受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

公認会計士法 第30条(虚偽又は不当の証明についての懲戒)

クイックジャンプ
  1. 公認会計士が、故意に、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合には、内閣総理大臣は、前条第二号又は第三号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
  2. 2.公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合には、内閣総理大臣は、前条第一号又は第二号に掲げる懲戒の処分をすることができる。
  3. 3.監査法人が虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合において、当該証明に係る業務を執行した社員である公認会計士に故意又は相当の注意を怠つた事実があるときは、当該公認会計士について前二項の規定を準用する。

この条文の基本情報

虚偽又は不当の証明についての懲戒とは何ですか?

定義虚偽又は不当の証明についての懲戒とは、公認会計士法第30条に定められた規定で、「公認会計士が、故意に、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合には、内閣総理大臣は、前条第二号又は第三号に掲げる懲戒の処…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 公認会計士法第30条(虚偽又は不当の証明についての懲戒)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
  2. 公認会計士法第30条の条文原文は「公認会計士が、故意に、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合には、内閣総理大臣は、前条第二号又は第三号に掲げる懲戒の処…」で始まります。
  3. 公認会計士法第30条は第五章に置かれています。
  4. 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
  5. 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 公認会計士法第30条の前の条は公認会計士法第29条です。
  7. 公認会計士法第30条の次の条は公認会計士法第31条です。
  8. 公認会計士法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第30条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103
  • 本サイト収録公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/30

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点公認会計士法30条は、虚偽のある財務書類を適正と証明した会計士の懲戒を定める。故意なら業務停止か登録抹消、注意を怠り重大な虚偽を見逃せば戒告か業務停止となる。

Q · 監査で粉飾を見逃した会計士は、わざとじゃなくても処分されるの?

重大な誤りを不注意で見逃せば、故意でなくても処分されます

公認会計士法30条は二段階の懲戒を定めています。故意に虚偽のある財務書類を適正と証明した場合は業務停止または登録抹消(1項)、相当の注意を怠って重大な虚偽・錯誤・脱漏を見逃した場合は戒告または業務停止(2項)です。監査法人名義の証明であっても、業務を執行した社員である会計士個人に故意または注意義務違反があれば、同じ処分の対象になります(3項)。

解説

公認会計士が「適正」とサインするとき、その裏で懸けているのは自分の資格そのものだ。本条は、虚偽、錯誤又は脱漏(うその記載、計算や判断の誤り、書くべき事項の欠落)がある財務書類を「問題なし」と証明した会計士に対する懲戒を、二つの段階に分けて定めている。わざと見逃した場合は、業務停止か登録抹消(資格を失い、会計士として働けなくなる)。相当の注意(プロとして当然払うべき注意)を怠って重大な誤りを見逃した場合は、戒告か業務停止となる。押さえておくべき点は二つある。故意でなくても処分されうること。そして第2項が対象にするのは「重大な」誤りだけで、細かな見落としまで一律に罰するわけではないこと。さらに第3項により、監査法人の名前で証明していても、実際に業務を執行した社員である会計士本人が処分の対象になる。投資家にとって、監査報告書に並ぶ署名は飾りではない。責任を負う個人の名簿である。経営者にとって、会計士に「今回は通してほしい」と頼むことは、相手のキャリアを賭けさせる依頼にほかならない。

法的な位置づけ

公認会計士法第30条は、虚偽証明に対する公認会計士の懲戒を定める規定である。故意による虚偽証明には業務停止または登録抹消を、相当の注意を怠ったことによる重大な虚偽等の看過には戒告または業務停止を科すことができるとし、監査法人の証明については業務を執行した社員である公認会計士に同様の規律を準用する。

よくある質問 AI による整理

Q1公認会計士の懲戒処分の種類とは?

公認会計士法29条が定める戒告、2年以内の業務停止、登録抹消の3種類です。30条は虚偽証明の場合にどの処分を選べるかを故意か過失かで分けています。

Q2公認会計士の業務停止はいつまで続く?

業務停止の期間は2年以内です(公認会計士法29条2号)。実際の期間は違反の態様や結果の重大性に応じて、金融庁の処分基準に沿って決められます。

Q3登録抹消された公認会計士は再登録できる?

懲戒による登録抹消を受けた者は、欠格事由により一定期間は公認会計士になれません(公認会計士法4条)。期間経過後の再登録の可否は改めて審査されます。

Q4公認会計士の懲戒処分は誰が決める?

条文上の処分権者は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されており、実務上は金融庁が調査・聴聞を経て処分を行います。

Q5公認会計士の懲戒処分は公表される?

懲戒処分は金融庁のウェブサイトなどで公表されます。処分を受けた会計士の氏名、所属、処分内容と理由が示されるため、投資家も確認できます。

Q6公認会計士法30条の「相当の注意」とは?

職業専門家として通常求められる注意のことです。監査基準に沿った手続を実施し、経営者の説明をうのみにせず検証したかどうかが判断の中心になります。

Q7虚偽の監査証明は刑事罰の対象になる?

30条自体は行政上の懲戒規定です。ただし粉飾に積極的に加担した場合は、金融商品取引法の虚偽記載罪の共犯などとして別途刑事責任を問われる可能性があります。

Q8会計士が懲戒処分に不服なときはどうする?

懲戒処分は行政処分なので、審査請求や取消訴訟で争うことができます。聴聞の段階で監査調書に基づき手続の妥当性を主張しておくことが重要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1監査で粉飾を見抜けなかった会計士って、罰金みたいなお金も払うんですか?

懲戒処分とは別に、課徴金納付命令の制度がある(公認会計士法31条の2)。故意の場合は監査報酬相当額の1.5倍、相当の注意を怠った場合は監査報酬相当額が基準とされている(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:課徴金の基準は「報酬」に連動している。高額な監査報酬を受け取っていた案件ほど、問題が起きたときの金銭的な代償も大きくなる

Q2監査法人がやらかしたのに、なんで会計士個人が処分されるんですか?

第3項により、監査法人の証明に問題があり、業務を執行した社員である会計士に故意または注意義務違反があれば、その個人にも第1項、第2項が準用される。法人に対しては34条の21による処分が別に動く。実務のポイント:監査報告書に署名する社員は、法人内の審査を通っていても、最終的な判断は自分の名前で行ったと評価される。若手社員が署名者に回されるとき、この重さを知らされないことがある

Q3会社に頼まれて仕方なく見逃しただけでも、資格を失うんですか?

頼まれた事情は、処分を決めるときに考慮されることはありうる。それでも、虚偽を知りながら「虚偽なし」と証明すれば第1項の「故意」に当たり、業務停止か登録抹消の対象になる。戒告で済む選択肢は条文上用意されていない。実務のポイント:圧力を受けたことをメールなどで記録し、法人内の審査部門に相談した痕跡を残した会計士と、口頭のやり取りだけで済ませた会計士では、後の調査で「抵抗したかどうか」の評価が大きく変わる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「懲戒されるのはわざと粉飾に加担した会計士だけ」と思われがちだが、第2項は故意がなくても相当の注意を怠れば処分できると定めている。実際の処分事例の多くは、粉飾への加担ではなく、監査手続の不備や職業的懐疑心(相手の説明をうのみにしない姿勢)の欠如を理由とするものである
  • 監査法人に問題があれば法人が処分されて終わりだと考える人は、半分しか見ていない。第3項により、業務を執行した社員である会計士個人にも本条が準用される。2015年の東芝の不正会計をめぐる処分では、監査法人への業務改善命令や課徴金に加えて、関与した複数の会計士個人も業務停止処分を受けた。法人の看板は、個人を守る盾にはならない
  • 「監査済みの決算なら数字は正しい」という前提がそもそもの誤りである。監査が保証するのは、重要な点で適正に表示されているという合理的な保証であり、すべての誤りがないという保証ではない。だからこそ第2項は「重大な」誤りだけを対象にしている。投資判断の最後の責任を監査に預けることはできない
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる行為30条:虚偽・錯誤・脱漏のある財務書類を適正と証明31条:法令違反・著しく不当な業務など一般的な義務違反
31条の2:虚偽証明(30条と同じ行為)
主観的要件1項は故意、2項は相当の注意を怠ったこと(重大な虚偽等に限定)違反行為の態様により判断
故意または相当の注意を怠ったこと
制裁の内容故意:業務停止または登録抹消/注意義務違反:戒告または業務停止戒告・業務停止・登録抹消(29条各号)
課徴金(故意は監査報酬相当額の1.5倍、注意義務違反は1倍が基準)
制裁の性質資格に対する懲戒(行政処分)資格に対する懲戒(行政処分)
金銭的制裁(懲戒と併科されうる)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
証券交易法第37条・会計師法

台湾では公開発行会社の財務報告の査核簽證に錯誤・疏漏があれば、金融監督管理委員会が警告や簽證業務の停止などの処分を行える。職業法上の懲戒は会計師法が別途規律する二層構造。

韓国
공인회계사법・주식회사 등의 외부감사에 관한 법률

韓国も公認会計士法上の懲戒と外部監査法上の監査人への措置が並行する。日本と同様、監査法人と個人の双方が処分対象となる。

ドイツ
Wirtschaftsprüferordnung(WPO)

ドイツでは職業監督機関による職業上の処分制度があり、公益企業の監査については監督機関 APAS が関与する。

アメリカ
Sarbanes-Oxley Act § 105・SEC Rule of Practice 102(e)

米国はエンロン事件後に PCAOB を設置し、監査人個人と監査事務所の双方に対して資格停止や制裁金を科せる体制を整えた。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 期末監査の終盤、クライアントの CFO から「売上の期ズレは来期に戻すから、今回は目をつぶってほしい」と頼まれた。あなたが業務執行社員なら、ここで黙認した瞬間に第1項の「故意」の領域に入る。処分の上限は登録抹消である
  • 株価が急落した翌週、保有銘柄の会社が過年度決算の訂正を発表した。監査法人は毎年「適正意見」を出していた。もし担当会計士に相当の注意を怠った事実があったら、どうなる? 本条第2項の懲戒に加え、課徴金(公認会計士法31条の2)や投資家への損害賠償責任(金融商品取引法24条の4による22条の準用)が同時に動き出す
  • IPO 準備中のスタートアップで経理を任されているあなたは、「監査法人が見てくれるから大丈夫」と思って在庫評価を甘くしていた。会計士が処分されても、会社と経営陣の責任は消えない。監査は保険ではない
  • 金融庁の検査や公認会計士・監査審査会のヒアリングまで、あと2週間。監査調書に、問題の勘定科目を検討した痕跡が残っていない。「相当の注意を払った」と言えるかどうかは、記憶ではなく調書で判断される
  • 大手監査法人の新人スタッフとして、売掛金の残高確認で回答が戻ってこない先が多いことに気付いた。上司は「いつものことだ」と言う。このまま流せば、最終的に責任を負うのは署名した社員だが、組織として見逃す構造に加わったのはあなた自身だ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 訂正前と訂正後の決算書、監査報告書、株式の売買記録を保存し、取得価格と処分価格を整理する2. 金融庁の懲戒処分の公表資料や、会社の第三者委員会報告書を確認し、監査人の関与と注意義務違反の有無を把握する3. 公認会計士法32条により金融庁へ事実を報告し、措置を求める4. 損害賠償は金融商品取引法21条の2、24条の4などによる責任追及を、証券訴訟に詳しい弁護士と検討する。集団訴訟の動きがあるかも確認する

訴えられた側:1. 監査調書、クライアントとのメール、審査の記録を改変せずにそのまま保全する。後から書き足せば、故意を疑わせる最悪の材料になる2. 争点が「故意」か「相当の注意を怠った」かの境界にあるのか、そもそも「重大な」虚偽があったのかを切り分ける3. 聴聞の場では、実施した監査手続とその根拠を、監査基準に沿って具体的に説明する4. 課徴金や民事責任と連動するため、規制対応に強い弁護士を早い段階から関与させる

時効(請求できる期限):懲戒処分そのものについて、刑事の公訴時効のような一般的な期限は本条に定めがない(課徴金を含め、除斥期間の有無と長さは最新の改正状況をご確認ください)。投資家の損害賠償請求は、金融商品取引法の特則に期間制限がある場合はそれにより、一般の不法行為に基づく場合は民法724条により、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年となる。どの規定を根拠にするかで起算点が変わるため、実務上の検討が必要

学説

実務上の一般的理解:第2項の「相当の注意」は、監査基準に準拠した監査手続を実施し、職業的懐疑心を保持したかどうかを基準に判断される。監査は合理的保証にとどまるため、注意義務違反の対象は「重大な」虚偽等に限定されると解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:公認会計士法の制定。公認会計士制度の創設とともに、虚偽証明に対する懲戒の枠組みが設けられた。
  2. 2.平成19年(2007年) 改正:相次ぐ会計不祥事を受けた公認会計士法改正。虚偽証明に対する課徴金制度(31条の2)が導入され、本条の懲戒と併せた制裁体系が整備された。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

公認会計士法の全文を見る所属する編章節を開く:第五章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›