排除措置命令等に係る行政事件訴訟法第三条第一項に規定する抗告訴訟については、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律(昭和二十二年法律第百九十四号)第六条の規定は、適用しない。
要点独占禁止法 88 条は、排除措置命令を争う抗告訴訟について法務大臣権限法 6 条を適用せず、公正取引委員会が法務省を介さず自ら訴訟に応訴すると定める。
Q · 公取委の排除措置命令を裁判で争うと、相手は誰になるの?
法務省ではなく、命令を出した公正取引委員会そのものです。
独占禁止法 88 条により、排除措置命令等を争う抗告訴訟では、国の訴訟を法務大臣に集約する法務大臣権限法 6 条が適用されません。そのため被告となる公正取引委員会は、法務省の指定代理人ではなく、独立行政委員会として自らの職員・審査官を代理人に立てて直接応訴します。つまり法廷の相手は、命令前の調査で自社を調べ上げた当事者そのもの。調査段階で提出した資料や供述を最もよく知る相手が被告席に座るため、訴訟戦略は調査段階から一貫させる必要があります。
あなたの会社が公正取引委員会から排除措置命令(カルテルや私的独占をやめろという行政命令)を突きつけられ、これは不当だと裁判で争うことにした。多くの経営者や法務担当は、相手は国だから、法廷には法務省の代理人が出てくるのだろうと漠然と構える。そこが盲点だ。第88条は、排除措置命令などを争う抗告訴訟(行政事件訴訟法第3条1項の取消訴訟など)について、国がらみの訴訟を法務大臣が一手に仕切る法務大臣権限法第6条を、適用しないと宣言している。つまり法廷の向こうに座るのは法務省が選んだ外部の代理人ではなく、あなたの会社を何か月もかけて調べ上げた公取委そのもの、その審査官たちだ。証拠を握り、事実関係を誰より知る当事者が、そのまま訴訟の相手になる。この一行を知らずに訴訟戦略を組むと、相手の手の内を読み違える。
独占禁止法 88 条は訴訟代理の特例を定める規定であり、排除措置命令等に係る抗告訴訟については、国の利害に関係する訴訟を法務大臣が統括する法務大臣権限法 6 条の適用を除外する。その結果、公正取引委員会が独立行政委員会として自ら訴訟を遂行し、法務省を介さず直接応訴する仕組みが確立される。
公正取引委員会が、カルテルや私的独占などの独禁法違反行為をやめさせ、再発を防ぐために出す行政命令です。名宛人はこれを争うか受け入れるかを選べます。
行政庁の処分の取消しなどを求める訴訟の総称です(行政事件訴訟法 3 条 1 項)。排除措置命令に不服がある場合、この抗告訴訟として裁判所に提起します。
国の利害に関係する訴訟を法務大臣が統一的に指揮し、指定代理人を通じて遂行する仕組みを定めた法律です。独禁法 88 条はこの一般ルールの適用を外します。
東京地方裁判所の専属管轄です(独占禁止法 85 条)。他の裁判所に提起することはできず、3 人または 5 人の合議体で審理されます(86 条)。
抗告訴訟の出訴期間は、処分を知った日から 6 か月、処分の日から 1 年です(行政事件訴訟法 14 条)。争うなら命令受領後の早い動き出しが重要です。
排除措置命令は違反行為の中止・再発防止を命じる行政命令、課徴金納付命令は違反による経済的利得を国が徴収する金銭的措置です。併存することが多く、命令ごとに対応を検討します。
88 条により法務省の指定代理人ではなく、公正取引委員会が自らの職員・審査官を代理人に立てて直接応訴します。事件を調査した当事者がそのまま被告側に立ちます。
違反被疑行為について、事業者が自主的な是正措置を公取委と合意することで、排除措置命令や課徴金納付命令を回避できる制度です。命令自体を避ける早期の選択肢になります。
被告は公正取引委員会そのもので、行政事件訴訟法第3条の抗告訴訟(取消訴訟)として東京地方裁判所に提起します(独占禁止法第85条)。本来、国がらみの訴訟は法務大臣権限法第6条で法務省の指定代理人が仕切りますが、第88条がこれを外し、公取委が自らの職員・審査官を代理人に立てて直接応訴します。業界裏話ヒント:つまり法廷の相手は事件を調べ上げた当人たち。調査段階で出した資料や供述と食い違う反論は即座に突かれるので、命令前の段階から一貫した事実の枠組みを残しておくことが効いてくる
2015年4月施行の改正で公取委内部の審判が廃止され、命令に不服なら直接、東京地裁へ抗告訴訟を起こす形になりました。東京地裁の専属管轄(第85条)で、3人または5人の合議体(第86条)が審理し、第88条により法務省を介さず公取委が直接応訴します。業界裏話ヒント:審判廃止で最初の土俵が裁判所になった分、命令が出る前の意見聴取・証拠提出という事前手続の攻防が以前より重い。命令後に巻き返すより、命令前に筋を作る方が勝率は高い(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 特則の内容 | 88 条:訴訟代理の特例(公取委が自ら応訴) | — |
| 排除・修正する一般原則 | 法務大臣権限法 6 条(国の訴訟の法務大臣への集約) | — |
| 狙い | 専門官庁による自律的な命令の防御 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。
以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。