刑事訴訟法 第157条の4
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- 裁判所は、証人を尋問する場合において、証人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、証人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の供述中、証人に付き添わせることができる。
- 2.前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の供述中、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第157条の4は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第157条の4の条文原文は「裁判所は、証人を尋問する場合において、証人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、証人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、検察官及び被告人又…」で始まります。
- 刑事訴訟法第157条の4は第十一章 証人尋問に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第157条の4の前の条は刑事訴訟法第157条の3です。
- 刑事訴訟法第157条の4の次の条は刑事訴訟法第157条の5です。
- 刑事訴訟法第157条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第157条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第157条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/157_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法157条の4は、証人が著しい不安や緊張を覚えるおそれがあるとき、裁判所が当事者の意見を聴いたうえで付添人を証人の隣に置ける証人保護措置を定める。
Q · 証人として法廷に立つとき、隣に支援者をつけてもらえるの?
はい。著しい不安や緊張があれば付添人をつけられます
刑事訴訟法157条の4により、証人の年齢や心身の状態から著しい不安又は緊張のおそれがあると裁判所が認めれば、検察官及び被告人・弁護人の意見を聴いたうえで、付添人を証人の隣に座らせることができます。付添人は被害者支援員や臨床心理士、家族など、尋問や供述を妨げず内容に不当な影響を与えない人物に限られます。遮へい措置やビデオリンク方式と併用すれば、加害者の視線から遮断され、別室から、味方を隣に置いて証言できます。
解説
性被害の裁判で証言台に立つ日、被害者の多くは加害者と同じ法廷で、たった一人で質問に耐えるしかないと思い込んでいる。だが刑事訴訟法157条の4は別の道を用意している。証人の年齢や心身の状態を考慮し、著しい不安や緊張のおそれがあると裁判所が認めれば、検察官と弁護人の意見を聴いたうえで、証人の隣に適切な付添人を座らせることができる。付添人は被害者支援員、臨床心理士、家族など、尋問や供述を妨げず、内容に不当な影響を与えない人物に限られる。これは『遮へい措置』『ビデオリンク方式』と並ぶ証人保護の三本柱の一つで、三つを組み合わせれば、被告人の視線から遮断され、別室から証言し、隣に味方がいる状態をつくれる。あなたがこの制度の存在を知っているかどうかが、証言できるか、それとも事件そのものを諦めるかの分かれ目になる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法157条の4が定める証人への付添いとは、証人が著しい不安又は緊張を覚えるおそれがあると裁判所が認める場合に、その不安を緩和するのに適当で、尋問や供述を妨げず供述内容に不当な影響を与えない者を、供述中に証人へ付き添わせる証人保護措置である。遮へい措置・ビデオリンク方式と並ぶ三本柱の一つに位置づけられる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証人請求の段階で検察官に付添いを申し出る 証人として呼ばれたら、担当検察官に『付添い・遮へい・ビデオリンクを使いたい』と早めに伝える。公判前整理手続がある事件では、その段階で措置を固めると当日の混乱を防げる
- 2.不安・緊張の根拠資料を準備する 診断書、心理状態の記録、過去の被害状況など『著しい不安又は緊張のおそれ』を裏づける資料を用意し、検察官経由で裁判所に提出する。資料があるほど裁判所の判断が固まる
- 3.中立性のある付添人を選ぶ 被害者支援員、臨床心理士、家族の中から付添人を相談して決める。家族は被告人側から誘導を疑われやすいため、第三者の専門家を選ぶと証言の証拠価値を守りやすい
- 4.三つの保護措置をセットで申し出る 付添い(157条の4)・遮へい(157条の5)・ビデオリンク(157条の6)は併用できる。別室から、衝立越しに、支援者を隣に置く形をまとめて申し出ると負担が最も軽くなる
- 5.当日は付添人の言動ルールを確認しておく 付添人は供述中に尋問や供述を妨げず、答えを誘導しないこと(2項)を事前に共有する。被告人側の異議を防ぎ、証言の信用性を守るための最後の確認をする
よくある質問 AI による整理
Q1証人への付添いとは何ですか?
刑事裁判で証人が著しい不安や緊張を覚えるおそれがあるとき、裁判所が認めて支援者を証人の隣に座らせる証人保護措置です。刑事訴訟法157条の4が根拠です。
Q2証人の付添いは誰が申し立てるのですか?
実務上は証人や被害者が担当検察官を通じて申し出ます。裁判所が職権で判断することもありますが、当事者から早めに伝えるのが確実です。
Q3付添人が証言中にやってはいけないことは?
尋問や供述を妨げる行為、答えを誘導したりうなずいて示唆する行為が禁止です(157条の4第2項)。違反すると供述の信用性が争われます。
Q4証人の付添いに費用はかかりますか?
裁判所が認める付添い自体に手数料はかかりません。被害者支援員の付添いは支援センター等の制度で無償の場合が多いです。
Q5子どもが証人のとき付添いは認められますか?
認められます。条文は年齢を限定しておらず、児童心理の専門家を付添人とし、遮へいやビデオリンクと併用する運用が一般的です。
Q6付添いが認められないのはどんな場合?
著しい不安や緊張のおそれが認められない場合や、付添予定者が尋問を妨げる・供述に不当な影響を与えるおそれがあると判断された場合です。
Q7証人の付添いは民事裁判でも使えますか?
民事訴訟にも付添いの規定(民訴規則)があります。ただし本条は刑事手続の規定で、性被害・DV など刑事事件の証人保護で多く使われます。
Q8付添人がついた証言の信用性は争えますか?
付添い自体は信用性を下げません。争点になるのは付添人が誘導・示唆したか(2項違反)で、その具体的言動を主張して信用性を争います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1付添人ってどんな人がなれるんですか? 家族でもいいの?
家族でも可能ですが、条文(157条の4第1項)は『尋問や供述を妨げず、内容に不当な影響を与えないと認める者』に限ると定めます。実務では被害者支援員や臨床心理士など中立的な専門家が選ばれることが多いです。実務のポイント:家族を付添人にすると、被告人側から『身内が証言を誘導した』と信用性を争われやすい。あえて第三者の専門家を選ぶ方が証言の証拠価値を守れる場面が多いことは、実務家しか語らない
Q2遮へいとかビデオリンクと、何が違うんですか? どれを選べば?
付添い(157条の4)は隣に支える人を置く措置、遮へい(157条の5)は被告人や傍聴人との間に衝立を置く措置、ビデオリンク(157条の6)は別室から映像で証言する措置です。実務のポイント:三つは排他的ではなく併用できます。性被害の証言では三つ全部を申し出るのが定石で、別室で、衝立越しに、支援者を隣に置いて証言する形がもっとも負担が軽い。一つだけで我慢する必要はない
Q3付添いを頼んだら、被告人の『証人に質問する権利』を奪うことになりませんか?
なりません。付添い自体は証人の隣に人を置くだけで、被告人や弁護人が反対尋問する権利(憲法37条2項)を制限しません。最高裁も遮へい・ビデオリンクを含むこれらの措置を合憲と判断しています(最判平成17.4.14)。実務のポイント:被告人側が『付添いは不当だ』と争っても、付添い単独で覆るケースはほぼない。争点になるのは付添人が誘導したか、つまり2項違反の有無であって、措置そのものの当否ではない
間違えやすい点 AI による整理
- 『証言するなら加害者と向き合うしかない、耐えられないなら泣き寝入りするしかない』、この二択そのものが誤っている。対面か断念かの間に、付添い・遮へい・ビデオリンクという第三の道が法律上用意されている。問いの立て方を変えた瞬間、選択肢が増える
- 付添人がそばにいれば安心、というのは半分しか正しくない。付添人が証言中に答えをささやいたり、うなずいて誘導したりすれば2項違反となり、せっかくの証言の信用性が根こそぎ崩れる。味方が、知らぬ間に証拠を壊す側に回りうる怖さを知っておくべきだ
- 付添いは幼い子どものための制度だと思われがちだが、条文は年齢を限定していない。成人の性被害者、DV 被害者、高齢者、障害のある証人、誰でも『著しい不安又は緊張のおそれ』があれば対象になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 措置の内容 | 157条の4:支援者を証人の隣に付き添わせる(付添い) | 157条の5:被告人や傍聴人との間に衝立を置く(遮へい) 157条の6:別室から映像で証言する(ビデオリンク) |
| 守る対象 | 証言中の心理的支え・落ち着き | 加害者や傍聴人の視線からの遮断 同じ空間にいる負担そのものの回避 |
| 主な要件 | 著しい不安・緊張のおそれ+付添人の中立性 | 圧迫を受けるおそれ等の事情 在席による精神の平穏への著しい影響等 |
| 併用の可否 | 遮へい・ビデオリンクと併用可(定石) | 付添い・ビデオリンクと併用可 付添い・遮へいと併用可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は性被害・知的障害・児少の被害者について陪同人の在席を認める。日本同様、心理的支えを与えつつ供述の独立性を保つ設計
韓国は信頼関係にある者の同席を認める。性被害・未成年者の保護で多用され、日本の付添いと機能が近い
ドイツは心理社会的訴訟同伴の制度を設け、重大犯罪の被害者に資格を持つ同伴者がつく。介入禁止の趣旨は日本と共通
米国は児童証人に adult attendant の付添いを認め、多くの州で support person 制度がある。誘導の禁止という限界も共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 小学生の子どもが親族からの性被害について証言しなければならない。加害者と同じ建物にいるだけで体が固まる。157条の4で児童心理の専門家を隣に付き添わせ、遮へいとビデオリンクを併用すれば、子どもは加害者を見ずに、味方の存在を感じながら話せる。措置の有無で、証言できるかどうかそのものが変わる
- もし証言の途中で過呼吸になって言葉が出なくなったら、裁判はどうなる? 付添人がいれば、そっと支えて落ち着かせることができる。ただし付添人が答えを誘導すれば2項違反となり、その供述の信用性自体が崩れる。支える線と操る線の境目は鋭い
- あなたが被告人側で、証人の隣に座る付添人が証言中に小声で何か囁いていたとしたら? それは『供述に不当な影響を与える言動』(157条の4第2項) にあたり、付添人の排除や証言の信用性を争う材料になる。付添人の動きを記録して弁護人に伝えることが、防御の一手になる
- DV 被害で元配偶者の刑事裁判に証人として呼ばれた。公判まであと2週間。付添いの措置は当日いきなり頼んでも間に合わない。検察官を通じて公判前に申し出ておかないと、当日は何の保護もないまま加害者の前に立つことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 証人として呼ばれたら、まず担当検察官に『付添い・遮へい・ビデオリンクを使いたい』と早めに伝える2. 不安の根拠となる資料(診断書、心理状態の記録、過去の被害状況)を用意し、検察官経由で裁判所に提出3. 付添人を誰にするか(被害者支援員、心理士、家族)を相談、尋問を妨げない中立性が条件4. 公判前整理手続がある事件なら、その段階で措置を固めておくと当日の混乱を防げる
訴えられた側:1. 証人に付添人がつく場合、付添人が証言中に誘導・示唆する言動をしていないか注視する2. ささやき、うなずき、ジェスチャーなど『供述に不当な影響を与える言動』(157条の4第2項) があれば、その場で異議を述べ、調書に残させる3. 付添い自体は反対尋問権を実質的に奪わないが、運用が不当なら付添人の排除を求める4. 証言の信用性を争う際、付添人の不適切な関与を具体的に主張する
時効(請求できる期限):明確な申立期限は法定されていないが、付添いは証人尋問の前に裁判所が決定する必要があるため、実務上は尋問期日より前、公判前整理手続のある事件ではその段階までに申し出るのが鉄則。当日その場での申出は間に合わないことが多い
学説
通説:証人への付添いは、証人の心理的負担を軽減して真実の供述を確保する制度であり、付添人の介入禁止義務(2項)により被告人の反対尋問権と供述の真実性を害さない範囲で許容される、と理解されている
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年) 犯罪被害者保護のための証人付添い制度を新設。当時は157条の2として、遮へい・ビデオリンクとともに導入された
- 平成28年(2016年) 証人尋問における刑事免責制度(157条の2、157条の3)の新設に伴い、付添いの条文番号が157条の2から157条の4に繰り下げられた
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:犯罪被害者保護のための証人付添い制度を新設。当初は157条の2として、遮へい・ビデオリンクとともに導入された
- 2.平成28年(2016年) 改正:証人尋問における刑事免責制度(157条の2、157条の3)の新設に伴い、付添いの条文番号が157条の2から157条の4に繰り下げられた
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