職業安定法 第33条の6(厚生労働大臣の指導等)
クイックジャンプ
厚生労働大臣は、労働力の需要供給を調整するため特に必要があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、職業紹介事業者に対し、職業紹介の範囲、時期、手段、件数その他職業紹介を行う方法に関し必要な指導、助言及び勧告をすることができる。
この条文の基本情報
厚生労働大臣の指導等とは何ですか?
定義厚生労働大臣の指導等とは、職業安定法第33条の6に定められた規定で、「厚生労働大臣は、労働力の需要供給を調整するため特に必要があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、職業紹介事業者に対し、職業紹介の範囲、時期、手段、件数その…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第33条の6(厚生労働大臣の指導等)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第33条の6の条文原文は「厚生労働大臣は、労働力の需要供給を調整するため特に必要があるときは、厚生労働省令で定めるところにより、職業紹介事業者に対し、職業紹介の範囲、時期、手段、件数その…」で始まります。
- 職業安定法第33条の6は第三節 補則に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第33条の6の前の条は職業安定法第33条の5です。
- 職業安定法第33条の6の次の条は職業安定法第34条です。
- 職業安定法第33条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第33条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第33条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/33_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法33条の6は、厚生労働大臣が需給調整のため特に必要なとき、職業紹介事業者に紹介の範囲・時期・手段・件数等について指導・助言・勧告できると定める。ただし強制力はない。
Q · 厚生労働大臣から紹介のやり方について勧告を受けたら、従わないといけないの?
法的義務はないが、無視すると実務上の記録に残る
職業安定法33条の6に基づく指導・助言・勧告は行政指導であり、法的な強制力はありません。行政手続法32条2項により、従わなかったことだけを理由に不利益に扱うことも禁じられています。ただし、別の法令違反があれば改善命令(48条の3)や許可取消し(32条の9)の対象になります。実務では、口頭の指導について書面の交付を求め(行政手続法35条3項)、理由を付けて回答するのが基本的な対応です。
解説
条文が使う動詞は三つ、「指導」「助言」「勧告」だけである。命令も停止も罰則も書かれていない。それでも人材紹介会社にとって軽く扱える条文ではない。厚生労働大臣は、労働力の需給調整のために特に必要があるときに限り、紹介の範囲・時期・手段・件数まで踏み込んで口を出せる。たとえば紹介を何月から始めるか、どの媒体を使うか、何件まで扱うかである。ただし法的には行政指導(役所が相手の任意の協力を求める働きかけ)にすぎない。行政手続法32条により、従わなかったことだけを理由に不利益に扱うことは禁じられている。一方で、別の違反を理由とする改善命令(48条の3)や許可取消(32条の9)の権限は、同じ役所が持っている。紹介事業者は、指導の書面を求める権利と、従わない場合のリスクを同時に計算しなければならない。求職者の側から見れば、この条文があるからこそ、景気の急変時に紹介の手法を国が調整する手段が確保されている。
法的な位置づけ
職業安定法33条の6は、職業紹介事業者に対する厚生労働大臣の行政指導権限を定める規定である。労働力の需要供給を調整するため特に必要があるときに限り、厚生労働省令の定めに従い、職業紹介の範囲、時期、手段、件数その他の方法について指導、助言および勧告をすることができる。強制力や罰則を伴う処分ではない。
手順
- 1.口頭の指導を書面化させる 労働局などから電話や面談で指導を受けたら、その場で行政手続法35条3項に基づき、趣旨・内容・根拠条文・責任者を書面で交付するよう求める。
- 2.「特に必要があるとき」の理由を確認する 交付された書面で、労働力の需給調整のため特に必要とされる具体的な事情と、対象になっている紹介の範囲・時期・手段・件数を確認する。
- 3.影響額を試算して回答を準備する 指導に従った場合の売上や採用スケジュールへの影響を試算し、従う部分・協議したい部分・従えない部分とその理由を整理して、書面で回答する。
- 4.別の違反がないか点検する 手数料の届出、労働条件の明示(5条の3)、個人情報の管理など、改善命令(48条の3)や許可取消し(32条の9)につながりやすい項目を自社で点検し、立入検査(50条)に備える。
よくある質問 AI による整理
Q1職業安定法33条の6とは?
厚生労働大臣が、労働力の需給調整のため特に必要なときに、職業紹介事業者へ紹介の方法について指導・助言・勧告できると定めた条文です。
Q2行政指導と行政処分の違いは?
行政指導は相手の任意の協力を求める働きかけで、法的拘束力はありません。行政処分は改善命令や許可取消しのように、法的効果を一方的に生じさせるものです。
Q3労働局の行政指導 断ることはできる?
できます。行政指導への協力は任意であり、行政手続法32条は、従わないことだけを理由とする不利益な取扱いを禁止しています。
Q4人材紹介会社 改善命令 どんな場合?
職業安定法やこれに基づく命令に違反し、業務の適正な運営を確保するため必要があると認められるときに、48条の3に基づいて出されます。
Q5行政指導 書面 請求 方法は?
口頭で指導を受けた際に、行政手続法35条3項に基づいて趣旨・内容・責任者を記載した書面の交付を求めます。特別な様式は定められていません。
Q6職業紹介事業 許可取消し 理由は?
職業安定法の規定やこれに基づく命令・処分への違反、欠格事由に該当した場合などに、32条の9に基づいて許可取消しや事業停止が命じられることがあります。
Q7大学のキャリアセンターも職業安定法の対象?
学校が届出により無料職業紹介事業を行う場合、職業紹介事業者として本条の指導・助言・勧告の対象になり得ます。
Q8労働局の立入検査 拒否できる?
職業安定法50条の報告徴収や立入検査は行政指導ではありません。拒否や虚偽報告は罰則の対象となるため、指導とは扱いが異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勧告を無視したら、会社名を公表されたりしますか?
本条そのものには公表や罰則の規定はない。行政手続法32条2項は、指導に従わなかったことを理由とする不利益取扱いを禁じている。実務のポイント:怖いのは勧告そのものではなく、同じタイミングで行われる立入検査(50条)で別の違反が見つかることである。勧告を受けたら、まず自社の法令遵守を点検するのが定石である
Q2電話で「ちょっと控えてほしい」と言われただけですが、記録は残すべきですか?
残すべきである。行政手続法35条3項により、口頭の行政指導であっても趣旨や根拠を書面で交付するよう求めることができる。実務のポイント:書面を求められると、担当者は根拠条文を本条として明記する必要がある。その時点で「特に必要があるとき」という要件を満たしているかどうかが役所内部でも再確認され、指導の内容が穏やかになることは珍しくない
間違えやすい点 AI による整理
- 「大臣の勧告だから、従わなければ営業停止になる」と考えるのは誤りである。本条は行政指導の根拠にとどまる。行政手続法32条2項により、指導に従わなかったことだけを理由に不利益な取扱いをすることは禁止されている。処分が下されるのは、別の法令違反が成立した場合に限られる
- 「行政指導なら無視しても問題ない」という理解は浅い。法的な強制力がないことと、実務上の影響がないことは別の話である。許可の有効期間の更新や、48条の2の指導、48条の3の改善命令を発動するかどうかの判断において、それまでの対応経過は担当官が目にする事実として残る
- 「勧告に不服なら取消訴訟で争えばいい」と考えるとき、その問い自体が前提を誤っている。行政指導は原則として処分性(裁判で取消しを求められる「役所の決定」としての性質)を欠くため、取消訴訟の対象にならない。例外的に勧告の処分性を認めた最高裁判例(最判平成17.7.15、病院開設中止勧告)はあるが、本条の勧告に及ぶかどうかは解釈が分かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の要件 | 33条の6:労働力の需給調整のため特に必要があるとき | 48条の2:法の施行に関し必要があると認めるとき 48条の3:法令違反があり、適正運営の確保に必要なとき |
| 手段 | 指導・助言・勧告(紹介の範囲・時期・手段・件数等) | 指導・助言(業務の適正な運営の確保) 改善命令 |
| 法的拘束力 | なし(行政指導) | なし(行政指導) あり(行政処分。違反は罰則の対象) |
| 前提となる違反 | 不要(市場全体の調整が目的) | 不要 必要 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では私立就業服務機構を許可制とし、主管機関が許可・管理辦法を通じて監督する。日本の本条のように、需給調整を目的とした紹介方法への指導を定めた規定は確認できていない。
韓国でも有料職業紹介事業は登録制で、行政による監督の仕組みがある。
ドイツでは民間職業紹介は原則として自由化されており、規律の中心は紹介契約と報酬の上限である。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが経営する新卒向け紹介会社に、労働局から「内定の早期化を控えるように」と電話が入った。口頭だけで済ませてよいのか? 行政手続法35条に基づいて、趣旨と根拠条文を書面にするよう求めることができる
- 大規模災害の後、被災地で求人と求職のバランスが大きく崩れた。紹介事業者は件数を競って地域外へ人を送り出し、地元の復旧に必要な人手が足りなくなる。こうした場面が、本条の想定する「特に必要があるとき」の典型にあたる
- 外国人材の紹介で、送出し側と受入れ側の件数が急増した。所管官庁から紹介の手段について助言が届く。従う義務はないが、無視した記録は次の許可更新審査で担当官の印象に残る
- あと二週間で採用シーズンが始まる時期に、勧告書が届いた。社内で方針を決めるまでの時間はほとんどない
取るべき行動
被害を受けた側:紹介事業者の急激な手法変更や件数の偏りによって、求職者や地域の求人企業が不利益を受けている場合は、管轄の都道府県労働局の需給調整事業部門に具体的な事実を情報提供する。1. 日時、事業者名、紹介の手段を記録する2. 求人票やメールを保存する3. 個別の違反があれば、48条の4の申告制度の利用を検討する。本条は大臣の権限を定める規定であり、個人が発動を請求できるわけではない点に注意する
訴えられた側:1. 口頭で指導を受けたら、行政手続法35条に基づいて趣旨・内容・根拠条文を書面で交付するよう求める2. 「需給調整のため特に必要」とする理由を確認する3. 社内で影響額を試算し、従う部分、協議したい部分、従えない部分を理由付きで回答する4. 同時に、手数料の届出、5条の3の労働条件明示、個人情報管理など別の違反がないかを点検し、改善命令や許可取消につながる経路を先に塞ぐ
時効(請求できる期限):本条の指導・勧告に法定の回答期限はない。勧告書に期限が記載されていれば、それが実務上の目安になる。不服申立てについて特定の期限はないが、指導が処分と評価される例外的な場合は、審査請求が処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟が6か月以内(行政事件訴訟法14条)となる
学説
通説:本条の指導・助言・勧告は行政指導であり、原則として処分性を欠く。強制が必要な場面は48条の3の改善命令や32条の9の許可取消しで対応するという役割分担になっている。
- 職業安定法 第48条の2法施行のための一般的指導助言
- 職業安定法 第48条の3違反時の改善命令、強制段階
- 職業安定法 第32条の9許可取消・事業停止命令
- 職業安定法 第50条報告徴収と立入検査
- 行政手続法 第32条不服従を理由の不利益取扱禁止
- 行政手続法 第35条行政指導の明示と書面交付請求
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める