児童福祉法 第62条の4
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法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十条第一項から第三項まで、第六十条の三、第六十一条の五第一項又は第六十二条第一項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第62条の4は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第62条の4の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第六十条第一項から第三項まで、第六十条の三、第六十一条の五第一項又…」で始まります。
- 児童福祉法第62条の4は第八章 罰則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第62条の4の前の条は児童福祉法第62条の3です。
- 児童福祉法第62条の4の次の条は児童福祉法第62条の5です。
- 児童福祉法第62条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第62条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第62条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/62_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法62条の4は、従業者が業務に関して同法60条等の違反行為をしたとき、行為者に加え法人や個人事業主にも各本条の罰金刑を科す両罰規定である。
Q · 保育園の職員が児童福祉法違反をしたら、運営法人も罰せられるの?
業務に関する違反なら法人にも罰金刑が科されうる
児童福祉法62条の4により、従業者が法人の業務に関して60条1項から3項、60条の3、61条の5第1項、62条1項の違反行為をした場合、行為者本人に加え、法人や個人事業主にも各本条の罰金刑が科されます。ただし判例上は事業主の選任・監督上の過失を推定した規定と解されており、注意を尽くしたことを立証できれば免責の余地があります。罰金前科が認可・指定の欠格事由に波及しうる点にも注意が必要です。
解説
保育園で職員が児童に対する違法行為に及んだ。逮捕されるのは本人だけで、法人は無関係。その素朴な前提を壊すのが62条の4である。従業者が「業務に関して」60条1項から3項、60条の3、61条の5第1項、62条1項の違反行為をしたとき、行為者を罰するほか、雇っていた法人または個人事業主にも各本条の罰金刑を科す。法人に身体はないので拘禁刑は科されず、金で払う。ここで多くの経営者が見落とすのは罰金額そのものではない。児童福祉法違反の罰金前科は、施設の認可や事業の指定に関する欠格事由として作用しうる。数十万円を納めて終わる話ではなく、そのあと数年間、事業を続けられるかどうかの話である(欠格事由の具体的な年限は最新の改正状況をご確認ください)。
法的な位置づけ
児童福祉法62条の4は、法人の代表者、法人または人の代理人・使用人その他の従業者が、その業務に関して同法所定の罰則規定に違反したとき、行為者本人の処罰に加えて、その法人または自然人である事業主にも各本条の罰金刑を科す旨を定めた両罰規定である。事業主の処罰根拠は選任・監督上の過失の推定にあると解されている。
よくある質問 AI による整理
Q1両罰規定とは何ですか?
従業者が業務に関して違反行為をしたとき、行為者本人と並んで、雇用主である法人や個人事業主も処罰する規定です。児童福祉法では62条の4が該当します。
Q2児童福祉法62条の4の対象になる違反は?
条文が列挙する60条1項から3項、60条の3、61条の5第1項、62条1項の違反行為に限られます。これ以外の罰則には本条による法人処罰は及びません。
Q3両罰規定で法人に懲役(拘禁刑)は科される?
科されません。法人には身体がないため、本条が法人に科すのは各本条に定める罰金刑のみです。行為者本人には拘禁刑が科されうる点と区別が必要です。
Q4両罰規定の罰金額はいくら?
本条自体に金額はなく、違反した各本条の罰金刑の上限が法人にも適用されます。具体的な上限は60条・62条などの各条文で確認する必要があります。
Q5保育園 職員 逮捕 法人 責任 どうなる?
職員の違反が業務に関して行われたものであれば、運営法人も本条により罰金刑の対象となりえます。刑事とは別に、民事上の使用者責任や行政処分も問題になります。
Q6両罰規定で法人が免責されることはある?
あります。判例は両罰規定を事業主の過失推定規定と解しており、選任・監督に必要な注意を尽くしたことを立証できれば、法人が処罰を免れる余地があります。
Q7「業務に関して」とはどういう意味?
違反行為が事業主の業務と客観的な関連性を持つことを指します。経営者が知らなかった、個人的動機だったという主観的事情だけでは否定されません。
Q8児童福祉法違反で法人が罰金になると認可は取り消される?
罰金刑は認可・指定に関する欠格事由として作用しうるため、更新や新規申請に影響するおそれがあります。具体的な要件と期間は最新の条文で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1職員が勝手にやったことなのに、どうして法人まで罰金を取られるんですか?
本条が「その法人又は人の業務に関して」行われた違反について、行為者に加えて法人にも各本条の罰金刑を科す構造だからです。ただし無過失責任ではなく、最高裁大法廷判決(昭和32年11月27日)以降、事業主の選任・監督上の過失を推定した規定と解されています。実務のポイント:免責主張で効くのは立派なマニュアルそのものではなく、それが運用されていた痕跡です。研修の出席簿より、現場から問題が上がって是正された記録のほうが強い
Q2罰金を払えば終わりですよね、金額もそこまで大きくないはずですし
刑事手続としては終わりますが、児童福祉法違反の罰金前科は施設の認可や事業の指定に関する欠格事由として作用しえます(第34条の15、第35条ほか。最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:略式命令で納付すれば前科が確定します。金額の小ささに釣られて同意する前に行政処分への波及を確認すること。争うなら正式裁判の請求は略式命令の告知から14日以内(刑事訴訟法465条)
Q3法人化していない個人事業主でも対象になるんですか?
対象になります。条文は「法人又は人」と定めており、この「人」が個人事業主を指します。雇ったスタッフが業務に関して違反すれば、事業主であるあなた個人に罰金刑が科されます。実務のポイント:個人事業主の場合、罰金前科はあなた個人に付きます。法人であれば法人と代表者は別人格なので、法人化しているか否かで、そのあと事業を立て直せる道筋がまるで違ってくる
間違えやすい点 AI による整理
- 両罰規定の存在自体は知っていても、怖さの所在を取り違えている経営者が多い。金額は各本条の罰金刑の枠内にとどまる。だが児童福祉法違反の罰金前科は認可・指定の欠格事由として効く。痛いのは支払額ではなく、そのあと申請の土俵に立てない期間のほうである
- 「法人は無過失でも自動的に罰せられる」という理解は正確ではない。最高裁大法廷判決(昭和32年11月27日)以降、両罰規定は事業主の選任・監督上の過失を推定した規定と解されている。法人側が注意を尽くしたことを立証できれば免責の余地がある。争えると知らないまま罰金を納めてしまう法人が実在する
- 経営者から見れば「現場が勝手にやったこと」だが、条文から見れば問われるのは「業務に関して」行われたか否かだけである。個人的逸脱か業務関連かの線引きは経営者の主観ではなく、職務との客観的関連性で決まる。この落差が、身に覚えがないという感覚のまま起訴を受ける事態を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰対象 | 児童福祉法62条の4:行為者に加え法人・個人事業主 | 児童福祉法60条:違反行為をした行為者本人 労働基準法121条:違反者に加え事業主 |
| 科される刑 | 法人・事業主には各本条の罰金刑のみ | 拘禁刑・罰金刑(各項の定めによる) 事業主には各本条の罰金刑 |
| 事業主の免責 | 条文に但書なし、判例法理(過失推定説)で免責の余地 | 該当なし(行為者本人の責任) 違反防止に必要な措置をした事業主の免責を条文で明記 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政罰の領域で、法人等の組織の代表者・職員の故意過失を法人の故意過失と推定する旨を明文化している。日本の過失推定説を条文化した形に近い
韓国の両罰規定は、憲法裁判所の違憲決定を受けて、事業主が相当の注意と監督を怠らなかった場合の免責但書を条文に置くのが通例となっている
ドイツは法人の刑事責任を認めず、秩序違反法上の過料(Geldbuße)と監督義務違反で法人に制裁を及ぼす構造をとる
米国は使用者責任(respondeat superior)の法理で法人に刑事責任を広く帰属させ、コンプライアンス体制の有無は主に量刑・訴追判断で考慮される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 職員の一人が児童に対する違反行為で書類送検されたと報告を受けたのが今朝。法人にまで捜査の手が伸びたらどうなる? 検察官が法人を起訴するか決めるまでに残された時間は数週間しかない。選任・監督を尽くしていたことを示す研修記録、指導簿、通報窓口のログを今から作るのでは遅い。事件より前に存在していたかどうかだけが問われる
- あなたが法人化せずベビーシッター事業を営み、雇ったスタッフが立入検査で虚偽の答弁をした。罰せられるのはスタッフだけではない。条文の「人」はあなた個人を指す
- 複数の認可保育所を運営する社会福祉法人で、一つの園の主任が違反行為に及んだ。罰金は一件分でも、欠格事由は法人単位で効いてくる。無関係だったはずの他園の指定更新や新規申請まで巻き込まれる構造になっている
- 派遣で入った児童養護施設で、上司から「検査の人には余計なことを答えるな」と指示された。従えば行為者はあなた、罰金は施設を運営する法人にも及ぶ。指示した側ではなく従った側が刑事責任の入口に立つ
取るべき行動
被害を受けた側:被害児童の保護者側であれば、加害した職員個人だけを追っても回収も再発防止も届かない。1. 施設名・運営法人名・雇用関係・行為が業務に関して行われたかを記録2. 自治体の児童福祉担当課と児童相談所へ通告し、監査や立入調査の端緒を作る3. 刑事は行為者と法人の双方を対象に告訴・告発を検討4. 民事は使用者責任(民法715条)で法人へ請求。刑事の両罰と民事の使用者責任は別軌道で、一方が不起訴でも他方は動かせる
訴えられた側:法人または個人事業主として立件されそうな場合、1. 行為者の弁護人と法人の弁護人を分ける、利益相反で法人の言い分が埋もれる2. 争点を「業務に関して」該当性と選任・監督上の注意を尽くしたかの二点に絞る3. 事件発生前から存在した研修記録・マニュアル・通報窓口・是正実績を時系列で編綴、事後作成は逆効果4. 起訴前に検察官へ意見書を出し法人のみ不起訴を狙う5. 並行して認可・指定への波及を行政側と整理する
時効(請求できる期限):本条により法人に科されるのは罰金刑のみであり、公訴時効は法人に科される罰金刑を基準に3年とするのが実務の一般的な扱いである(刑事訴訟法250条)。ただし行為者の法定刑を基準とすべきとの見解もあり、実務上、解釈が分かれている。起算点は犯罪行為が終わった時。認可取消しや事業停止といった行政手続には別の時間軸が走るため、刑事の時効だけを見ていると足をすくわれる
学説
過失推定説(判例・通説):事業主処罰の根拠は従業者の選任・監督上の過失にあり、両罰規定はその過失を推定するもの。事業主は注意を尽くしたことを立証して免責されうる。
無過失責任説(旧説):両罰規定は事業主に無過失の転嫁責任を負わせるものと解する立場。責任主義に反するとの批判を受け、現在の判例は採用していない。
- 児童福祉法 第34条処罰対象となる禁止行為の実体規定
- 児童福祉法 第60条行為者に対する罰則本体、両罰の対象
- 児童福祉法 第60条の3本条が両罰の対象に明示する罰則
- 児童福祉法 第61条の5本条が両罰の対象に明示する罰則
- 児童福祉法 第62条第1項が両罰の対象となる罰則
- 刑法 第8条他法令の罪への刑法総則の適用
- 刑事訴訟法 第250条罰金刑を基準とする公訴時効期間
- 労働基準法 第121条免責要件を明文化した同型の両罰規定
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