刑事訴訟法 第202条
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検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第202条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第202条の条文原文は「検察事務官又は司法巡査が逮捕状により被疑者を逮捕したときは、直ちに、検察事務官はこれを検察官に、司法巡査はこれを司法警察員に引致しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第202条は第一章 捜査に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第202条の前の条は刑事訴訟法第201条の2です。
- 刑事訴訟法第202条の次の条は刑事訴訟法第203条です。
- 刑事訴訟法第202条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第202条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第202条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/202
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法202条は、逮捕状で被疑者を逮捕した司法巡査は直ちに司法警察員へ、検察事務官は検察官へ引致しなければならないと定める規定である。
Q · 逮捕した警察官は、そのまま自分を留置できるんですか?
できません。逮捕した警官には留置権限がなく、直ちに上位者へ引致されます
刑事訴訟法202条により、逮捕状で被疑者を逮捕した司法巡査は直ちに司法警察員へ、検察事務官は検察官へ被疑者を引致しなければなりません。逮捕の実行者と留置の要否を判断する者を分離する仕組みです。引致を受けた司法警察員は、被疑者を受け取った時から48時間以内に検察官へ送致するか釈放しなければならず(203条)、この引致の時点がその時間制限の起算点となります。引致が不自然に遅れた場合、その間の取調べで得た供述の任意性が後の公判で争点となり得ます。
解説
手錠をかけた警官が、あなたの運命を決めるわけではない。刑訴202条が定めるのは、逮捕した現場の警察官(司法巡査)に、あなたを勝手に留め置く権限がないという事実だ。司法巡査が逮捕状であなたを捕まえたら、直ちに上位の司法警察員(一定の階級以上で捜査の判断権を持つ警察官)へ引致(身柄を連れて行き引き渡すこと)しなければならない。検察事務官が捕まえたなら検察官へ。なぜこの一条が効いてくるのか。引致された瞬間に、警察があなたを留置できる48時間の時計が動き出すからだ(203条)。逮捕の現場と、留置を判断する権限を別の人間に分ける。これが日本の身柄拘束システムの最初の歯車であり、ここが狂えば違法な身柄拘束の主張へと繋がっていく。
法的な位置づけ
刑事訴訟法202条は、逮捕状により被疑者を逮捕した検察事務官又は司法巡査に対し、直ちに上位の権限主体(検察官又は司法警察員)へ被疑者を引致する義務を定める手続規定である。逮捕の実行と留置の要否判断を別個の主体に分離し、身柄拘束手続の時間制限の起点を画する規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.引致先の警察署を特定する 家族が逮捕されたら、まず連行先の警察署を特定する。逮捕した警官個人ではなく、引致を受けた司法警察員のいる署が留置と取調べの場になる。署が分かれば差し入れと弁護士手配を即座に始められる
- 2.当番弁護士を要請する 地元の弁護士会に電話し、引致先の警察署へ当番弁護士の派遣を要請する。初回接見は無料。引致直後の最初の48時間に接見できるかどうかが供述の方向と勾留阻止の成否を分ける
- 3.逮捕時刻と引致時刻を確認・記録する 弁護人を通じて逮捕時刻と引致時刻の記録を確認する。両者の間隔が不自然に長ければ、「直ちに」要件違反として手続の適法性を争う材料になる。この二つの時刻が48時間・72時間計算の起点になる
- 4.黙秘権を行使し供述の任意性を保全する 本人は黙秘権を行使し、警官との会話を最小限にする。引致前に現場や車内で長時間留め置かれた間の取調べがあれば、その供述の任意性(319条)を後の公判で争う突破口にできる
よくある質問 AI による整理
Q1引致とは何ですか?
逮捕した者が被疑者の身柄を上位の権限主体へ連れて行き引き渡すことです。刑訴202条では司法巡査は司法警察員へ、検察事務官は検察官へ引致します。
Q2司法警察員と司法巡査の違いは何ですか?
司法巡査は逮捕など現場の執行を担う警察官、司法警察員は一定階級以上で留置や送致の判断権を持つ警察官です。引致はこの判断権者へ身柄を渡す手続です。
Q3逮捕されてから勾留までの流れは?
逮捕→引致(202条)→48時間以内に検察官送致(203条)→24時間以内かつ逮捕から72時間以内に勾留請求(205条)→勾留決定という順で進みます。
Q4当番弁護士はどうやって呼びますか?
本人や家族が地元の弁護士会に電話で要請できます。初回接見は無料です。引致先の警察署が分かれば、その署へ当番弁護士を向かわせられます。
Q5引致が遅れたら逮捕は違法になりますか?
遅延だけで逮捕が無効になる例は稀ですが、「直ちに」に反する長時間の留置は違法と評価され得ます。遅延中の取調べで得た自白の任意性を争う材料になります。
Q6逮捕後48時間とは何の時間ですか?
引致を受けた司法警察員が被疑者を検察官へ送致するか釈放するかを決める制限時間です(203条)。起算点は逮捕ではなく引致を受けた時です。
Q7緊急逮捕や現行犯逮捕でも引致は必要ですか?
必要です。緊急逮捕は211条、現行犯逮捕は216条により202条が準用され、いずれも直ちに上位者へ引致しなければなりません。
Q8逮捕された家族の引致先の警察署はどう調べますか?
弁護士に依頼すれば照会できます。早く特定できるほど当番弁護士の初回接見が早まり、最初の48時間に防御の主導権を握れます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1逮捕した警察官と、取り調べる警察官って同じ人なんですか?
必ずしも同じではありません。202条では、逮捕した司法巡査は直ちに上位の司法警察員へ引致する義務を負い、留置や取調べの判断は引致を受けた側が担います。実務のポイント:逮捕現場の警官と判断権者を分けるのは、権限の集中を防ぐ設計です。弁護人は引致の時刻と取調べ開始の時刻のズレを必ず確認します。ここに不自然な空白があれば、その間に何が行われたかを追及できる。
Q2「直ちに引致」って、具体的に何時間以内なんですか?
明文の時間制限はありません。「直ちに」は社会通念上、合理的に必要な最小限の時間を意味し、正当な理由のない遅延は違法と評価されえます。実務のポイント:実務では引致の遅れ単独で逮捕が無効になる例は稀ですが、遅延中の取調べで得た自白の任意性(刑事訴訟法319条)を争う突破口になります。引致が遅れた時間に何をされたか、それを記録・記憶しておくことが後の防御になる。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「逮捕した警官がそのまま取り調べて留置する」のが当然に見える。だが法律から見れば、逮捕する司法巡査と、留置の要否を判断する司法警察員は別の権限主体だ。この分離を知らないと、誰に何を求めるべきかを取り違える
- 「逮捕されたら23日勾留されうる」は多くの人が知っている。だが、その期間の起点がまさにこの引致の瞬間だと知る人は少ない。引致の時刻が記録されていなければ、48時間・72時間という計算の根拠そのものが曖昧になる、その深刻さに気付いていない
- 「自分を捕まえた警官が、自分をそのまま留置できる」と思い込みがちだが、司法巡査にその権限はない。彼は直ちに上位の司法警察員へあなたを引き渡す義務を負うだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 段階 | 202条:逮捕後の引致(現場→判断権者) | 203条:引致後の送致判断(警察→検察) 205条:送致後の勾留請求(検察→裁判所) |
| 行為主体 | 司法巡査・検察事務官 | 司法警察員 検察官 |
| 時間制限 | 「直ちに」(明文の時間制限なし) | 引致を受けた時から48時間以内に送致 送致を受けてから24時間以内・逮捕から72時間以内に勾留請求 |
| 根拠条文 | 刑訴202条(逮捕の根拠は199条) | 刑訴203条 刑訴205条 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も逮捕・拘提後は被告を指定の場所へ即時解送し、現行犯は速やかに検察官等へ送致する構造をとる。執行と判断の分離という点で日本202条と機能的に対応する
韓国も令状による体逮後の人致・구금手続と検察送致の時間制限を定める。執行者と判断権者を分ける構造は日本と類似する
ドイツは逮捕した者を遅くとも翌日までに裁判官へ引致(Vorführung)し裁判官が勾留を判断する。引致先が裁判官である点が、まず警察内部の上位者へ引致する日本と異なる
米国は被逮捕者を不当な遅延なく治安判事へ引致する義務を課し、遅延中に得た自白は証拠排除され得る。遅延と供述の任意性を結びつける発想は日本202条の運用と通底する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 深夜に逮捕状を見せられ、パトカーに乗せられた。連れて行かれた先は、逮捕した警官個人が裁く場ではない。司法警察員という上位者の前で、留置するかどうかが判断される。この引致の時刻が記録に残り、そこから48時間の時計が回り始める。記録が曖昧なら、後で弁護人がその起点を突く
- もし、逮捕されてから何時間も現場や車内で待たされたとしたら? 直ちに引致せず長時間留め置く行為は、202条の「直ちに」に反する可能性がある。その遅延は、間に行われた取調べで得た供述の任意性を、後の公判で揺さぶる材料になる
- 家族が逮捕された。どこに連れて行かれたのか分からず、ただ待つしかない。だが引致先の警察署さえ特定できれば、当番弁護士をその署へ向かわせられる。最初の接見が早いほど、供述の主導権を握れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなた自身が逮捕されたら、まず黙秘権を行使し、当番弁護士を要請する(初回無料)。警官との会話は最小限に2. 家族は引致先の警察署を特定し、差し入れと弁護士手配を急ぐ3. 逮捕時刻と引致時刻を覚えておく、または弁護人に確認を依頼する。48時間の起点になる4. 引致が不自然に遅れた場合は、その事実を弁護人に伝え、手続の適法性を争う材料にする
訴えられた側:1. 引致が「直ちに」行われず長時間の現場留置があったなら、その間の取調べ・供述の任意性を争点化する2. 逮捕状の呈示や引致の記録を弁護人に開示請求させ、時系列の矛盾を洗う3. 勾留請求の段階で引致手続の違法を主張し、勾留却下や準抗告(刑事訴訟法429条)を検討する4. 違法な身柄拘束中に得た自白は、任意性(刑事訴訟法319条)を争う突破口になる
時効(請求できる期限):引致そのものは「直ちに」が要件で具体的な時間制限の明文はない。ただし引致を受けた司法警察員は、被疑者を受け取った時から48時間以内に検察官へ送致するか釈放しなければならない(刑事訴訟法203条)。送致を受けた検察官は受取りから24時間以内、かつ逮捕の時から72時間以内に勾留を請求する(同205条)。
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