、国債発行も毎年度の議決を要する財政民主主義の規定である。
Q · 国はお金を使うとき、国会の許可がいるの?
はい。国費の支出も借金も国会の議決が必要です。
日本国憲法85条により、国費を支出すること、および国が債務を負担すること(国債発行など)には、国会の議決が必要です。内閣は予算を作成して提出できますが(86条)、実際に支出を許可する最終権限は国会にあります。これを財政民主主義と呼びます。予備費(87条)や暫定予算など限定的な例外はありますが、原則として政府は国会の承認なしに国庫から支出することはできません。
解説
毎年春、国会で予算をめぐる与野党の攻防がニュースになる。あなたはそれを政治家同士の駆け引きとして眺めてきたかもしれない。だが、その攻防の根拠がこの一文だ。憲法85条は、国がお金を使うこと(支出)も、借金をすること(国債発行などの債務負担)も、国会の議決がなければできないと定める。つまり、政府はあなたの税金を一円も勝手に使えない。使うには、あなたが選んだ国会議員の承認が要る。これを財政民主主義と呼ぶ。普段は意識しないが、コロナ禍の巨額支出、防衛費の増額、復興予算、そのすべてがこの一文を通過しなければ動かない。逆に言えば、政府が国会の議決なしに支出すれば、それは憲法違反になる。あなたが納めた税金の使い道に、あなたの一票が制度上つながっている、その回路を定めているのが本規定だ。
法的な位置づけ
日本国憲法85条は財政民主主義を具体化する規定であり、国費の支出および国の債務負担について、国会の議決を必要条件とする。財政処理の国会議決主義(83条)を支出面で受け、租税法律主義(84条)と対をなして、歳入歳出の双方に国民代表機関の統制を及ぼす。
よくある質問 AI による整理
Q1財政民主主義とは何ですか?
国の財政を国民代表機関である国会の統制下に置く原理です。憲法83条が総則を定め、85条が国費の支出と債務負担に国会の議決を要求して支出面で具体化します。
Q2憲法85条と83条はどう違いますか?
83条は財政処理全体を国会の議決下に置く総則的原則、85条はそれを受けて国費の支出と国の債務負担という具体的場面に国会の議決を要求する規定です。
Q3予備費は憲法の何条ですか?
87条です。国会があらかじめ一括して議決した枠内で内閣が裁量支出でき、事後に国会の承諾を得ます。85条の事前承認原則の限定的な例外です。
Q4国債の発行に国会の議決は必要ですか?
必要です。国債発行は「国が債務を負担する」行為として85条の対象で、毎年度の議決を要します。実務では特例公債法による半自動的な運用が続いています。
Q5国の予算は誰が作って誰が決めるのですか?
内閣が予算を作成して国会に提出し(86条)、国会が審議・議決します。作る人と許可する人が分かれている点が権力分立の核心です。
Q6税金の無駄遣いを裁判で止められますか?
国の財政には住民訴訟に相当する納税者訴訟がなく、一般市民が違憲性を直接争う原告適格は原則認められません。国レベルでは選挙が事実上の歯止めです。
Q7国費の支出を国会の議決なしに行ったらどうなりますか?
85条違反となり違憲です。ただし一般市民が抽象的に違憲性を争う訴訟の窓口は原則なく、政治的・選挙的な統制が中心になります。
Q8財政法と憲法85条はどういう関係ですか?
財政法は85条を具体化する実施法律で、4条が公債発行を原則禁止し、15条が国庫債務負担行為の国会議決を定めます。85条の原則を運用面で支えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1予算案が年度内に成立しなかったら、行政は止まってしまうんですか?
いいえ、暫定予算(財政法30条)でつなぎます。年度開始までに本予算が成立しない場合、内閣は一定期間分の暫定予算を組み、これも国会の議決にかけます。だから85条の原則は崩れません。実務のポイント:アメリカのような『政府閉鎖』が日本でほぼ起きないのは、この暫定予算制度があるから。ただし暫定予算も議決が要る以上、与党が衆院で多数を握っているかが事実上の鍵になる
Q2国の借金がこれだけ膨らんでるのに、誰も止められないのはなぜですか?
最大の理由は、財政法4条が本来禁じている赤字国債を、特例公債法という別の法律で毎年解禁し続けているからです。国債発行は85条で国会の議決が必要ですが、その議決が事実上の追認装置になっている。実務のポイント:財政法4条が原則禁止しているのに、毎年『特例』で例外を作り続ける。原則と例外が逆転したこの構造を知ると、『国会のチェック』という建前の限界が見えてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「お金の使い道を決めるのは政府(内閣)でしょ」と思いがちだが、内閣ができるのは予算を作って提出するところまで(憲法86条)。実際に支出を許可する最終権限は国会にある。作る人と許可する人は別、それが権力分立の核心だ
- 85条の存在自体は知っていても、その例外がどれだけ広いかは知られていない。予備費(87条)、暫定予算、毎年の特例公債法、これらの抜け道が常態化し、原則のほうが形骸化しつつある、その深刻さに気づいている人は少ない
- 「税金の無駄遣いは裁判で止めればいい」と考える人がいるが、その問いの立て方そのものに落とし穴がある。地方自治体なら住民訴訟(地方自治法242条の2)で住民が直接争えるが、国の財政には同等の納税者訴訟が存在しない。国レベルでは選挙が事実上唯一の歯止めになる、この落差を知らないと打つ手を見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 85条:国費の支出・国の債務負担 | 83条:財政処理一般の基本原則 86条:予算の作成と議決 |
| 国会の権限 | 支出・債務負担を議決により許可 | 財政処理全体を国会の議決下に置く 内閣提出予算を審議・議決 |
| 内閣の役割 | 議決を得てはじめて執行できる | 国会の統制に服する 予算を作成し国会に提出する |
| 例外・柔軟化 | 予備費(87条)・暫定予算(財政法30条) | — 衆議院の予算先議・優越(60条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
立法院が予算案を議決。立法委員は行政院提出の予算に対し支出増額を提議できない点で、議会の統制と行政の予算編成権を調整する
国会が予算案を審議・確定。政府は会計年度開始90日前までに予算案を提出する義務を負い、国会中心の財政統制という点で日本と類似
連邦の歳入歳出は予算法律で議決される。Art. 109・115の債務ブレーキ(Schuldenbremse)により債務負担に憲法上の量的制約を課す点が特徴
Appropriations Clause により、法律に基づく歳出承認なしに国庫から支出できない。議会の財布の権限(power of the purse)として行政を統制する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし政府が、国会の議決を経ずに数兆円を支出したらどうなる? それは憲法85条違反だが、ここに日本の落とし穴がある。国の財政について、一般市民や納税者には、その違憲性を裁判で直接争う資格(原告適格)が原則として認められていない。怒っても訴える窓口がない、という現実がある
- コロナ禍で『予備費10兆円』という言葉を聞いた。予備費は、国会が使い道を細かく決めずに政府に渡す財布だ(憲法87条)。85条の事前承認原則の限定的な例外であり、その膨張は財政民主主義の空洞化として批判されてきた
- あなたの世代やその子世代が将来返す国債。その発行も『国が債務を負担する』行為として85条の対象で、毎年国会の議決を要する。だが特例公債法という形で半ば自動的に通る運用が続き、歯止めが本当に効いているのかが問われている
学説
通説:85条は財政国会中心主義(財政民主主義)を支出面で具体化した規定と解される。83条の総則的原則を受け、国費の支出と国の債務負担に国会の事前議決を必要条件とする。予備費(87条)・暫定予算はその限定的例外と位置づけられ、これらの常態化が原則の形骸化として議論される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法の制定により新設。大日本帝国憲法下の財政協賛制から、国会の議決を必要条件とする財政民主主義へと転換。1947年5月3日施行。以後本条の改正はない。
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