日本国憲法 第86条
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内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 日本国憲法第86条は、日本の日本国憲法に含まれる条文です。
- 日本国憲法第86条の条文原文は「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」で始まります。
- 日本国憲法第86条は第七章 財政に置かれています。
- 日本国憲法の公布日は昭和21年11月3日です。
- 日本国憲法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 日本国憲法第86条の前の条は日本国憲法第85条です。
- 日本国憲法第86条の次の条は日本国憲法第87条です。
- 日本国憲法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION - 本サイト収録
日本国憲法(昭和二十一年憲法)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/321CONSTITUTION/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点日本国憲法86条は、内閣が毎会計年度の予算を作成・提出し、国会の審議を受け議決を経なければならないと定める。予算を最終決定する権限は国民の代表たる国会にある。
Q · 国の予算って、結局だれが最終的に決めているの?
内閣が予算を作り、国会の議決で最終決定します
日本国憲法86条により、予算を作成して提出するのは内閣ですが、その金額を承認し執行を認める最終決定権は国会にあります。内閣はどれだけ巨額の予算案を組んでも、国会の議決という関門を通らなければ一円も執行できません。これを財政民主主義と呼びます。さらに予算は毎会計年度ごとに作り直す単年度主義が貫かれ、内閣が一度承認された予算を翌年も使い回すことはできず、毎年あなたの代表に承認を取り直す仕組みになっています。
解説
毎月の給与明細で天引きされる所得税、買い物のたびに払う消費税。その膨大な金の使い道を、最終的に誰が決めているのか。憲法86条の答えは明快だ。予算を作って提出するのは内閣だが、その金額を承認し、使ってよいと最終決定するのは国会、つまりあなたが選挙で選んだ議員たちである。内閣はどれだけ巨額の予算案を組んでも、自分の判断だけでは一円も執行できない。国会の議決という関門を通って初めて、国家の財布が開く。これを財政民主主義と呼ぶ。さらに予算は毎会計年度ごとに作り直す単年度主義が貫かれ、内閣が一度承認された予算を翌年も使い回すことはできない。毎年、国民の代表に承認を取り直す仕組みだ。あなたの税金が議会の同意なしに使われることは、この条文がある限り起こらない。
法的な位置づけ
日本国憲法86条は予算の議決を定める規定であり、内閣が毎会計年度の予算を作成して国会に提出し、その審議と議決を経なければならないとする。予算の作成権を内閣に、確定権を国会に分属させることで財政民主主義を制度化し、あわせて会計年度ごとに承認を取り直す単年度主義を基礎づける規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.予算案の所在と日程を把握する 毎年度の予算案は財務省サイトと国会会議録で公開される。来年度予算案がいつ閣議決定され、いつ国会へ提出され、衆議院予算委員会の審議日程がどうなっているかを確認し、3月末の成立見込みを押さえる
- 2.事前統制のチャネルを使う 予算成立前の段階なら、パブリックコメント、選挙、地元議員への意見提出が事前統制の入口になる。特定の事業への賛否は予算委員会の審議が山場になる前に届けるのが効果的
- 3.事後監視のルートを選ぶ 支出の妥当性を争うなら、単発の違法主張より制度ルートが動かしやすい。国レベルは決算審議(憲法90条)と会計検査院の検査報告、情報公開法に基づく行政文書開示請求を使う
- 4.地方財政は住民監査・住民訴訟で 国ではなく自治体の支出が対象なら、地方自治法242条以下の住民監査請求、なお不服なら住民訴訟という直接の手段がある。国レベルより個人が動かしやすい
よくある質問 AI による整理
Q1国の予算はいつ決まるの?
通常は前年度中に内閣が予算案を国会へ提出し、3月末までに議決して4月1日の新年度開始に間に合わせます。間に合わない場合は暫定予算で対応します。
Q2財政民主主義とは何ですか?
国の財政処理には国民代表である国会の議決が必要だという原則です。憲法83条が総則を、86条が予算の議決を、84条が租税を、85条が国費支出を定めます。
Q3予算と決算の違いは何ですか?
予算は事前に支出の計画を国会が議決するもの、決算は事後に実際の支出結果を国会が審査するものです。決算は憲法90条が会計検査院の検査を経て国会に提出すると定めます。
Q4予算が年度内に成立しないとどうなりますか?
完全には止まりません。内閣は財政法30条に基づき暫定予算を編成し、本予算成立までのつなぎとします。暫定予算にも国会の議決が必要です。
Q5国会は内閣の予算案を否決できますか?
できます。否決されれば内閣は組み直して再提出するか、暫定予算でしのぐか、最終的には衆議院を解散して民意を問うことになります。予算否決は政権の命取りになりえます。
Q6補正予算とは何ですか?
当初予算成立後に、災害や経済対策など予見できない事情で追加・修正が必要になった際に組む予算です。本予算と同じく国会の議決が必要です。
Q7予備費とは何ですか?
予見できない支出に充てるため、憲法87条に基づきあらかじめ計上しておく費目です。内閣の責任で支出できますが、事後に国会の承諾を得る必要があります。
Q8予算の議決で衆議院の優越とは何ですか?
予算は憲法60条により衆議院に先議権があり、参議院と異なる議決をした場合は両院協議会を経て、なお不一致なら衆議院の議決が国会の議決となります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも予算って法律なんですか?
実は、これは実務上、解釈が分かれている論点です。通説の予算法形式説は、予算を法律とは別の独自の国法形式と捉えます(86条)。予算法律説や行政説もあり決着していません。実務のポイント:この区別は試験で頻出なだけでなく現実にも効きます。予算と、その執行を裏づける個別の法律がねじれて片方だけ成立する「予算と法律の不一致」が起きると、政府は予算があっても金を使えない。予算成立イコール即執行可能、とは限らないのです
Q24月1日までに予算が決まらなかったら、国は止まるんですか?
完全には止まりません。内閣は財政法30条に基づき、本予算成立までのつなぎとして暫定予算を組めます(憲法86条の趣旨を受けた仕組み)。暫定予算にも国会の議決が必要です。実務のポイント:日本で米国型の政府閉鎖がほぼ起きないのは、この暫定予算が毎回ぎりぎりで通っているからにすぎません。逆に暫定予算すら否決される異常事態になれば、公務員給与や各種給付の支出根拠が一時的に消える。「予算は毎年自動で続く」という思い込みは、この一点で崩れます
Q3国会は内閣の予算案を勝手に増やしたりできるんですか?
減額修正は基本的に自由ですが、増額修正には限界があるというのが実務の理解です(86条、財政法19条)。内閣の予算提出権を侵さない範囲、という制約がかかります。実務のポイント:だから野党は予算を「削る」方向では戦いやすいが、「この事業に金を足せ」とは簡単に言えない。予算闘争が減額や組み替え要求に偏るのは、この増額修正の限界という見えないルールがあるからです
間違えやすい点 AI による整理
- 「予算は内閣が決めるもの」と思い、ニュースの予算案を政府の決定として受け取っている人が多い。だが問いの立て方が逆だ。86条が内閣に与えているのは予算を作って提出する権限までで、金額を確定させる決定権は国会にしかない。内閣の予算案は、あくまで国会への提案にすぎない
- 予算が年度内に成立しないことがある、という話は知られている。だがその深刻さは正しく理解されていない。4月1日までに予算が議決されず、暫定予算も組まれなければ、公務員の給与も、生活保護費も、各種事務費も支出の法的根拠を失う。アメリカの政府機関閉鎖が他人事に見えるのは、日本では暫定予算という応急処置がほぼ毎回ぎりぎり間に合っているからにすぎない
- 「予算は法律と同じだ」と思っている人もいるが、予算が法律そのものなのか、法律とは別の特殊な国法形式なのかは、実務上、解釈が分かれている論点である。通説は予算を法律とは異なる独自の法形式と捉える予算法形式説に立つ。この違いは、国会が予算をどこまで修正できるか、予算と法律が食い違ったときどうなるか、という現実問題に直結する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する局面 | 86条:予算の作成・提出・議決(歳出全体の事前承認) | 84条:租税法律主義(歳入=税の賦課徴収) 85条:国費支出・国の債務負担の国会議決 |
| 誰に何を課すか | 内閣に予算作成・提出義務、国会に議決権 | 新たな課税・税率変更には法律の根拠を要求 支出と債務負担に国会の議決を要求 |
| キーワード | 財政民主主義・単年度主義・予算法形式説 | 課税要件法定主義・遡及課税の禁止 支出統制・国庫債務負担行為 |
| 例外・関連 | 87条の予備費、財政法30条の暫定予算 | 地方税は地方税法+条例 継続費・繰越明許費(財政法14条の2以下) |
他国ではどう定めているか 4 か国
行政院が予算案を提出し立法院が議決する点は日本と同構造。70条は立法院が支出予算を増額提案できないと定め、日本の増額修正の限界論と通底する。
政府が予算案を編成・提出し国会が審議・確定する。57条は国会が政府同意なく支出予算各項の金額を増額できないと明文化し、増額修正を日本より厳格に制限する。
予算は予算法律(Haushaltsgesetz)の形式で議決される点が日本と異なり、ドイツは予算法律説に近い制度設計をとる。
国庫からの支出は法律による歳出承認(appropriation)がなければ認められないとし、議会の財布の権限を明示。承認が切れると政府機関閉鎖が起きる点が日本の暫定予算制度と対照的。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 年度末の3月、予算案が参議院でもめて議決が4月1日に間に合わない恐れが出てきた。このままでは新年度に国の支出の法的根拠が消える。残された道は暫定予算を急いで組むこと。ニュースが「予算成立は綱渡り」と報じるのは、この86条の議決という関門がまだ越えられていないからだ。あと数日で年度が変わる
- もし国会が内閣の予算案を丸ごと否決したら、国家は止まるのか。答えは、内閣は予算案を組み直して再提出するか、暫定予算でしのぐか、最終的には衆議院を解散して民意を問うことになる。予算の否決は政権の命取りになりうる、それほどこの条文は重い
- あなたが当選したての国会議員として、初めての予算委員会に臨む。質問時間の大半が予算の中身ではなく大臣のスキャンダル追及に使われるのを見て戸惑う。だが先輩議員は言う。予算という金の蛇口を握っているからこそ、それを人質に政府を追及できるのだと
- テレビに「令和◯年度予算成立」の速報が流れる。隣にいた人が「で、それ何の話?」と聞く。あなたは、内閣の案を国会が議決した瞬間で、これで4月から国の金が動くと一言で説明できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 税金の使い道に疑問があるなら、まず国の財政は事後にも監視できると知る。会計検査院の検査報告と決算(憲法90条)の国会審議が監視の入口2. 国レベルは情報公開法に基づく行政文書の開示請求、地方自治体レベルは住民監査請求・住民訴訟(地方自治法242条以下)という直接の手段がある3. 予算成立前の段階なら、パブリックコメント、選挙、議員への働きかけが事前統制のチャネル4. 個別の支出の違法を単発で争うより、決算と監査という制度ルートの方が現実に動かしやすい
訴えられた側:1. 行政の予算執行に関わるなら、単年度主義の制約を最優先で意識する。年度をまたぐ支出は繰越明許費・継続費など例外手続(財政法14条の2以下)を踏まなければ違法2. 議決された予算の費目を勝手に流用することは原則禁止、流用には所定の手続が要る3. 予見できない支出は予備費(憲法87条)で対応するが、事後に国会の承諾が必要4. 「予算があるから使える」ではなく「議決された目的と金額の範囲でしか使えない」が鉄則
時効(請求できる期限):憲法86条自体に時効はない。ただし予算は会計年度独立の原則(財政法12条)に服し、各年度の予算は当該年度内(4月1日から翌年3月31日)に執行するのが原則。新年度予算は前年度中に国会へ提出し議決を経る必要があり、3月末が事実上の期限となる
学説
予算法形式説(通説):予算を法律とは異なる独自の国法形式と捉える立場。予算は政府を拘束する国法であるが法律そのものではないとし、国会の予算修正権の限界や予算と法律の不一致の処理を説明する。予算法律説・行政説と対立する。
財政民主主義・単年度主義:83条の財政国会中心主義を86条が予算面で具体化したとする理解。予算の作成権を内閣に、確定権を国会に分属させ、会計年度独立の原則(財政法12条)により毎年承認を取り直させることで、効率と民主的統制を均衡させると説く。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.明治22年(1889年) 前身:大日本帝国憲法64条が国家の歳出歳入を毎年予算として帝国議会の協賛を経るべきと定め、予算議決主義の前身となった。
- 2.昭和21年(1946年) 新設:日本国憲法制定により86条として規定。財政民主主義と単年度主義を明確化し、財政法(昭和22年)が暫定予算・予備費・継続費などの実施手続を具体化した。
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