公認会計士法 第33条(調査のための権限)
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- 内閣総理大臣は、前条第二項(第四十六条の十第二項において準用する場合を含む。)又は第三項の規定により事件について必要な調査をするため、当該職員に次に掲げる処分をさせることができる。
- 一事件関係人若しくは参考人に出頭を命じて審問し、又はこれらの者から意見若しくは報告を徴すること。
- 二鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
- 三帳簿書類その他の物件の所有者に対し、当該物件の提出を命じ、又は提出物件を留めて置くこと。
- 四事件に関係のある事務所その他の場所に立ち入り、事件に関係のある帳簿書類その他の物件を検査すること。
- 2.前項の規定により出頭又は鑑定を命ぜられた参考人又は鑑定人は、政令の定めるところにより、旅費、日当その他の費用を請求することができる。
この条文の基本情報
調査のための権限とは何ですか?
定義調査のための権限とは、公認会計士法第33条に定められた規定で、「内閣総理大臣は、前条第二項(第四十六条の十第二項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第33条(調査のための権限)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第33条の条文原文は「内閣総理大臣は、前条第二項(第四十六条の十第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 公認会計士法第33条は第五章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第33条の前の条は公認会計士法第32条です。
- 公認会計士法第33条の次の条は公認会計士法第34条です。
- 公認会計士法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法33条は、懲戒事件の調査のため、国が職員に審問・鑑定・帳簿書類の提出命令と留置き・事務所への立入検査をさせられると定める。令状は不要だが、拒否は罰則の対象となる。
Q · 金融庁から会計士の懲戒調査で出頭や資料提出を求められたら、断れるの?
原則応じる義務があり、拒否すれば罰則の対象になる
公認会計士法33条1項により、内閣総理大臣(実務は金融庁)は懲戒事件の調査のため、関係人や参考人への出頭命令と審問、鑑定、帳簿書類の提出命令と留置き、事務所への立入検査を職員に行わせることができます。令状は不要な行政調査ですが、拒否や妨害は同法の罰則の対象となります。守秘義務は提出拒否の理由になりにくく、応じたうえで写しと提出目録を残すのが現実的です。参考人・鑑定人は同条2項で旅費・日当を請求できます。
解説
公認会計士への懲戒は、密室の噂話で決まるのではない。決め手になるのは、本条が金融庁側に与える四つの調査権限だ。一つ目は関係者や参考人を呼び出して話を聞くこと(審問)、二つ目は専門家に鑑定させること、三つ目は帳簿や監査調書を出させ、そのまま留め置くこと、四つ目は事務所に立ち入って検査することである。きっかけは前条の報告でよい。前条によれば、誰でも会計士の不正を内閣総理大臣に報告できる。報告を受けた国は必要な調査をしなければならないし、自分の判断(職権)で調査を始めることもできる。押さえておくべき点は二つある。まず、これは刑事捜査ではなく行政調査なので、裁判官の令状はいらない。拒否すれば罰則が待っている。次に、呼び出された参考人や鑑定人は、旅費や日当を請求できる。監査調書の一枚一枚が、調査の対象になると考えてよい。
法的な位置づけ
公認会計士法33条は、公認会計士および監査法人に対する懲戒事件の調査権限を定める規定である。内閣総理大臣は、前条の報告または職権に基づく調査のため、職員に審問、鑑定、物件の提出命令と留置き、関係場所への立入検査を行わせることができる。罰則による間接強制を伴う行政調査であり、刑事手続上の令状を要しない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知内容と自分の立場を確認する 出頭命令書や提出命令の通知を受けたら、自分が事件関係人か参考人か鑑定人か、求められているのが審問・報告・物件提出・立入検査のどれかを確認する。期日と提出対象の範囲を書き出しておく
- 2.弁護士に相談し刑事リスクを見極める 粉飾決算への関与など刑事事件に発展する可能性があるかを弁護士と確認する。審問への同席や、話す範囲と事実関係の整理をこの段階で行う
- 3.提出物件の写しと提出目録を作る 提出対象の帳簿書類・監査調書をすべて複写し、物件ごとの目録を作成する。電子調書は更新履歴を含めてそのまま保全し、改ざんや削除は絶対に行わない
- 4.審問・立入検査に応じ、受領確認を取る 審問では記憶している事実と推測を分けて述べ、不明点は持ち帰る。物件提出時は職員と目録を照合し、控えに受領の確認を得る
- 5.旅費・日当を請求し、聴聞に備える 参考人・鑑定人は33条2項に基づき旅費・日当を請求する。調査を受けた会計士は、処分前の聴聞に向けて写しを基に反論書面を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士の懲戒調査とは何ですか?
会計士や監査法人の不正の疑いについて、懲戒処分の要否を判断するために国が行う行政調査です。公認会計士法32条・33条が根拠で、審問や立入検査などが含まれます。
Q2金融庁の立入検査は拒否できる?
物理的に押し入られることはありませんが、拒否や妨害は公認会計士法の罰則の対象になります。懲戒判断でも不利に働くため、実務上は応じる前提で準備すべきです。
Q3監査調書の提出命令は守秘義務を理由に断れる?
断るのは困難です。法律に基づく提出命令に応じることは守秘義務違反の正当な例外と解され、拒否すれば罰則の対象となります。
Q4公認会計士の懲戒処分にはどんな種類がある?
公認会計士法29条により、戒告、2年以内の業務の全部または一部の停止、登録の抹消の3種類があります。33条の調査結果がその判断材料になります。
Q5会計士の不正はどこに通報すればいい?
公認会計士法32条により、誰でも内閣総理大臣に報告できます。実務上の窓口は金融庁で、取引や監査報告書の該当箇所を特定すると調査が動きやすくなります。
Q6鑑定人として呼ばれたら旅費や日当はもらえる?
もらえます。公認会計士法33条2項により、出頭や鑑定を命じられた参考人・鑑定人は、政令の定めるところにより旅費、日当その他の費用を請求できます。
Q7懲戒調査から処分までどのくらいかかる?
法律上の期間制限は定められていません。事案の規模や提出物件の量によって大きく異なり、処分前には行政手続法に基づく聴聞の手続が入ります。
Q8監査法人も同じ懲戒調査を受ける?
受けます。33条1項は、監査法人に関する46条の10第2項で準用される場合も含むと明記しており、監査法人の事務所も立入検査の対象になりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1参考人で呼ばれたんですけど、行かないとどうなりますか?
本条1項1号の出頭命令に応じない場合、公認会計士法の罰則規定による処罰の対象になりうる(刑の内容は最新の改正状況をご確認ください)。どうしても都合がつかないなら、無視せずに期日の変更を申し出るのが現実的だ。実務のポイント:参考人の段階では、書面で報告や意見を出す方法(同号の『意見若しくは報告を徴する』)で代えてもらえないか相談する余地がある。出頭して口頭で答えるより、文言を自分で管理できる
Q2監査調書を持っていかれたら、いつ返ってくるんですか?
本条1項3号は、提出させた物件を『留めて置く』ことを認めているが、返還の期限を条文で定めていない。調査に必要な間は保管されると考えておくべきだ。実務のポイント:提出する前に全部の写しを取り、職員と提出目録を照らし合わせて控えに受領の確認をもらっておく。留め置かれた後で『何を出したか』を争うのは極めて難しい。目録一枚が、のちの聴聞であなたの記憶の代わりになる
Q3これって刑事事件になるんですか?
本条は懲戒のための行政調査で、刑事捜査ではない。ただし、調査で明らかになった事実が、金融商品取引法違反などの刑事事件につながる可能性はある。実務のポイント:判例上、刑事責任の追及を目的とした行政調査の流用は許されない。それでも、資料が事実上共有されるリスクを完全には否定できない。粉飾決算への関与が疑われる場面では、審問の前に刑事事件に強い弁護士を同席させる判断が分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 『立入検査は強制捜査と同じで、拒否すれば無理やり踏み込まれる』と思われがちだが、法の設計はそうではない。本条の検査は、拒んだ場合に罰則が科されることで協力を事実上強いる、間接強制型の行政調査である。職員が物理的に扉をこじ開けるわけではない。ただし、拒否した事実は罰則の対象になり、懲戒判断でも不利に働く。『拒めば止まる』のではなく、『拒めば別の火種が一つ増える』と理解しておくべきだ
- 参考人として呼ばれた人は、自分は当事者ではないから気楽だと考えがちだ。しかし、審問で話したことや提出した報告書は、懲戒処分を決める証拠になる。そのうえ、会社の決算に関わる話であれば、金融商品取引法上の別の手続や民事責任の場面で同じ事実がもう一度問われることもある。参考人という立場の軽さと、発言が持つ重さは一致しない
- 『令状がないなら憲法違反ではないか』という疑問を持つ人もいるが、問いの立て方がずれている。最高裁は川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)で、行政手続にも憲法35条・38条の保障が及びうると認めた。そのうえで、刑事責任の追及を直接の目的としない一定の行政調査は、令状がなくても合憲だと判断した。争うべきなのは令状の有無ではない。調査が刑事目的に流用されていないかどうかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 33条:調査のための具体的権限(審問・鑑定・提出命令・立入検査) | 32条:懲戒事由の報告と、国の調査義務・職権調査 30条:虚偽・不当証明に対する懲戒(調査の主な対象) |
| 誰が動くか | 内閣総理大臣の命を受けた当該職員 | 誰でも報告でき、内閣総理大臣が調査する 内閣総理大臣が懲戒処分を行う |
| 対象者に生じる効果 | 出頭・提出・検査受忍の義務(拒否は罰則) | 調査開始のきっかけが生じる 戒告・業務停止・登録抹消などの処分 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は会計師懲戒委員会が懲戒を審議する合議体型で、日本のように内閣総理大臣(金融庁)が直接調査・処分する仕組みとは構造が異なる
ドイツは職業団体である Wirtschaftsprüferkammer に情報提供・書類提出の要求権と立入権を与えており、自主規制機関が調査の中心を担う
米国は上場企業監査人について PCAOB が調査・懲戒権限を持ち、証言や書類提出を求めることができる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 上場企業の経理部長をしているあなたのもとに、金融庁から参考人として出頭を求める通知が届いた。監査を担当した会計士の懲戒事件だという。自分が処分されるわけではないが、話した内容は記録に残り、のちに会社の責任を判断する材料にもなりうる。出頭の前に社内の法務担当や弁護士と、話す範囲と事実関係を整理しておくべきだ
- 粉飾に気づいていながら監査意見を出した会計士を、元部下のあなたが前条に基づいて内閣総理大臣に報告した。それで本当に調査は動くのか? 報告を受けた国は、事件について必要な調査をしなければならない。本条の権限が発動すれば、事務所への立入りと監査調書の提出命令に進む
- 監査調書を出せと命じられ、所長は『顧客情報だから』と渋っている。守秘義務は提出を拒む理由にならない。拒めば、それ自体が罰則の対象になる
- 立入検査の予告から当日まで一週間しかない。その間にファイルを整理するつもりで、電子調書の更新履歴を書き換えてしまった。何が残っていて何が改ざんされたかは、調べればすぐに分かる。元の懲戒事由より重い問題が、自分の手で新しく生まれる
- 大学で会計学を教えるあなたが、鑑定人として呼び出された。仕事を休み、新幹線で霞が関まで行く。その交通費と日当は、本条2項に基づいて政令の定めるところにより請求できる。黙って自腹を切る必要はない
取るべき行動
被害を受けた側:粉飾を見逃した会計士の監査を信じて損をした投資家や取引先、あるいは内部告発者の場合の手順。1. 前条に基づき、内閣総理大臣(実務の窓口は金融庁)に事実を報告する。日付、取引、監査報告書の該当箇所を特定しておく2. 手元にある資料の写しを保全し、調査で提出を求められたときにすぐ出せるよう整理する3. 参考人として呼ばれたら、旅費・日当を請求できる(本条2項) 4. 損害の回復は懲戒とは別の手続になる。民事の損害賠償(民法709条など)を別途検討する
訴えられた側:調査を受ける会計士・監査法人の場合の手順。1. 通知を受けたらすぐに弁護士へ相談する。特に、刑事事件につながる可能性があるかどうかを最初に見極める2. 提出命令の対象を確認し、写しと提出目録を作る。改ざんや廃棄は絶対にしない3. 審問では、記憶にあることと推測を分けて述べ、不明な点は持ち帰る4. 処分の前には聴聞の機会がある(行政手続法13条)。そこに向けて反論書面を準備する5. 守秘義務を理由に提出を拒んでも通らないと考えておく
時効(請求できる期限):本条の調査そのものには特定の時効がなく、出頭命令書や提出命令に記載された期日が事実上の期限になる。参考人・鑑定人が国に旅費・日当を請求する権利は、国に対する金銭債権として会計法30条により5年で時効消滅する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の調査は、罰則によって履行を担保する間接強制型の行政調査であり、実力による強制は予定されていない。刑事責任追及を直接の目的としない限り令状は不要だが、調査権限を犯罪捜査のために用いることは許されない。
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