刑事訴訟法 第2条
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- 裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。
- 2.国外に在る日本船舶内で犯した罪については、前項に規定する地の外、その船舶の船籍の所在地又は犯罪後その船舶の寄泊した地による。
- 3.国外に在る日本航空機内で犯した罪については、第一項に規定する地の外、犯罪後その航空機の着陸(着水を含む。)した地による。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第2条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第2条の条文原文は「裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。」で始まります。
- 刑事訴訟法第2条は第一章 裁判所の管轄に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第2条の前の条は刑事訴訟法第1条です。
- 刑事訴訟法第2条の次の条は刑事訴訟法第3条です。
- 刑事訴訟法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法2条は、裁判所の土地管轄を犯罪地・被告人の住所・居所・現在地によって定める。判例上、現在地には適法に身柄を拘束された場所も含まれる。
Q · 事件も住所も別の場所なのに、なぜその裁判所で刑事裁判になるの?
逮捕・勾留された場所の裁判所でも裁けるからです
刑事訴訟法2条は、土地管轄を犯罪地・被告人の住所・居所・現在地という三つの管轄原因で定めます。判例上『現在地』には適法に身柄を拘束されている場所も含まれるため、東京で逮捕・勾留されれば、犯罪地でも住所地でもない東京地裁が管轄を持ちます。複数の管轄原因が当てはまる場合、検察官は捜査・立証の都合で起訴する裁判所をある程度選べます。管轄を争うなら、被告事件について陳述する前に管轄違いの申立てが必要です(刑訴331条)。
解説
起訴状が届いた。事件が起きたのは大阪、あなたが住んでいるのは福岡、なのに表紙に書かれた裁判所は東京。なぜか。刑事訴訟法2条が、どの地方裁判所であなたを裁けるかを三つの基準で決めているからだ。犯罪地、被告人の住所・居所、そして現在地。この『現在地』が曲者で、判例上、あなたが適法に身柄を拘束されている場所も含む。つまり東京で逮捕・勾留されれば、犯罪地でも住所地でもない東京地裁が管轄を持つ。さらに国外の日本船舶や航空機の中で起きた罪なら、船籍の所在地や着陸した地まで管轄が広がる。どこで裁かれるかは、証人を呼べるか、弁護人と会いやすいか、保釈中の生活が成り立つか、その全部に直結する。検察官が起訴する裁判所を選ぶとき、まさにこの条文の幅を使っている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法2条は刑事事件の土地管轄を定める規定であり、第一審裁判所の地理的な管轄権を、犯罪地、被告人の住所・居所・現在地という複数の管轄原因によって基礎づける。さらに国外の日本船舶・航空機内で犯した罪については、船籍の所在地・寄泊地・着陸地を補充的な管轄原因として加える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴状で管轄裁判所と管轄原因を確認 起訴状を受け取ったら罪名より先に表紙の裁判所名を確認し、その裁判所が犯罪地・住所地・現在地のどれを根拠に管轄を持つのかを把握する
- 2.弁護人と管轄を争うか整理 弁護人との最初の打ち合わせで、管轄に争う余地があるか、現在地管轄の根拠となった身柄拘束が適法かを議題に乗せる
- 3.陳述前に管轄違いの申立て 管轄を争うなら、第一回公判期日で被告事件について陳述する前に管轄違いの申立てを行う。この時期を逃すと刑訴331条で原則として主張できなくなる
- 4.不便なら管轄移転の請求を検討 管轄が有効でも遠方で防御に著しい支障があるなら、管轄移転の請求(刑訴17条)を検討する。あわせてビデオリンク方式の証人尋問など負担軽減策も相談する
よくある質問 AI による整理
Q1土地管轄とは何ですか?
どの地方の裁判所で事件を審理するかを定める基準です。刑事訴訟法2条が犯罪地・被告人の住所・居所・現在地という管轄原因を定めています。
Q2刑事裁判はどこの裁判所で行われますか?
原則として犯罪地、被告人の住所・居所、または現在地を管轄する裁判所です。複数当てはまる場合、検察官が起訴する裁判所を選びます。
Q3「現在地」管轄とは何を意味しますか?
単に今いる場所だけでなく、判例上、適法に逮捕・勾留されている場所も含みます。捜査機関がどこで身柄を押さえるかが裁判地を左右します。
Q4管轄違いの申立てはいつまでにできますか?
被告事件について陳述する前にしなければなりません(刑訴331条)。第一回公判で起訴事実に答えると原則として争えなくなります。
Q5国外の飛行機内で起きた犯罪はどこで裁かれますか?
日本の航空機内の罪なら、刑訴2条3項により、その航空機が着陸(着水を含む)した地を管轄する裁判所でも裁けます。
Q6管轄移転の請求とは何ですか?
管轄は有効でも防御や審理に著しい不便がある場合に、別の裁判所への移転を求める手続です(刑訴17条)。認められるハードルは高めです。
Q7検察官は裁判所を選べるのですか?
管轄原因が複数あるとき、検察官は立証や捜査の都合でどの管轄裁判所に起訴するかをある程度選択できます。
Q8事物管轄と土地管轄の違いは何ですか?
事物管轄は事件の軽重で地裁・簡裁を分ける基準(裁判所法24条等)、土地管轄は地理的にどの地方の裁判所かを分ける基準(刑訴2条)です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1事件は北海道で起きたのに、なんで東京の裁判所で裁判になるんですか?
刑事訴訟法2条は、管轄を犯罪地だけでなく被告人の住所・居所・現在地でも認めています。あなたが東京で逮捕・勾留されていれば、その『現在地』を理由に東京地裁が管轄を持ちます。実務のポイント:検察官は管轄原因が複数あるとき、立証や捜査の都合で起訴する裁判所をある程度選べます。被疑者の身柄をどこの留置施設で押さえるかが、結果として裁判地を左右することがある。だから逮捕段階で弁護人をつける意味は、保釈だけでなく『どこで裁かれるか』にも及ぶ
Q2遠くの裁判所まで毎回行くのが大変です。場所を変えてもらえますか?
二つの道があります。管轄そのものを争うなら、被告事件について陳述する前に管轄違いの申立てを(刑事訴訟法331条)。管轄は有効でも防御や審理に著しい不便があるなら、管轄移転の請求ができます(刑事訴訟法17条)。実務のポイント:管轄移転が認められるハードルは高く、単に『遠い』だけでは通りにくい。実務では移転より先に、裁判所の地元で弁護人を選任し直し、被告人質問など重要な期日だけ本人が出廷する現実的な調整が取られることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 『罪を犯した場所で裁かれる』と思われがちだが、犯罪地は三つある管轄原因の一つにすぎない。被告人の住所地でも、現在地でも管轄は成立する。複数当てはまる場合、検察官は捜査や立証の都合で実際上有利な裁判所を選んで起訴できる
- 『現在地』を単に『今いる場所』だと知っている人でも、それが『適法に身柄を拘束されている場所を含む』ことまでは知らない。逮捕・勾留された場所の裁判所が管轄を得るという意味で、捜査機関がどこであなたの身柄を押さえるかが、裁かれる場所そのものを左右する
- 『管轄違いなら裁判は無効になる』という問いの立て方自体がずれている。管轄違いは判決で言い渡されるが(刑事訴訟法329条)、被告事件について陳述する前に申し立てなければ原則として主張できなくなる(刑事訴訟法331条)。問うべきは『無効か』ではなく『いつまでに動くか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 刑訴2条:土地管轄の発生原因(犯罪地・住所・居所・現在地) | 刑訴17条:管轄移転の請求(有効な管轄を別裁判所へ) 刑訴331条:管轄違いの申立ての時期的制限 |
| 争う方向 | そもそもの管轄権の有無を基礎づける | 管轄は認めつつ審理場所の変更を求める 管轄違いを主張できる期限を画する |
| タイミング | 起訴時に検察官が管轄裁判所を選択 | 管轄移転の事由がある間に請求 被告事件について陳述する前まで |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も犯罪地・被告の住所・居所・所在地を土地管轄の原因とし、日本とほぼ同じ並列構造をとる
韓国も犯罪地・被告人の住所・居所・現在地を管轄原因とする。日本法の影響を強く受けた構造
ドイツは犯罪地(§7)・住所地(§8)・逮捕地(§9)を別条で規定し、管轄原因を分節的に定める
米国は原則として犯罪が行われた州・地区で裁く venue 原則をとり、被告人の住所や逮捕地を基礎としない点で大陸法系と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出張先で口論の末に相手を殴り、その場で現行犯逮捕された。事件も逮捕も東京、だがあなたの住まいと仕事と家族は福岡にある。裁判は東京地裁。毎回の出廷に新幹線代と宿泊費がかかり、仕事も休む。なぜ地元で裁かれないのか、その答えが『現在地』管轄にある
- もし、あなたが乗った国際線の機内で乗客同士の暴行事件に巻き込まれ、加害者として疑われたら、どの国の、どの裁判所で裁かれる? 日本の航空機なら、犯罪が公海の上空で起きていても、その機が着陸した日本の空港の所在地を管轄する裁判所が動ける
- 勾留質問のあと、弁護人が言う。『管轄違いを争うかどうかは、被告事件について陳述する前に決めないと間に合わない』。第一回公判で起訴事実に答えてしまえば、不便な裁判所での審理をそのまま受け入れたことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が起訴される裁判所は、犯罪地・被告人の住所地・現在地のいずれかになる。あなたが被害者として証人尋問や被害者参加(刑事訴訟法316条の33以下)を望むなら、どの裁判所かで出廷負担が大きく変わる2. 検察官に対し、証人の所在や被害者側の事情を伝え、起訴する裁判所の選択に考慮を求めることはできる3. 管轄が遠方になった場合、ビデオリンク方式の証人尋問や付添い・遮蔽の制度を、検察官や被害者支援の窓口に相談する
訴えられた側:1. 起訴状を受け取ったら、まず管轄裁判所がなぜそこなのかを確認、犯罪地・住所地・現在地のどれを根拠にしているか弁護人と整理する2. 管轄に争う余地があるなら、被告事件について陳述する前に管轄違いの申立てを行う(刑事訴訟法331条)、この時期を逃すと原則として争えなくなる3. 管轄が有効でも、遠方で防御に著しい支障があるなら、管轄移転の請求(刑事訴訟法17条)を検討する
時効(請求できる期限):管轄違いの申立ては、被告事件について陳述をする前にしなければならない(刑事訴訟法331条2項)。第一回公判期日で起訴事実について陳述すると、原則として管轄違いを主張できなくなる。なお起訴自体の期限は別途、公訴時効による(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:刑訴2条の『現在地』は被告人が現に所在する地を意味し、適法に逮捕・勾留されている場所も含むと解される。複数の管轄原因が並立する場合、検察官は起訴する裁判所を選択でき、その選択は捜査・立証の便宜に基づく。
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