公認会計士法 第32条(処分の手続)
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- 何人も、公認会計士に第三十条又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると思料するときは、内閣総理大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求めることができる。
- 2.前項に規定する報告があつたときは、内閣総理大臣は、事件について必要な調査をしなければならない。
- 3.内閣総理大臣は、公認会計士に第三十条又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると思料するときは、職権をもつて、必要な調査をすることができる。
- 4.内閣総理大臣は、第三十条又は第三十一条の規定により第二十九条第一号又は第二号に掲げる懲戒の処分をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
- 5.第三十条又は第三十一条の規定による懲戒の処分は、聴聞を行つた後、相当な証拠により第三十条又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると認めたときにおいて、公認会計士・監査審査会の意見を聴いて行う。ただし、懲戒の処分が第四十一条の二の規定による勧告に基づくものである場合は、公認会計士・監査審査会の意見を聴くことを要しないものとする。
この条文の基本情報
処分の手続とは何ですか?
定義処分の手続とは、公認会計士法第32条に定められた規定で、「何人も、公認会計士に第三十条又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると思料するときは、内閣総理大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第32条(処分の手続)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第32条の条文原文は「何人も、公認会計士に第三十条又は第三十一条に規定する場合に該当する事実があると思料するときは、内閣総理大臣に対し、その事実を報告し、適当な措置をとるべきことを求…」で始まります。
- 公認会計士法第32条は第五章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第32条の前の条は公認会計士法第31条の2です。
- 公認会計士法第32条の次の条は公認会計士法第33条です。
- 公認会計士法第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法32条は、何人も会計士の懲戒事由を内閣総理大臣に報告でき、報告があれば国は調査義務を負うと定める。処分には聴聞と相当な証拠が必要。
Q · 公認会計士の不正を金融庁に報告したら、国は本当に動いてくれるの?
調査は義務だが、処分まで出るとは限らない
公認会計士法32条1項により、株主・取引先・元社員を問わず誰でも会計士の懲戒事由を内閣総理大臣(実務上は金融庁長官)に報告できます。報告があれば同条2項により国は必要な調査をしなければなりません。ただし処分には、聴聞の実施、相当な証拠による事実認定、原則として公認会計士・監査審査会の意見聴取という関門があり、報告者に調査結果を通知する規定もありません。
解説
上場企業の決算書に署名した公認会計士について、金融庁へ「この人を調べてほしい」と申し出られるのは誰か。答えは、株主でも、取引先でも、その会社の元経理担当者でもよい。公認会計士法32条1項は「何人も」と書いており、申し出る人の資格を一切限定していない。しかも報告を受けた内閣総理大臣(実務上は同法49条の4により金融庁長官へ権限が委任されている)には、「必要な調査をしなければならない」という義務が生じる。ただの投書箱とは違う。一方で、疑われた会計士の側にも厚い防御が用意されている。戒告や業務停止という比較的軽い処分であっても、行政手続法の通常ルールなら書面で弁明するだけで済むところを、本条は必ず聴聞(口頭で反論でき、役所側の証拠記録を閲覧できる手続)を開くよう命じている。さらに処分には「相当な証拠」と、第三者機関である公認会計士・監査審査会の意見が必要になる。訴え出る側も、訴えられる側も、この手続の流れを知っているかどうかで打てる手が変わる。
法的な位置づけ
公認会計士法32条は、公認会計士に対する懲戒処分の端緒と手続を定める規定である。何人にも懲戒事由の報告権を認め、報告があった場合の内閣総理大臣の調査義務、職権による調査権限、戒告・業務停止処分における聴聞の義務化、相当な証拠の要求、公認会計士・監査審査会からの意見聴取を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公開資料を揃えて事実を固める 有価証券報告書、監査報告書、訂正報告書、第三者委員会の報告書など、公開されている資料を集め、問題の期・勘定科目・監査報告書の日付を特定する。
- 2.懲戒事由の類型を特定する 疑われる行為が30条(虚偽または不当な証明)と31条(法令違反・信用失墜行為)のどちらに当たるかを整理し、公開資料のどの記載と矛盾するかを書面にまとめる。
- 3.金融庁へ書面で報告する 整理した事実と根拠資料を添え、金融庁または公認会計士・監査審査会の情報受付窓口へ書面で報告し、適当な措置を求める。報告により国に調査義務が生じる。
- 4.被報告側は文書閲覧で防御を準備する 聴聞通知を受けた会計士は、弁護士に依頼したうえで、聴聞終結までに調査記録の閲覧を請求し(行政手続法18条)、監査調書と突き合わせて相当な証拠の欠けた部分を特定する。
- 5.処分後の不服申立てを検討する 懲戒処分が出た場合、処分を知った日の翌日から3か月以内の審査請求、または処分を知った日から6か月以内の取消訴訟を検討する。
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士の懲戒請求とは何ですか?
公認会計士法32条に基づき、会計士の虚偽証明や法令違反などを内閣総理大臣に報告し、適当な措置を求める手続です。請求できる人に資格の制限はありません。
Q2公認会計士の不正はどこに通報すればいい?
条文上の報告先は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されています。実務上は金融庁や公認会計士・監査審査会の情報受付窓口へ書面で報告します。
Q3会計士の懲戒請求に費用はかかる?
公認会計士法32条は報告に手数料を定めていません。資料収集や弁護士への依頼費用は別途かかりますが、報告自体は無料で行えます。
Q4会計士の懲戒請求 匿名でもできる?
条文は報告者の氏名明示を要件としていません。ただし匿名だと追加の資料提供を求められず、具体性に欠けると調査の優先度が下がるおそれがあります。
Q5公認会計士の懲戒処分の種類は?
公認会計士法29条が定める戒告、2年以内の業務の停止、登録の抹消の3種類です。32条4項により、戒告と業務停止でも聴聞が必要です。
Q6会計士の懲戒処分は公表される?
公表されます。公認会計士法34条により懲戒処分は公告の対象で、処分を受けた会計士の氏名と処分内容が公になります。
Q7懲戒請求したのに処分されないのは違法?
違法とはいえません。32条が国に義務づけるのは調査までで、処分には相当な証拠と審査会の意見が必要です。報告者が不服を申し立てる手続も原則ありません。
Q8公認会計士の懲戒処分に不服があるときは?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟を起こせます(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社の人間じゃない一般の投資家でも、本当に会計士のことを通報していいんですか?
かまわない。32条1項は「何人も」と定めており、株主であることも利害関係があることも要件になっていない。報告を受けた国には調査義務が生じる(同条2項)。実務のポイント:調査担当者を動かすのは怒りの強さではなく、具体性である。対象となる期、勘定科目、監査報告書の日付を特定し、公開資料のどのページと矛盾しているかを示した報告は、抽象的な告発よりもはるかに処理されやすい
Q2聴聞って、一人で行かないといけないんですか?弁護士を連れて行ってもいいの?
代理人を選ぶことができる(行政手続法16条)。主宰者の許可があれば補佐人も同席できる(同法20条3項)。本条4項によって、戒告や業務停止の場合でも書面の弁明ではなく聴聞が保障されている。実務のポイント:聴聞で最も効果を発揮するのは、口頭での弁論よりも事前の文書閲覧である。役所側が何を根拠にしているかを把握したうえで監査調書と突き合わせれば、「相当な証拠」が欠けている部分を具体的に指摘できる
間違えやすい点 AI による整理
- 「報告さえすれば、国が会計士を処分してくれる」と考えがちだが、本条が国に義務づけているのは「調査」までである。処分には相当な証拠と審査会の意見が必要で、報告者に調査結果を通知する規定も条文上はない。処分されなかったことについて、報告者が原則として不服を申し立てられる立場にもない。報告は請求権ではなく、調査を始動させるスイッチだと理解しておくべきである
- 粉飾事件が起きると「責任を負うのは監査法人という組織であって、個々の会計士は関係ない」と思われやすい。しかし、それは問いの立て方自体が誤っている。30条と31条の懲戒は公認会計士個人が対象で、監査法人への処分とは別に、署名したパートナー個人の業務停止が並行して検討されうる
- 戒告は「注意で済んだ」程度の軽い処分だと受け止められがちだが、懲戒処分は公告の対象になる(同法34条)。氏名と処分内容が公表されれば、監査クライアントや転職市場からの評価に長く影響する。処分の重さを決めるのは処分名よりも、公表されて記録が残るという事実のほうである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 32条:懲戒の端緒(報告・調査)と手続(聴聞・証拠・審査会意見) | 30条:虚偽・不当な証明に対する懲戒の要件 31条:法令違反・信用失墜行為に対する懲戒の要件 |
| 主な対象行為 | 30条・31条の事由すべてに共通する手続 | 財務書類の監査証明における虚偽・不当な証明 本法や命令への違反、信用失墜行為(26条)など |
| 誰が動かすか | 何人も報告可能、国は報告で調査義務、職権調査も可 | 内閣総理大臣が32条の手続を経て処分 内閣総理大臣が32条の手続を経て処分 |
| 処分前の関門 | 聴聞の義務化、相当な証拠、審査会の意見(41条の2の勧告による場合は不要) | 32条の関門がそのまま適用 32条の関門がそのまま適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では懲戒事由のある会計師は會計師懲戒委員会に移付され審議される。合議制機関が判断に関与する点で、日本の審査会意見聴取と発想が近い
韓国も金融当局が会計士の懲戒を所管し、合議制の委員会審議を経る仕組みをとる。具体的な条番号は最新法令で要確認
ドイツでは職業団体 WPK と監督機関 APAS が職業監督を担い、重い処分は職業裁判所が扱う。職業自治の比重が日本より大きい
米国では上場企業監査人の調査・懲戒を PCAOB が担う。2002年のエンロン事件後に独立監督機関が創設された経緯がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが勤めていた会社で、監査担当の会計士が架空売上を見逃していただけでなく、計上方法まで助言していたと知ったらどうするか。社内の通報窓口が機能していなくても、金融庁へ直接報告できる。会社を通す必要はない。報告を受けた側には調査義務が生じるため、握りつぶされたまま終わるルートではない
- 株主総会で決算の不自然な点を質問したが、会社ははぐらかした。監査人の判断がおかしいと考えた株主は、会社を飛ばして監査人本人の懲戒を求められる。
- あなたは監査チームのパートナーで、金融庁から聴聞の通知書が届いた。期日までの準備期間は通知書に書かれた日付で決まり、待ってはくれない。真っ先にやるべきは反論書の作成ではなく、役所側が集めた調査記録の閲覧請求である。何を根拠に疑われているのかを知らないまま反論しても、的を外すだけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 有価証券報告書、監査報告書、訂正報告書、第三者委員会の報告書など、公開資料をまず揃える2. 30条(虚偽または不当な証明)と31条(法令違反・信用失墜)のどちらに当たるかを、時期と勘定科目まで特定して書面にまとめる3. 金融庁や公認会計士・監査審査会の情報受付窓口へ書面で報告する4. 投資損失の回収は懲戒とは別のルートになる。金融商品取引法24条の4が準用する22条に基づく監査人の損害賠償責任を、弁護士と検討する
訴えられた側:1. 立入検査や報告の徴求など33条に基づく調査が始まった段階で、弁護士に依頼する2. 聴聞通知を受け取ったら、すぐに文書閲覧を請求し(行政手続法18条)、どの事実が疑われているのかを特定する3. 聴聞では代理人を立てたうえで(同法16条)、監査調書をもとに、相当な注意を払っていたことを立証する4. 処分が出た後は、審査請求や取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):報告そのものに期限の定めはない。懲戒処分を受けた側は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、処分を知った日から6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)を起こせる。聴聞の期日は通知書に記載されるため、受け取った日から逆算して準備する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:公認会計士法(昭和23年法律第103号)の制定により、公認会計士制度とともに懲戒の手続規定が設けられた
- 公認会計士法 第29条懲戒の種類(戒告・業務停止・抹消)
- 公認会計士法 第30条虚偽・不当な証明に対する懲戒
- 公認会計士法 第31条法令違反・信用失墜に対する懲戒
- 公認会計士法 第33条調査のための立入検査等の権限
- 公認会計士法 第41条の2審査会による処分の勧告
- 行政手続法 第13条意見陳述手続の区分、本条4項で修正
- 行政手続法 第18条聴聞における文書閲覧権
- 行政手続法 第36条の3処分等の求めの一般則
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