刑事訴訟法 第194条
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- 検事総長、検事長又は検事正は、司法警察職員が正当な理由がなく検察官の指示又は指揮に従わない場合において必要と認めるときは、警察官たる司法警察職員については、国家公安委員会又は都道府県公安委員会に、警察官たる者以外の司法警察職員については、その者を懲戒し又は罷免する権限を有する者に、それぞれ懲戒又は罷免の訴追をすることができる。
- 2.国家公安委員会、都道府県公安委員会又は警察官たる者以外の司法警察職員を懲戒し若しくは罷免する権限を有する者は、前項の訴追が理由のあるものと認めるときは、別に法律の定めるところにより、訴追を受けた者を懲戒し又は罷免しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第194条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第194条の条文原文は「検事総長、検事長又は検事正は、司法警察職員が正当な理由がなく検察官の指示又は指揮に従わない場合において必要と認めるときは、警察官たる司法警察職員については、国家…」で始まります。
- 刑事訴訟法第194条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第194条の前の条は刑事訴訟法第193条です。
- 刑事訴訟法第194条の次の条は刑事訴訟法第195条です。
- 刑事訴訟法第194条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第194条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第194条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/194
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法194条は、検事総長・検事長・検事正が、検察官の指示・指揮に従わない司法警察職員について、公安委員会等へ懲戒・罷免の訴追ができると定める規定である。
Q · 検察官は、言うことを聞かない警察官をクビにできるんですか?
直接はできない。公安委員会へ懲戒・罷免を訴追できるだけ
刑事訴訟法194条により、検事総長・検事長・検事正は、司法警察職員が正当な理由なく検察官の指示・指揮に従わないとき、警察官については国家公安委員会または都道府県公安委員会へ、その他の職員については懲戒・罷免の権限者へ、懲戒または罷免の「訴追」ができます。検察官が直接処分する権限ではなく、あくまで外部機関への申立てです。訴追を受けた側は理由があれば懲戒等をしなければなりませんが(2項)、戦後この条文が実際に発動された例はほぼ知られていません。
解説
刑事ドラマでは、検事が刑事を怒鳴りつけ、刑事が頭を下げる。あの上下関係を本物だと思っているなら、この条文があなたの誤解を解く。戦後の日本では、警察と検察は対等の協力関係であって、上司と部下ではない。検察官は特定の捜査について司法警察職員に指示・指揮できるが(193条)、それに従わないからといって直接クビにはできない。194条が用意したのは、検事総長・検事長・検事正が、警察官を管理する公安委員会に対して「この警察官を懲戒または罷免してくれ」と訴追する権限だ。直接処分ではなく訴追、つまり外部機関への申立てにとどまる。しかも訴追を受けた側は理由があれば懲戒しなければならない(2項)が、現実にはこの条文が発動された例はほぼ知られていない。存在するだけで力関係を支える、抜かれない刀である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法194条は、検察官の指示・指揮(193条)の実効性を担保する規定である。司法警察職員が正当な理由なくこれに従わない場合に、検事総長・検事長・検事正が、警察官については公安委員会へ、その他の職員については懲戒・罷免権限者へ、懲戒または罷免の訴追をする権限を定める。直接処分権ではなく外部機関への申立権である点に特徴がある。
よくある質問 AI による整理
Q1司法警察職員とは何ですか?
犯罪捜査を行う警察官などを指す刑事訴訟法上の概念です。司法警察員と司法巡査に分かれ、189条以下で捜査権限が定められています。検察官とは対等の協力関係にあります。
Q2刑事訴訟法194条とはどんな条文ですか?
検察官の指示・指揮に従わない司法警察職員について、検事総長らが公安委員会等へ懲戒・罷免の訴追ができると定める規定です。指揮権の実効性を担保する条文ですが、ほぼ発動例がありません。
Q3検察官の指揮権の根拠条文は何条ですか?
刑事訴訟法193条です。検察官は特定の事件について司法警察職員に指示・指揮できます。192条の対等協力を前提に、193条の指揮、194条の懲戒罷免訴追がセットで捜査の連携を支えます。
Q4公安委員会とは何をする組織ですか?
警察を民主的に管理するための合議制行政委員会です。国家公安委員会と都道府県公安委員会があり、警察官の懲戒・罷免もこの委員会の系統で行われます。194条の訴追先でもあります。
Q5検事総長・検事長・検事正の違いは何ですか?
検事総長は最高検察庁、検事長は高等検察庁、検事正は地方検察庁の長です。194条の懲戒罷免訴追は、この三者に限って認められた権限で、一般の検察官は行使できません。
Q6警察官の懲戒を決めるのは誰ですか?
都道府県警察官は地方公務員法、警察庁職員は国家公務員法に基づき、公安委員会の系統で懲戒が決まります。検察官は194条で訴追はできても、直接処分する権限はありません。
Q7検察官の指示に従わない警察官はどうなりますか?
正当な理由がなければ、検事総長らが公安委員会等へ懲戒・罷免の訴追ができます(194条)。ただし戦後ほぼ発動例がなく、現実には抑止力として機能しています。
Q8司法警察員と司法巡査の違いは何ですか?
司法警察員は逮捕状請求や送致など独立した捜査権限を持つ警察官、司法巡査は補助的役割にとどまります。いずれも検察官とは対等の協力関係にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ドラマだと検事が刑事に命令してますけど、実際もそうなんですか?
実際は違う。戦後の制度では警察と検察は対等の協力関係(刑訴192条)で、上司と部下ではない。検察官は特定の事件について指示・指揮できるが(193条)、それは組織的な上下関係ではない。実務のポイント:指揮に従わない警察官を検察が処分させる194条という条文はあるが、実務ではほぼ発動されない。つまりドラマの上下関係は演出で、現実は「協力するが対等」という微妙な距離感で動いている。
Q2この条文、これまで実際に使われたことはあるんですか?
公に知られた発動例はほとんどない。194条は、検察官の指揮権(193条)に実効性を持たせる最後の担保として置かれているが、実際に訴追まで至ると検察と警察の全面対立を意味するため、双方が避ける。実務のポイント:使われないからこそ意味がある条文の典型だ。存在自体が「最後はこの手がある」という圧力になり、日常の指揮・協力が円滑に回る。法律には、抜かないことで効く刀がある。
間違えやすい点 AI による整理
- ドラマの影響で「検察官は警察の上司で、命令一つで動かせる」と思われているが、戦後の制度では両者は対等の協力関係だ。検察官の指揮権(193条)はあるが、それは特定事件に限られ、組織としての上下関係ではない。
- 「この条文を使えば、対応の悪い警察官を懲戒させられる」と考える人がいるが、訴追できるのは検事総長・検事長・検事正だけ。市民が194条を直接起動する道はない。あなたが立てるべき問いは「どうやって検察官を動かすか」であって、194条そのものではない。
- 対等協力関係であることは知っていても、その指揮権を裏打ちする194条がほぼ死文化している事実までは知られていない。制度上は強力な刀が、実務では一度も抜かれないまま抑止力として機能している、その重みを見落とすと検察と警察の力学を読み違える。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 194条:懲戒・罷免の訴追(指揮権の担保) | 193条:個別事件の指示・指揮 192条:捜査における対等の協力 |
| 検察官の立場 | 公安委員会等へ訴追できる(直接処分は不可) | 特定事件に限り指示・指揮できる 上下ではなく対等の協力関係 |
| 発動主体 | 検事総長・検事長・検事正に限定 | 個々の検察官 検察官・司法警察職員双方 |
| 実務での運用 | 戦後ほぼ発動例なし(抑止力) | 一定の範囲で運用される 日常的な捜査連携の前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は検察官が司法警察に対し指揮できるほか、不服従に対して移送・懲戒請求の仕組みを持つ。日本の対等協力モデルより検察主導の色彩がやや強い
韓国は2020-2021年の捜査権調整改革で、従来の検察優位から検察・警察の相互協力へ大きく転換した。指揮・統制の構造が日本と異なる過渡期にある
ドイツでは検察が捜査の主宰者(Herrin des Verfahrens)であり、警察は検察の捜査補助官(Ermittlungspersonen)として指揮を受ける。日本より検察の指揮権が制度的に強い
米国では検察官(DA / US Attorney)と警察は組織的に分離し、検察が警察官を懲戒・罷免する権限はない。本条に正面から対応する制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし警察官が検察官の指揮を無視し続けたら、最後はどうなるのか。検事総長らが公安委員会に懲戒・罷免を訴追できる、それが194条だ。ただし戦後ほぼ使われたことがなく、抑止力として静かに置かれている。
- 司法試験の刑訴で「検察官と司法警察職員の関係」が問われたとき、対等協力(192条)と指揮権(193条)の先にこの194条がある。指揮の実効性を担保する仕組みとして、三条セットで覚える。
学説
通説:194条は193条の指揮権に実効性を持たせる担保規定と位置づけられる。もっとも実際に訴追まで至れば検察と警察の全面対立を意味するため双方が回避し、ほぼ死文化している。存在自体が抑止力として日常の指揮・協力を円滑にしている、と説明されることが多い。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により新設。戦後 GHQ 改革を背景に、検察と警察を対等の協力関係に再編しつつ、192条・193条・194条で捜査連携の枠組みを定めた
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