刑事訴訟法 第180条
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- 検察官及び弁護人は、裁判所において、前条第一項の処分に関する書類及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。ただし、弁護人が証拠物の謄写をするについては、裁判官の許可を受けなければならない。
- 2.前項の規定にかかわらず、第百五十七条の六第五項に規定する記録媒体は、謄写することができない。
- 3.被告人又は被疑者は、裁判官の許可を受け、裁判所において、第一項の書類及び証拠物を閲覧することができる。ただし、被告人又は被疑者に弁護人があるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第180条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第180条の条文原文は「検察官及び弁護人は、裁判所において、前条第一項の処分に関する書類及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。ただし、弁護人が証拠物の謄写をするについては、裁判…」で始まります。
- 刑事訴訟法第180条は第十四章 証拠保全に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第180条の前の条は刑事訴訟法第179条です。
- 刑事訴訟法第180条の次の条は刑事訴訟法第181条です。
- 刑事訴訟法第180条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第180条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第180条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/180
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法180条は、証拠保全で保全された書類・証拠物を弁護人が閲覧・謄写できると定める。証拠物の謄写には裁判官の許可が必要で、ビデオリンク証言の録画媒体は謄写できない。
Q · 起訴される前に保全してもらった証拠は、自分や弁護人でも見られるの?
弁護人なら閲覧・謄写でき、本人は弁護人がいなければ許可制で閲覧できます
刑事訴訟法180条により、検察官と弁護人は証拠保全(179条)で保全された書類・証拠物を裁判所で閲覧でき、原則として謄写もできます。ただし弁護人が証拠物の写しを取るには裁判官の許可が必要です。被告人・被疑者本人は裁判官の許可を得れば閲覧できますが、弁護人がいる場合は本人の閲覧請求はできず、窓口は弁護人に一本化されます。さらにビデオリンク方式の証人尋問を録画した媒体(157条の6第4項)は、誰であっても一切謄写できません。
解説
逮捕される前、起訴される前、まだ何も始まっていないように見える段階で、あなたの側から裁判官に頼んで証拠を凍結保存させる制度がある。それが証拠保全(刑訴179条)だ。そして180条は、その凍結された証拠をあなたの側が見て、写しを取るための通用口である。ここで知っておくべき落差が二つある。第一に、弁護人は裁判所で書類も証拠物も閲覧できるが、証拠物の写しを取る(謄写する)には裁判官の許可が要る。第二に、被告人・被疑者本人は裁判官の許可を得れば閲覧できるが、弁護人がついている場合は本人の閲覧請求はできず、窓口は弁護人に一本化される。さらにビデオリンク方式で録画された証人尋問の媒体(157条の6第4項)は、誰であっても一切謄写できない。つまり「弁護人をつけるかどうか」が、あなたの証拠へのアクセス権そのものを変える。
法的な位置づけ
刑事訴訟法180条は、証拠保全処分により保全された書類および証拠物への閲覧・謄写の権限を定める規定である。検察官と弁護人には閲覧権と原則的な謄写権を、被告人・被疑者本人には弁護人不在時に限り許可制の閲覧権を認め、ビデオリンク方式の録画媒体は謄写の対象から除外される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.消えそうな証拠を特定し猶予を確認 防犯カメラ映像、ドライブレコーダー、診療記録、第三者が保有するログなど、自分に有利だが上書き・廃棄されうる証拠を洗い出し、消滅までの猶予日数を確認する
- 2.弁護人を選任する 弁護人を選任するだけで、閲覧・謄写の権限が本人の許可制から弁護人固有の権利へ格上げされる。証拠を手元に残して検討したいなら、まず選任を済ませてから動く
- 3.刑訴179条の証拠保全を請求 保全したい証拠を具体的に特定し、放置すると使用が困難になる事情を疎明して、裁判官に証人尋問・差押え・検証などの証拠保全を請求する。第一回公判期日前に行う
- 4.180条で閲覧・謄写する 保全されたら180条で書類・証拠物を裁判所で閲覧する。証拠物の写しを取るには裁判官の許可を別途取得する。書類は弁護人なら原則自由に謄写できる
- 5.録画媒体は閲覧で要点を記録 ビデオリンク証言の録画媒体(157条の6第4項)は180条2項により謄写できない。閲覧時に内容を精査し、要点をメモや調書で残して防御方針に反映する
よくある質問 AI による整理
Q1証拠保全とは何ですか?
起訴前から第一回公判期日前までの間に、放置すると消えてしまう証拠を裁判官に証人尋問・差押え・検証などで凍結保存してもらう制度です(刑訴179条)。
Q2証拠物の謄写に裁判官の許可が必要なのはなぜですか?
書類と違い証拠物は複製により濫用や流出のリスクが高いため、180条1項但書で弁護人の謄写を裁判官の許可にかからせ、取扱いを統制しています。
Q3ビデオリンク証言の録画は写しを取れますか?
取れません。157条の6第4項の録画媒体は180条2項により誰であっても謄写禁止です。性犯罪被害者などの二次被害防止が目的で、閲覧で確認するしかありません。
Q4弁護人がいると本人は閲覧できないのですか?
本人個人の閲覧請求はできず窓口は弁護人に一本化されます(180条3項但書)。弁護人を通じて取り寄せれば内容は確認できます。
Q5防犯カメラの映像は証拠保全できますか?
できます。上書きで消える前に対象を特定して証拠保全を請求すれば、裁判官の検証等で凍結でき、180条で記録を閲覧できます。数日が勝負です。
Q6証拠保全の請求はいつまでできますか?
第一回公判期日前までです(刑訴179条1項)。それ以降は通常の証拠調べ手続によるため、早く動くほど成功率が上がります。
Q7証拠保全しないと証拠はどうなりますか?
防犯カメラ映像やドラレコは数日〜数週間で上書きされ、証人の記憶も薄れます。放置すれば「もう存在しない」と言われ、後から取り戻せません。
Q8証拠保全は被害者でも請求できますか?
被疑者・被告人・弁護人が請求主体ですが、被害者は弁護人を選任し代理してもらう形で関与できます。捜査機関が動かない局面ほど自ら凍結する価値があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証拠保全って、起訴される前でも使えるんですか?
使えます。むしろ起訴前から第一回公判期日前までが本来の使い時です(刑訴179条)。あらかじめ証拠を保全しておかなければ使用が困難になる事情があるとき、裁判官に証人尋問・差押え・検証などを請求できます。実務のポイント:証拠保全は被疑者・被告人だけでなく弁護人も独立して請求できる。捜査機関が動かない、あるいは捜査機関に不利な証拠ほど、こちらから先に凍結しておく価値がある。検察官だけが証拠を握る構造を崩す、数少ない手段だ
Q2弁護士をつけないと、自分では証拠を見られないんですか?
見られます。被告人・被疑者本人も裁判官の許可を得れば裁判所で閲覧できます(180条3項)。ただし弁護人がいる場合は本人の閲覧請求はできず、窓口は弁護人に一本化されます。実務のポイント:本人だけだと「閲覧」止まりで、謄写(写しを取ること)は弁護人の権限です。証拠の中身を手元に残して検討したいなら、弁護人をつけた方が圧倒的に有利。さらに録画媒体は誰であっても謄写できない(180条2項)ので、閲覧時の記録の取り方が勝負になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠は起訴されてから見るもの」と思っている人が多い。だが、その問いの立て方が遅い。証拠保全は起訴前の捜査段階から第一回公判期日前まで使える制度で、消えそうな証拠を起訴まで放置した時点で、もう手遅れになっている
- あなたから見れば「弁護人をつけるかどうかは費用と相談の自由」だが、180条から見ると、弁護人の有無はあなたの証拠アクセス権そのものを書き換える。弁護人がいれば閲覧も謄写もできるが、いなければ許可制の閲覧だけ。この落差が防御力を左右する
- 「許可を取れば写しは取れる」と思っても、謄写できる範囲には壁がある。証拠物の謄写には裁判官の許可が要り、ビデオリンク証言の録画媒体(157条の6第4項)に至っては、そもそも一切謄写できない。閲覧と謄写はまったく別の権利だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| アクセスできる時期 | 180条:証拠保全後、起訴前の捜査段階から可能 | 40条:起訴後(公訴提起後)の訴訟記録 316-15条:公判前整理手続の段階 |
| 対象 | 180条:証拠保全(179条)で保全された書類・証拠物 | 40条:裁判所に係属する訴訟記録・証拠物 316-15条:検察官請求証拠に関連する類型証拠 |
| 本人と弁護人の差 | 180条:弁護人は閲覧+謄写、本人は弁護人不在時のみ許可制閲覧 | 40条:弁護人の固有の閲覧謄写権 316-15条:開示の名宛人は被告人・弁護人 |
| 謄写の制約 | 180条:証拠物の謄写は裁判官の許可制、録画媒体は謄写不可 | 40条:原則自由(一定の制限あり) 316-15条:目的外使用の禁止等の制約 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も起訴前の証拠保全制度を持ち、保全された証拠の閲覧を認める。被告・弁護人の防御側アクセスを保障する点で日本と発想が共通する。
韓国も第一回公判期日前の証拠保全を認め、保全調書等への閲覧・謄写を被告人側に保障する。日本法と近接した構造を持つ。
ドイツは弁護人の記録閲覧権(Akteneinsicht)を中核に防御側アクセスを構成する。日本のように証拠物の謄写を個別許可制にする発想とは制度設計が異なる。
米国は証言保全のためのデポジション(証言録取)で消えそうな証言を保全する。書面ディスカバリーとは別枠で、当事者主義的に運用される点が日本の証拠保全と機能的に近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし重要な証人が末期の病で、起訴を待っていたら証言が永遠に取れないとしたら? 証拠保全(179条)で今のうちに裁判官に証人尋問をさせ、180条でその尋問調書を確認できる。残された時間は数週間かもしれない、動くなら今だ
- あなたが被疑者で、弁護人が保全した実況見分調書を自分の目でも確認したい。だが弁護人がついている以上、あなた個人の閲覧請求はできない。窓口は弁護人に一本化されるので、見たいものは弁護人を通して取り寄せる
- 弁護人が保全された証拠物の写しを取りたい。書類なら自由に謄写できるが、証拠物の謄写には裁判官の許可が要る。物と書類で、ハードルが一段違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 消えそうな証拠(防犯カメラ、ドラレコ、診療記録、第三者の保有するログ)を特定し、上書き・廃棄までの猶予を確認2. 弁護人を選任し、刑訴179条の証拠保全を裁判官に請求、対象を具体的に特定して申し立てる3. 保全されたら180条で記録を閲覧、証拠物の謄写は裁判官の許可を取る4. ビデオリンク証言の録画媒体は謄写できない(180条2項)ので、閲覧で内容を確認し要点を記録に残す
訴えられた側:1. まず弁護人を選任、これだけで閲覧・謄写の権限が本人の許可制から弁護人固有の権利へ格上げされる2. 自分に有利な証拠(アリバイ証人、現場の状況)が消える前に、弁護人を通じて証拠保全を請求3. 弁護人がいない段階では裁判官の許可を得て自分で閲覧できるが、写しは取りにくい4. 録画媒体は謄写不可なので、閲覧時にメモで対応する
時効(請求できる期限):証拠保全の請求自体は第一回公判期日前に限られる(刑訴179条1項)。それ以降は通常の証拠調べ手続による。証拠の物理的消滅(映像の上書き、証人の記憶減退・死亡)には法定の期限はないが、事実上の時間制限こそが最も厳しい
学説
通説:180条は証拠保全制度(179条)の実効性を担保するための閲覧・謄写規定であり、防御権保障の観点から保全証拠への十分なアクセスを認めつつ、証拠物の謄写を許可制とし録画媒体を謄写の対象外とすることで、証人保護と証拠濫用防止との均衡を図ったものと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、証拠保全(179条)で保全された書類・証拠物の閲覧謄写規定として設けられた。
- 2.平成12年(2000年) 改正:証人保護のためビデオリンク方式(157条の6)の導入に対応し、その録画媒体を謄写の対象外とする規定が整備され、被害者等の二次被害防止が図られた。
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