児童福祉法 第34条の5
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- 都道府県知事は、児童の福祉のために必要があると認めるときは、障害児通所支援事業等、児童自立生活援助事業若しくは小規模住居型児童養育事業を行う者に対して、必要と認める事項の報告を求め、又は当該職員に、関係者に対して質問させ、若しくはその事務所若しくは施設に立ち入り、設備、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.第十八条の十六第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第34条の5は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第34条の5の条文原文は「都道府県知事は、児童の福祉のために必要があると認めるときは、障害児通所支援事業等、児童自立生活援助事業若しくは小規模住居型児童養育事業を行う者に対して、必要と認…」で始まります。
- 児童福祉法第34条の5は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第34条の5の前の条は児童福祉法第34条の4です。
- 児童福祉法第34条の5の次の条は児童福祉法第34条の6です。
- 児童福祉法第34条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/34_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法34条の5は、都道府県知事が児童の福祉のため必要と認めるとき、障害児通所支援事業者等に報告を求め、職員に立入検査させることができると定める。
Q · 放課後等デイサービスやファミリーホームに県の立入検査が来たら、断れるの?
原則断れない。ただし身分証の提示は請求できる
児童福祉法34条の5第1項により、都道府県知事は児童の福祉のため必要と認めるとき、障害児通所支援事業等を行う者に報告を求め、職員に質問や事務所・施設への立入検査をさせることができます。令状は不要で、正当な理由のない拒否・妨害・忌避には罰則があります。一方で同条2項が準用する18条の16第2項・第3項により、職員は身分証明書を携帯し請求があれば提示しなければならず、この権限を犯罪捜査のために用いることはできません。
解説
放課後等デイサービス、自立援助ホーム、ファミリーホーム。この三つに共通するのは、子どもが大人の目の届かない小さな空間で長い時間を過ごすという構造だ。だから法は都道府県知事に鍵を一本渡した。児童の福祉のために必要と認めれば、報告を求め、職員に関係者へ質問させ、事務所や施設に立ち入って設備も帳簿書類も検査させることができる。令状はいらない。ファミリーホームを自宅で営んでいるなら、その「施設」はあなたの居間である。ただし渡された鍵には削り込みがある。第2項が準用する第18条の16第2項・第3項により、職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者から請求があれば提示しなければならず、この権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。あなたが求めれば相手は身分を明かす。これは礼儀ではなく、条文上の義務だ。
法的な位置づけ
児童福祉法34条の5は、障害児通所支援事業等、児童自立生活援助事業および小規模住居型児童養育事業を行う者に対する都道府県知事の監督権限を定める規定である。児童の福祉のために必要と認めるときに、報告徴収、関係者への質問、事務所・施設への立入りと設備・帳簿書類等の検査を行わせることができ、職員の身分証明書携帯・提示義務と犯罪捜査目的の否定が準用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.日頃から記録と私生活の空間を分ける 支援記録・金銭出納・服薬記録を事業用の棚やフォルダにまとめ、家族の郵便物や私物と物理的に分離しておく。ファミリーホームなど自宅兼事業所では特に重要
- 2.職員の来訪時に身分と根拠を確認する 玄関先で身分証明書の提示を求め、氏名・所属・根拠条文(児童福祉法34条の5)を記録する。定期の指導監査か通報に基づくものかも確認する
- 3.質問には確実な範囲で答え、不確かな点は書面回答にする 推測で答えず、「所在を確認し後日書面で回答します」と述べて記録に残す。拒否ではなく保留の形にすることで忌避と評価されるリスクを抑える
- 4.口頭指摘をメモ化し、文書指摘には期限内に回答する 当日中に口頭指摘を社内メモにまとめ、文書による指摘が届いたら期限内に改善報告・弁明を書面で返す。後続処分への不服は行政不服審査法・行政事件訴訟法の期間に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1放課後等デイサービスの立入検査とは?
児童福祉法34条の5に基づき、都道府県職員が事業所に立ち入り、設備や帳簿書類を検査することです。児童の福祉のために必要と認められるときに行われます。
Q2ファミリーホームは立入検査の対象になる?
対象になります。小規模住居型児童養育事業として34条の5に明記されており、事業の場が自宅であっても事務所・施設として検査対象になります。
Q3立入検査に令状は必要?
不要です。行政調査であり刑事手続ではないため、令状なしで行えます。ただし犯罪捜査のための権限と解してはならないと明文で定められています。
Q4立入検査を拒否したら違法?
正当な理由のない拒否・妨害・忌避には罰則が置かれています。さらに事業の制限・停止等の判断材料にもなり得るため、拒否は現実的な選択肢ではありません。
Q5立入検査の職員に身分証を見せてもらえる?
見せてもらえます。34条の5第2項が準用する18条の16第2項により、職員は身分証明書を携帯し、関係者の請求があれば提示しなければなりません。
Q6放課後等デイサービスの不適切な対応はどこに通報?
指定権者である都道府県または政令市等の障害児支援担当課へ情報提供します。立入検査を発動するかどうかの判断は行政側にあります。
Q7立入検査で見られる書類は何?
設備、帳簿書類その他の物件です。支援記録、金銭出納、服薬記録、職員配置の記録などが典型で、児童の福祉に必要な範囲に限られます。
Q8立入検査の後に処分されることはある?
検査自体は処分ではありませんが、結果に基づき改善勧告、公表、事業の制限・停止命令などの後続処分につながることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1忙しい日に突然来られたら、日を改めてくださいって言えないんですか?
「本日は児童の受入れ中で対応者が不在」といった具体的事情を示した日程調整の申入れ自体は可能ですが、繰り返せば忌避と評価される危険があります。この権限は34条の5第1項に基づき令状を要さず、拒否・妨害・忌避には罰則が置かれています(内容は最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:通報を端緒とする検査は予告なしが原則で、予告付きは定期の指導監査であることが多い。玄関先で「本日は定期の監査ですか、通報に基づくものですか」と一言確認するだけで、その日に何が見られるかの見当がつく
Q2職員が『この書類も見せて』と言ってきたら、全部出さないとダメですか?
検査の対象は34条の5第1項の「設備、帳簿書類その他の物件」であり、かつ児童の福祉のために必要と認められる範囲に限られます。家族の私物や事業と無関係な情報まで無制限に及ぶわけではありません。実務のポイント:範囲外だと思ってもその場で突っぱねない。「所在を確認して後日提出します」と述べて記録に残す形にすれば、忌避と評価されるリスクを避けながら、必要性を文書で説明させる時間を作れる。拒否と保留は、後の処分理由書でまったく違う重みを持つ
間違えやすい点 AI による整理
- 「監査は断れるのか」と考えた時点で、問いの立て方が間違っている。この権限に令状は不要で、正当な理由のない拒否・妨害・忌避には罰則が置かれ、さらに事業の制限・停止の判断材料にもなる(罰則の内容は最新の改正状況をご確認ください)。実務で意味があるのは断るかどうかではなく、何を、いつ、どの形式で、誰の名前で出すかという設計である
- 「犯罪捜査のためではない」という準用規定を知っている人は多いが、その意味の深刻さまで降りている人は少ない。刑事手続ではないからこそ、黙秘権も令状主義も原則として働かない。行政調査に憲法35条・38条の保障が及ぶ余地は最高裁も否定していない(川崎民商事件、最大判昭和47.11.22)が、実質的に刑事責任追及を目的としない調査は令状なしで許されると判断されている。あなたが検査当日に口にした一言は、証拠能力を争う土俵に乗らないまま、処分理由書に載る
- あなたから見れば「うちは職員三人の小規模で、県が来るような規模ではない」。法律から見れば、届出をして事業を行う者は規模を問わず全員が対象で、個人が自宅で営むファミリーホームも例外ではない。この落差のせいで、体制整備を後回しにした小規模事業者ほど初回検査で大量の指摘を受ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 34条の5:障害児通所支援事業等・児童自立生活援助事業・小規模住居型児童養育事業を行う者 | 46条:児童福祉施設の設置者 59条:認可を受けていない児童福祉施設等 |
| 権限の中身 | 報告徴収、関係者への質問、事務所・施設への立入検査 | 報告徴収、質問、施設への立入検査 報告徴収、立入調査、改善勧告・事業停止命令等の監督 |
| 手続的保障 | 18条の16第2項・第3項を準用(身分証明書の提示、犯罪捜査目的の否定) | 身分証明書の提示と犯罪捜査目的否定の準用あり 身分証明書の提示と犯罪捜査目的否定の準用あり |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも兒少福利機構は主管機關の監督・輔導・評鑑に服し、行政による検査が制度化されている。
ドイツでは許可を要する施設について、所管官庁が現地および記録に基づく審査を行うことができる。
フランスでは社会・医療福祉施設・サービスが行政による監督・査察の対象となる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 明日の朝九時に県の担当職員が来ると、夕方の電話で伝えられたら、あなたは今夜どこから手をつける? 残り時間は十数時間。支援記録の欠落を今から埋めれば改ざんになり、放置すれば記録不備の指摘になる。正解は「埋める」でも「隠す」でもなく、欠落の理由と気づいた日付を別紙に書き起こしておくことだ。不備そのものより、不備を認識していない体制の方が重く評価される
- 自宅の一階でファミリーホームを営むあなたのもとに、通報を端緒とした検査が入る。職員が見るのは児童の居室だけではない。帳簿書類、金銭出納、服薬の記録、そして生活空間と事業空間の境界。ここで効くのは、日頃から家族の郵便物と児童の個人記録を物理的に別の棚に置いていたかどうか。検査は一日で終わるが、その日の見え方は数か月後の文書指摘に転記される
- 我が子が通う放課後等デイサービスで、職員の言葉遣いが気になる。あなたは事業所に直接言うか迷う。だが外部の目が入る回路は、この条文しかない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 事業所の対応に不安があるなら、まず日付入りで事実を記録する。送迎の時刻、子どもの発言、けがの写真2. 事業所へ直接申し入れる前に、指定権者である都道府県または政令市の担当課へ情報提供する。34条の5を発動するかの判断は行政の側にある3. 匿名でも受理されるが、連絡先を残した方が後の確認はしやすい4. 検査結果は原則として通報者に通知されないため、必要なら行政文書の開示請求という別の回路を使う
訴えられた側:1. 職員が来たら身分を示す証明書の提示を求め、氏名・所属・根拠条文をその場で記録する(18条の16第2項の準用) 2. 質問には推測で答えず、不確かな点は「後日書面で回答します」と述べて記録に残す。これは拒否ではないため忌避には当たらない3. 求められた物件が児童の福祉と無関係な私物や家族の情報であれば、その旨を述べたうえで範囲の確認を求める4. 口頭指摘は当日中に自社メモ化し、文書指摘が届いたら期限内に必ず弁明を返す
時効(請求できる期限):立入検査そのものに期間制限はない。時間が効いてくるのは後続処分の側で、改善勧告・公表・事業の制限停止命令に不服があるなら、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は6か月以内(行政事件訴訟法14条、処分の日から1年)。検査当日の記録が数か月後の処分理由書の材料になるため、実質的な作業期限は検査の当日夜に始まっている
学説
通説:児童福祉法上の立入検査は任意調査と強制調査の中間に位置する間接強制型の行政調査であり、罰則による心理的強制は許されるが、実力で抵抗を排除して立ち入ることまでは認められないと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法制定(昭和22年法律第164号)。本条の現行規定はその後の事業類型追加に伴う改正で整備された。
- 児童福祉法 第18条の16身分証明書の提示義務と犯罪捜査転用禁止を準用
- 児童福祉法 第34条の4検査結果を受けた事業の制限・停止命令(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第46条児童福祉施設に対する報告徴収・立入検査の並行規定
- 児童福祉法 第59条認可外施設に対する立入調査・監督の規定
- 児童虐待の防止等に関する法律 第9条虐待が疑われる場合の立入調査の特則
- 行政手続法 第14条検査後の不利益処分における理由提示義務
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