刑事訴訟法 第193条
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- 検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、その捜査に関し、必要な一般的指示をすることができる。この場合における指示は、捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするために必要な事項に関する一般的な準則を定めることによつて行うものとする。
- 2.検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、捜査の協力を求めるため必要な一般的指揮をすることができる。
- 3.検察官は、自ら犯罪を捜査する場合において必要があるときは、司法警察職員を指揮して捜査の補助をさせることができる。
- 4.前三項の場合において、司法警察職員は、検察官の指示又は指揮に従わなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第193条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第193条の条文原文は「検察官は、その管轄区域により、司法警察職員に対し、その捜査に関し、必要な一般的指示をすることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第193条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第193条の前の条は刑事訴訟法第192条です。
- 刑事訴訟法第193条の次の条は刑事訴訟法第194条です。
- 刑事訴訟法第193条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第193条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第193条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/193
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法193条は、検察官が司法警察職員に対し一般的指示・一般的指揮・具体的指揮の三段階の指揮権を持つことを定め、司法警察職員はこれに従う義務を負うとする規定である。
Q · 警察と検察って、捜査のとき結局どっちが仕切っているの?
検察官が警察を三段階で指揮する権限を定めた規定です
刑事訴訟法193条は、検察官が司法警察職員に対して有する指揮権を三段階で定めます。捜査を適正にするための一般的指示(1項)、特定事件で協力を求める一般的指揮(2項)、検察官が自ら捜査するとき警察を補助に使う具体的指揮(3項)です。司法警察職員はこれに従う義務を負います(4項)。ただし戦後の制度では警察が独立した第一次捜査権(189条)を持ち、検察は個別事件を逐一命令する上司ではなく、捜査の適正さを担保する調整役に位置づけられています。
解説
警察署に呼ばれて取調べを受けているとき、あなたは漠然と「警察と検察は同じ側の一枚岩だ」と思っているかもしれない。だが法律上、両者の関係はあなたが想像するより複雑で、しかもその境界線を引いているのがこの条文だ。戦後の刑事訴訟法は、警察に独立した第一次捜査権(189条)を与え、検察官を「命令を下す上司」から「協力を求め、捜査の適正さを確保する調整役」へと役割転換させた。193条が定める検察官の権限は三段階。捜査全体を適正にするための一般的指示(1項)、特定の事件で協力を求める一般的指揮(2項)、検察官が自ら捜査するとき警察を補助に使う具体的指揮(3項)。そして警察はこれに従う義務を負う(4項)。なぜあなたがこれを知る価値があるか。あなたの事件で「捜査が適正に行われたか」を制度上担保する建前の仕組みが、まさに1項の一般的指示権だからだ。警察の暴走を法体系のどこで抑える設計になっているのか、その答えがここに書かれている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法193条は、検察官が司法警察職員に対して有する指揮権を規定する条文である。検察官の権限を、捜査の適正化のための一般的指示(1項)、捜査協力を求める一般的指揮(2項)、自ら捜査する際の具体的指揮(3項)の三段階に整理し、司法警察職員にこれらに従う義務(4項)を課す。戦後の捜査構造における警察の独立性と検察の統制との調整点を画する。
よくある質問 AI による整理
Q1検察官の一般的指示とは何ですか?
刑事訴訟法193条1項の権限で、個別事件への命令ではなく、捜査を適正にし公訴の遂行を全うするための一般的な準則を定めるものです。捜査全体のルール設定にあたります。
Q2一般的指揮と具体的指揮の違いは何ですか?
一般的指揮(2項)は特定事件で警察に協力を求めるもの、具体的指揮(3項)は検察官が自ら捜査する際に警察を補助に使うものです。後者ほど検察の主導性が強くなります。
Q3検察官はすべての事件を個別に指揮しているのですか?
していません。戦後の制度では警察が独立した第一次捜査権(189条)を持ち、1項の一般的指示も個別命令ではなく一般的準則の設定に限られます。検察が常時監視している建付けではありません。
Q4司法警察職員とは誰を指しますか?
司法警察員と司法巡査の総称で、警察官のほか、麻薬取締官や海上保安官など特定分野の捜査権を持つ職員も含まれます。第一次的に犯罪捜査を担う捜査機関です。
Q5検察官が自ら犯罪を捜査することはありますか?
あります。検察官は独自の捜査権を持ち(191条)、特捜部などが自ら捜査する場合、193条3項により警察を指揮して補助させられます。報道の「特捜部が捜査」はこの局面です。
Q6一般的指示権はどんな目的に限定されていますか?
「捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするため」という目的に限定されます(1項後段)。検察が警察に何でも命令できる強権ではなく、目的と一般的準則という二重の縛りがあります。
Q7戦前と戦後で警察と検察の関係はどう変わりましたか?
戦前は警察が検察の指揮下にありました。戦後の現行刑事訴訟法は警察に独立した第一次捜査権を与え、検察官を上司から適正化の調整役へ役割転換させました。193条はこの転換を体現します。
Q8刑事訴訟法193条と194条はどう違いますか?
193条は検察官の指揮権と警察の従う義務を定める規定、194条はその義務に正当な理由なく従わない警察官の懲戒・罷免を検事総長らが訴追できる制裁規定です。194条が193条の実効性を担保します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察と検察って、結局どっちが偉いんですか?
上下関係ではなく役割分担です。戦後の刑事訴訟法(189条)で警察は独立した第一次捜査権を持ち、検察官は協力を求めたり捜査の適正さを確保したりする立場(193条)に変わりました。ただし検察官が自ら捜査する事件では、警察を指揮して補助させられます(3項)。実務のポイント:実務では「検察が自ら動いた事件」と「警察が送ってきた事件を検察が処理する事件」では、起訴の本気度がまるで違う。検察が3項で乗り出している事件は、最初から起訴を見据えていると読めます
Q2警察が検察の指示を無視したら、どうなるんですか?
司法警察職員が正当な理由なく検察官の指示・指揮に従わない場合(193条4項違反)、検事総長・検事長・検事正は、その警察官の懲戒または罷免を、国家公安委員会などの懲戒権者に訴追できます(194条)。実務のポイント:この訴追制度が実際に発動されることは極めて稀ですが、存在するという事実そのものが両者の力関係を静かに規定している。表向きは対等な協力関係でも、最終的な制裁カードを握っているのは検察側だ、という構造を知っておくと、捜査機関同士の駆け引きが読めます
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察は警察の上司だから、警察の捜査ミスは検察が責任を取る」と考える人がいるが、問いの立て方そのものがずれている。戦後の制度では警察は独立した捜査機関であり、検察は個別の事件を逐一指揮しているわけではない。1項の一般的指示は個別事件への命令ではなく、捜査全体の準則を作る権限だ。だから「検察が常に見ていたはず」という前提自体が制度の実態と合っていない
- 警察が検察の指示に従う義務がある(4項)ことは知られているが、その実効性の重さは知られていない。正当な理由なく従わない場合、検事総長らはその警察官の懲戒または罷免を懲戒権者に訴追できる(194条)。つまり指示違反は単なる内部のもめ事ではなく、警察官個人のクビが飛びうる制裁を背後に持つ仕組みだ
- 「一般的指示は検察が警察に何でも命令できる強権だ」と思われがちだが、実際は逆向きに抑制されている。1項の指示は「捜査を適正にし、その他公訴の遂行を全うするため」という目的に限定され、しかも個別命令ではなく一般的な準則の設定に限られる。検察の統制権限はむしろ控えめに設計されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 193条:検察官の指揮権(三段階)と警察の従う義務 | 189条:司法警察職員の独立した第一次捜査権 191条:検察官自身の捜査権限 |
| 捜査の主導者 | 局面により可変(1・2項は警察主導、3項は検察主導) | 司法警察職員(第一次捜査機関) 検察官(自ら捜査する場合) |
| 権限の性質 | 統制・調整(一般的準則の設定と協力要請が中心) | 独立した捜査の開始・遂行 補充的・独自的な捜査の遂行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は検察官を偵査の主体とし、司法警察官・司法警察が検察官の指揮を受ける構造で、日本より検察主導の色彩が強い
韓国は2020年改正で従来の検察の捜査指揮権を縮小し、検察と警察を対等な協力関係へと転換した。日本の三段階指揮構造とは方向性が分かれる
ドイツは検察官を『捜査手続の主宰者(Herrin des Verfahrens)』と位置づけ、警察は補助官として服従する。日本の戦前型に近い検察主導構造
米国は検察官の訴追裁量と警察の捜査独立が分離し、検察が警察に直接命令する法定の指揮構造を持たない。日本の制度はこの英米型と大陸型の中間に位置する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが逮捕され取調べを受けているとき、その捜査が警察単独の判断で動いているのか、それとも検察官の指揮(193条3項)の下で進んでいるのか、考えたことはあるだろうか。両者では事件の本気度も、証拠の固め方も変わる。あなたの弁護人が最初に確認するのは、まさにこの指揮系統だ
- ニュースで「東京地検特捜部が捜査に乗り出した」と聞いたとき。それは検察官が自ら捜査し、警察を補助に使う(3項)局面だ。警察から送られてきた事件を検察が処理するのとは、最初の本気度が桁違いに違う
学説
通説:戦後の現行刑事訴訟法は、警察に独立した第一次捜査権(189条)を与えたうえで、検察官の統制を一般的指示・一般的指揮・具体的指揮の三段階に再構成したと解する。1項の一般的指示は個別事件への命令ではなく一般的準則の設定に限られ、検察の統制権限はむしろ抑制的に設計されているとされる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和23年(1948年)現行刑事訴訟法制定 旧刑訴法の『司法警察官は検察官の指揮を受けて捜査する』という上下構造を解体し、警察に独立した第一次捜査権を与えたうえで、検察官の統制を一般的指示・一般的指揮・具体的指揮の三段階に再構成した。本条はこの戦後の捜査構造の転換を体現する。なお制定後の個別改正の有無・回数は人的検証を要する
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、旧刑訴法の『司法警察官は検察官の指揮を受けて捜査する』という上下構造を解体。警察に独立した第一次捜査権を与えたうえで、検察官の統制を一般的指示・一般的指揮・具体的指揮の三段階に再構成した。なお制定後の個別改正の有無・回数は人的検証を要する。
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