職業安定法 第40条(報酬の供与の禁止)
クイックジャンプ
労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。
この条文の基本情報
報酬の供与の禁止とは何ですか?
定義報酬の供与の禁止とは、職業安定法第40条に定められた規定で、「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 職業安定法第40条(報酬の供与の禁止)は、日本の職業安定法に含まれる条文です。
- 職業安定法第40条の条文原文は「労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可…」で始まります。
- 職業安定法第40条は第三章の二 労働者の募集に置かれています。
- 職業安定法の公布日は昭和22年11月30日です。
- 職業安定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 職業安定法第40条の前の条は職業安定法第39条です。
- 職業安定法第40条の次の条は職業安定法第41条です。
- 職業安定法第40条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第40条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000141 - 本サイト収録
職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第40条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000141/40
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点職業安定法40条は、労働者を募集する者が募集従事者や募集受託者に報酬を与えることを禁じる。賃金としての支払いと、36条2項の認可を受けた報酬だけが例外となる。
Q · 社外の知人に「採用できたら1人5万円」と払ってもいいの?
原則不可。賃金か36条の認可報酬でなければ違反になる
職業安定法40条は、労働者の募集を行う者が、募集に従事する被用者や募集受託者に報酬を与えることを禁じています。許されるのは、自社の従業員に賃金・給料として支払う場合と、36条の許可を受けた委託募集で同条2項の認可を受けた報酬を与える場合だけです。社外の知人や学生への成果報酬はどちらにも当たらず、違反すると65条により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となりえます。
解説
人手不足の会社が社員に「友達を紹介して入社したら10万円」と声をかけるのは、珍しい光景ではない。だが払い方を一つ間違えると、刑事罰の対象になる。職業安定法40条は、労働者を募集する者が、募集に関わった人へ報酬を渡すことを原則として禁じている。許される出口は二つしかない。一つは、自社の従業員に「賃金」(労働の対価として会社が払うお金)として払うこと。もう一つは、厚生労働大臣の許可を受けた委託募集(36条)で、認可を受けた額の報酬を払うことである。紹介ボーナスは、就業規則や賃金規程に根拠を置いた賃金として支給するのが実務の定石になる。一方、社外の友人、学生アンバサダー、SNS で応募者を集めてくれる個人に「一人入社ごとに○万円」を払う設計は、二つの出口のどちらにも乗らない。違反すると6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されうる(65条)。制度を作る側にいるなら、告知文を書く前に、まず規程の一行を確認すべきである。
法的な位置づけ
職業安定法40条は、労働者の募集における報酬供与の禁止を定める規定である。募集を行う者が、募集に従事する被用者または募集受託者に報酬を与えることを原則として禁じ、賃金・給料その他これらに準ずるものの支払いと、36条2項の認可に係る報酬の供与のみを例外として認める。違反には65条の罰則が適用される。
よくある質問 AI による整理
Q1リファラル採用の報酬は合法ですか?
自社の従業員に賃金として支払うなら、職業安定法40条の例外に当たり適法に運用できます。賃金規程に支給要件と金額を定めておくことが前提です。
Q2職業安定法40条に違反するとどうなる?
65条により6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されうります。労働局の指導により採用の仕組み自体の見直しを迫られることもあります。
Q3学生アンバサダーに紹介謝礼を払うのは違法?
学生は自社の従業員ではないため賃金の例外に乗りません。36条の許可と報酬認可がない限り、40条の禁止報酬に該当するおそれがあります。
Q4内定者に友人紹介の謝礼を払ってもいい?
入社前の内定者には賃金を払う関係が始まっていないため、賃金の例外に乗せにくく扱いが分かれます。入社後の賃金として規程化する方が安全です。
Q5委託募集の許可はどこに申請する?
報酬を与えて被用者以外の者に募集を行わせる場合、36条1項により厚生労働大臣の許可が必要です。報酬額は同条2項の認可を受けます。
Q6紹介手当は賃金規程に書かないとダメ?
法律上の明文要件ではありませんが、規程に支給要件と金額を定めて給与として処理しないと、賃金であることを説明する根拠が乏しくなります。
Q7募集受託者とは誰のこと?
募集を行う者から委託を受けて、労働者の募集に従事する者をいいます。社外の個人や業者が成果報酬で応募者を集める場合が典型です。
Q8応募者からお金を取るのも禁止されている?
はい。39条により、募集を行う者と募集受託者は、募集に応じた労働者からいかなる名義でも報酬を受けてはなりません。40条とは別の禁止です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社員紹介で入社したら紹介者に10万円って、違法なんですか?
社員に賃金として払うなら40条の例外に入り、適法に運用できる。ポイントは、就業規則や賃金規程に支給要件と金額を明記し、給与として処理することだ。実務のポイント:規程化せずに金一封で手渡しする運用は、賃金であることを説明しにくい。制度が適法かどうかは、金額より書類の有無で決まる場面が多い
Q2取引先の人に人を紹介してもらったお礼、払っちゃダメ?
成果に連動した謝礼は、募集を委託して報酬を払う構造とみられやすい。36条の許可と報酬の認可がなければ40条の禁止に触れうる。反復継続してあっせんすれば、職業紹介(4条、30条)の論点も出てくる。実務のポイント:社交儀礼の手土産と、採用1人ごとの定額謝礼とでは評価がまったく違う。「1人いくら」の形にした時点で、報酬としての色が一気に濃くなる
Q3求人サイトや人材紹介会社に払う手数料は大丈夫?
許可を受けた有料職業紹介事業者への手数料は、32条の3で規律される職業紹介の対価であり、40条とは別枠である。求人広告の掲載料も、広告の対価として扱われるのが一般的だ。実務のポイント:危ないのは中間的な形態である。「採用代行」として応募者集めを成果報酬で請け負う業者は、委託募集や職業紹介の許可を持っているかどうかで適法性が変わる。契約前に許可番号を確認するのが最短の防御になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「紹介ボーナスは合法か違法か」と問うこと自体がずれている。40条が見ているのは金額や名目ではない。誰に、どういう法的性格のお金として払うかである。同じ制度でも、従業員への賃金として設計すれば適法になり、社外の人への成果報酬にすれば違法になりうる
- 「求人広告会社や人材紹介会社にお金を払うのも40条違反では」と心配する人がいるが、これらは別の枠組みで整理されている。許可を受けた有料職業紹介事業者への手数料は32条の3で規律され、求人広告の掲載料は広告の対価として扱われるのが一般的である。40条の「募集受託者への報酬」とは区別される
- 罰則があることは知っていても、実害の大きさは見落とされやすい。刑罰そのものは6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金にとどまる。しかし労働局の指導を受ければ採用の仕組みを全面的に見直すことになり、無許可の委託募集や職業紹介の論点も連鎖的に浮かびやすい。罰金より、採用計画が止まる損失のほうが重い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 職安法40条:募集主が募集従事者・募集受託者に払う報酬 | 職安法39条:募集主・募集受託者が応募者から受け取る報酬 職安法36条:被用者以外の者に募集を行わせる行為そのもの |
| お金の流れの向き | 募集主 → 募集に従事する者 | 応募者 → 募集主・募集受託者 募集主 → 募集受託者(許可・認可の手続を規律) |
| 許される場合 | 賃金・給料等の支払い、または36条2項の認可に係る報酬 | 例外なし(いかなる名義でも禁止) 厚生労働大臣の許可を受け、報酬額の認可を得た場合 |
| 違反時の帰結 | 65条の罰則(6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金) | 65条の罰則 無許可の委託募集として罰則の対象 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は就業あっせん業務を私立就業服務機構の許可制とし、無許可の業務を禁じる。募集報酬そのものより、あっせん主体の許可で規律する点に重心がある
ドイツは民間職業紹介の報酬を社会法典第3編で規律し、求職者から受け取れる報酬に上限や要件を設ける
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 人事部長として「社員紹介で入社1人につき20万円」の制度を Slack で告知した。ところが賃金規程には一文字も書いていない。この20万円が賃金なのか、40条が禁じる報酬なのか。労働局から照会が来たとき、説明の根拠になる書類が社内に一枚もない
- 内定者に「同級生を一人連れてきたら3万円」と約束したら、どうなるのか。内定者はまだ入社前で、毎月の賃金を払う関係が始まっていない。従業員への賃金という出口に乗せにくく、実務上も扱いが分かれるグレーゾーンに入る
- 取引先の社長に「うちの近所の若い子を紹介するよ。1人5万でどう?」と持ちかけられた。笑って握手した瞬間、無許可の委託募集と40条違反の入口に立っている
- 来月の店舗オープンまであと3週間なのに、アルバイトが10人足りない。地元のインフルエンサーに「応募経由で採用できたら1人1万円」と DM を送る前に、手を止める価値がある。成果報酬で募集を任せる仕組みは、36条の許可と報酬額の認可がなければ組めない
- 社員として友人を紹介したのに、入社3か月後に払うと言われていた紹介ボーナスが「規程にない」という理由で支払われない。賃金として規程化されていれば、未払い賃金として請求できる。規程がなければ、口約束がどういう性質のものだったかが争点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 社員として紹介ボーナスを約束されたなら、告知メール、Slack の投稿、就業規則の該当箇所を保存する2. 規程に賃金としての定めがあれば、未払い賃金として会社に書面で請求する。応じなければ労働基準監督署に相談する3. 社外の立場で「紹介料」を受け取る話を持ちかけられたら、受け取る側も無許可の募集に関わりうることを意識し、安易に引き受けない4. 応募者として紹介料目当ての強引な勧誘を受けたら、都道府県労働局に情報提供できる
訴えられた側:1. 現行の紹介制度で、誰に何をいくら払ったかを洗い出す2. 従業員向けの支払いは、賃金規程に支給要件と金額を明記し、給与として処理する3. 社外の個人、学生、取引先への成果報酬は直ちに止め、許可を受けた職業紹介事業者の利用や36条の許可取得を検討する4. 労働局から照会があれば、是正後の規程と支払記録を示して誠実に対応する
時効(請求できる期限):40条違反の罰則(65条、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金)の公訴時効は3年で、違反行為が終わった時から起算する(刑事訴訟法250条2項6号)。社員が紹介手当を未払い賃金として請求する場合の消滅時効は、支払期日から3年(労働基準法115条、143条3項の経過措置)(最新の改正状況をご確認ください)
- 職業安定法 第36条委託募集の許可と報酬額の認可
- 職業安定法 第39条応募者からの報酬受領の禁止
- 職業安定法 第65条40条違反に対する罰則
- 職業安定法 第32条の3有料職業紹介の手数料規制
- 職業安定法 第44条労働者供給事業の禁止
- 労働基準法 第6条業として他人の就業に介入する中間搾取の排除
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める