刑事訴訟法 第195条
クイックジャンプ
検察官及び検察事務官は、捜査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第195条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第195条の条文原文は「検察官及び検察事務官は、捜査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第195条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第195条の前の条は刑事訴訟法第194条です。
- 刑事訴訟法第195条の次の条は刑事訴訟法第196条です。
- 刑事訴訟法第195条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第195条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第195条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/195
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法195条は、検察官・検察事務官が捜査のため必要があるときは管轄区域外でも職務を行えると定める。県境を越えた取調べや証拠収集も適法となり、容疑者の引っ越しは捜査を分断しない。
Q · 別の県に引っ越せば、元の検察官の捜査からは逃れられますか?
逃れられません。検察官は管轄区域外でも捜査できます
刑事訴訟法195条により、検察官および検察事務官は捜査のため必要があるときは、所属検察庁の管轄区域外でも職務を行えます。東京地検の検察官が、容疑者の逃げた先の大阪で直接取調べや証拠収集をしても適法です。引っ越しや逃亡は担当検察官をリセットしないため、一つの事件は一人の検察官が日本のどこまでも追えます。ただし権限が及ぶのは国内までで、容疑者が国外に出れば犯罪人引渡条約や国際捜査共助に頼ることになります。
解説
県境を越えれば、向こうの管轄の人間が改めて担当する。多くの人がそう思い込んでいる。刑事訴訟法195条は、その常識を静かに崩す。「検察官及び検察事務官は、捜査のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる」。検察官の権限は本来、所属する地方検察庁の区域(おおむね地方裁判所の管轄と一致)に縛られる。だが捜査の必要があれば、その線を越えて動ける。東京地検の検察官が、容疑者の逃げた先の大阪で直接取調べや証拠収集をしても、それは適法な職務行為だ。あなたが「別の県に行けば仕切り直しになる」と期待しているなら、その前提は最初から間違っている。一つの事件は、一人の検察官が日本のどこまでも追いかけられる。捜査される側にとって、地理は壁にならない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法195条は、検察官および検察事務官の管轄区域外における捜査権限を定める規定である。検察官の職務執行は原則として所属検察庁の管轄区域に限られるが、捜査のため必要があるときは、その地理的枠を越えて職務を行うことができる旨を規定する。土地管轄(同法2条)が起訴段階の問題であるのと区別される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.呼び出し文書の法的根拠を確認する 管轄外の検察官・検察事務官から連絡が来ても、それ自体は適法。まず文書が「任意の出頭依頼」か令状に基づく強制処分かを確認する。任意か強制かで出頭義務の有無が全く変わる
- 2.弁護人に相談して対応方針を決める 「管轄違いだから」を理由に拒否はできないと心得たうえで、書面の根拠を弁護人に見せ、出頭の要否・遠方での取調べへの臨み方を決める。検察官が動く先での対応も視野に入れる
- 3.黙秘権の行使範囲を理解しておく 黙秘権は管轄に関係なく全国どこでも行使できる。遠方での取調べでも、弁護人の立会いや供述方針を確認してから臨む。録音・供述の取り扱いも事前に弁護人と確認する
- 4.被害が複数地域なら中心地の検察庁に集約する 被害者側は、各地の警察・検察にバラバラに相談せず、事件の中心地(主要な被害発生地や容疑者の拠点)の検察庁に相談を集約する。告訴状に全体像をまとめ、捜査の一本化を促す
よくある質問 AI による整理
Q1管轄区域外の捜査とは?
検察官や検察事務官が、所属検察庁の管轄区域の外で取調べや証拠収集などの職務を行うこと。刑事訴訟法195条が、捜査の必要があるときにこれを認めています。
Q2検察官は全国どこでも捜査できるの?
捜査のため必要があれば管轄区域を越えて職務を行えます(刑訴195条)。検察庁法5条も検察官の職務執行を区域外に広げる根拠となり、事実上全国で動けます。
Q3引っ越せば事件の捜査は終わる?
終わりません。検察官は管轄外でも捜査できるため、引っ越し先まで検察事務官が事情を聞きに来ることがあります。捜査が続くかは公訴時効(刑訴250条)で画されます。
Q4検察事務官とは何をする人?
検察官を補佐し、その指揮を受けて取調べや証拠収集などの捜査事務を行う公務員です。195条により、検察事務官も管轄区域外で職務を行えます。
Q5土地管轄と捜査の管轄は同じ?
別物です。土地管轄(刑訴2条)はどの裁判所に起訴するかの問題で、起訴段階で関わります。捜査段階で検察官が動ける範囲は195条で区域外にも及びます。
Q6公訴時効が完成するまで捜査は続く?
195条自体に期限はなく、捜査が及ぶ時間的限界はその罪の公訴時効(刑訴250条、罪の重さで異なる)で画されます。時効完成までは越境した捜査が継続しえます。
Q7海外に逃げても日本の検察官は追ってくる?
195条が及ぶのは日本国内までです。容疑者が海外に出れば国境という壁にぶつかり、犯罪人引渡条約や国際捜査共助の枠組みに頼ることになります。
Q8複数の県にまたがる事件はどこが捜査する?
各検察庁がバラバラに動くのではなく、事件の中心を握った検察官が管轄を越えて捜査を一本化します。被害者は中心地の検察庁に相談を集約すると進みやすいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県外の検察官にいきなり呼び出されたんですが、断れますか?
管轄区域外でも検察官の捜査(刑事訴訟法195条)は適法なので、「管轄違いだから」という理由では断れません。ただし任意の取調べであれば、出頭や供述を強制されるわけではなく、応じるかは原則あなたの判断です。実務のポイント: 実務では、遠方の容疑者を呼びつけるより検察事務官が出張して事情を聞くことも多い。呼び出し文書が「任意」か令状に基づくかで対応が全く変わるので、まず書面の根拠を確認し、弁護人に見せてから動く
Q2警察も県をまたいで捜査できるんですか? 検察官だけ?
195条が明文で認めるのは検察官と検察事務官の管轄区域外の職務です。警察(司法警察職員)の活動範囲は主に警察法で定められ、他県にまたがる事件では関係都道府県警察の協力・援助の枠組みで動きます。実務のポイント: だから複数県にまたがる大型事件では、検察主導で捜査が一本化されやすい。被害者として相談したとき警察に「うちの管轄外なので」と止められたら、検察への相談という別ルートがあると覚えておくと話が前に進む
間違えやすい点 AI による整理
- 「事件を起こした県から別の県に移れば、元の検察官の手は届かない」と思われがちだが、195条により検察官・検察事務官は管轄区域外でも捜査できる。引っ越しや逃亡は、担当検察官をリセットしない
- 「自分の事件はどこの検察庁が担当するのか」と問う人は多いが、捜査段階ではその問い自体がずれている。捜査を主導するのは事件の中心を握った検察官であり、管轄区域は彼の行動範囲を縛らない。土地管轄(どの裁判所に起訴するか、刑事訴訟法2条)が問題になるのは、起訴の段階だ
- 検察官が全国を動けることは何となく知られているが、その意味の重さは見落とされている。一度ある検察官が事件を握れば、あなたが日本のどこにいても、同じ検察官が継続して捜査の手を伸ばせる。担当者が変わって有耶無耶になる、という期待は成立しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰の権限か | 195条:検察官・検察事務官の管轄区域外の職務 | 189条:司法警察職員(警察)の捜査権限 2条:裁判所の土地管轄(起訴先の問題) |
| 地理的範囲 | 捜査の必要があれば管轄区域外でも適法 | 活動範囲は主に警察法、他県は協力・援助で対応 犯罪地・被告人住所地等で管轄裁判所が決まる |
| 発動する段階 | 捜査段階(起訴前) | 捜査段階(起訴前) 起訴段階(公訴提起時) |
| 実務上の効果 | 一人の検察官が全国で捜査を一本化できる | 広域事件は検察主導で一本化されやすい 管轄違いなら移送・公訴棄却の問題になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は検察官が配置法院の管轄区域内で職務を行うのを原則としつつ、緊急の場合または法律に別段の定めがあるときは区域外での職務を認める。原則と例外の枠組みが日本と近い。
韓国は検察庁法で検事の職務と職務管轄区域を定める。広域・重大事件では上級検察庁の指揮で管轄を越えた捜査体制が組まれる点で日本に類似する。
ドイツは裁判所構成法(GVG)で検察庁の土地管轄を定め、緊急の場合などには区域外でも職務を行える。組織法レベルで管轄と例外を規律する構造が共通する。
米国は連邦地区ごとの連邦検事、州は郡ごとの地方検事に管轄が分かれる。越境的な捜査は司法省の調整や FBI の全国的な捜査権限で補われ、検察官個人の越境権限を一条で定める日本とは構造が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが地元で起こしたトラブルの捜査が始まり、その後仕事で東京に転居した。地元の検察官はもう関係ないと思っていたら、ある日東京の勤務先まで検察事務官が事情を聞きに来た。195条があれば、彼らは管轄を越えてあなたのところまで来られる。引っ越しは捜査の終点ではない
- もし全国5県にまたがる投資詐欺の被害が出たら、5つの検察庁がバラバラに動くのか? 実際は中心となった検察官が管轄を越えて捜査を一本化する。被害者にとっては、相談窓口が散らばらずに済む利点でもある
- 逃げた先の県で安心していた容疑者の前に、元の管轄の検察事務官が現れる。地理的な逃げ場は、こと捜査に関しては存在しない。県境の標識に、人を匿う力はない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害が複数の地域にまたがる場合でも、各地の警察・検察にバラバラに相談しなくてよい。まず事件の中心地(主要な被害発生地や容疑者の拠点)の警察署・検察庁に相談を集約する2. 告訴状には被害の全体像と各地の事実関係をまとめて記載し、捜査の一本化を促す3. 検察官が管轄を越えて動けることを前提に、遠方で起きた関連事実の証拠(取引記録、通信履歴)も併せて提出する
訴えられた側:1. 取調べの呼び出しが管轄外の検察官から来ても、それ自体は適法。「管轄違いだから」を理由に拒否はできないと心得る2. ただし出頭に応じる義務の有無(任意か強制処分か)は別問題。まず書面の根拠を確認し、弁護人に相談して方針を決める3. 黙秘権は管轄に関係なく全国どこでも行使できる。遠方での取調べでも、弁護人の立会いや方針を確認してから臨む
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。捜査がいつまで及ぶかは、その犯罪の公訴時効(刑事訴訟法250条、罪の重さにより異なる)によって画される。時効が完成するまでは、管轄を越えた捜査が継続しうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:195条は検察官・検察事務官の管轄区域外での捜査を「捜査の必要性」を要件に認める規定であり、検察官の職務執行区域を組織法上全国に広げる検察庁法5条と相まって機能する。起訴先を画する土地管轄(刑訴2条)とは局面が異なり、区別して理解すべきとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の全面制定に伴い設けられた。戦後の刑事手続改革の中で、検察官・検察事務官が捜査の必要に応じて管轄区域外でも職務を行えることを明文化した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める