受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第179条

クイックジャンプ
  1. 被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、捜索、電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。
  2. 2.前項の請求を受けた裁判官は、その処分に関し、裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第179条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第179条の条文原文は「被告人、被疑者又は弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、第一回の公判期日前に限り、裁判官に押収(電磁的記…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第179条は第十四章 証拠保全に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第179条の前の条は刑事訴訟法第178条です。
  7. 刑事訴訟法第179条の次の条は刑事訴訟法第180条です。
  8. 刑事訴訟法第179条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第179条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第179条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/179
裁判例 4件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法179条は、被告人・被疑者・弁護人が、保全しなければ使用が困難な証拠について第一回公判期日前に限り、裁判官に押収・検証・証人尋問等の処分を請求できると定める。

Q · 無実を示す防犯カメラ映像が消えそう。検察が保全してくれないとき、自分で押さえる方法はある?

第一回公判期日前なら、裁判官に証拠保全を請求できます

刑事訴訟法179条により、被告人・被疑者・弁護人は、あらかじめ保全しておかなければ使用が困難になる証拠について、第一回公判期日前に限り、裁判官に押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定を請求できます。捜査機関を通さず直接裁判官の強制力を借りられる点が最大の特徴です。ただし最初の公判が開かれるとこの請求権は消滅するため、防犯カメラの上書きや証人の出国など、証拠が消える前に弁護人を通じて速やかに動く必要があります。

解説

捜査機関の側には、警察と検察という巨大な証拠収集マシンがある。家宅捜索、押収、逮捕。一方、疑われたあなたの手元には、ほとんど何もない。ここに刑事司法の根本的な不均衡がある。刑訴法179条は、その不均衡に一つだけ風穴を開ける。被疑者・被告人・弁護人は、今このタイミングで押さえておかなければ後で使えなくなる証拠について、裁判官に押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定を請求できる。検察を通さず、警察を通さず、直接裁判官の強制力を借りるのだ。ただし条件が二つある。第一に「保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情」が必要、第二に第一回公判期日前に限る。この二つ目が致命的だ。最初の公判が開かれた瞬間、この扉は閉じる。有利な防犯カメラ映像が上書きされる前に、証人が出国する前に、現場が原状回復される前に動けるかどうか。あなたの無実を証明する証拠は、誰かが意図的に押さえなければ、時間とともに静かに消えていく。

法的な位置づけ

刑事訴訟法179条は刑事手続における証拠保全を定める規定であり、被告人・被疑者・弁護人が、あらかじめ保全しなければ使用が困難となる事情がある証拠について、第一回公判期日前に限り、裁判官に押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定の処分を請求できる旨を規定する。請求を受けた裁判官は裁判所または裁判長と同一の権限を有する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.消えそうな証拠を弁護人とリストアップ 弁護人と協議し、放置すれば使えなくなる証拠(防犯カメラ・ドラレコ・通信ログ・出国予定の証人・原状回復される現場)を洗い出す。証拠ごとに保管期限や散逸リスクを記録する
  2. 2.「保全しなければ使用が困難な事情」を具体化 なぜ今保全しないと使えなくなるのか(映像の上書き周期、証人の出国予定日、現場復旧の予定日など)を客観資料とともに整理する。これが請求の核心要件になる
  3. 3.裁判官に書面で証拠保全を請求 弁護人を通じ、保全すべき証拠と理由を記載した請求書面を裁判官に提出する(刑事訴訟規則137条・138条)。押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定のうち必要な処分を特定する
  4. 4.第一回公判期日前に実行し、開示請求も併用 最初の公判が開かれる前に手続を完了させる。起訴後は公判前整理手続での証拠開示請求(刑訴316条の15)も併用し、防御の厚みを確保する

よくある質問 AI による整理

Q1刑事の証拠保全とは何ですか?

被告人・被疑者・弁護人が、放置すれば使えなくなる証拠について、裁判官に押収・検証・証人尋問などを請求して残す手続です。根拠は刑事訴訟法179条で、第一回公判期日前に限られます。

Q2刑事の証拠保全はいつまで請求できますか?

第一回公判期日前に限ります(刑訴179条1項)。最初の公判が開かれるとこの請求権は消滅します。年数の時効ではなく手続段階による期限です。

Q3民事の証拠保全と刑事の証拠保全は違いますか?

民事は民事訴訟法234条、刑事は刑事訴訟法179条が根拠で別制度です。刑事は被疑者段階から弁護人が使え、第一回公判期日前という期限がある点が特徴です。

Q4起訴前の被疑者でも証拠保全を請求できますか?

できます。179条は被告人だけでなく被疑者・弁護人も請求権者です。むしろ証拠が消えやすい捜査段階こそ活用の場面になります。

Q5証拠保全の請求は誰がするのですか?

被告人・被疑者本人または弁護人が裁判官に対して書面で請求します。検察官を経由せず直接裁判官に申し立てる点が重要です。

Q6防犯カメラ映像を証拠保全する方法は?

弁護人を通じ、映像が上書きされる前に裁判官へ押収・検証を請求します。保管期間が数日〜数週間の機器も多く、気付いた時点で即動くのが現実的です。

Q7証拠保全の請求が却下されたらどうなりますか?

却下に対しては準抗告(刑訴429条)で争える場合があります。ただし証拠は時間で消えるため、まずは要件を満たす請求を速やかに行うことが先決です。

Q8「第一回公判期日前」とは具体的にいつまでですか?

起訴後に裁判所が指定する最初の公判期日が開かれる直前までです。起訴直後から第一回公判までの数週間が事実上の活用ゴールデンタイムになります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1弁護士に任せておけば、証拠集めは後で全部やってくれるんじゃないんですか?

残念ながら、そうとは限りません。179条の証拠保全は「第一回公判期日前」に限られます。最初の公判が始まってしまうと、この手続は使えなくなる。弁護人が証拠の散逸に気付くのが遅れれば、防犯カメラ映像も証人の記憶も手の届かない場所へ消える。実務のポイント:腕のいい刑事弁護人は、選任後の初回接見で「今すぐ消えそうな証拠はないか」を依頼者に必ず聞く。この一問があるかないかで、弁護人の質が見える

Q2防犯カメラの映像って、お願いすれば警察が残しておいてくれますよね?

警察が被疑者に有利な証拠を進んで保全してくれる保証はありません。捜査機関は有罪立証に必要な証拠を集めるのが仕事で、あなたの無実を示す映像をわざわざ確保する動機は薄い。だからこそ179条が被疑者・弁護人側に保全請求権を与えています。実務のポイント:店舗の防犯カメラは数日から数週間で自動上書きされるものが多い。「後で開示請求すればいい」と構えていると、開示の前にデータ自体が物理的に消滅している。スピードがすべて

Q3証拠保全って、お金がかかりますか?素人でもできるものですか?

請求は書面で行う必要があり、保全すべき理由や証明すべき事実を具体的に記載しなければなりません(刑事訴訟規則137条、138条)。理論上は本人でも可能ですが、必要性の主張立証が技術的で、実務上は弁護人を通すのが現実的です。実務のポイント:国選弁護人がつくのは原則として勾留後。それより前の任意捜査段階で証拠が消えそうなら、当番弁護士制度(初回無料)を使ってでも早く相談する。タイミングが手続の成否を分ける

間違えやすい点 AI による整理

  • 「証拠集めは弁護士に任せておけば、後で全部やってくれる」と思い込んでいる人が多い。だが179条の証拠保全は第一回公判期日前に限られる。気付くのが遅れれば、弁護士がどれだけ優秀でも、消えた映像も出国した証人も取り戻せない。腕の問題ではなく、時間切れで負ける
  • 証拠保全という制度の存在は聞いたことがあっても、「第一回公判期日前に限り」という一語の重さを理解している人はほとんどいない。この期限を一日でも過ぎれば、強制力を借りる道は完全に閉じる。制度を知っていることと、その制約の致命性を知っていることは、まったく別の話だ
  • 「自分が無実なら、証拠は自然に残っているはず」という前提そのものが誤っている。有利な証拠ほど、誰も保全しないまま時間に流される。防犯カメラは数週間で上書きされ、証人の記憶は薄れ、現場は片付けられる。残すには、こちらから能動的に裁判官を動かすしかない
比較の観点この条文ほかの条文
請求権者と目的179条:被疑者・被告人・弁護人が防御のため証拠を保全226条:検察官が公判期日前に証人尋問を請求
316条の15:公判前整理手続で被告人側が証拠開示を請求
時期的制限第一回公判期日前に限る第一回公判期日前(捜査段階)
公判前整理手続に付された事件で公判前
対象となる処分押収・捜索・検証・証人尋問・鑑定証人尋問(参考人が出頭・供述を拒む場合等)
検察官手持ち証拠の開示(類型・主張関連)
保全後の閲覧保全結果は180条で閲覧・謄写が可能尋問調書は当事者が閲覧可能
開示証拠を防御準備に使用

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第219条之1以下

台湾は被告・犯罪嫌疑人・弁護人等が検察官または裁判所に証拠保全を申請でき、緊急時の制度も整備。日本同様に防御側の証拠アクセス保障の趣旨を持つ。

韓国
대한민국 형사소송법 제184조

韓国も被告人・被疑者・弁護人が第一回公判期日前に判事へ証拠保全を請求できる構造で、日本法と極めて近い。

ドイツ
StPO § 166

ドイツは裁判官による取調べ(richterliche Vernehmung)の際に被疑者が証拠調べを申し立てられる仕組みで、独立した防御側証拠保全制度の色彩は日本より弱い。

アメリカ
Federal Rule of Criminal Procedure 15

米国は証言保全のためのデポジション制度を持ち、証人が公判で得られなくなるおそれがある例外的場合に証言を事前保全する。日本179条の証人尋問請求に機能的に対応。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 痴漢を疑われ駅で取り押さえられた。あなたは無実で、ホームの防犯カメラにはあなたの手が相手に触れていない瞬間が映っているはず。だがその映像は数日で上書きされる。あと数日で、あなたの無実を示す唯一の客観証拠が永久に消える。179条で裁判官を動かせるのは今しかない
  • もし重要な目撃者が来週には海外赴任で出国してしまうとしたら、その人の証言をどうやって裁判で使う? 179条なら、第一回公判期日前に裁判官の面前で証人尋問を行い、調書として残せる。出国してしまえば、その証言は二度と法廷に届かない
  • 交通死亡事故の現場が、明日には警察の実況見分後に通常の道路へ戻される。ブレーキ痕やガードレールの傷は、検証で記録しなければ消える。動けるのは今日だけ
  • あなたが事件の目撃者で、ある日裁判官から証人尋問の呼出しを受けた。これは被告人側が179条で申し立てた証拠保全かもしれない。あなたの記憶が、誰かの有罪・無罪を分ける場面に立たされている

取るべき行動

被害を受けた側:1. 弁護人にすぐ相談し、消えそうな証拠(防犯カメラ、ドラレコ、通信ログ、出国予定の証人、原状回復される現場)を洗い出す2.「今保全しなければ使用が困難になる事情」を具体的に整理する、これが請求の核3. 弁護人を通じて裁判官に書面で証拠保全を請求し、押収・検証・証人尋問などを求める4. 何より第一回公判期日前に動く。起訴後は公判前整理手続での証拠開示請求(刑事訴訟法316条の15)も併用して防御を厚くする

訴えられた側:1. 裁判官から証人尋問や検証の通知を受けたら、それが179条に基づく正式な手続であることをまず確認する2. 証人として尋問される場合、虚偽の証言は偽証罪(刑法169条)のリスクがあるため記憶に忠実に答える3. 証言拒絶権など自分の権利(刑事訴訟法146条以下)が及ぶ範囲を弁護士に確認する4. 検証で立ち入られる場所の管理者なら、立会いの権利と正当な範囲を把握し、範囲を超える要求には記録を残して対応する

時効(請求できる期限):第一回公判期日前に限る(刑事訴訟法179条1項)。起訴後、最初の公判期日が開かれると請求できなくなる。特定の年数の消滅時効ではなく、手続段階による期限である。証拠は捜査が動き出した時点から消え始めるため、実務上は「気付いた瞬間が起算点」と考えて即動くべき

学説

通説:179条の証拠保全は、当事者主義の下で捜査機関に偏在する証拠収集の強制力を防御側にも保障する制度と理解される。要件である「保全しなければ使用が困難な事情」と「第一回公判期日前」という時期的制限は、武器対等の要請と証拠保全制度の濫用防止とを調整するものと説明される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:刑事訴訟法の全面制定(昭和23年法律第131号)に伴い、戦後の当事者主義導入の一環として、被疑者・被告人・弁護人による証拠保全請求権が設けられた。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第十四章 証拠保全

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›