公認会計士法 第1条の2(公認会計士の職責)
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公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。
この条文の基本情報
公認会計士の職責とは何ですか?
定義公認会計士の職責とは、公認会計士法第1条の2に定められた規定で、「公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第1条の2(公認会計士の職責)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第1条の2の条文原文は「公認会計士は、常に品位を保持し、その知識及び技能の修得に努め、独立した立場において公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」で始まります。
- 公認会計士法第1条の2は第一章 総則に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第1条の2の前の条は公認会計士法第1条です。
- 公認会計士法第1条の2の次の条は公認会計士法第1条の3です。
- 公認会計士法第1条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第1条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第1条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/1_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法1条の2は、公認会計士に品位の保持、知識・技能の修得、独立した立場での公正かつ誠実な業務遂行を義務付ける。違反は懲戒の対象となりうる。
Q · 会計士って、報酬を払っている会社の言うことを聞くべきじゃないの?
いいえ。報酬元でなく投資者側に立つ独立性が法律上の義務です
公認会計士法1条の2は、公認会計士に品位の保持、知識・技能の修得、そして独立した立場での公正かつ誠実な業務遂行を義務付けています。監査報酬は被監査会社が払いますが、会計士が守るべきは決算書を信頼する投資者や債権者です(1条の使命規定)。会社の要望に沿って虚偽の証明をすれば、30条・31条による懲戒や31条の2による課徴金の対象となりえます。
解説
監査の報酬を払っているのは、監査される会社自身である。この構造上の矛盾を一文で縛っているのが本条だ。品位を保つこと、知識と技能を磨き続けること、独立した立場に立つこと、公正かつ誠実に業務を行うこと。四つの義務はどれも抽象的に見えるが、要は「独立した立場」の一語にある。会計士は報酬をくれる会社の味方ではない。その決算書を信じて株を買うあなたのような投資者や、お金を貸す債権者の側に立つことが、法律上求められている(1条の使命規定)。社長に「この売上は今期に入れてくれ」と頼まれても、会計士は断らなければならない。断れずに虚偽の証明をした会計士には、30条・31条による懲戒(戒告、業務停止、登録抹消)と、31条の2による課徴金(国に納めさせる金銭的制裁)が待っている。あなたが経営者なら、会計士の「ノー」は嫌がらせではなく法律上の義務を果たしているだけだと知っておくべきだ。あなたが投資者なら、監査意見の裏にあるこの義務が、責任を追及する足場になる。
法的な位置づけ
公認会計士法第1条の2は、公認会計士の職責を定める規定であり、品位の保持、知識及び技能の修得、独立した立場における公正かつ誠実な業務遂行という義務を課す。同法1条の使命規定を具体化する一般条項として、利害関係による業務制限(24条)、信用失墜行為の禁止(26条)、研修受講義務(28条)、懲戒(30条・31条)等の個別規定の解釈指針となる。
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士の職責とは何ですか?
公認会計士法1条の2が定める、品位の保持、知識・技能の修得、独立した立場での公正かつ誠実な業務遂行という4つの義務のことです。
Q2監査人の独立性とはどういう意味ですか?
被監査会社の利害から離れて判断することです。実際に独立していること(精神的独立性)に加え、外から独立していると見えること(外観的独立性)も含むと解されています。
Q3公認会計士の懲戒にはどんな種類がありますか?
公認会計士法29条により、戒告、2年以内の業務停止、登録の抹消の3種類です。虚偽証明等には別途31条の2の課徴金もあります。
Q4公認会計士が私生活で不祥事を起こしたら処分される?
されうります。品位保持の義務と信用失墜行為の禁止(26条)は業務時間外にも及び、資格の信用を損なう行為は懲戒対象になりえます。
Q5公認会計士に研修の義務はありますか?
あります。本条の技能修得義務を具体化したのが28条で、日本公認会計士協会が行う継続的専門研修の受講が義務付けられています。
Q6監査法人が粉飾を見逃したら責任を負う?
負う可能性があります。金融商品取引法21条・24条の4や会社法429条により、相当の注意を尽くしたと立証できなければ投資者への賠償責任を負いえます。
Q7公認会計士の懲戒処分はどこで確認できますか?
金融庁が懲戒処分を公表しており、公認会計士・監査審査会の勧告も公表されることがあります。投資者の立証材料としても活用されます。
Q8会計士が監査先にコンサルをしてもいい?
大会社等の監査では、監査と一定の非監査業務の同時提供が24条の2で禁止されています。報酬依存による独立性の毀損を防ぐ趣旨です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会計士って、結局お金をもらってる会社の味方なんじゃないんですか?
法律上は違う。1条の使命規定は会計士の役割を投資者・債権者の保護に置いており、本条は「独立した立場」での業務を義務付けている。報酬への依存が判断を歪めないよう、大会社等の監査人には監査と一定の非監査業務(コンサルティング等)の同時提供も禁じられている(24条の2)。実務のポイント:監査人が交代した会社は、交代理由と前任者の意見を臨時報告書で確認すると、表に出ない対立が見えることがある
Q2粉飾を見抜けなかった監査法人に、株主として損害賠償を請求できますか?
請求の道はある。金融商品取引法21条・24条の4は、虚偽記載のある書類に監査証明をした会計士・監査法人も責任主体とし、会計士の側が故意・過失のなかったことを証明しなければならない構造である。会社法429条による請求も考えられる。実務のポイント:金融庁の懲戒処分や公認会計士・監査審査会の勧告は公表されることがあり、監査の不備を具体的に指摘したその文書が、個人では集められない立証材料になる
Q3会計士の友達が、自分が監査している会社の株を買っても大丈夫なんですか?
まずい。監査先の株式保有は、24条とその委任を受けた政令が定める「著しい利害関係」にあたり、その会社の監査業務が制限される。本条の独立性の要請は、実際の判断の歪みだけでなく、外からそう疑われる状態も避けることまで求めると解されている。実務のポイント:多くの監査法人は職員の株式保有を申告制で管理し、配偶者名義の保有まで確認対象にしている。「家族名義なら大丈夫」は通用しない
間違えやすい点 AI による整理
- 会社から見れば、会計士は報酬を払って雇った外注先であり、こちらの要望を汲むのが当然に思える。だが法律から見れば、会計士は投資者と債権者のために決算書を検査する門番であり、会社の要望を汲んだ瞬間に義務違反になる。この落差を理解しない経営者ほど、監査人との対立を「関係悪化」と誤読し、監査人の辞任という最悪の結果を招く
- 「品位保持」は精神論の努力目標だと思われがちだ。実際には信用失墜行為の禁止(26条)と一体で運用され、業務と無関係な私生活上の不祥事でも懲戒対象になりうる。会計士の資格は、勤務時間の外でも外れない
- 「監査を通った会社なら不正はないはずだ」という前提そのものが誤っている。監査が与えるのは合理的な保証(重要な誤りがないことへの高い、しかし絶対ではない確信)であり、巧妙な共謀による不正をすべて見抜くことは保証していない。問うべきは「不正があったか」ではなく、「会計士が職業的専門家として払うべき注意を尽くしたか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 公認会計士法1条の2:職責(行為規範としての一般条項) | 公認会計士法1条:使命(制度目的の宣言) 公認会計士法26条:信用失墜行為の禁止(具体的禁止規定) |
| 名宛人に求める内容 | 品位保持・技能修得・独立・公正誠実の4義務 | 監査・会計の専門家として財務書類の信頼性を確保し、投資者・債権者を保護すること 公認会計士の信用を傷つけ、全体の不名誉となる行為をしないこと |
| 違反時の帰結 | 直接の罰則はないが、31条の一般懲戒の解釈基準となる | 直接の制裁なし(解釈指針) 31条による懲戒の対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も會計師に誠実・公正な業務執行と職業道徳の遵守を求め、違反には懲戒を予定する点で日本と構造が近い
韓国は公正・誠実義務を明文化し、虚偽・不正な証明の禁止と一体で規律する
ドイツは独立性・良心性・守秘・自己責任・不偏性を一般職業義務として列挙し、日本より義務の項目が具体的
米国はエンロン事件後、非監査業務の同時提供禁止やパートナーローテーションを法定し、独立性を強行規定で担保する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 上場申請まであと2か月。スタートアップの CFO であるあなたは、大型案件の売上を今期に計上したい。監査法人の担当パートナーは首を縦に振らない。「報酬を払っているのはこちらだ」と詰め寄る前に知っておくべきことがある。独立性を曲げた監査人は懲戒の対象になり、そうなればあなたの会社の上場審査そのものが止まる
- あなたは監査法人に勤める若手会計士だ。関与先の経理部長から、ゴルフの誘いと「来期は業績がいいから株を買っておくといいよ」という耳打ちを受けた。株を買えば24条の著しい利害関係にあたりうるし、接待を受け続ければ「独立した立場」が外から疑われる。本条が求める独立性は、実際に独立していることだけでなく、外からそう見えることまで含むと解されている
- 粉飾決算が発覚して株価が半値になった会社の株を、あなたは持っていた。監査で「適正」とお墨付きを与えた会計士にも損害賠償を請求できるのか? 金融商品取引法は、監査証明をした会計士・監査法人も責任を負う主体に入れており、故意・過失がなかったことを会計士の側が証明できなければ責任を免れない構造になっている
- 顧問の会計士が、泥酔して店員に絡む動画を SNS で拡散された。品位保持の義務は業務時間の外にも及ぶ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 粉飾が発覚したら、有価証券報告書の訂正報告書、第三者委員会の報告書、金融庁や公認会計士・監査審査会の公表資料をすぐ保存する。監査人の注意義務違反を立証する最大の材料になる2. 取得時期と売却時期・価格を証券会社の取引報告書で整理し、損害額を数値化する3. 発行会社への請求(金融商品取引法21条の2等)と並行して、監査人への請求(同法21条・24条の4、会社法429条)が組めるかを弁護士と検討する4. 個別訴訟は費用倒れになりやすいため、投資者の集団訴訟や弁護団への参加を探す
訴えられた側:1. 金融庁から報告徴求や検査を受けたら、監査調書(監査で行った手続と判断の記録)を改ざんせず、そのまま保全する。事後の書き足しは独立した義務違反として致命傷になる2. 「相当の注意を払った」ことを示すため、リスク評価、追加手続、審査担当者との協議の記録を時系列で整理する3. 処分前の聴聞の場で、故意か過失か、過失なら注意義務の水準をどう満たしたかを具体的に主張する4. 処分を受けた場合は、審査請求や取消訴訟の期限を確認し、懲戒と課徴金のどちらを争うかを早期に決める
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。投資者が会計士に損害賠償を求める場合、不法行為構成なら損害及び加害者を知った時から3年・行為時から20年(民法724条)、会社法429条構成なら一般の債権の時効(民法166条、知った時から5年・権利を行使できる時から10年)による。会計士が懲戒処分を争う場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)、6か月以内に取消訴訟(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は直接の罰則を伴わない理念的な職責規定だが、31条の一般懲戒における「法令違反」「著しく不当」の判断基準として機能し、24条・24条の2・26条・28条など個別規定の解釈指針となる。
独立性二元論:「独立した立場」は精神的独立性と外観的独立性の双方を含む。実際に判断が歪んでいなくても、利害関係により外から独立性が疑われる状態は本条の趣旨に反すると解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)改正 監査人の独立性強化を柱とする改正で、使命規定(1条)とあわせて職責規定として設けられたとされる。その後の改正で文言が変わったかどうかは人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:公認会計士法制定(昭和23年法律第103号)。証券取引法の監査制度を支える職業専門家の資格法として成立
- 2.平成15年(2003年) 改正:監査人の独立性強化を柱とする改正で、使命規定(1条)とあわせて職責規定として本条が整備されたとされる(文言変遷は要人的検証)
- 公認会計士法 第1条職責の前提となる使命規定
- 公認会計士法 第26条信用失墜行為の禁止、品位保持の具体化
- 公認会計士法 第28条研修受講義務、技能修得の具体化
- 公認会計士法 第30条虚偽又は不当の証明に対する懲戒
- 公認会計士法 第31条法令違反等に対する一般の懲戒
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社等の財務書類に対する監査証明義務
- 金融商品取引法 第21条虚偽記載の監査証明をした会計士の賠償責任
- 会社法 第429条会計監査人の第三者に対する損害賠償責任
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