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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

労働基準法 第83条(補償を受ける権利)

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  1. 補償を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。
  2. 2.補償を受ける権利は、これを譲渡し、又は差し押えてはならない。

この条文の基本情報

補償を受ける権利とは何ですか?

定義補償を受ける権利とは、労働基準法第83条に定められた規定で、「補償を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 労働基準法第83条(補償を受ける権利)は、日本の労働基準法に含まれる条文です。
  2. 労働基準法第83条の条文原文は「補償を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」で始まります。
  3. 労働基準法第83条は第八章に置かれています。
  4. 労働基準法の公布日は昭和22年4月7日です。
  5. 労働基準法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 労働基準法第83条の前の条は労働基準法第82条です。
  7. 労働基準法第83条の次の条は労働基準法第84条です。
  8. 労働基準法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第83条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
  • 本サイト収録労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000049/83

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点労働基準法83条は、災害補償を受ける権利が労働者の退職によって変更されず、譲渡も差押えもできないと定める。裁判所の差押命令も及ばず、補償金は全額が保護される。

Q · 労災の補償金って、会社を辞めたり借金があったりすると取り上げられるんですか?

いいえ、退職でも消えず差押えもできません

労働基準法83条1項により、災害補償を受ける権利は労働者の退職によって変更されません。在職中のケガや病気が業務上のものなら、辞めた後でも補償を請求できます。さらに同2項により、補償を受ける権利は譲渡も差押えもできません。裁判所の差押命令も及ばないため、借金があっても債権者に取り上げられることはありません。補償金は被災労働者の治療と生活の最後の砦として、法律で固定されています。

解説

工場のプレス機に手を挟まれた、現場で足場から落ちた、過労で倒れた。仕事中の事故やケガで会社から受け取る災害補償(療養費、休業中の生活費、障害が残ったときの障害補償)には、世間が知らない二重の鎧が着せてある。第一に、あなたが会社を辞めても、この補償を受ける権利は一円も減らない。「退職したんだから補償は打ち切り」という会社側の常套句は、労働基準法83条1項の前で崩れる。第二に、この補償金はあなたから取り上げられない。他人に譲り渡すこともできなければ、借金取りや税務署が差し押さえることもできない(同2項)。なぜここまで守るのか。補償金はあなたの治療と生活の最後の砦であり、それを他人の手に渡せば、ケガをした本人が路頭に迷うからだ。あなたが今まで「会社の都合で消える金」と思っていたものは、法律が鎖で固定した、誰にも外せない金庫の中身だった。

法的な位置づけ

労働基準法83条は、災害補償請求権の保護を定める規定である。第1項は補償を受ける権利が労働者の退職によって変更されない旨を、第2項は当該権利を譲渡し又は差し押さえてはならない旨を規定し、被災労働者の生活保障を担保する譲渡禁止・差押禁止債権としての性格を明文化する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.業務上の災害として証拠を確保する 仕事中のケガ・病気はまず労災として記録を残す。診断書、事故状況のメモ、目撃者の連絡先、業務との因果関係がわかる資料(作業内容・シフト・現場写真)を確保する
  2. 2.退職を急がず補償の権利を確定させる 会社から退職を持ちかけられても、補償を受ける権利は退職で変更されない(83条1項)。退職届を急いで出さず、退職条件の交渉と労災補償を切り離して両方を取りに行く
  3. 3.労働基準監督署へ労災保険給付を請求する 補償の中身(療養補償75条、休業補償76条、障害補償77条、遺族補償79条)を確認し、所轄の労働基準監督署へ労災保険給付を申請する。会社が非協力でも本人が直接請求できる
  4. 4.差押え・譲渡の要求は条文を示して拒否する 債権者から補償金の差押えや譲渡を迫られたら、83条2項を示して拒否する。差押命令が申し立てられても対象外で却下される。必要なら労基署・労働組合・弁護士に相談する

よくある質問 AI による整理

Q1災害補償とは何ですか?

業務上の負傷・疾病・障害・死亡に対し、使用者が労働者やその遺族に支払う補償です。療養補償(75条)、休業補償(76条)、障害補償(77条)、遺族補償(79条)などがあり、83条がこれらの権利を保護します。

Q2労災補償の差押禁止の範囲はどこまでですか?

補償を受ける権利は全額が差押禁止です(83条2項)。賃金が原則4分の1までしか差押えできないのと異なり、災害補償は裁判所の差押命令も及ばず全額が守られます。

Q3労災の補償金はいつまでに請求すればいいですか?

災害補償を受ける権利は原則として行使できる時から2年で時効消滅します(労働基準法115条)。給付の種類により起算点が異なるため早めの手続きが安全です。

Q4労災保険給付と会社の災害補償はどう違いますか?

労災保険給付がなされるべき場合、使用者は労働基準法上の補償責任を免れます(84条)。実務では労災保険から給付されるのが通常で、会社へ直接請求する場面は限定されます。

Q5派遣社員でも労災補償を受けられますか?

受けられます。派遣社員も労働者であり、業務上の災害なら労災保険の対象です。契約満了直前でも、ケガをした時点で発生した補償請求権は退職や契約終了で変更されません。

Q6労災補償の権利は家族に譲れますか?

譲れません。補償を受ける権利は譲渡禁止です(83条2項)。ただし本人が亡くなった場合の遺族補償(79条)は、法律が定めた遺族の範囲・順位で受給者が決まります。

Q7通勤中のケガも83条で守られますか?

労働基準法の災害補償は「業務上」の災害が対象です。通勤災害は労災保険法の通勤災害給付の枠で扱われ、こちらも譲渡・差押禁止の保護があります(労災保険法12条の5)。

Q8労災補償を受け取った後のお金も差し押さえられませんか?

差押禁止は「受け取る前の権利」に及びます。口座に振り込まれた後の現金は預金債権として差押えの対象になりうるため、入金の出所を記録しておくと対抗しやすくなります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1会社を辞めた後でも、在職中のケガの労災補償って請求できるんですか?

できます。補償を受ける権利は退職によって変更されない(83条1項)ので、ケガや病気が業務上のものなら、退職後でも療養補償や障害補償を請求できます。請求先は会社経由ではなく労働基準監督署です。実務のポイント:会社が「退職したらもう無理」と言うのは法的根拠のない揺さぶりで、退職金を上乗せする代わりに労災申請を諦めさせようとするケースが実際にあります。退職条件の交渉と労災補償は完全に別物として、両方とも取りに行くのが正解

Q2借金があるんですが、入ってくる労災の補償金も差し押さえられてしまいますか?

差し押さえられません。補償を受ける権利は差押えが禁止されており(83条2項)、裁判所の差押命令も及びません。給料が原則4分の1まで差押え可能なのとは守りの厚さが違います。実務のポイント:いったん口座に振り込まれた後の現金は、口座残高として差押えの対象になりうるという落とし穴があります。補償金を受け取ったら、生活費として速やかに使うか、差押禁止財産だと立証できるよう入金の出所を記録しておくと、後で口座差押えに対抗しやすい

Q3親が労災でもらえる補償の権利を、子どもの自分が代わりに受け取ることはできますか?

原則できません。補償を受ける権利は譲渡が禁止されており(83条2項)、本人から他人へ権利そのものを移すことはできません。本人が亡くなった場合の遺族補償(79条)は、法律が定めた遺族の範囲・順位で受給者が決まります。実務のポイント:『権利』は譲れなくても、本人が受け取った後の『現金』は自由に贈与・相続できます。譲渡禁止が効くのは受け取る前の段階だけ、という線引きを知っていると、家族間でのお金のやり取りで混乱しなくて済む

間違えやすい点 AI による整理

  • 「退職したら労災の補償はもらえなくなる」と信じている人が圧倒的に多いが、これは前提そのものが誤っている。補償を受ける権利は、ケガや病気で発生した時点であなたのものになっており、その後に退職しようが解雇されようが、権利の中身は一切変わらない(83条1項)。会社が退職を補償打ち切りの口実に使うのは、この誤解を利用した揺さぶりにすぎない
  • 差押え禁止という言葉は知っていても、その守りの厚さを多くの人が過小評価している。これは「払い渋りができる」程度の話ではなく、裁判所の差押命令すら通らないという強力な保護だ(83条2項)。給料の差押えは原則4分の1まで許される(民事執行法152条)のに対し、災害補償は全額が守られる。同じ『あなたに入る金』でも、守りの段違いさを知らないと損をする
  • 「権利は譲渡できないなら、自分も自由に使えないのか」と不安になる人がいるが、これは混同。譲渡・差押えが禁止されるのは『補償を受け取る前の権利』であって、いったんあなたの口座に振り込まれた後の現金は、あなたの自由。誰かに贈与しようが返済に充てようが、それはあなたの判断
比較の観点この条文ほかの条文
差押えの可否災害補償請求権(83条):全額が差押禁止、差押命令も及ばない賃金(労基法24条・民執152条):原則4分の3が差押禁止(4分の1まで可)
一般の金銭債権:原則として全額差押え可
譲渡の可否譲渡禁止(83条2項)賃金は直接払の原則(労基法24条)で制限
自由に譲渡可(民法466条)
退職の影響退職によって権利は変更されない(83条1項)退職後も未払賃金は請求可
退職の概念は直接関係しない
保護の根拠・趣旨被災労働者の治療・生活の最後の砦としての生存権保障労働者の生活費としての賃金保護
取引の自由・債権回収の確保

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾労働基準法第61条・第59条以下

台湾も職業災害補償について、受領補償の権利の譲渡・抵銷・扣押・担保供与を一括して禁止しており、日本83条と保護構造がほぼ一致する

韓国
韓国근로기준법 제86조

補償を受ける権利は退職によって変更されず、譲渡・差押えできないと規定し、日本83条とほぼ同一の文言・構造を持つ継受立法

ドイツ
SGB VII(労災保険)+ § 54 SGB I

ドイツは労災を社会保険として制度化し、社会給付請求権の差押えを SGB I で制限する。日本の使用者補償責任とは制度設計が異なるが、給付保護の趣旨は共通

アメリカ
State Workers' Compensation Acts

米国の労災補償は州法ベースで、多くの州が給付を譲渡・差押えから免除する exemption 規定を置く。連邦統一法は存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 仕事中のケガで通院中、会社の人事から「治療が長引くなら一度退職してもらえないか、退職金は上乗せする」と持ちかけられた。サインすれば補償が消えると思って怯えるが、83条1項で退職しても補償を受ける権利はそのまま。退職を迫る圧力と補償の打ち切りは、法的には別の話だと知っているだけで交渉の足場が変わる
  • あなたに消費者金融の借金が膨らんでいる。労災で障害補償の一時金が入ると聞きつけた業者が「その補償金を返済に充てろ」と差押えをちらつかせる。だが83条2項で差押えは禁止。仮に裁判所に差押命令を申し立てても、この債権は対象外で却下される。補償金はあなたの口座に入るまで守られる
  • もし、亡くなった同僚の遺族補償を、その人の借金の保証人だったあなたが肩代わりで受け取れないか、と考えたら? 答えは否。補償を受ける権利は譲渡できないため、遺族から第三者へ権利を移すことはできない。受け取れるのは法が定めた遺族だけだ
  • 派遣社員として働いていて、契約満了の直前に業務でケガをした。「もう契約が切れるから補償はうちの責任ではない」と派遣元・派遣先がたらい回しにする。だが補償を受ける権利は契約終了や退職で変更されない。あと数日で契約満了でも、ケガをした時点で発生した補償請求権は生き続ける
  • 障害補償を受け取った直後、知人から「その金を元手に一緒に事業をやろう、補償の権利ごと共同事業に出資してくれ」と誘われる。権利そのものの譲渡はできないので、受け取った後の現金は自由だが、受け取る前の『権利』を他人と分け合う約束は法的に無効だと押さえておく

取るべき行動

被害を受けた側:1. 仕事中のケガ・病気はまず労災として記録を残す。診断書、事故状況のメモ、目撃者、業務との因果がわかる資料を確保2. 退職を迫られても、補償を受ける権利は退職で変わらない(83条1項)ので、退職と補償を切り離して考える。退職届を急いで出さない3. 補償の中身(療養補償75条、休業補償76条、障害補償77条、遺族補償79条)を確認し、労災保険給付(労働者災害補償保険法)の申請を労働基準監督署へ4. 補償金への差押えや譲渡の話が出たら83条2項を示して拒否、必要なら労基署・労働組合・弁護士に相談

訴えられた側:1. 使用者として補償請求を受けた場合、労災保険給付がなされるべきときは民事の補償責任が調整される(労働基準法84条)ので、まず労災保険の適用関係を整理2. 「退職済みだから補償しない」という主張は83条1項で通らないと認識し、不要な紛争を避ける3. 補償額や因果関係に争いがあるなら、業務起因性・過失相殺の可否を医学的資料で精査4. 補償金から相殺・天引きをしようとする前に、差押禁止・譲渡禁止(83条2項)の趣旨に反しないか確認する

時効(請求できる期限):災害補償を受ける権利は、これを行使できる時から原則2年で時効消滅する(労働基準法115条、ただし障害補償・遺族補償など給付の種類により起算点が異なる)。労災保険給付の請求権も給付ごとに2年または5年の消滅時効がある(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:83条の譲渡禁止・差押禁止は、補償金が被災労働者の生存を支える生活保障的給付であることに基づく強行規定であり、これに反する譲渡契約や差押えは効力を生じない。保護が及ぶのは受領前の請求権であって、受領後の金銭には及ばないと解される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:労働基準法の制定により、災害補償の章(第8章)の一部として83条を設置。補償請求権の退職非変更・譲渡禁止・差押禁止を明文化し、被災労働者保護の基礎を確立した。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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