要点労働基準法87条は、土木・建築などの事業が数次の請負で行われる場合、災害補償について元請負人を使用者とみなすと定める。下請が倒産しても元請が補償責任を負う。
Q · 下請けの会社で働いていて現場で大怪我。会社が補償してくれないとき、誰に請求できる?
建設現場なら一番上の元請に災害補償を請求できます
労働基準法87条により、土木・建築などの事業が数次の請負で行われる場合、災害補償については元請負人が使用者とみなされます。したがって直接の雇い主である下請が補償を渋ったり倒産しても、最上位の元請に対して療養補償や休業補償を請求できます。実務でも建設業の労災保険は元請が一括加入しているため、元請の労災番号で給付手続が進みます。災害補償請求権の時効は2年(同法115条)なので早めに動くべきです。
建設現場で足場から転落して大怪我をした。あなたを雇っていたのは三次下請けの小さな会社で、その社長は補償の話を持ち出した途端に電話に出なくなった。ここで多くの人は「雇い主が逃げたら終わりだ」と思う。だが労働基準法87条は、その思い込みをひっくり返す。土木・建築などの事業が数次の請負で行われる場合、災害補償については一番上の元請負人を「使用者とみなす」。つまり、あなたを直接雇っていなくても、元請があなたの療養費や休業補償の責任者の椅子に強制的に座らされる。元請が下請に書面で補償を引き受けさせていれば下請も使用者になるが、その下請が破産したり行方不明になれば、結局は元請が払う。重層下請けという建設業の構造は、本来なら被災者を一番弱い末端に置き去りにする。87条はその構造を逆手に取り、資力のある頂点に責任を引き戻す安全網だ。
労働基準法87条は、厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の災害補償責任の所在を定める規定である。原則として最上位の元請負人を使用者とみなし、下請負人が書面による契約で補償を引き受けたときはその下請負人もまた使用者となる。元請は補償を引き受けた下請への催告を請求できるが、その下請が破産手続開始の決定を受け、又は行方が知れない場合はこの限りでない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
数次の請負で行われる事業の災害補償について、元請負人を使用者とみなすと定める規定です。建設業など重層下請構造で、被災労働者を資力のある元請が補償する仕組みです。
直接雇用していなくても、災害補償の責任者として元請を法律上の使用者として扱うという意味です。療養補償や休業補償の支払義務が元請に発生します。
労働基準法87条により災害補償は元請が使用者とみなされます。労災保険も元請が一括加入しているのが原則のため、給付は元請の労災番号で処理されます。
あります。災害補償その他の請求権の時効は2年です(労働基準法115条)。労災保険給付の時効は療養・休業が2年、障害・遺族が5年と別建てです。
建設業では元請を事業主として保険関係を一括する制度です(徴収法8条)。下請の労働者が被災しても元請の保険番号で給付が出るため、下請の未加入や倒産でも補償が途切れにくくなります。
労働基準法施行規則48条の2が定める土木・建築その他工作物の建設・改造・保存・修理・変更・破壊・解体などの事業です。これらが数次請負で行われる場合に87条が適用されます。
原則として負いません。87条が使用者とみなすのは元請負人であり、工事を注文した発注者・施主は責任の連鎖に巻き込まれないのが原則です。
二重には受け取れません。労災保険給付が行われると、その範囲で使用者は災害補償責任を免れます(労働基準法84条)。給付で埋まらない部分を災害補償で補う関係になります。
建設業のような数次請負では、労働基準法87条で元請負人が使用者とみなされ補償責任を負います。実務でも建設の労災保険は元請が一括加入している(徴収法8条)ため、下請が倒産しても元請の労災で給付が出ます。業界裏話ヒント:『雇い主が潰れた=泣き寝入り』と思う人が多いが、労基署に現場名と元請名を伝えれば、元請の労災番号で手続は進む。
原則として届きません。87条が守るのは『労働者』で、一人親方は事業主扱いのため対象外です。だからこそ労災保険の特別加入制度があり、加入していなければ現場の怪我は丸ごと自己負担になります。業界裏話ヒント:元請が特別加入を入場条件にする現場も多いが、形だけで未加入のまま入っているケースが後を絶たない。入場前に自分の特別加入番号を必ず確認する。
完全には免れません。87条2項で書面契約があれば下請も使用者になりますが、元請の責任が消えるわけではなく、87条3項で『まず下請に催告せよ』と請求できるにとどまります。しかも下請が破産・行方不明なら元請が直接補償します。業界裏話ヒント:書面の引受契約は責任移転ではなくクッションに過ぎない。下請の資力が怪しい現場では、書面があっても最後は元請が払う前提で労災保険を固めるのが実務。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 87条:数次請負で元請を使用者とみなし補償責任者を確定 | — |
| 誰が責任を負うか | 最上位の元請負人(書面契約があれば下請も) | — |
| 下請倒産時の帰結 | 元請が直接補償(87条3項ただし書) | — |
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