労働基準法 第67条(育児時間)
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- 生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
- 2.使用者は、前項の育児時間中は、その女性を使用してはならない。
この条文の基本情報
育児時間とは何ですか?
定義育児時間とは、労働基準法第67条に定められた規定で、「生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 労働基準法第67条(育児時間)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
- 労働基準法第67条の条文原文は「生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。」で始まります。
- 労働基準法第67条は第六章の二に置かれています。
- 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
- 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 労働基準法第67条の前の条は労働基準法第66条です。
- 労働基準法第67条の次の条は労働基準法第68条です。
- 労働基準法第67条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第67条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 - 本サイト収録
労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第67条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/67
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点労働基準法67条は、満1歳未満の子を育てる女性が休憩とは別に1日2回各30分の育児時間を請求できると定める。使用者はその時間中に女性を働かせてはならない。
Q · 職場復帰したけど、授乳や搾乳で抜ける時間って法律で認められてるの?
はい。満1歳未満の子を育てる女性は1日2回各30分請求できます
労働基準法67条により、生後満1歳に達しない生児を育てる女性は、第34条の休憩時間とは別に、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を請求できます。使用者はこの時間中に女性を使用してはなりません(同条2項)。就業規則に定めがなくても適用される強行規定なので、会社が「制度がない」と言っても請求すれば拒めません。時間帯は原則として労働者が指定でき、始業直後と終業直前にまとめれば、実質的に1日1時間の時短として使えます。
解説
出産後に職場へ戻った女性の多くが、授乳や搾乳のために削っているのは昼の休憩か、こっそり抜けたトイレの時間だ。だが労働基準法67条は、それとは完全に別枠で、満1歳になる前の子を育てる女性に「1日2回、各々少なくとも30分」の育児時間を請求する権利を与えている。しかも会社はその時間中、あなたを働かせてはならない(2項)。ここで知っておくべき急所が二つある。第一に、これは就業規則に書いてあるかどうかと無関係の強行規定だ。会社が「うちに制度はない」と言っても、あなたが請求すれば拒めない。第二に、時間帯は原則あなたが指定できる。昼に細切れで取るのではなく、始業直後と終業直前にまとめれば、実質的に1日1時間の時短として使える。同じ条文を、損して使うか得して使うかが分かれる。
法的な位置づけ
労働基準法67条にいう育児時間とは、生後満1歳に達しない生児を育てる女性労働者が、第34条の休憩時間とは別枠で、1日2回各々少なくとも30分請求できる時間をいう。使用者はその時間中に当該女性を使用してはならず、有給か無給かは法律上定められていない。雇用形態を問わず適用される強行的な母性保護規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.就業規則の育児時間条項を確認 まず就業規則を確認し、育児時間の規定があるか、有給か無給か、請求手続の定めがあるかを把握する。規定がなくても請求自体は強行規定なので通る
- 2.書面で育児時間を請求(時間帯を明記) 日付と希望する時間帯を明記した書面(メール可)で育児時間を請求する。口頭だけにせず記録を残す。始業直後と終業直前にまとめて指定すれば実質的な時短になる
- 3.拒否されたら強行規定であることを指摘 会社が「制度がない」「シフトが回らない」と拒否したら、67条が就業規則の定めを問わない強行規定であり拒否自体が違法であることを指摘する
- 4.労働基準監督署へ申告 それでも応じなければ、勤務先を管轄する労働基準監督署に申告して是正指導を求める。取得を理由に不利益を受けた場合は都道府県労働局の雇用環境・均等部にも相談する
よくある質問 AI による整理
Q1育児時間とは何ですか?
満1歳未満の子を育てる女性が、休憩とは別に1日2回各30分請求できる時間です。労働基準法67条が根拠で、使用者はその時間中に女性を使用できません。
Q2育児時間はいつまで請求できますか?
生児が満1歳に達する日までです。それ以降は請求できず、請求しなかった過去分を後から遡って取り戻すこともできません。
Q3育児時間は1日に何回・何分取れますか?
原則1日2回、各々少なくとも30分です。行政解釈では1日の労働時間が4時間以内の場合は1日1回30分でよいとされています。
Q4育児時間の時間帯は労働者が指定できますか?
原則として労働者が指定できます。始業直後と終業直前にまとめて請求すれば、実質的に1日1時間の時短として活用できます。
Q5会社に育児時間を拒否されたらどうすればいいですか?
67条は強行規定なので拒否自体が違法です。まず書面で請求し、応じなければ労働基準監督署に申告して是正指導を求めることができます。
Q6育児時間と育児休業はどう違いますか?
育児時間は労働日の中で1日2回各30分抜ける権利(労基法67条)、育児休業は原則1歳まで休む制度(育児介護休業法)で、根拠法も仕組みも別です。
Q7育児時間の請求に就業規則の定めは必要ですか?
必要ありません。67条は強行規定なので、就業規則に規定がなくても請求すれば会社は拒めません。
Q8育児時間を拒否した使用者に罰則はありますか?
あります。67条2項違反は労基法119条により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1育児時間って、お給料は出るんですか?
労基法67条は有給か無給かを定めていません。つまり会社の就業規則や労働協約次第で、無給の会社が多い一方、有給と定めている会社も実在します。実務のポイント:就業規則に育児時間の規定そのものがない会社も多く、その場合でも請求自体は強行規定なので通ります。請求前に就業規則を確認し、規定がなければ「有給扱いにしてほしい」と交渉する余地が残っている。聞かなければ無給で処理されるだけです
Q2パートで1日4時間しか働いていなくても取れますか?
取れます。労基法67条は正社員・パート・派遣などの雇用形態で区別しません。ただし行政解釈(通達)では、1日の労働時間が4時間以内の場合は1日1回30分でよいとされています。実務のポイント:「パートだから福利厚生は薄い」という思い込みで請求しない人が非常に多い。短時間勤務でも1回30分は確実に取れるので、これを知っているだけで毎日の負担が変わります
Q3育児時間を取ったら査定で評価を下げられました。これって違法ですか?
育児時間の取得を理由とする不利益取扱いは、男女雇用機会均等法9条に抵触するマタハラとなりうります。査定減、降格、雇止めなどが対象です。実務のポイント:会社は「能力評価の結果」という形にして実質的な不利益を与える手口を使いますが、育児時間の取得時期と評価低下の時期が一致すれば因果関係が推認されやすい。請求の記録と評価の経緯をセットで残しておくと、後で圧倒的に強い
Q4男性社員も育児時間を請求できますか?
できません。労基法67条は「女性」限定の規定です。男性は育児介護休業法の制度(育児休業、子の看護休暇、所定外労働の制限など)を使うことになります。実務のポイント:男性の場合は使える別カードがいくつもあるので、人事に「育児介護休業法で自分が使える制度は何か」と具体的に聞くのが正解。労基法の育児時間を求めて断られて諦める人がいるが、入口の法律を間違えているだけです
間違えやすい点 AI による整理
- 「育児時間は休憩の一種だから無給で当然」と思い込んでいる人が多いが、有給か無給かを法律は定めていない。就業規則や労働協約で有給と定めている会社は実在する。無給が当たり前という前提そのものが誤りで、まず就業規則の育児時間条項を確認する価値がある
- 父親も育児時間を取れると思われがちだが、労基法67条は「女性」限定だ。男性は育児介護休業法の別制度(育児休業、子の看護休暇、所定外労働の制限)を使う。請求する法律を間違えると、会社に「対象外です」と突き返される
- 育児時間の存在は知っていても、その時間帯を労働者側が指定できることまで知る人は少ない。会社が「昼に30分を2回」と一方的に決める権限はなく、始業直後と終業直前にまとめて実質的な時短として使える。知っているかどうかで、保育園の送り迎えの組み立てが丸ごと変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 67条 育児時間:満1歳未満の子を育てる女性 | 34条 休憩:全労働者 65条 産前産後休業:出産する女性 |
| 時間・回数 | 1日2回各30分(4時間以内勤務は1回) | 労働時間に応じ45分〜1時間 産前6週・産後8週 |
| 休憩との関係 | 34条の休憩とは別枠 | 労働時間の途中に付与 休業(労働義務の免除) |
| 違反の罰則 | 119条:拘禁刑・罰金 | 119条:拘禁刑・罰金 119条:拘禁刑・罰金 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は満2歳未満の子に対し、正常な労働時間内に1日60分の哺(集)乳時間を認め、日本より対象年齢・時間が手厚い
韓国も満1歳未満の乳児を持つ女性に1日2回各30分以上の有給育児時間を保障。日本と回数・時間はほぼ同じだが有給が明文化されている点で異なる
ドイツは授乳のための労働免除を保障し、原則として賃金控除を認めない。母性保護の水準が高い
米国は搾乳のための合理的な休憩時間と場所の提供を使用者に義務づける。原則無給だが、対象を出産後最長1年とする点で日本に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 復帰後、上司に「育児時間を取りたい」と切り出したら「うちにそんな制度はない」と返されたら、どうするか。就業規則に定めがなくても労基法67条は強行規定で、会社は拒めない。労働基準監督署に相談すれば是正指導が入り、あなたの立場は一気に強くなる
- あなたが小さな飲食店の店長で、復帰したパート女性から育児時間を請求された。「シフトが回らない」と断れば、労基法67条2項違反として6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象になりうる(労基法119条)。シフト調整は店側の義務であって、断る裁量はない
- 搾乳のたびに昼休みを削って耐えていた。だが育児時間は休憩とは別枠だった。そもそも削る必要などなかった
- 子が満1歳の誕生日を迎えるまで、あと2か月。育児時間を請求できるのはその日まで。請求しなかった分を後から遡って取り戻すことはできない。書面を出すなら今日だ
- 同僚の女性が復帰後ずっと昼休みに搾乳していて、顔色が悪い。あなたが「育児時間って休憩とは別にあるらしいよ」と一言伝えるだけで、彼女の毎日の負担が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず就業規則の育児時間条項を確認、有給か無給か、手続の定めを把握する2. 育児時間を書面(メール可、日付と希望時間帯を明記)で請求、口頭だけにせず記録を残す3. 会社が「制度がない」「シフトが回らない」と拒否したら、それ自体が労基法67条違反であることを指摘4. それでも応じなければ労働基準監督署へ申告、是正指導を求める5. 取得を理由に査定減や降格など不利益を受けたら、均等法9条のマタハラとして都道府県労働局の雇用環境・均等部に相談
訴えられた側:1. 育児時間は強行規定であり、就業規則に定めがないことは拒否理由にならないと理解する2. 請求があれば原則として認め、シフトや業務分担の調整は使用者側の義務として行う3. 時間帯は労働者の指定を尊重、一方的に昼に固定しない4. 有給とするか無給とするかを就業規則で明確化、トラブルを未然に防ぐ5. 育児時間の取得を理由とする不利益取扱いは均等法違反のリスクが高い、査定や配置で実質的な不利益を与えないよう注意
時効(請求できる期限):育児時間を請求できるのは生児が満1歳に達する日まで。請求しなかった過去分を遡って取得することはできない。会社が違法に使用した場合の未払賃金等の請求権は、労働基準法上の賃金請求権の消滅時効(労基法115条、当分の間3年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:労基法67条の育児時間は強行規定であり、就業規則に定めがなくても女性の請求により当然に成立する。有給か無給かは法律が定めておらず、就業規則・労働協約に委ねられる。取得を理由とする不利益取扱いは均等法9条違反となりうる、というのが通説的理解である
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法制定時に育児時間を規定。生後満1歳未満の生児を育てる女性の母性保護として、休憩とは別枠で1日2回各30分の育児時間請求権を定めた
- 労働基準法 第34条休憩時間、育児時間はこれとは別枠と明示
- 労働基準法 第65条産前産後休業、出産前後の母性保護
- 労働基準法 第66条妊産婦の時間外・深夜業の制限
- 労働基準法 第68条生理日の就業困難時の休暇、女性保護規定
- 労働基準法 第119条67条違反に対する罰則(拘禁刑・罰金)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第5条1歳までの育児休業制度、育児時間と並ぶ両立支援(通称 育児介護休業法)
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第9条育児時間取得等を理由とする不利益取扱いの禁止(通称 男女雇用機会均等法)
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