労働基準法 第116条(適用除外)
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- 第一条から第十一条まで、次項、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条の規定を除き、この法律は、船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条第一項に規定する船員については、適用しない。
- 2.この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。
この条文の基本情報
適用除外とは何ですか?
定義適用除外とは、労働基準法第116条に定められた規定で、「第一条から第十一条まで、次項、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条の規定を除き、この法律は、船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条第一項に規定する船員に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第116条(適用除外)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第116条の条文原文は「第一条から第十一条まで、次項、第百十七条から第百十九条まで及び第百二十一条の規定を除き、この法律は、船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条第一項に規定する船員に…」で始まります。
- 労働基準法第116条は第十二章に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第116条の前の条は労働基準法第115条の2です。
- 労働基準法第116条の次の条は労働基準法第117条です。
- 労働基準法第116条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第116条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第116条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/116
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法116条は、船員、同居の親族のみを使用する事業、家事使用人について同法の適用を除外する規定。家庭が直接雇う家事使用人には残業代や有給の規定が及ばない。
Q · 家政婦を個人で雇ったら、残業代や有給は払わなくていいの?
家庭が直接雇う家事使用人なら労基法は適用されません
労働基準法116条2項により、個人の家庭が直接雇用する家事使用人には、同法(残業の割増賃金、労働時間の上限、有給休暇など)が適用されません。ただし『労基法上は』という意味で、雇用契約(民法623条)で合意した労働条件を守る義務は残り、安全配慮義務(労働契約法5条)も及びます。同じ家事でも家事代行会社に雇われて派遣される人は会社の労働者として労基法でフル保護されるため、契約の相手が個人か会社かが分かれ道になります。
解説
家政婦さんを自宅に直接雇い、朝から晩まで働いてもらっているのに、残業させても割増賃金を払っていない。実はそれ、労働基準法の世界では合法だ。116条2項は、家事使用人(個人の家庭が直接雇う家政婦や住み込みの世話人)と、同居の親族だけを使う事業には、この法律をまるごと適用しないと定めている。1日8時間の上限も、割増賃金も、有給休暇も、法律上は及ばない。ところが、同じ料理や掃除でも、家事代行会社に雇われて派遣される人は会社の労働者だから労基法でフルに守られる。雇い主が「個人」か「会社」か、その一点だけで、同じ労働をしていても守られ方が天と地ほど変わる。あなたが家事使用人を雇う側でも、働く側でも、この見えない線引きを知らないと、片方は思わぬ責任を、もう片方は丸腰の労働を背負うことになる。
法的な位置づけ
労働基準法116条は、同法の適用除外を定める規定である。第1項は船員法に規定する船員について大半の条文の適用を除外し、第2項は同居の親族のみを使用する事業および個人家庭が直接雇用する家事使用人について同法全体を適用しないものとする。労働者保護法規の人的・事業的適用範囲を画定する境界規定として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1労働基準法の適用除外とは何ですか?
労基法が及ばない人や事業のことです。116条は船員(船員法で別途規律)、同居の親族のみを使用する事業、家事使用人の3つを適用除外と定めています。
Q2家事使用人は労働基準法の対象外ですか?
個人の家庭が直接雇った家事使用人は116条2項で対象外です。ただし家事代行会社に雇われて派遣される人は会社の労働者なので、労基法がフルに適用されます。
Q3同居の親族のみを使用する事業とは?
経営者と同居する親族だけで営む家業です。親族以外を一人でも雇った瞬間、事業全体が労基法の適用対象に切り替わります。
Q4船員に労働基準法は適用されますか?
船員法上の船員には、116条1項により労基法の大半が適用されません。代わりに船員法が労働時間や災害補償などを規律します。
Q5家事使用人に労災保険は使えますか?
個人家庭が直接雇った家事使用人は原則として労災保険の対象外です。過労死でも労災が認められなかった裁判例があります。会社経由なら会社の労災が使えます。
Q6家事代行と家政婦は労働法上どう違いますか?
家事代行会社に雇われて派遣される人は会社の労働者で労基法がフル適用。家庭が直接雇う家政婦は家事使用人扱いで適用除外。契約の相手が分かれ道です。
Q7家事使用人の未払い賃金は請求できますか?
労基署は動けませんが、雇用契約(民法623条)に基づき未払い賃金を、安全配慮義務違反(労働契約法5条)に基づき損害賠償を民事で請求できます。
Q8家事使用人の保護は今後変わりますか?
適用除外の見直し議論が進んでいます。改正の動向は厚生労働省の審議会資料などで確認できますが、現時点では適用除外が維持されています(最新の動向をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家政婦さんを雇っているんですが、残業代って本当に払わなくていいんですか?
家庭が個人として直接雇った家事使用人であれば、労基法116条2項により割増賃金の規定は適用されません。ただし『労基法上は』という意味で、雇用契約(民法623条)で合意した労働条件は守る義務があります。実務のポイント:家事代行会社に登録している人を頼んでいる場合、その人はあなたの家事使用人ではなく会社の労働者です。残業代を払う義務は会社が負うので、自分が直接雇っているのか会社に頼んでいるのか、契約書の相手の名義を確認するのが最初の一手
Q2家政婦が仕事中に大怪我をしたら、労災は使えますか?
家庭が直接雇った家事使用人は労災保険の対象外が原則で、労災給付は受けられないのが通常です(東京地判令和4年9月29日も家政婦の過労死で労災を認めませんでした)。実務のポイント:ただし家事代行会社経由なら会社の労災が使え、雇い主には安全配慮義務(労働契約法5条)があるので、危険な環境で働かせて怪我をさせれば労災とは別に民事の損害賠償を請求できます。労災が下りない=何ももらえない、ではない(最新の改正状況をご確認ください)
Q3家族経営の店ですが、労働基準法は気にしなくていいですか?
同居の親族『のみ』を使っている事業なら116条2項で適用除外です。しかし親族以外を一人でも雇えば、事業全体が労基法の適用対象に切り替わります(労働者の範囲は労基法9条で判断)。実務のポイント:『同居』『親族』の判定は実態で見られます。別居の親族や、形式上は家族でも実態が一般従業員と同じ人は労働者として扱われ、労基法が適用されることがある。家族だから大丈夫と油断すると、未払い残業代を一気に請求される
間違えやすい点 AI による整理
- 「家事の仕事だから労働基準法で守られている」と当然のように思っているが、問いの立て方そのものが違う。守られるかどうかを決めるのは仕事の中身ではなく、誰に雇われているかだ。家事代行会社を経由すれば守られ、家庭が直接雇えば守られない。同じ料理や掃除でも、契約の相手が分かれ道になる
- 家事使用人が労基法の外にあることは知っていても、その深刻さを甘く見ている人が多い。労災保険も原則として適用されず、過労で倒れても労災が認められなかった裁判例がある(東京地判令和4年9月29日、家政婦の過労死をめぐる事件)。守られないとは、最悪の場合、命の補償すら受けられないという意味だ
- 「同居の親族だけの家業なら労基法は一生関係ない」と安心している経営者がいるが、親族以外を一人でも雇った時点で、事業全体が労基法の適用対象に切り替わる。家族経営の店にアルバイトを一人入れた瞬間、ルールが丸ごと入れ替わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 労基法116条:船員・同居親族のみの事業・家事使用人(適用除外) | 労基法9条:事業に使用され賃金を支払われる者(適用対象の労働者) 船員法1条:船舶に乗り組む船長・海員等(船員法で規律) |
| 適用される保護 | 労基法の労働時間・割増賃金・有給・労災等は及ばない | 労働時間の上限・割増賃金・有給休暇等がフル適用 船員法独自の労働時間規制・災害補償が適用 |
| 残る義務・救済ルート | 雇用契約(民法623条)・安全配慮義務(労働契約法5条)は残り、民事請求が可能 | 労基署による監督・是正勧告・罰則 地方運輸局・船員労務官による監督 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も勞基法の適用範囲を業種で画定し、家事服務業等を実質的に適用外とする。私的家庭労働を労働監督の外に置く構造は日本と類似する。
韓国も同居の親族のみを使用する事業と家事使用人を適用除外とする。条文構造が日本とほぼ並行し、近年は家事労働者保護の特別立法で穴を埋める動きがある。
米国の FLSA は家事労働者を原則カバーしつつ、付添い介護(companionship services)などに個別の適用除外を設ける。日本のような全面除外ではなく類型ごとの限定除外が特徴。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が倒れて、住み込みで介護してくれる人を個人で雇った。もし、その人が過労で倒れたら、あなたは労災で守ってあげられるのか。答えは原則ノーだ。家事使用人は労災保険の外にいる。だが安全配慮義務(雇い主がプロとして払うべき安全への配慮、労働契約法5条)は残るので、あなた個人が損害賠償を背負う側になりうる
- 住み込みの家政婦として働いて三か月、休みは月に二日、残業代は一円もなし。我慢の限界が来て労基署に駆け込んだら「家事使用人は管轄外」と門前払い。あと数日で家を出るか決めなければならないが、泣き寝入りするしかないと思い込んでいないか
- 家族だけで営む小さな食堂に、初めて他人のアルバイトを一人雇った。その瞬間、店は労基法の適用事業に変わる。タイムカードも割増賃金も、昨日まで不要だったルールが今日から必要になる
- 技能実習や特定技能で来日し、個人宅で住み込みの家事や介護をしている外国人。労基法の保護が及ばない隙間に置かれやすく、長時間労働や賃金未払いが起きても声を上げにくい。誰が守るのかという問いが、制度の穴をそのまま映している
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分が『家庭に直接雇われた家事使用人』か『会社に雇われて派遣された労働者』かを確認、契約書や給与の支払元の名義を見る2. 会社経由なら労基法がフル適用なので、労基署に相談できる3. 家庭に直接雇われている場合、労基署は動けないが、雇用契約(民法623条)と労働契約法5条の安全配慮義務を根拠に、未払い賃金や損害賠償を民事で請求できる4. やり取りの記録(勤務時間メモ、LINE、給与明細)を確保し、法テラスや労働相談窓口へ
訴えられた側:1. 雇っている相手が家事使用人に当たるか実態で判断、家事代行会社から来た人なら、あなたではなく会社が使用者責任を負う2. 家事使用人でも雇用契約上の合意(賃金、休日)は守る義務があり、勝手に踏み倒せば民事で請求される3. 安全配慮義務(労働契約法5条)は適用除外の外なので、危険な環境で働かせない4. 同居親族のみの事業を称するなら、親族以外を雇った瞬間に労基法が全面適用されることを忘れない
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし未払い賃金等の請求は、当面の間3年(労働基準法115条の経過措置、本則は5年)、安全配慮義務違反による損害賠償は債務不履行として一般消滅時効(民法166条、権利行使できると知った時から5年または権利行使できる時から10年。生命・身体の侵害は20年)が起算点となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説・立法趣旨:116条2項の適用除外は、家庭という私的領域への労働監督の介入を控える趣旨と、家庭内労働が時間管理になじまないという前提に基づく。もっとも家事使用人が孤立して長時間労働や賃金未払いに陥りやすい実態から、適用除外の見直しを求める議論が有力化している(最新の動向をご確認ください)。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法の制定時から、船員・同居の親族のみを使用する事業・家事使用人を適用除外とする規定が置かれた。
- 労働基準法 第9条適用対象となる労働者の範囲を画定
- 労働基準法 第10条使用者の定義、責任主体の特定
- 労働基準法 第117条強制労働等の罰則、船員にも適用が残る規定
- 労働基準法 第121条両罰規定、船員にも適用が残る規定
- 船員法 第1条船員の労働条件を労基法に代わり規律する特別法
- 労働契約法 第21条家事使用人にも適用が及び労基法より広く保護
- 労働者災害補償保険法 第3条適用事業の範囲、家事使用人の労災適用可否
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