労働基準法 第27条(出来高払制の保障給)
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出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
この条文の基本情報
出来高払制の保障給とは何ですか?
定義出来高払制の保障給とは、労働基準法第27条に定められた規定で、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第27条(出来高払制の保障給)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第27条の条文原文は「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」で始まります。
- 労働基準法第27条は第三章 賃金に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第27条の前の条は労働基準法第26条です。
- 労働基準法第27条の次の条は労働基準法第28条です。
- 労働基準法第27条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第27条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第27条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/27
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法27条は、出来高払制や請負制で働く労働者について、使用者が労働時間に応じた一定額の保障給を支払う義務を定める。売上ゼロでも保障給は確保され、『保障なし』の契約条項は無効となる。
Q · 完全歩合制で、客が来なかった月は給料ゼロでも仕方ないの?
違法です。労働時間分の保障給は雇い主の義務です
労働基準法27条により、出来高払制や請負制で働く労働者には、使用者が労働時間に応じた一定額の保障給を支払う義務があります。これは強行規定で、契約書に『完全歩合・保障なし』と書いてサインしていても、その条項は無効です。売上がゼロでも、実際に働いた時間分の保障給を請求する権利は残ります。さらに保障給とは別に最低賃金法も適用され、時給換算で地域別最低賃金を下回ることは許されません。
解説
完全歩合制で働くタクシー運転手が、客の少なかった月に手取りがアルバイト以下になる。美容師が暇な時期に指名ゼロで収入が激減する。営業職がフルコミッションで一件も取れず給料がほぼ消える。これらはすべて違法になりうる。労働基準法27条は、出来高払いや請負制で働く『労働者』について、使用者は労働時間に応じた一定額の賃金を保障しなければならないと定める。つまり、たとえ売上がゼロでも、あなたが実際に働いた時間に対しては、最低限の保障給が支払われなければならない。重要なのは、これが強行規定だという点。契約書に『完全歩合、保障なし』と書いてあっても、その条項は無効だ。あなたが知らずにサインしていても、保障給を請求する権利は消えない。ただし、保障給の具体的な額については法律に明確な定めがなく、実務上、解釈が分かれている。
法的な位置づけ
労働基準法27条は、出来高払制その他の請負制で使用される労働者に対し、使用者が労働時間に応じた一定額の賃金を保障する義務を定める強行規定である。成果連動の報酬制度を維持しつつ、労働者が時間を提供した事実に対しては最低限の保障給を確保する『床』として機能し、当事者の合意によってこの保障を排除することは認められない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.給与明細と勤怠記録を集めて労働時間を整理 過去の給与明細・タイムカード・シフト表・業務日報を集め、各月の『実際の労働時間』と『実際の支給額』を一覧化する。歩合制でも勤務時間は通常どおり拘束されていた事実を記録で固める
- 2.保障給と最低賃金の二重チェックで未払い額を計算 各月の支給額が『労働時間に応じた保障給』を満たすか確認し、同時に支給額÷労働時間が地域別最低賃金を下回っていないか時給換算で検証する。27条と最低賃金法は別物なので両方の基準でチェックする
- 3.会社へ内容証明郵便で未払い保障給を請求 27条を根拠に、未払い保障給の金額・対象月・支払期限を明示した請求書を内容証明郵便で送る。契約書に『保障なし』と書いてあっても強行規定違反で無効である旨を明記し、時効到来前に請求の意思を確実に残す
- 4.応じなければ労基署申告と労働審判を並行 会社が応じない場合、労働基準監督署へ申告(27条違反は120条で罰則あり)すると同時に、未払い賃金の回収は労働審判や少額訴訟で進める。労基署は是正勧告で圧力をかけ、回収は司法手続で行う二輪で動く
よくある質問 AI による整理
Q1出来高払制とはどういう制度ですか?
労働の成果(出来高・売上・件数など)に応じて賃金を計算する制度です。歩合給・コミッションとも呼ばれ、制度自体は合法ですが、労基法27条で労働時間に応じた保障給が義務づけられています。
Q2保障給と休業手当(26条)はどう違いますか?
保障給(27条)は歩合制で実際に働いた時間に対する最低保障で、休業手当(26条)は使用者の責による休業で働けなかった時間に対する平均賃金6割の保障です。働いたか否かで適用条文が分かれます。
Q3個人事業主でも保障給はもらえますか?
原則もらえません。27条が守るのは『労働者』であり、個人事業主と扱われる働き手は射程外です。ただし契約名目が業務委託でも、実態として指揮命令を受けていれば労働者と認定される余地があります。
Q4出来高払の賃金請求権の時効は何年ですか?
2020年改正により当面3年です(労基法115条、本則は5年)。各賃金支払日ごとに起算するため、古い月の未払い分から順に時効消滅します。気づいたら早期に請求することが重要です。
Q5在宅ワークや内職の出来高払いも27条で守られますか?
あなたが『労働者』なら27条、個人として委託を受ける家内労働者なら家内労働法という別の法律で守られます。どちらの保護を受けるかは指揮命令の有無など働き方の実態で決まります。
Q627条違反に罰則はありますか?
あります。労基法120条により30万円以下の罰金が科されうる違反です。労働基準監督署は会社に是正勧告を出すことができ、刑事罰のある違反という事実が会社を動かす圧力になります。
Q7歩合制の保険外交員や不動産営業も対象になりますか?
実態として会社の指揮命令を受けて働く『労働者』であれば対象です。会社が『あなたは個人事業主だ』と主張しても、勤務実態から労働者性が認められれば保障給の権利が生じます。
Q8自分が『労働者』かどうかはどう判断されますか?
契約の名目ではなく実態で判断されます。仕事の依頼を断る自由の有無、勤務時間・場所の拘束、報酬の性格、業務遂行上の指揮監督などを総合考慮して労働者性が認定されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1完全歩合制って、そもそも合法なんですか?
歩合制(出来高払制)そのものは合法です。ただし労働基準法27条により、使用者は労働時間に応じた一定額の保障給を払う義務があります。『完全歩合、保障一切なし』という契約は、この強行規定に反し無効です。実務のポイント:多くの歩合労働者は『契約書にサインしたから諦めるしかない』と思い込んでいますが、27条は契約で排除できない強行規定。サインの有無に関係なく、保障給の請求権は残っています
Q2保障給って、結局いくらもらえるんですか?
ここが厄介な点で、27条は『一定額』としか書いておらず、具体的な金額や率を定めていません。実務上、解釈が分かれており、休業手当(26条)の平均賃金6割とのバランスを目安とする見解もありますが、確立した基準ではありません。実務のポイント:額が曖昧なため、会社はごくわずかな保障給で済まそうとしがち。争うなら平均賃金や同業の水準を持ち出し、『労働時間に応じた』と言える額かを問う
Q3歩合給が最低賃金を下回ったら、どうなるんですか?
保障給とは別に、最低賃金法が出来高払いにも適用されます(最低賃金法4条)。出来高で計算した賃金を労働時間で割った額が、地域別最低賃金を下回ってはいけません。実務のポイント:27条の保障給と最低賃金は別物で、二重のセーフティネット。会社が『歩合だから最低賃金は関係ない』と言ったら誤りです。労働時間あたりで最低賃金を満たしているか、自分で時給換算して確かめる
Q4保障給を払ってくれない会社、どうすればいいですか?
まず労働基準監督署に申告できます。27条違反は罰則の対象で、30万円以下の罰金が科されうる(労働基準法120条)。労基署は会社に是正勧告を出せます。実務のポイント:労基署は民事の取り立て代行まではしませんが、刑事罰のある違反として動くため会社へのプレッシャーは大きい。未払い賃金そのものの回収は労働審判や少額訴訟が早い場合もあり、両輪で動くのが実務のセオリーです
間違えやすい点 AI による整理
- 完全歩合制という契約形態そのものは知っていても、それでも使用者に保障給を払う義務が残ることを知らない人が多い。歩合制は合法だが、保障給ゼロは違法。この二つは両立する。歩合の上に最低保障の床が敷かれているのが本来の姿だ
- 『契約書に保障なしと書いてサインしたから請求できない』と思い込んでいるが、27条は強行規定で、当事者の合意で排除できない。サインの有無に関係なく、保障給の請求権は法律上残り続ける
- ウーバーイーツの配達員などが『自分も歩合だから保障給をもらえるはず』と考えるが、問いの立て方そのものが違う。27条が守るのは『労働者』であって、個人事業主と扱われる働き手は最初から射程の外。まず自分が労働者かどうかが分岐点になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保障の対象 | 27条:歩合制で実際に働いた労働時間に対する保障給 | 26条:使用者の責による休業で働けなかった時間 最賃法4条:すべての賃金の時間あたり下限 |
| 保障の水準 | 『労働時間に応じた一定額』(具体額は法定なく解釈に幅) | 平均賃金の60%以上(明確) 地域別最低賃金額(明確) |
| 強行性・排除可否 | 強行規定。契約の『保障なし』条項は無効 | 強行規定。合意で下回れない 強行規定。合意で下回れない |
| 違反時の制裁 | 120条:30万円以下の罰金 | 120条:30万円以下の罰金 最賃法40条:50万円以下の罰金 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は按件計酬(出来高)でも基本工資(最低賃金)を下回れないと定める。日本のように『労働時間に応じた保障給』を独立条文で置くのではなく、最低賃金保障に統合する構成。
韓国は『도급 근로자에게 근로시간에 따라 일정액의 임금을 보장』と規定し、日本27条とほぼ同一構造。日本法の影響を強く受けた典型例。
ドイツは出来高給(Akkordlohn)に独立の保障給規定を置かず、一般の最低賃金法で時間あたり下限を保障する方式。結果として労働時間に対する床は確保される。
米国もピースレート労働者に対し時間あたり連邦最低賃金を保障。歩合の不足分は使用者が補填する義務があり、保障の実質は近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 完全歩合制のタクシー会社で、コロナ後に客が戻らず、ある月の歩合給が数万円。労働時間は普通にフルで働いていた。この場合、労働基準法27条で労働時間に応じた保障給を請求できる。会社が『歩合制だから』と拒んでも、それは通らない
- もしあなたが美容師として歩合で働いていて、新人で指名がつかず、月収が時給換算で最低賃金を大きく割ったとしたら? 保障給に加えて最低賃金法の適用も重なり、二重に守られる。会社はどちらの基準も下回れない
- 経営者として完全歩合の雇用契約を作り、『売上に応じて支払う、保障なし』と明記した。だがこの条項は労働基準法27条違反で無効。労働時間分の保障給を払う義務は残る
- 歩合制で働いていた会社を退職して半年。在職中に保障給が一度も払われていなかったと気づいた。賃金請求権の時効が迫る。各給料日から起算して時効が完成する前に、内容証明で請求しないと権利が消える
- 内職や在宅の縫製で出来高払いを受けているが、これは『労働者』なら27条、そうでなければ家内労働法という別の法律の管轄。あなたがどちらの保護を受けるかは、働き方の実態で決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 過去の給与明細と勤怠記録(タイムカード、シフト表)を集め、各月の労働時間と実際の支給額を整理する2. 労働時間に対して保障給が払われているか計算し、最低賃金法の水準も同時に確認3. 会社に書面(内容証明郵便)で未払い保障給を請求、27条と金額・期限を明示4. 応じなければ労働基準監督署へ申告、並行して労働審判や少額訴訟で未払い賃金の回収を検討
訴えられた側:1. 雇用契約が『完全歩合・保障なし』なら、その条項は27条違反で無効、即座に保障給制度を整備する2. 過去分の未払いリスクを試算、時効が来ていない分は請求される前提で引き当てる3. 保障給の額は労働時間に応じた合理的水準に設定し、最低賃金法もクリアする4. 労基署の是正勧告が来たら速やかに対応、放置すると罰則(120条)のリスク
時効(請求できる期限):賃金請求権の消滅時効は、2020年改正で当面3年(労働基準法115条、本則は5年)。各賃金支払日ごとに起算する。古い月の未払い分から順に時効で消えるため、気づいたら早期に請求すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:27条の保障給義務は強行規定であり、当事者の合意で排除できない。もっとも条文は『一定額』とのみ定め具体的な額・率を明示しないため、その水準は解釈に委ねられ、休業手当(26条)の平均賃金6割とのバランスを目安とする見解もあるが確立した基準ではない。最低賃金法の保障とは別個の二重のセーフティネットとして機能すると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定(法律第49号)により27条として保障給規定を新設。戦前の工場法を継承しつつ、GHQ労働改革とILO労働基準を背景に、出来高払制労働者の最低保障を明文化した。
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