児童福祉法 第62条の3
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第六十条の三の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第62条の3は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第62条の3の条文原文は「第六十条の三の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する。」で始まります。
- 児童福祉法第62条の3は第八章 罰則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第62条の3の前の条は児童福祉法第62条の2です。
- 児童福祉法第62条の3の次の条は児童福祉法第62条の4です。
- 児童福祉法第62条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第62条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第62条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/62_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法62条の3は、匿名小児慢性特定疾病関連情報等の不正利用を罰する60条の3の罪を、日本国外で犯した者にも適用すると定める。行為者の国籍は問わない。
Q · 匿名化された難病児データを海外で不正利用しても、日本の法律で罰せられるの?
はい。62条の3により国外での行為にも日本の刑罰が及びます
児童福祉法62条の3は、60条の3の罪を日本国外で犯した者にも適用すると定めています。60条の3は、提供を受けた匿名小児慢性特定疾病関連情報や匿名障害児福祉等関連情報をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に利用した行為などを罰するもので、刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(併科あり)です。行為者の国籍は問われず、62条の4の両罰規定により法人にも罰金刑が科されます。
解説
国境を越えた瞬間に日本の刑罰権は消える、という常識がここで裏返る。児童福祉法62条の3はたった一行、「第六十条の三の罪は、日本国外において同条の罪を犯した者にも適用する」とだけ書く。対象になるのは、国から提供を受けた匿名小児慢性特定疾病関連情報や匿名障害児福祉等関連情報を、みだりに他人に知らせたり不当な目的に使ったりした者(21条の4の6、33条の23の7)、そして是正命令に従わなかった者である。刑は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、併科もある(60条の3)。ここで効く仕掛けが二つある。一つ、この条文は犯人の国籍を限定していない。外国籍の研究者が国外のサーバー上で操作しても射程に入る。二つ、62条の4の両罰規定が60条の3を名指ししており、行為者の背後にいる法人にも罰金刑が科される。データを国外の解析委託先に渡すとき、あなたが本当に確認すべきなのは契約書の秘密保持条項ではなく、刑罰権がどこまで伸びているかという地図のほうだ。
法的な位置づけ
児童福祉法62条の3は、同法60条の3に定める罪(匿名小児慢性特定疾病関連情報および匿名障害児福祉等関連情報の利用制限違反、是正命令違反)について、日本国外で犯した者にも同条を適用する旨を定める国外犯処罰規定である。刑法の属地主義の原則に対する特則として機能し、行為者の国籍を限定しない。
よくある質問 AI による整理
Q1国外犯規定とは何ですか?
日本国外で行われた犯罪にも日本の刑罰法規を適用する規定です。刑法は属地主義が原則ですが、個別の法律で国外にも処罰範囲を広げる場合があります。児童福祉法62条の3はその一例です。
Q2匿名小児慢性特定疾病関連情報とは?
小児慢性特定疾病に関するデータを、特定の子どもを識別できないよう加工した情報です。研究などのため国から第三者に提供でき、利用制限違反には刑罰が科されます。
Q3児童福祉法60条の3の罰則はどのくらい?
1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、またはその両方です。62条の3により、この罪は日本国外で犯した場合も処罰対象となります。
Q4匿名障害児福祉等関連情報 海外委託 できる?
委託自体を直接禁じる規定ではありませんが、委託先でみだりに他人に知らせたり不当な目的に利用したりすれば、国外での行為でも60条の3の罪が成立しえます。
Q5外国人が海外で犯した罪 日本で処罰できる?
法律に国外犯規定があり、国籍を限定していなければ適用されます。62条の3は国籍を限定していません。ただし実際の処罰には身柄の確保が必要です。
Q6国外犯 公訴時効 止まる?
止まります。犯人が国外にいる間は公訴時効が停止します(刑事訴訟法255条1項)。60条の3の罪の時効は3年ですが、海外滞在期間は算入されません。
Q7匿名加工情報の不正利用 会社も罰せられる?
従業者が業務に関して60条の3の罪を犯した場合、62条の4の両罰規定により法人にも罰金刑が科されます。個人の違反が会社の刑事責任にもつながります。
Q8是正命令に従わないと犯罪になる?
なります。匿名情報の利用者に対する是正命令(21条の4の8、33条の23の9)に違反すると、60条の3の罪として処罰対象です。国外での違反も含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外のクラウドにデータを置いているだけでも罪になるんですか?
置くこと自体ではなく、みだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用したかが要件である(21条の4の6、33条の23の7)。ただし海外事業者が内容にアクセスできる状態を作れば「知らせた」と評価される余地があり、62条の3により行為地が国外でも適用される。実務のポイント:この種の案件で弁護士が最初に確認するのは契約書ではなく、その海外事業者側に復号鍵があるかどうかである。鍵の所在が、実質的な分かれ目になる
Q2外国籍の共同研究者が海外で漏らした場合、本当に日本が手を出せるんですか?
条文上は適用される。62条の3は犯人の国籍を限定していないため、外国籍の者が国外で犯した場合も射程に入る。ただし現実の執行は身柄が日本に来るか引渡しを受けるかに依存する。実務のポイント:刑事罰より先に効くのは21条の4の8・33条の23の9の是正命令と、以後の提供拒否である。研究者にとってはデータへのアクセスを失う方が、罰金より重い制裁になる
Q3法人も罰せられると聞きましたが、日本に拠点のない外国法人でもそうなりますか?
62条の4の両罰規定は60条の3を名指ししており、従業者がその法人の業務に関して違反すれば法人にも各本条の罰金刑が科される。ただし日本に拠点を持たない外国法人に対する刑事手続の実行可能性については、実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:現実の抑止力は刑罰ではなく提供契約側にある。提供申出時の誓約書で再委託先まで縛りをかけてあるかどうかで、事故発生時の自社の立ち位置が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「データは海外サーバーにあるのだから日本法の問題ではない」という問いの立て方そのものが誤っている。62条の3が外したのは行為地の要件であって、問うべきはデータの所在地ではなく、その行為が60条の3の構成要件に当たるかどうかだけである
- 国外犯規定があること自体は知っていても、62条の4の両罰規定が60条の3を名指ししている点まで追っている人は少ない。個人が罰金を払って終わる話ではなく、法人にも各本条の罰金刑が科される。処分の宛先が一人から二つに増える
- 利用者から見れば「匿名加工済みだから個人情報ではない、リスクは低い」。法律から見れば、匿名加工されているからこそ本人同意なしの提供が許され、その代わりに利用制限違反を刑罰で担保する設計になっている。匿名だから安全という感覚が、そのまま刑罰の入口に立っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 62条の3:60条の3の罪の場所的適用範囲を国外まで拡張 | 60条の3:利用制限違反・是正命令違反を処罰する本体規定 62条の4:行為者に加えて法人等も罰する両罰規定 |
| 誰が対象か | 日本国外で60条の3の罪を犯した者(国籍を問わない) | 匿名情報の提供を受けて利用する者等 違反行為者が所属する法人または使用者 |
| 刑罰 | 独自の刑罰なし(60条の3の刑を国外行為に適用) | 1年以下の拘禁刑もしくは50万円以下の罰金、または併科 法人等に各本条の罰金刑 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は刑法で国外犯の類型を列挙し、個人資料の不正利用には個人資料保護法の罰則がある。個別法ごとに国外適用を明記する日本の方式とは構造が異なる
韓国は内国人の国外犯を広く処罰する属人主義を採り、外国人の国外犯は保護主義の範囲で処罰する
ドイツは国外犯を刑法総則で類型化し、国内法益を保護するための国外犯処罰を個別に列挙する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 提供を受けた匿名障害児福祉等関連情報を、コスト削減のため国外のデータ解析会社に丸投げした。契約書には秘密保持条項が入っている。だが監督官庁から是正命令が届き、期限が切られた。その期限を過ぎた瞬間、命令違反が60条の3第2号の独立した犯罪として成立し、62条の3によって行為地が国外であることは何の盾にもならなくなる
- 提供を受けたデータセットを、海外の生成AIサービスに投げて分析させたらどうなるのか。学習に使われるかどうかを議論する前に、事業者側が内容にアクセスできる状態を自ら作ったこと自体が「みだりに他人に知らせ」に当たるかが問われる。クラウドの利用規約を何度読んでも、この問いの答えは書いていない
- 国外の拠点で解析作業をしている外国籍の研究員が、興味本位で同僚にデータを見せた。行為地は日本国外、本人も外国籍である。それでも62条の3の射程内にある
- 法務担当として海外子会社にデータ処理を移管した。従業者ひとりの不正利用で、62条の4の両罰規定により法人にも罰金刑が科される。個人のミスがそのまま会社の前科になる構造を、稟議の段階で誰も説明していなかった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 匿名情報の不正利用や国外への流出に気づいたら、まず提供元である監督官庁への情報提供を検討する2. 21条の4の8または33条の23の9の是正命令が先行すると、命令違反が60条の3第2号の独立した犯罪となり、立件の筋が一本増える3. 行為地が国外でも62条の3により告発は可能。犯罪地が国外の場合の裁判管轄は被告人の現在地等で定まる4. 匿名加工された情報のため個人としての損害立証は困難であり、民事より提供停止という行政側の手当てを動かす方が実効性が高い
訴えられた側:1. 「みだりに他人に知らせ」「不当な目的に利用」の評価を争う余地をまず確認する。業務上必要な範囲内の取扱いであれば構成要件に届かない2. 是正命令が出ている段階なら、期限内の是正で第2号の成立を止められる。ここが最後の分岐点である3. 国外にいる間は公訴時効が停止するため、帰国を遅らせて逃げ切る戦略は成立しない4. 法人は62条の4で別枠に立つ。個人と法人で利害が対立しうるので、弁護人は分けて選任する
時効(請求できる期限):第60条の3の罪の公訴時効は3年(長期5年未満の拘禁刑に当たる罪、刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時。ただし犯人が国外にいる間は時効が停止するため(刑事訴訟法255条1項)、海外滞在期間はこの3年に算入されない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(刑法の場所的適用範囲論):刑法は国内で犯された罪に適用する属地主義を原則とし(刑法1条)、国外犯は明文規定がある場合に限って処罰される。刑法8条により他の法令の罪にも総則が及ぶため、個別法の国外犯規定が処罰範囲を画する
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)新設 匿名小児慢性特定疾病関連情報および匿名障害児福祉等関連情報の第三者提供制度が創設されたことに伴い、その利用制限違反等を処罰する第60条の3とともに新設された。行為地が日本国外であっても同条の罪に日本の刑罰権が及ぶことを明示している
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:匿名小児慢性特定疾病関連情報および匿名障害児福祉等関連情報の第三者提供制度の創設に伴い、罰則である60条の3とともに新設された
- 児童福祉法 第60条の3国外適用の対象となる罪の本体規定
- 児童福祉法 第21条の4の6匿名小児慢性特定疾病情報の利用制限
- 児童福祉法 第33条の23の7匿名障害児福祉等関連情報の利用制限
- 児童福祉法 第21条の4の8是正命令、違反が処罰対象となる
- 児童福祉法 第62条の4両罰規定、法人にも罰金刑を科す
- 刑法 第2条すべての者の国外犯の基本型
- 刑法 第8条他の法令の罪への刑法総則の適用
- 刑事訴訟法 第255条国外滞在中の公訴時効の停止
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