公認会計士法 第49条(公認会計士又は監査法人の業務上調製した書類)
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公認会計士又は監査法人が他人の求めに応じて監査又は証明を行うに際して調製した資料その他の書類は、特約のある場合を除くほか、公認会計士又は監査法人の所有に属するものとする。
この条文の基本情報
公認会計士又は監査法人の業務上調製した書類とは何ですか?
定義公認会計士又は監査法人の業務上調製した書類とは、公認会計士法第49条に定められた規定で、「公認会計士又は監査法人が他人の求めに応じて監査又は証明を行うに際して調製した資料その他の書類は、特約のある場合を除くほか、公認会計士又は監査法人の所有に属するも…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第49条(公認会計士又は監査法人の業務上調製した書類)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第49条の条文原文は「公認会計士又は監査法人が他人の求めに応じて監査又は証明を行うに際して調製した資料その他の書類は、特約のある場合を除くほか、公認会計士又は監査法人の所有に属するも…」で始まります。
- 公認会計士法第49条は第七章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第49条の前の条は公認会計士法第48条の2です。
- 公認会計士法第49条の次の条は公認会計士法第49条の2です。
- 公認会計士法第49条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第49条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第49条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/49
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法49条は、公認会計士又は監査法人が監査・証明の際に調製した資料その他の書類を、特約がない限り会計士側の所有とする。会社提供の原本は対象外である。
Q · 監査報酬を払ったのに、監査調書は会社のものにならないの?
原則は会計士側の所有。特約があれば変えられる
公認会計士法49条により、公認会計士又は監査法人が監査・証明の際に調製した資料その他の書類は、特約がない限り会計士側の所有となります。ただし対象は会計士が「調製した」書類に限られ、会社が提供した請求書や契約書の原本は会社のもので、委任契約上の受取物引渡義務(民法646条)に基づき返還を求められます。調書の閲覧や写しの交付を確保したい場合は、監査契約の締結時に特約を入れる必要があります。
解説
監査報酬を払ったのは会社なのに、監査で作られた書類の山は会社のものにならない。公認会計士法49条は、公認会計士または監査法人が依頼を受けて監査や証明をする際に作った資料その他の書類は、特約がない限り会計士側の所有になると定めている。実務では、これらを監査調書(監査の過程と判断の根拠を記録したファイル)と呼ぶ。経営者として押さえておくべき点は二つある。一つ目は、会社が渡した請求書や契約書の原本は会計士が「調製した」ものではないので、会社に返してもらう対象になるということ。二つ目は、会計士が持っているからといって中身を外に出してよいわけではないということ。守秘義務(同法27条、監査法人の社員等については49条の2)は所有権とは別に残る。所有権は会計士側、秘密を守る義務も会計士側にある。経理担当者や経営者が「うちの金で作った書類だから出してくれ」と言っても、法的な足場はほとんどない。最初の監査契約書の段階で特約を入れる以外に、この配分を変える方法はない。
法的な位置づけ
公認会計士法49条は、公認会計士又は監査法人が他人の求めに応じて監査又は証明を行う際に調製した資料その他の書類(いわゆる監査調書)の所有権の帰属を定める規定である。特約がない限り、これらの書類は依頼者ではなく公認会計士又は監査法人の所有に属する。依頼者から受け取った原本は調製した書類に当たらず、本条の対象外と解される。
手順
- 1.書類を三つに仕分ける 対象の書類を「会社が提供した原本」「会計士が調製した書類」「双方のやり取りの記録」に分ける。49条が及ぶのは会計士が調製した書類だけなので、最初に仕分けておかないと返還交渉の話がかみ合わない
- 2.監査契約書の特約を確認する 監査契約書や約款に、調書の閲覧、写しの交付、後任監査人への開示などの特約がないかを確認する。特約があれば、49条の原則よりも特約が優先される
- 3.原本の返還を書面で請求する 会社が提供した原本は、委任契約の受取物引渡義務(民法646条)を根拠に、返還対象を一覧にした書面で請求する。会計士が調製した書類の請求とは分けて記載する
- 4.監査人交代時は閲覧の段取りを先に決める 監査法人の交代を通知する前に、後任監査人が前任の事務所で調書を閲覧する範囲と日程を三者で調整する。関係がこじれてからでは前任の協力が最小限になりやすい
よくある質問 AI による整理
Q1監査調書とは何ですか?
監査人が監査の手続、入手した証拠、判断の根拠を記録した書類の総称です。公認会計士法49条により、特約がない限り公認会計士又は監査法人の所有になります。
Q2監査調書の所有権は誰にありますか?
特約がない限り、調書を調製した公認会計士又は監査法人にあります(公認会計士法49条)。監査報酬を支払った依頼会社には移りません。
Q3監査契約で調書の閲覧権を定めることはできる?
できます。49条は「特約のある場合を除く」としているため、閲覧や写しの交付などを監査契約の特約で定めることができます。締結前の交渉が重要です。
Q4税理士が作った帳簿資料にも公認会計士法49条は適用される?
適用されません。本条は公認会計士又は監査法人が監査・証明を行う際に調製した書類に関する規定です。税理士業務の書類は別の法律と契約で判断されます。
Q5監査調書は裁判で証拠として使える?
使われる可能性はあります。会社は調書を持っていないため、訴訟では監査法人を相手方とする文書提出命令の可否が問題になります。守秘義務との関係で争点になりやすい分野です。
Q6監査調書の保存期間は何年?
公認会計士法49条には保存期間の定めはありません。実務では事務所の規程や品質管理の基準に従って保存されます。最新の基準を確認してください。
Q7会計士に預けた原本を返してもらえない場合はどうする?
会社が提供した原本は49条の対象外です。委任契約の受取物引渡義務(民法646条)を根拠に、書面で返還を請求します。応じない場合は弁護士に相談します。
Q8監査法人が調書を第三者に見せるのは違法?
所有権があっても、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らせば守秘義務違反になり得ます(公認会計士法27条、監査法人の社員等は49条の2)。所有と開示は別の問題です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査法人を替えるとき、前の監査法人の調書って新しいところに渡してもらえるんですか?
調書は前任の所有物なので(公認会計士法49条)、そのまま引き渡されることは通常ない。実務では、後任監査人が前任の事務所で調書を閲覧する形で引き継ぎが行われる。実務のポイント:閲覧の範囲は前任の裁量で決まるので、円満に交代できたかどうかで後任の初年度の工数が大きく変わる。交代の理由が対立なら、その分の監査報酬の上乗せを見込んでおくべきだ
Q2会計士さんに渡した領収書とか請求書の原本も、返してもらえないんですか?
返してもらえる。49条が会計士の所有と定めているのは、会計士が「調製した」資料に限られる。会社が預けた原本は会社のもので、委任契約の受取物の引渡し義務(民法646条)に基づいて返還を求められる。実務のポイント:会計士が原本にメモやチェックを書き込んだ場合、その部分の扱いでもめることがある。原本は最初から写しを渡すのがいちばん安全である
Q3会計士は守秘義務があるから、警察に調書を出したりしないですよね?
守秘義務(公認会計士法27条)は正当な理由のない漏洩を禁じるものだが、刑事訴訟法105条の押収拒絶権を持つ職業に公認会計士は含まれていない。捜索差押許可状があれば、調書は押収されうる。実務のポイント:弁護士や医師には押収拒絶権があるのに、会計士にはない。社内で問題を調べるとき、その相手を会計士にするか弁護士にするかで、記録の守られ方が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「報酬を払ったのは会社なのだから、作られた書類も会社のものだ」と考えがちだが、49条は逆を定めている。会計士側の所有が原則で、会社側に移すには特約が必要になる。仕事を頼めば成果物は全部自分のものになる、という感覚は監査や証明の仕事には通用しない
- 会計士側に所有権があることは知っていても、それで会計士が自由に使えると思うのは早合点である。所有権と守秘義務は別の仕組みで、調書を手元に置く権利があっても、中身を正当な理由なく漏らせば公認会計士法27条違反になる。会計士にとっての49条は、持ち出しの自由を与える条文ではなく、保管の責任が自分にあることを確認する条文として読むべきものだ
- 「調書は会社のものか会計士のものか」という問いの立て方そのものが不十分である。実務で揉めるのは、会社が渡した原本、会計士が作った分析、両者のやり取りの記録のどれに当たるかという仕分けのほうだ。所有者の話を始める前に、問題の書類がどれに当たるかを確定させないと議論がかみ合わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 49条:監査・証明の際に調製した書類の所有権の帰属 | 27条:公認会計士が業務上知り得た秘密の保持 49条の3:当局による報告徴収・立入検査 |
| 義務・権利の主体 | 公認会計士又は監査法人(所有者) | 公認会計士(及び公認会計士であった者) 当局(調書等を検査する側) |
| 依頼会社との関係 | 特約がなければ会社は調書の所有権を持たない | 会計士は会社の秘密を正当な理由なく漏らせない 会社の同意がなくても当局は監査法人を検査できる |
| 契約で変えられるか | 特約で帰属や閲覧・交付を調整できる | 法定の義務で、契約による免除は想定されない 公法上の権限であり、契約では排除できない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも会計士の査核工作底稿の作成と保存が規律されている。所有権の帰属を定める条文番号は未検証のため、原典での確認が必要
韓国は外部監査法で監査調書の作成と保存を義務付けている。帰属の規律方法は日本と異なる可能性がある
ドイツは監査人の手元記録(Handakten)の保存と依頼者への引渡しを職業法で規律している
米国は上場会社監査の調書の作成・保存を監査基準で定めている。所有権の帰属は州法や職業規範の問題として扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 監査法人を替えることになった。経理部長は前任の監査法人に、過去三年分の監査調書を新しい監査法人へまとめて渡すよう頼んだ。断られた。所有権が前任側にある以上、出すかどうか、どこまで見せるかは前任側が判断する。実務では後任監査人による閲覧という形で引き継がれることが多いが、それは会社の権利によるものではない
- 監査人と揉めて契約を解除したらどうなるか。会社は「預けた資料を全部返せ」と内容証明を送りたくなる。ただ、請求できるのは会社が提供した原本などに限られる。会計士が作った分析表や確認状の控えまで取り戻すことはできない
- あなたは独立したばかりの公認会計士で、元クライアントの社長から「あのとき作った資料を全部コピーしてくれ」と催促されている。返事の期限は今週末。応じる義務はないが、断るときに守秘義務と所有権を混ぜて説明すると話がこじれる。根拠を分けて、書面で答えたほうがよい
- 粉飾決算が発覚し、株主代表訴訟の準備をしている株主側の弁護士が監査調書に目をつけた。会社に頼んでも調書は出てこない。持っているのは監査法人だからだ。取れるかどうかは訴訟での文書提出命令の可否にかかっている
- M&A のデューデリジェンスで、買い手が対象会社に「監査人の調書を見せてほしい」と求めた。対象会社は即答できない。調書の扱いを決めるのは監査人で、実務上は監査人と買い手の間でアクセスレター(閲覧条件の合意書)を交わすのが通例である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 返還を求めたい書類を「会社が提供した原本」「会計士が作った書類」「やり取りの記録」に分ける2. 原本の返還は、委任契約における受取物の引渡し義務(民法646条)を根拠に書面で請求する3. 会計士が作った書類については、監査契約書に閲覧や写しの交付を定めた特約がないか確認する4. 特約がなく、訴訟で必要になる場合は、文書提出命令の申立てを弁護士と検討する
訴えられた側:1. 請求された書類が会社提供の原本なのか、自分で作った書類なのかを分けて答える。原本は返す2. 会計士が作った書類は49条により自分の所有だと書面で示し、守秘義務(27条)を理由とする拒否とは分けて記載する3. 監査契約書の特約を確認し、閲覧や交付を約束していれば守る4. 捜査機関や裁判所からの要求には、任意に応じる前に日本公認会計士協会や弁護士に相談する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。原本の返還請求権もこの時効にかかる。調書の保存期間は法律に直接の定めがなく、事務所の規程と品質管理基準に従うのが実務である(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:公認会計士法(昭和23年法律第103号)制定。本条の条文単位の改正経緯は未検証のため、e-Gov の改正履歴で確認すること
- 公認会計士法 第2条監査証明業務と非監査業務の範囲
- 公認会計士法 第27条公認会計士の守秘義務、所有権とは別
- 公認会計士法 第49条の2監査法人の社員等の守秘義務
- 公認会計士法 第49条の3当局の報告徴収と立入検査
- 民法 第646条受任者の受取物引渡義務、原本返還の根拠
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社の財務書類の監査証明
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