労働基準法 第21条
クイックジャンプ
- 前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
- 一日日雇い入れられる者
- 二二箇月以内の期間を定めて使用される者
- 三季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
- 四試の使用期間中の者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第21条は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第21条の条文原文は「前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該…」で始まります。
- 労働基準法第21条は第二章 労働契約に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第21条の前の条は労働基準法第20条です。
- 労働基準法第21条の次の条は労働基準法第22条です。
- 労働基準法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法21条は、日雇い・短期・季節雇用・試用期間中の者を解雇予告(20条)の対象外とする例外規定。ただし所定期間や試用14日を超えて使用されると予告義務が復活する。
Q · 試用期間中なら、会社は予告なしで自由にクビにできるの?
14日を超えて働けば予告が必要。試用でも同じ
いいえ。労働基準法21条は試の使用期間中の者を解雇予告(20条)の対象外としますが、それは但書により「14日まで」です。14日を超えて引き続き働けば、通常の労働者と同じく30日前の予告か30日分の解雇予告手当が必要になります。日雇いは1か月、二箇月以内の短期や季節雇用は所定期間を超えれば同様に予告義務が復活します。さらに予告の要否とは別に、解雇そのものには客観的合理的理由が要ります(労働契約法16条)。
解説
「試用期間中だから、いつクビにされても文句は言えない」。そう思い込んで黙って荷物をまとめた人は数えきれない。労働基準法21条を読めば、その諦めが早すぎたと分かる。本条は前条(20条)の解雇予告ルールを、四種類の労働者には「適用しない」と定める例外規定だ。日日雇い入れられる者、二箇月以内の短期、季節的業務の四箇月以内、そして試の使用期間中の者。だが但書を見落としてはいけない。試用期間中の者でも、14日を超えて働き続けた瞬間、会社はあなたを切るのに30日前の予告か30日分の平均賃金(解雇予告手当)が必要になる。日雇いも1か月、短期も所定期間を超えれば同じだ。さらに決定的なのは、予告が要らないことと「解雇していい」ことは別だという点。客観的合理的理由がなければ、14日以内でも解雇は無効になりうる(労働契約法16条)。
法的な位置づけ
労働基準法21条は、解雇予告(20条)を一定の労働者に適用しないとする例外規定である。対象は日日雇い入れられる者、二箇月以内の期間で雇われる者、季節的業務に四箇月以内で雇われる者、試の使用期間中の者の四類型。ただし但書により、各々が一定期間を超えて引き続き使用されると適用除外は失われ、予告義務が復活する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.解雇を告げられたら「働いて何日目か」を数える 実際に働き始めた初日と、解雇を告げられた日を特定する。試用なら14日、日雇いなら1か月、短期・季節契約なら所定期間を超えているかを暦日で数える。この線のどちら側にいるかで予告手当の有無が反転する
- 2.出勤初日を証明できる記録を保全する 初日のシフト表、タイムカード、業務連絡のメールやチャット、給与明細など「いつから働いていたか」を客観的に示す資料を確保する。後で起算日が争点になったとき、初日を立証できる側が圧倒的に有利になる
- 3.書面で解雇予告手当の支払いを請求する 適用除外の期間を超えている場合、会社に書面(メール可)で「解雇予告手当(平均賃金30日分)の支払い」を請求する。即日解雇なら30日分、中途半端な予告でも不足日数分を1日単位で請求できる
- 4.解雇自体の有効性も同時に検討する 予告手当とは別に、解雇に客観的合理的理由があるかを検討する。理由がなければ労働契約法16条で解雇無効(地位確認)を主張できる。予告手当の請求と解雇無効の主張は切り分けて戦略を組む
- 5.応じなければ労基署・労働審判等を活用する 会社が請求に応じない場合、労働基準監督署への申告、労働局のあっせん、または労働審判を活用する。消滅時効(当分の間3年)にかからないよう早期に着手する
よくある質問 AI による整理
Q1解雇予告の適用除外とは何ですか?
解雇予告(労基法20条)を一定の労働者に適用しない制度です。日雇い・二箇月以内の短期・季節雇用・試用期間中の四類型が対象で、根拠は労働基準法21条です。
Q2日雇い労働者に解雇予告は必要ですか?
原則不要ですが、1か月を超えて引き続き使用されると適用除外が外れ、30日前予告か予告手当が必要になります(労基法21条但書)。
Q3季節労働者の解雇予告はどうなりますか?
四箇月以内の季節的業務なら予告不要ですが、所定の期間を超えて使用されると予告義務が復活します。契約期間の管理が分岐点です。
Q4試用期間の14日はいつから数えますか?
実際に働き始めた初日から起算します。暦日で14日を超えた時点で、以後は通常の解雇予告ルールが適用されます。
Q5即日解雇されたら予告手当を請求できますか?
適用除外の期間を超えていれば請求できます。30日前予告がない即日解雇は、平均賃金30日分の解雇予告手当の支払い対象です(労基法20条)。
Q6予告が不要でも解雇理由は必要ですか?
必要です。21条が免除するのは予告手続きだけで、解雇自体には客観的合理的理由と社会通念上の相当性が要ります(労働契約法16条)。
Q7アルバイトに解雇予告は必要ですか?
雇用形態でなく契約類型で決まります。日雇いや短期でも所定期間を超えれば予告が必要で、継続的に働くアルバイトは通常の予告対象です。
Q8解雇予告除外を悪用した「14日以内の解雇」は適法ですか?
形式的に日数を調整しても、実態として継続使用や反復更新があれば否認されえます。日数逃れだけでは解雇の有効性は担保されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1試用期間中なら、会社はいつでも自由にクビにできるんですよね?
いいえ。14日を超えて働いていれば、通常の社員と同じく30日前の解雇予告か予告手当が必要です(労働基準法21条但書、20条)。しかも予告の有無とは別に、解雇には客観的合理的理由が要ります(労働契約法16条)。実務のポイント:会社側ですら「試用期間は自由に解雇できる」と誤解していることが多い。15日目以降に予告なし即日解雇されたら、それだけで予告手当を請求できる強い材料になる
Q2「2か月契約」を何度も更新してきたのに、急に「次はない」と言われました。短期だから諦めるしかない?
諦めるのは早い。21条2号の除外は「所定の期間内」の話で、反復更新で実質的に期間の定めのない契約に近い実態があれば、雇い止め法理(労働契約法19条)で更新拒否が無効になりえます。実務のポイント:更新回数、更新手続きの形骸化、「次も大丈夫」という上司の発言が雇い止めを覆す鍵になる。LINEや録音で「期待させる発言」を残しておくと後で効く
Q3解雇予告手当って、結局いくらもらえるんですか?
平均賃金の30日分以上です(労働基準法20条1項)。平均賃金は直近3か月の賃金総額を暦日数で割って算出します(12条)。日数を一部だけ予告された場合は、足りない日数分だけ支払われます。実務のポイント:会社が「即日辞めてくれ」と言いつつ予告手当を払わないのは違法。即日解雇なら30日分丸ごと、中途半端な予告でも不足分を1日単位で取り戻せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「試用期間中は解雇予告が要らない」ことは知っていても、それが「14日まで」だと知っている人はほとんどいない。15日目以降は通常の社員とまったく同じ予告ルールが適用される。知っているつもりの知識が、たった一日で逆転する
- 「予告が要るか要らないか」を気にする人が多いが、問いの立て方がずれている。21条が免除するのは「予告の手続き」だけで、「そもそも解雇していいか」(客観的合理的理由の要否、労働契約法16条)は別問題。手続きの前に、解雇自体が有効かを先に問うべきだ
- 「2か月契約だから補償なしで切られて当然」と諦める人がいるが、所定の2か月を超えて引き続き使われた瞬間、適用除外は外れ、予告が必要になる。除外は永久パスではなく、期限付きの仮免許にすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の機能 | 21条:解雇予告の適用除外(例外) | 20条:解雇予告の原則(30日前予告 or 手当) 19条:解雇制限(業務災害・産前産後) |
| 対象労働者 | 日雇い・二箇月以内の短期・四箇月以内の季節・試用期間中の四類型 | 原則すべての労働者 業務災害療養中の者・産前産後の女性 |
| 効果 | 所定期間内は予告不要 | 30日前予告または平均賃金30日分の手当が必要 その期間および後30日間は解雇禁止 |
| 除外・復活の条件 | 日雇い1か月・短期/季節は所定期間・試用14日を超えると予告義務が復活 | 天災事変等やむを得ない事由で除外あり(労基署認定) 打切補償の支払や天災等で例外あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は勤続期間に応じた予告期間を定めるが、試用期間そのものは法律上明文化されておらず、合理性は判例・実務で判断される点が日本と異なる。
韓国も解雇予告の例外として日雇い・短期・試用(3か月以内)の類型を定め、期間経過で予告義務が復活する構造は日本と類似する。
ドイツは試用期間(最長6か月)について短縮された2週間の解約告知期間を定める。予告自体を免除するのではなく期間を短縮する設計で、日本と発想が異なる。
米国は随意雇用が原則で、短期解雇に一般的な予告義務はない。大量解雇のみ WARN Act が60日予告を課す点が日本の個別予告制度と対照的。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 試用15日目に「明日から来なくていい」と言われた。働き始めてもう14日の壁を超えている。会社は予告手当なしには切れない。あと数日で記憶も記録も薄れる前に、出勤初日を証明できるものを揃え、予告手当の請求を書面で送れるかが、30日分の給料を取り戻せるかの分かれ目になる
- あなたが小さな飲食店を経営し、試用2週間で「合わない」と判断したバイトを即日解雇したとする。13日目なら予告不要、15日目なら予告手当が要る。たった2日の差で、あなたの店が労基署に駆け込まれるリスクが反転する
- もし、契約を「2か月ごとの更新」で何度も繰り返してきた職場で、ある更新日に突然「次はない」と言われたら? 一見21条2号の適用除外に見えるが、反復更新の実態があれば雇い止め法理が働き、予告も理由も必要になりうる
- 季節限定のスキー場スタッフ。契約は3か月。4か月を超えなければ予告除外のままだが、超えた瞬間ルールが反転する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 「働き始めた初日」と「解雇を告げられた日」を特定。試用なら14日、日雇いなら1か月、短期・季節契約なら所定期間を超えているか数える2. 超えていれば、会社に書面(メール可)で「解雇予告手当(平均賃金30日分)の支払い」を請求3. 同時に、解雇に客観的合理的理由があるかを検討、なければ労働契約法16条で解雇無効を主張できる4. 応じなければ労働基準監督署に申告、または労働局のあっせん・労働審判を活用する
訴えられた側:1. 解雇したい労働者が四類型のどれに当たるか、但書の時間制限(14日・1か月・所定期間)を超えていないか正確に確認2. 超えているなら、30日前予告か予告手当を必ず用意3. 予告手続きを満たしても、解雇理由の合理性(労働契約法16条)は別途必要、理由を記録に残す4. 「13日目で切る」ような形式逃れは、反復や実態次第で否認される、安易な日数調整に頼らない
時効(請求できる期限):解雇予告手当(賃金)の請求権の消滅時効は5年だが、当分の間は経過措置で3年(労働基準法115条、附則143条)。起算点は解雇日。解雇無効を争う地位確認自体に時効はないが、放置すると「解雇を黙認した」とみなされるリスクがあるため早期着手が要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:21条が免除するのは解雇予告の手続のみであり、解雇の実体的有効性は労働契約法16条の解雇権濫用法理によって別途規律される。試用期間中も留保解約権の行使には合理性が求められるのが通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法の制定に伴い、解雇予告(20条)の例外として、日雇い・短期・季節・試用の四類型を適用除外とする本条が新設された。
- 労働基準法 第20条解雇予告の原則、本条が適用除外する対象規定
- 労働基準法 第19条業務災害・産前産後の解雇制限、別枠の解雇保護
- 労働基準法 第12条平均賃金の算定、予告手当額の基礎
- 労働基準法 第14条労働契約期間の上限、短期契約類型の枠組み
- 労働契約法 第16条解雇権濫用法理、予告除外でも実体的解雇制限は及ぶ
- 労働契約法 第19条有期労働契約の雇い止め法理
- 労働契約法 第17条有期契約期間途中のやむを得ない事由による解雇制限
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める