公認会計士法 第1条(公認会計士の使命)
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公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする。
この条文の基本情報
公認会計士の使命とは何ですか?
定義公認会計士の使命とは、公認会計士法第1条に定められた規定で、「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第1条(公認会計士の使命)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第1条の条文原文は「公認会計士は、監査及び会計の専門家として、独立した立場において、財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動、投資者及び…」で始まります。
- 公認会計士法第1条は第一章 総則に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第1条の次の条は公認会計士法第1条の2です。
- 公認会計士法第1条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第1条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第1条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/1
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法第1条は、公認会計士の使命を、独立した立場で財務情報の信頼性を確保し、投資者及び債権者の保護等を図って国民経済の健全な発展に寄与することと定める。
Q · 公認会計士って、監査を頼んだ会社のために働いているんじゃないの?
会社ではなく、投資家と債権者のために数字を確かめるのが使命です
公認会計士法第1条は、公認会計士の使命を「独立した立場において」財務情報の信頼性を確保し、「投資者及び債権者の保護等」を図ることと定めています。監査報酬を払うのは被監査会社ですが、会計士が守るべき相手は決算書を信じて投資・融資する第三者です。この使命を具体化するため、利害関係による業務制限(24条)、大会社等への非監査業務の同時提供禁止(24条の2)、懲戒(30条)などの規制が置かれています。
解説
監査報酬を払っているのは監査を受ける会社自身である。普通の取引なら、お金を払う側が「お客様」だ。ところが公認会計士法1条は、この常識をひっくり返す。公認会計士の使命は、払ってくれる会社の満足ではなく、財務情報の信頼性を確保して「投資者及び債権者の保護等」を図ることにある、と法律が明記しているのだ。しかも「独立した立場において」という一言が入っている。会社と仲良くなりすぎること、会社の株を持つこと、同じ会社を何年も担当し続けること。こうした行為が法律で制限されているのは、すべてこの一文から流れ出ている(24条以下の業務制限)。あなたが新 NISA で株や投資信託を買うとき、決算書の数字を自分で検算しているわけではない。数字を信じてよい根拠は、監査報告書に押された公認会計士の署名だけだ。つまり監査報告書は、あなたのために書かれた書類である。会社のためのお墨付きではない。この視点を持つ人だけが、監査報告書の「限定付適正意見」や監査人交代のニュースを危険信号として読み取れる。
法的な位置づけ
公認会計士法第1条は公認会計士の使命を定める規定であり、監査及び会計の専門家である公認会計士が、独立した立場において財務書類その他の財務に関する情報の信頼性を確保することにより、会社等の公正な事業活動並びに投資者及び債権者の保護等を図り、国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする旨を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士の使命とは?
公認会計士法1条が定める、独立した立場で財務情報の信頼性を確保し、投資者・債権者の保護等を図って国民経済の健全な発展に寄与するという役割です。
Q2公認会計士法1条には何が書いてある?
公認会計士を「監査及び会計の専門家」と位置づけ、独立性・財務情報の信頼性確保・投資者等の保護・国民経済への寄与という使命を一文で定めています。
Q3公認会計士の独立性とは?
被監査会社から経済的・身分的に距離を保ち、公正な判断ができる状態をいいます。1条の「独立した立場」を受け、24条以下で具体的な業務制限が定められています。
Q4公認会計士と税理士の違いは?
公認会計士は財務書類の監査証明を独占業務とし(2条1項)、投資者保護が使命の中心です。税理士は税務代理など納税者側の業務を担い、使命の向きが異なります。
Q5監査法人は誰のために監査している?
報酬は被監査会社が払いますが、法律上の使命は投資者・債権者など会社の外にいる利害関係者の保護です(公認会計士法1条)。
Q6公認会計士の使命規定に違反するとどうなる?
1条自体に罰則はありませんが、使命を具体化した独立性規制や虚偽証明の禁止に違反すると、30条以下の懲戒処分や課徴金の対象になりえます。
Q7公認会計士の使命はいつ法律に入った?
平成15年(2003年)の公認会計士法改正で使命・職責の明確化が図られたとされます。改正の正確な範囲は改正法の原文で確認してください。
Q8公認会計士が会社の株を持つのは違法?
監査対象の会社の株式保有は著しい利害関係に当たり、その会社の監査証明業務が制限されます(24条等)。独立した立場という使命から導かれる規制です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査法人が OK 出してたのに粉飾だったって、会計士は何の責任も取らないの?
取らないわけではない。有価証券報告書の虚偽記載では、監査証明をした公認会計士・監査法人も投資家に賠償責任を負い(金融商品取引法24条の4、22条準用)、故意・過失がなかったことは監査人側が証明しなければならない。行政上も懲戒(公認会計士法30条)や課徴金の対象になる。実務のポイント:勝負を分けるのは第三者委員会報告書。監査人がどの兆候をつかみ、なぜ深追いしなかったかが書かれていることが多く、原告側弁護士はまずここを読み込む
Q2会計士って会社からお金もらってるのに、本当に中立なの?
構造上の矛盾があるからこそ、法律が何重にも縛っている。1条で独立の立場を使命と定め、24条で著しい利害関係がある会社の監査を禁じ、24条の2で大会社等へのコンサル業務の同時提供を禁じ、24条の3で同じ担当者が長く関わり続けることを制限している。実務のポイント:本当に中立が保たれているかを見る最良の材料は、監査人交代の適時開示。退任する監査人の意見欄に短い一文でも異議があれば、会社と数字をめぐって衝突した可能性がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「監査済みなら粉飾はないはずだ」と考えるのは、問いの立て方がずれている。監査は全取引を一件ずつ調べるものではなく、重要な虚偽表示がないことについて「合理的な保証」を与える仕組みである。不正リスクへの対応は求められている(2013年の監査における不正リスク対応基準)が、絶対の保証ではない。問うべきは「粉飾はないか」ではなく「監査人がどんなリスクを重く見て、どこを深く調べたか」であり、その答えは上場企業の監査報告書に載る KAM(監査上の主要な検討事項)に書いてある
- 会社から見れば、監査法人は報酬を払って雇う外注先の一社にすぎない。だが法律から見れば、監査人の主人は会社の外にいる投資家と債権者である。この落差を知らない経営者は、監査人を「説得すれば通してくれる業者」と扱い、強く迫った末に監査人の辞任や意見不表明を招く。そうなれば株価に壊滅的な打撃が出る
- 使命規定をただのお題目だと受け流す人は多い。しかし「独立した立場」「投資者及び債権者の保護」という文言は、利害関係による業務制限(24条)、大会社等への非監査業務の同時提供禁止(24条の2)、担当者の交代制(24条の3)といった具体的な規制の根拠になっている。懲戒処分で注意義務の水準を考えるときにも、解釈の指針として参照されうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 公認会計士法1条:使命(何のために働くか) | 公認会計士法1条の2:職責(公正誠実・品位保持) 公認会計士法24条:利害関係による業務制限(具体的禁止) |
| 守る対象 | 会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者、国民経済 | 業務の公正さと職業全体の信用 監査判断の独立性 |
| 違反時の効果 | 直接の罰則なし。解釈指針として後続規制を支える | 懲戒処分の判断で参照されうる 業務制限違反として懲戒・行政処分の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も會計師法で資格・業務・懲戒を規律し、上場会社監査は金融監督管理委員会の監督下にある。日本の1条のような使命規定の有無は条文で要確認
韓国は目的規定で国民の権益保護と国家経済の発展への寄与を掲げ、日本の使命規定と同じ方向性を持つ
ドイツは職業法 WPO で独立性・良心性・守秘を一般的職業義務として定め、使命を義務規定の形で表現する
米連邦最高裁は独立監査人を「public watchdog」と表現し、その忠誠は依頼会社ではなく債権者・株主・投資公衆に向かうと述べた。日本の1条と同じ発想である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし勤め先の上場企業で、経理部長に「在庫の評価替えの件は、監査法人に聞かれたら答えればいい。こちらから言う必要はない」と言われたら、どうする? 決算発表まであと10日。監査人の使命はあなたの会社を守ることではなく、投資家のために数字を確かめることにある。隠した事実は、後から虚偽記載として会社と役員、そして関与した個人の責任に跳ね返ってくる
- 監査法人で働く後輩が、担当先の社長からゴルフに誘われ、「うちの株、来期は上がるよ」と耳打ちされた。その株を買えば、独立性の規制(24条)とインサイダー取引規制の両方に一度に触れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 粉飾発覚後に出る訂正報告書、第三者委員会報告書、取引記録(取得日・単価・数量)をすべて保存する2. 第三者委員会報告書で監査人への言及箇所を確認する。監査人が兆候を見逃した記述は重要な証拠になる3. 有価証券報告書の虚偽記載では、監査証明をした公認会計士・監査法人にも金融商品取引法24条の4(22条準用)で賠償を請求でき、無過失の立証責任は監査人側にある4. 個人で動くより投資家弁護団に参加する方が費用対効果は高い
訴えられた側:1. 監査調書を一切改変しない。後からの改ざんは虚偽証明そのものより重く評価される2. 品質管理部門と法務にすぐ報告し、個人で会社側と接触しない3. 民事では「相当の注意を払った」ことの証明が防御の核になる。リスク評価、追加手続、審査の記録を時系列で整理する4. 懲戒手続(公認会計士法30条)では聴聞の機会があるので、弁護士を付けて手続面からも争う
時効(請求できる期限):公認会計士法1条自体に特定の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。監査人への不法行為請求は損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。金融商品取引法・会社法に基づく請求は、請求の種類ごとに別の期間制限が問題になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
監査論の通説(二重責任の原則):財務諸表の作成責任は経営者にあり、監査人の責任はそれに対する意見表明に限られる。監査は重要な虚偽表示がないことについて合理的な保証を与えるもので、絶対的保証ではないと理解される
使命規定の解釈指針説:本条は直接の権利義務を生む規定ではないが、独立性規制や懲戒処分における注意義務の水準を解釈する際の指針として機能するとの理解が一般的である
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正(要確認) 公認会計士の使命・職責を明記し、独立性の確保と投資者・債権者保護を前面に出す規定が整備されたとされる。改正の正確な範囲と、新設か既存条文の改正かは人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:公認会計士法制定(昭和23年法律第103号)。証券取引法と並び、投資者保護のための公認会計士監査制度が導入された
- 2.平成15年(2003年) 改正:公認会計士制度の見直しにより、公認会計士の使命・職責の明確化、独立性強化(非監査業務の同時提供制限、ローテーション)が図られたとされる(改正の正確な範囲は要確認)
- 公認会計士法 第1条の2公正誠実・品位保持の職責
- 公認会計士法 第2条監査証明業務の独占的範囲
- 公認会計士法 第24条著しい利害関係による業務制限
- 公認会計士法 第24条の2大会社等への非監査業務同時提供禁止
- 公認会計士法 第30条虚偽・不当証明に対する懲戒
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社等の財務書類に監査証明を義務付け
- 会社法 第396条会計監査人による計算書類監査の権限
- 会社法 第429条会計監査報告の虚偽記載による対第三者責任
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