労働基準法 第3条(均等待遇)
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使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
この条文の基本情報
均等待遇とは何ですか?
定義均等待遇とは、労働基準法第3条に定められた規定で、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第3条(均等待遇)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第3条の条文原文は「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」で始まります。
- 労働基準法第3条は第一章 総則に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第3条の前の条は労働基準法第2条です。
- 労働基準法第3条の次の条は労働基準法第4条です。
- 労働基準法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第3条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法3条は、使用者が国籍・信条・社会的身分を理由に賃金や労働時間など労働条件を差別することを禁じる。違反には刑事罰があるが、保護は雇用後に限られ採用は対象外とされる。
Q · 外国人だからと同じ仕事なのに給料を下げられたら、それって違法なの?
はい、国籍を理由に労働条件を下げるのは違法で刑事罰の対象です
労働基準法3条は、国籍・信条・社会的身分を理由とする賃金・労働時間その他の労働条件の差別を禁じます。違反した使用者には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(労基法119条)が科され、低く抑えられた賃金差額は未払い賃金として請求できます。ただし保護されるのは雇用後の労働条件であり、採用するかどうかは三菱樹脂事件の判例により本条の対象外とされています。性別による賃金差別は3条ではなく労基法4条が扱います。
解説
同じ工場で同じ作業をしているのに、ベトナム人のあなただけ時給が日本人より200円低い。日本人の同僚が、ある政治団体に入っているという理由で昇給を止められた。労働基準法3条は、こうした「国籍・信条・社会的身分」を理由とする労働条件の差別を正面から禁じる。ここでいう信条とは宗教上・政治上の主義主張(プロとしての能力ではなく、何を信じているか)、社会的身分とは生まれによって決まる地位(自分では選べない出自)を指す。賃金、労働時間、休暇、配置、これら「労働条件」に差をつけることが違反になり、使用者には6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(労基法119条)という刑事罰まで用意されている。ただし知っておくべき落とし穴がある。守られるのは「すでに雇われているあなた」の労働条件であって、「採用するかどうか」は含まない。三菱樹脂事件で最高裁は、企業に採用の自由を広く認めた。入口と中で、法の守りの厚さがまるで違う。
法的な位置づけ
労働基準法3条は均等待遇を定める規定であり、使用者が労働者の国籍・信条・社会的身分を理由として、賃金・労働時間その他の労働条件について差別的取扱いをすることを禁止する。憲法14条の平等原則を労働関係に具体化したもので、違反には刑事罰が科される。ただし採用の自由には及ばない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.同一労働の証拠を確保する 自分と日本人同僚の業務内容が同じであることを示す業務日報・シフト表・配置表、賃金規程、双方の給与明細を集める。退職後は会社の協力が得られにくいため、在職中に握っておく
- 2.差別の理由を特定して入口の条文を選ぶ 国籍・信条・社会的身分なら労基法3条、性別の賃金差別なら4条、賃金以外の性別待遇差別なら男女雇用機会均等法、組合活動なら労働組合法7条と、争う土俵を見極める
- 3.労働基準監督署へ申告し、民事で差額を請求する 勤務地管轄の労基署に3条違反を申告する(刑事罰の対象)。並行して、低く抑えられた賃金差額を未払い賃金として民事請求する。動く前に時効の残り(当分の間3年)を確認する
- 4.信条・組合がらみは労働委員会も併用する 組合活動や政治信条を理由とする不利益なら、労働組合法7条の不当労働行為として労働委員会への救済申立ても検討する。会社は刑事+行政の二正面を嫌い早期是正に動きやすい
よくある質問 AI による整理
Q1労働基準法3条とは何ですか?
使用者が労働者の国籍・信条・社会的身分を理由に、賃金や労働時間など労働条件を差別することを禁じる均等待遇の規定です。違反には刑事罰があります。
Q2均等待遇の原則とは?
出自や信仰など本人が選べない属性で労働条件に差をつけてはならないという原則です。労基法3条が定め、憲法14条の平等原則を労働関係に具体化したものです。
Q3労働基準法でいう信条とは何ですか?
宗教上の信仰だけでなく、政治上の主義主張も含みます。支持政党や思想を理由に労働条件で不利益を受けた場合も信条差別になりえます。
Q4社会的身分とは何を指しますか?
生まれによって決まり自分では選べない出自や地位を指します。後天的に就いた職業上の地位は原則として含まれません。
Q5国籍を理由とした賃金差別の罰則は?
6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金です(労基法119条)。加えて低く抑えられた差額は未払い賃金として請求できます。
Q6労働基準法3条違反はどこに相談すればいい?
勤務地を管轄する労働基準監督署に申告できます。3条違反は刑事罰の対象で、並行して民事で差額請求も可能です。
Q7労働基準法3条と4条の違いは?
3条は国籍・信条・社会的身分による労働条件全般の差別を禁じ、4条は性別を理由とする賃金差別を禁じます。差別理由によって入口の条文が変わります。
Q8派遣社員も労働基準法3条で守られますか?
守られます。3条は雇用形態を問わず労働者に適用されます。派遣の場合は賃金を支払う派遣元が使用者として責任を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外国人だから日本人より給料が安いのって、普通のことじゃないんですか?
普通ではなく、違法です。国籍を理由に賃金や労働条件に差をつけることは労基法3条が明確に禁じ、違反した使用者には罰則(119条)があります。実務のポイント:会社は「職務内容が違う」「経験年数が違う」と言い訳しがちですが、争点は名目ではなく実態。同じラインで同じ作業をしているなら、肩書きが違っても実質同一労働と認定されうる。業務日報やシフト表で「やっていることは同じ」を示せるかが勝負どころで、これは会社側があまり言いたがらない弱点です
Q2求人で『外国人お断り』『日本人限定』って書くのは違法じゃないんですか?
労基法3条だけでは問いにくいのが実情です。最高裁は採用の自由を広く認め(三菱樹脂事件)、3条は採用後の労働条件にのみ及ぶとしました。実務のポイント:ただし採用が完全に無法地帯というわけではない。職業安定法や、業務に関係のない国籍要件には行政指導が入る余地があり、ハローワーク経由の求人では国籍を理由とする排除は是正対象になりやすい。「3条では無理」と諦める前に、入口の別ルールがないかを確認する価値があります
Q3男女で給料が違うんですが、これも3条で訴えられますか?
3条では争えません。3条が挙げる差別理由は国籍・信条・社会的身分で、性別は含まれていないからです。男女の賃金差別は労基法4条、賃金以外の待遇差別は男女雇用機会均等法が担当します。実務のポイント:同じ「差別」でも、入口の条文を間違えると主張が空振りする。賃金そのものの男女差は4条、昇進・配置・教育訓練の男女差は均等法、と切り分けるのが実務の定石。弁護士が最初にやるのは、あなたの不満がどの条文の射程に乗るかの仕分けです
間違えやすい点 AI による整理
- 「採用のときに国籍や思想で落とすのも3条違反だ」と思っている人が多いが、ここが最大の誤解。最高裁は三菱樹脂事件(最大判昭和48.12.12)で、企業の採用の自由を広く認め、労基法3条は採用後の労働条件にのみ及ぶと判断した。あなたが立てた「採用差別を3条で訴える」という問いそのものが、土俵を外している
- 「性別で給料が違うのも3条で争える」と考えがちだが、3条の禁止理由に性別は入っていない。男女の賃金差別は労基法4条、その他の待遇差別は男女雇用機会均等法が担当する。同じ差別でも、どの条文を入口に選ぶかで、使える武器も手続も全く異なる
- 「信条=宗教だけ」と狭く捉えている人がいるが、信条には政治的な主義主張も含まれる。SNS での政治的発信や支持政党を理由に査定を下げられた場合も、信条差別になりうる。差別の根拠が「あなたが何を信じているか」にある限り、宗教か政治かは問わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 禁止される差別理由 | 労基法3条:国籍・信条・社会的身分 | 労基法4条:性別(賃金) 男女雇用機会均等法:性別(賃金以外) |
| 対象となる待遇 | 賃金・労働時間その他の労働条件全般 | 賃金のみ 募集・採用・配置・昇進・教育訓練等 |
| 採用段階への適用 | 及ばない(三菱樹脂事件) | 賃金は雇用後が中心 募集・採用にも及ぶ |
| 違反への制裁 | 刑事罰あり(労基法119条) | 刑事罰あり(労基法119条) 行政指導・企業名公表が中心 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は人種・思想・宗教・出身などを理由とする就業差別を禁じる。日本の3条が雇用後の労働条件中心であるのに対し、台湾は募集・採用段階の差別も明文で射程に含む点が異なる
韓国も国籍・信仰・社会的身分による労働条件差別を禁じ、日本とほぼ同型。性別差別を別条で扱う構造も近い
ドイツは EU 反差別指令を国内法化した一般平等待遇法で、人種・宗教・世界観・年齢・障害・性的指向まで広く包括し、募集採用段階も含む点で日本より射程が広い
米国は国籍・人種・宗教・性別による雇用差別を採用から処遇まで包括的に禁じ、EEOC が執行する。採用段階を正面から射程に含む点が日本の3条と大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 技能実習や特定技能で来日し、日本人と同じライン作業をしているのに、自分の基本給だけが「外国人レート」で一段低い。これは国籍を理由とする賃金差別で、労基法3条違反。会社には罰則(119条)があり、低く抑えられた差額分は未払い賃金として請求できる。給与明細と業務内容の一致を証拠に残せるかで、回収できる金額が変わってくる
- もし上司から「お前は労働組合に入っているから今期の査定は最低だ」と面と向かって言われたら、どうなる? 組合活動や政治的信条を理由とする労働条件の不利益は、労基法3条の信条差別であると同時に、労働組合法7条の不当労働行為にもあたる。二つの法律から同時に攻められる、数少ない場面である
- あなたが小さな会社の経営者で、「あの宗教を信じている社員は周りと合わないから」と配置や手当に差をつけた。悪気はなくても、それは信条差別として刑事罰の対象になりうる。社員の信仰や思想を勤務評価に持ち込んだ瞬間、経営判断は違法行為に変わる
- 退職を決めた金曜の夜、ふと過去の給与明細を見返したら、同期の日本人より一貫して手当が少ないことに気付いた。賃金請求権の時効は当分の間3年(労基法115条、附則)。今動かないと、過去の差額分が一か月ずつ時効で消えていく
- 面接で「うちは日本人しか採りません」と言われた。腹は立つが、ここが盲点。採用そのものは労基法3条の射程外(三菱樹脂事件)で、この一言だけでは3条違反を問いにくい。怒りの矛先を間違えると、戦う土俵を失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 差別を裏づける証拠を確保する。自分と同僚の業務内容が同じであること、賃金規程、給与明細、差別的な発言の録音やメッセージ。これが生命線2. 差別の理由を特定する。国籍・信条・社会的身分なら3条、性別なら4条や均等法、組合活動なら労組法7条と、入口を選ぶ3. 労働基準監督署に申告(3条違反は刑事罰の対象)。並行して未払い差額を民事で請求する4. 信条・組合がらみなら労働委員会への救済申立ても検討。動く前に、回収できる差額と時効の残り(3年)を計算する
訴えられた側:1. 待遇差の理由が「能力・成果・職務内容」など正当なものであることを、評価基準と記録で説明できるか点検する2. 国籍・信条・出自を理由にしていないことを示す客観的資料(評価制度、賃金テーブル)を整える3. 差別的発言が録音されている等で言い逃れが難しい場合、是正と差額の任意支払いで刑事立件・送検のリスクを下げる4. 採用段階の話なら、3条の射程外であること(三菱樹脂事件)を主張できるが、職業安定法や均等法の別ルールに触れていないか別途確認する
時効(請求できる期限):賃金差額の請求権は、当分の間3年(労働基準法115条、改正附則。本来は5年)。各支払日ごとに起算され、古いものから順に時効消滅する。差別による精神的損害の賠償請求は不法行為として知った時から3年(民法724条)。3条違反の罰則(労基法119条)には公訴時効があり、別途進行する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:労基法3条の禁止理由(国籍・信条・社会的身分)は限定列挙であり、性別はここに含まれず労基法4条・均等法が担当する。また保護の対象は雇用後の労働条件に限られ、採用の可否には及ばないと解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 制定:労働基準法の制定と同時に3条が置かれ、憲法14条の平等原則を労働関係に具体化する均等待遇規定として、国籍・信条・社会的身分による労働条件差別を禁止した
- 労働基準法 第4条性別を理由とする賃金差別の禁止、別軸の均等待遇
- 労働基準法 第13条本法違反の労働契約条項を無効とし基準に置換
- 労働基準法 第119条3条違反に対する刑事罰(拘禁刑・罰金)
- 労働基準法 第115条賃金請求権の消滅時効、差額請求の時間的限界
- 労働組合法 第7条組合活動・信条を理由とする不利益取扱いの禁止(不当労働行為)
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第6条性別を理由とする待遇差別の禁止の特則(通称 男女雇用機会均等法)
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第8条雇用形態を理由とする不合理な待遇差の禁止
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