児童福祉法 第34条の10
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市町村は、第二十一条の十の二第一項の規定により乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業又は妊婦等包括相談支援事業を行う場合には、社会福祉法の定めるところにより行うものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第34条の10は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第34条の10の条文原文は「市町村は、第二十一条の十の二第一項の規定により乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業又は妊婦等包括相談支援事業を行う場合には、社会福祉法の定めるところにより行う…」で始まります。
- 児童福祉法第34条の10は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第34条の10の前の条は児童福祉法第34条の9です。
- 児童福祉法第34条の10の次の条は児童福祉法第34条の11です。
- 児童福祉法第34条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/34_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法34条の17は、市町村が乳児家庭全戸訪問事業・養育支援訪問事業・妊婦等包括相談支援事業を自ら行う場合、社会福祉法の定めに従って行うと定める。
Q · 市の赤ちゃん訪問って、断ったらどうなるの?
受ける法的義務はなく断れる。ただし記録は残り、安否確認の対象になり得る
乳児家庭全戸訪問事業は児童福祉法第21条の10の2に基づく市町村の事業で、家庭側に受ける義務や拒否への罰則はありません。ただし同法第34条の17により、この事業は社会福祉法の規律下で行われる社会福祉事業です。会えない状態が続くと、健診記録などと突き合わせて安否確認の対象として扱われることがあります。対応に不満があれば、実施主体への苦情のほか、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会へ申し出ることもできます。
解説
産後二か月、玄関のインターホンが鳴って「市の赤ちゃん訪問です」と声がする。あの三十分には、法律上の肩書きがついている。児童福祉法三四条の一七は、市町村が乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、妊婦等包括相談支援事業を自ら行うとき、社会福祉法の定めるところにより行えと命じる。つまりこの訪問は、市役所の善意の取り組みではなく、社会福祉事業という法的な枠の中に入る。ここが効いてくる。社会福祉事業には、利用者への情報提供、事業者自身による苦情解決、外部の第三者ルートという規律がついてくる(社会福祉法七五条、八二条、八三条)。訪問員の言葉に傷ついたとき、あなたの持ち札は「子育て支援課に電話する」だけではない。都道府県社会福祉協議会に置かれた運営適正化委員会という、市町村の外側の受け皿が制度として開いている。その扉を開けているのが、この一行の適用条文指定である。
法的な位置づけ
児童福祉法第34条の17は、市町村が同法第21条の10の2第1項に基づき乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業または妊婦等包括相談支援事業を実施する場合の準拠法を定める規定である。これにより当該事業は社会福祉法の規律に服し、利用者への情報提供、苦情解決、運営適正化委員会による外部の苦情処理などの枠組みが及ぶ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訪問の事業名と訪問者の立場を確認する 日程調整の連絡や訪問時に、どの事業(乳児家庭全戸訪問事業・養育支援訪問事業・妊婦等包括相談支援事業)での訪問か、市町村職員か委託先の者かを確認し、日付とともに控えておく
- 2.聞かれたくない範囲と頼みたい支援を紙にまとめる 家事援助、産後ケア、上の子の一時預かりなど希望する支援と、答えたくない話題を一枚にまとめて訪問時に渡す。訪問記録は後の支援決定の根拠になるため、希望は言葉にして残す
- 3.不適切な対応は実施主体に苦情を申し出る 訪問員の言動に問題があった場合、市町村の子育て担当窓口または委託事業者に、日時・発言内容・希望する対応(記録の訂正、担当者の変更など)を書面で伝える(社会福祉法82条)
- 4.解決しなければ運営適正化委員会へ申し出る 実施主体の対応で解決しない場合、都道府県社会福祉協議会に置かれた運営適正化委員会へ苦情を申し出る。市町村の内部処理とは別のルートで、相談・助言・あっせんを受けられる(社会福祉法83条・85条)
よくある質問 AI による整理
Q1乳児家庭全戸訪問事業とは何ですか?
生後4か月までの乳児がいるすべての家庭を訪問し、子育て情報の提供や養育環境の把握を行う市町村の事業です。通称「こんにちは赤ちゃん事業」と呼ばれます。
Q2こんにちは赤ちゃん訪問は義務ですか?
家庭側に受ける法的義務はありません。実施は市町村の事業であり、訪問を断っても罰則はありません。ただし連絡が取れない状態が続くと再訪などの対応が取られます。
Q3赤ちゃん訪問では何を聞かれる?
母子の健康状態、授乳や睡眠の様子、育児の不安、家庭の支援状況などが一般的です。答えたくない質問に答える義務はなく、記録に残るかどうかを確認することもできます。
Q4養育支援訪問事業とは?
養育支援が特に必要と判断された家庭に、保健師や育児・家事援助者などが訪問して継続的に支援する市町村の事業です。全戸訪問の結果などから対象が選定されます。
Q5赤ちゃん訪問の苦情はどこに言えばいい?
まず実施主体の市町村や委託事業者に申し出ます。解決しなければ、社会福祉法83条に基づき都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会へ申し出ることができます。
Q6赤ちゃん訪問に来る人は誰?
保健師、助産師、看護師のほか、研修を受けた母子保健推進員や子育て経験者など、自治体によって異なります。民間団体へ委託されている場合もあります。
Q7妊婦等包括相談支援事業とは?
妊娠期から面談などを通じて妊婦やその家族の相談に応じ、必要な情報提供や支援につなぐ市町村の事業です。本条により社会福祉法に沿って実施されます。
Q8赤ちゃん訪問の記録は誰に共有される?
支援が必要と判断されると、支援のために関係機関へ共有される場合があります。訪問を担う者には守秘義務がかかるため、無関係な第三者に広がるものではありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1赤ちゃん訪問を断ったら、虐待を疑われたりしますか?
断ったこと自体が虐待の認定につながることはない。訪問は児童福祉法二一条の一〇の二に基づく市町村の努力義務で、家庭側に受ける義務はない。ただし会えない状態が続くと安否確認の対象として扱われる。実務のポイント:自治体の実務では「一度断られた家庭」より「連絡が全くつかない家庭」の方が重く扱われる。日程だけ調整して玄関先で短く済ませるという選択肢が、現場では普通に通る
Q2訪問に来たのが民間団体の人でした。うちの事情、どこまで共有されるんですか?
委託を受けた者にも守秘義務がかかり、事業は社会福祉法の規律下に置かれる(本条、社会福祉法二条)。ただし要支援と判断された場合、支援のために関係機関へ情報が共有される仕組みは制度上存在する。実務のポイント:共有範囲は訪問記録の書きぶりで決まる。気になるなら、その場で「これは記録に残りますか」と聞くとよい。現場の支援員はこの質問に答える訓練を受けている
間違えやすい点 AI による整理
- 「赤ちゃん訪問は断れるのか」という問いの立て方が、そもそもずれている。拒否に罰則はなく、断る自由は最初からある。本当の論点は、断った後に市町村側の記録と関係機関の情報がどう動くかであり、そこを見ないまま「断れるかどうか」だけ調べても何も守れない
- 訪問員が民間団体の人だと知っている人は多いが、その民間団体が背負っている重さを知らない。委託先は社会福祉事業の担い手として守秘義務も苦情対応義務も負う事業者であり、近所のお世話好きな人が来ているのとは法的性質が違う
- あなたから見れば一回きりの家庭訪問だが、市町村から見れば要支援児童を早期に見つけるための網の一目である。この落差が効いてくるのは、訪問で書かれた記録が後の養育支援訪問事業の対象選定に使われるとき。その日の三十分が、半年分の支援量を決めていることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 34条の17:市町村が自ら行う訪問事業等を社会福祉法に従わせる準拠法規定 | 21条の10の2:市町村が訪問事業等を実施する根拠と委託の規定 6条の3:各訪問事業・相談支援事業の定義規定 |
| 名宛人 | 事業を行う市町村 | 市町村(委託を受けた者を含む) 特定の名宛人なし(定義) |
| 利用者にとっての意味 | 苦情解決や運営適正化委員会など社会福祉法上のルートが使える | 訪問や支援を受けられる制度が用意される どの訪問がどの事業に当たるかが判別できる |
他国ではどう定めているか 3 か国
ドイツでは地域の支援機関が親に支援情報を提供し、希望があれば家庭での面談も行える。日本同様、受けるかどうかは親の任意とされる
フランスでは県の母子保護(PMI)が妊産婦や乳幼児家庭への家庭訪問を担う。保健医療の枠組みで行う点が、社会福祉事業の枠組みに置く日本と異なる
米国は連邦補助金で州の家庭訪問プログラムを支える方式。全戸訪問ではなく、リスクのある家庭を対象とするプログラムが中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 生後三か月、訪問の日程調整の連絡が来た。部屋は散らかり、自分の顔も見られたくない。断ったらどうなる? 訪問を受けることはあなたの法的義務ではなく、拒否に罰則もない。ただし市町村側は「会えなかった家庭」として記録を残し、母子保健の健診記録と突き合わせる。健診も未受診のまま数か月が過ぎると、あなたの家庭は制度上「安否を確認できていない側」に移動する。断る自由と、断った後に動く記録は別物である。
- 委託を受けて訪問している支援員があなただとする。世間話のつもりで、ある家庭の事情を別の場で口にした。社会福祉事業としての規律と、児童福祉法が委託先に課す守秘義務が同時にかかる。善意のボランティアではなく、義務を負う事業者側の立場にいる。
- 訪問員から「この部屋の状態では子どもがかわいそう」と言われ、二度と来てほしくないと思った。市の窓口に電話しても「担当者と話します」で終わる。ここで使えるのが社会福祉法八三条の運営適正化委員会への苦情申出で、市町村の内部処理とは完全に別のルートで動く。窓口が黙ったら終わり、という構図自体が事実ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訪問の際、どの事業(乳児家庭全戸訪問、養育支援訪問、妊婦等包括相談支援)で来たのか、委託先か市町村職員かをその場で確認して記録する2. 頼みたい支援を具体的に口に出す。訪問記録が支援決定の根拠になるため、言わなかったことは存在しないのと同じ扱いになる3. 不適切な対応を受けたら、まず実施主体へ苦情(社会福祉法八二条)、動かなければ都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会へ(同八三条) 4. 訪問を断る場合も、連絡を完全に絶たず、健診など別の接点は残しておく
訴えられた側:1. 市町村として自ら実施する場合、社会福祉事業としての規律(情報提供、苦情解決体制、質の評価)が及ぶ前提で実施要領を点検する2. 委託する場合は、委託先の守秘義務と苦情受付ルートを契約書に明記し、周知文書にも書く3. 訪問拒否世帯を「不在」で処理せず、他機関情報との突合と再訪の記録を残す。後の検証で問われるのは訪問回数ではなく、把握できなかった期間の対応履歴である4. 記録の訂正申出が来たら、原記録を残したうえで追記方式で処理する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限や時効はない。訪問を受けるか否かの回答期限も法定されていない。苦情申出にも法定期限はないが、記録が関係機関で共有される前が実務上の勝負どころ。訪問時の言動で損害を受けた場合の国家賠償請求は、国家賠償法四条により民法七二四条等が準用され、損害および加害者を知った時から三年(人の生命または身体の侵害は五年)、行為時から二十年(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成20年(2008年)改正(要検証) 乳児家庭全戸訪問事業および養育支援訪問事業が法定化されたことに伴い、市町村が自ら実施する場合の適用法令を社会福祉法とする規定が整備されたとみられる。条番号の変遷を含め人的検証を要する
- 令和6年(2024年)改正(要検証) 妊婦等包括相談支援事業が対象事業に加えられ、本条の適用対象が三事業になったとみられる。施行日および条文の枝番の確定は人的検証を要する
- 児童福祉法 第21条の10の2本条が前提とする実施根拠と委託規定
- 児童福祉法 第6条の3各訪問事業および相談支援事業の定義
- 児童福祉法 第21条の10の5医療機関等から市町村への要支援児童等の情報提供
- 児童福祉法 第10条の2こども家庭センターによる一体的な相談支援体制
- 社会福祉法 第2条第二種社会福祉事業としての位置付け
- 社会福祉法 第83条運営適正化委員会による外部苦情解決ルート
- 母子保健法 第11条新生児訪問指導との実務上の一体運用
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