要点地方自治法 238 条は、公有財産を行政財産と普通財産に分類する。行政財産は公用・公共用に供する財産で原則時効取得できず、普通財産はそれ以外で売却・貸付や取得時効の対象になる。
Q · 市や町が持っている土地や建物は、住民や事業者でも買ったり借りたりできるの?
「普通財産」なら売却・貸付の対象になり得ます
地方自治法 238 条は公有財産を行政財産と普通財産に分類します。行政財産は庁舎・学校・道路・公園のように現に公共の用に供されている財産で、原則として売却も貸付もできず、出せるのは使用許可(238 条の 4)だけです。一方、用途のない普通財産は民間の不動産と同じように扱われ、議会の議決等の手続を踏めば売却・貸付ができます(238 条の 5)。さらに普通財産は民法 162 条の取得時効の対象にもなるため、20 年(善意無過失なら 10 年)の占有で自分名義にできる余地があります。
役所が持っている財産には、二つの顔がある。一つは庁舎、学校、道路、公園のように公共のために使われている「行政財産」。もう一つは、使い道のないまま遊んでいる土地や建物といった「普通財産」だ。地方自治法 238 条は、まずこの線引きをする条文である。なぜあなたに関係するのか。ここからが本題だ。普通財産は、民間の不動産と同じように扱われる。つまり、20 年(善意無過失なら 10 年)占有し続ければ、民法の取得時効で自分の名義にできる余地がある。逆に、現に公共の用に供されている行政財産は、原則として何年居座っても時効取得できない。同じ「市の土地」でも、この分類のどちら側にあるかで、あなたの権利が天と地ほど変わる。さらにこの条文は、株式、社債、地方債、特許権、著作権、船舶までも公有財産に含めている。自治体は不動産だけでなく金融資産も握っているということだ。その運用の失敗は、最後にあなたの住民税へ跳ね返ってくる。
公有財産とは、普通地方公共団体が所有する不動産、船舶、地上権、特許権・著作権、株式・社債・地方債などの財産をいう(基金に属するものを除く)。地方自治法 238 条はこれを、公用または公共用に供する行政財産と、それ以外の一切の財産である普通財産とに分類する。分類は売却・貸付の可否や取得時効の成否を左右する基準として機能する。
普通地方公共団体が所有する不動産、船舶、地上権、特許権・著作権、株式・社債・地方債などの財産です(基金に属するものを除く)。地方自治法 238 条が定義します。
行政財産は公用・公共用に供する財産で原則売却・貸付不可、使用許可のみ。普通財産はそれ以外で、売却・貸付や取得時効の対象になります。用途廃止で行政財産は普通財産に変わります。
普通財産は地方自治法 238 条の 5 に基づき、議会の議決など所定の手続を経て売却・貸付・交換ができます。民間不動産に近い扱いで、住民や事業者が取得・活用の対象にできます。
行政財産は貸付できませんが、地方自治法 238 条の 4 により一時的な「使用許可」が出る場合があります。庁舎内の売店や自販機が例で、公用の必要が生じれば撤回され得ます。
各自治体が公有財産台帳(財産台帳)を備えており、情報公開請求や閲覧手続で行政財産か普通財産かを確認できます。交渉前の分類確認に有用です。
行政財産が用途廃止されると普通財産に変わり、売却の対象になり、取得時効の進行も始まります。廃校・旧庁舎などの用途廃止情報は活用の起点になります。
238 条 1 項 6 号が株式・社債・地方債・国債を公有財産に含めるためです。自治体は不動産だけでなく金融資産も保有し、その運用は住民負担に影響します。短期社債等は除かれます。
普通財産なら 20 年(善意無過失なら 10 年)の占有で取得時効が成立し得ます。行政財産は原則不可ですが、黙示の公用廃止が認められた最高裁判例(最判昭和 51.12.24)もあります。
普通財産なら本当です。民間の不動産と同じく、20 年(善意無過失なら 10 年)の占有で取得時効が成立しうる(民法 162 条)。ただし現に公共の用に供されている行政財産は、原則として何年占有しても取れません。業界裏話ヒント:実は最高裁(最判昭和 51.12.24)は、長年放置され公共用途が事実上失われた行政財産について、黙示の公用廃止を認めて時効取得を肯定した例がある。「行政財産だから無理」と言われても、その土地が本当に使われていたか、実態を争う余地が残っている
それは一部です。238 条は不動産だけでなく、船舶、航空機、特許権・著作権・商標権、株式、社債、地方債、国債、信託受益権まで公有財産に含めています。基金に属するものは除かれます。業界裏話ヒント:このうち普通財産は、議会の議決などの手続を踏めば売却・貸付ができる(地方自治法 238 条の 5)。自治体が持て余す土地・建物・債権は、住民や事業者が交渉して取得・活用できる対象になっている。台帳を見れば、地元にどんな遊休資産があるか分かる
売却や本来の意味での貸付はできませんが、行政財産でも「使用許可」(地方自治法 238 条の 4)という形で一時的に使える場合があります。庁舎内の売店や自販機などがその例です。業界裏話ヒント:使用許可は賃貸借と違い権利が弱く、公用・公共用の必要が生じれば許可を撤回されうる。腰を据えて事業をやるなら、対象がいずれ用途廃止されて普通財産になるタイミングを狙い、貸付や購入に切り替える戦略の方が安定する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 定義(238 条 4 項) | 公有財産=行政財産+普通財産の総称 | — |
| 売却・貸付の可否 | 分類により決まる | — |
| 取得時効(民法 162 条) | 分類で成否が分かれる | — |
| 相互移行 | 用途廃止・公用開始がスイッチ | — |
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