刑事訴訟法 第267条の2
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裁判所は、第二百六十六条第二号の決定をした場合において、同一の事件について、検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)第二条第一項第一号に規定する審査を行う検察審査会又は同法第四十一条の六第一項の起訴議決をした検察審査会(同法第四十一条の九第一項の規定により公訴の提起及びその維持に当たる者が指定された後は、その者)があるときは、これに当該決定をした旨を通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第267条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第267条の2の条文原文は「裁判所は、第二百六十六条第二号の決定をした場合において、同一の事件について、検察審査会法(昭和二十三年法律第百四十七号)第二条第一項第一号に規定する審査を行う検…」で始まります。
- 刑事訴訟法第267条の2は第二章 公訴に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第267条の2の前の条は刑事訴訟法第267条です。
- 刑事訴訟法第267条の2の次の条は刑事訴訟法第268条です。
- 刑事訴訟法第267条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第267条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第267条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/267_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法267条の2は、裁判所が付審判決定をした事件を検察審査会も審査しているとき、裁判所に通知義務を課し、二つの訴追統制回路の競合を防ぐ規定である。
Q · 検察官が不起訴にしたら、もう打つ手はないの?
いいえ。付審判請求と検察審査会という二つの回路があります
検察官の不起訴は最終決定ではありません。告訴・告発した側には、裁判所に直接審判を求める付審判請求(準起訴手続、刑訴法262条、公務員の職権濫用系の犯罪に限る)と、市民で構成される検察審査会という二つの不服申立て回路があります。刑訴法267条の2は、裁判所が付審判決定をした事件を検察審査会も審査しているとき、裁判所に通知義務を課し、二つの回路が同一事件で同時進行して手続が衝突するのを防ぐ調整弁です。
解説
検察官が「この件は起訴しない」と決めたとき、それを覆す道は一つではない。日本には二つある。一つは裁判所に直接「審判に付してくれ」と求める付審判請求(準起訴手続、刑訴法262条)、もう一つは市民で構成される検察審査会だ。267条の2は、その二つの回路をつなぐ配電盤である。裁判所が付審判決定(266条2号、事件を裁判にかける決定)を下したとき、同じ事件を検察審査会が審査していたり、すでに起訴議決をしていたら、裁判所はその旨を検察審査会へ通知しなければならない。なぜ通知が要るのか。同じ事件が二つの回路で同時に「起訴」へ進めば、手続が衝突するからだ。あなたが本当に知るべきは、この通知義務そのものではない。検察官の不起訴に泣き寝入りする必要はなく、市民の側には二本の牙があるという事実である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法267条の2は、裁判所が付審判決定をした事件と、同一事件を審査する検察審査会の手続とが競合した場合に、裁判所へ検察審査会への通知義務を課す規定である。付審判(裁判所による訴追統制)と検察審査会(市民による訴追統制)という二つの不服申立て回路が同一事件で同時進行し、手続が二重化・矛盾することを防ぐ調整弁として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.不起訴通知の日付と対象犯罪を確認する 不起訴処分の通知が届いたら、まず受領日を記録し、自分のケースが付審判の対象犯罪(公務員の職権濫用、特別公務員暴行陵虐など刑訴法262条の列挙)に当たるかを見極める。当たらなければ付審判の7日を消耗せず、最初から検察審査会へ集中する
- 2.対象なら7日以内に付審判請求書を提出する 対象犯罪に当たる場合、不起訴処分をした検察官に対し、通知を受けた日から7日以内に付審判請求書を提出する(刑訴法263条)。期限は極端に短いため、診断書・目撃証言・記録などの証拠を添えて即座に動く
- 3.対象外または期限後は検察審査会へ申し立てる 付審判の対象外、または7日を過ぎた場合は、検察審査会へ審査の申立てをする。期間制限は緩く、対象犯罪の公訴時効内であれば足りる。どんな種類の不起訴でも申し立てられるのが強み
- 4.決定・議決後は公訴維持を実務的に支える 付審判決定または起訴議決が出ると、裁判所が指定した弁護士(指定弁護士)が検察官役を務める。指定弁護士は捜査力で検察に劣ることがあるため、被害者側は追加証拠の提供などで公訴維持を支えると有罪獲得の現実的な後押しになる
よくある質問 AI による整理
Q1付審判請求とは何ですか?
公務員の職権濫用系の犯罪について検察官が不起訴にした場合、告訴・告発人が裁判所に直接「審判に付してくれ」と求める制度です。準起訴手続とも呼ばれ、刑訴法262条が根拠です。
Q2検察審査会への審査申立ては誰でもできますか?
告訴・告発人や被害者など、不起訴に利害関係を持つ人が申し立てられます。対象犯罪に限定がなく、付審判より幅広い不起訴に使えるのが特徴です。
Q3付審判請求の期限はいつまでですか?
不起訴処分の通知を受けた日から7日以内です(刑訴法263条)。土日を挟むと実質数日しかなく、この期間を過ぎると付審判の回路は閉じます。
Q4付審判の対象となる犯罪は何ですか?
公務員の職権濫用、特別公務員暴行陵虐など、刑訴法262条が列挙する権力濫用系の犯罪に限られます。対象は驚くほど狭く設定されています。
Q5起訴議決とは何ですか?
検察審査会が二度「起訴すべき」と議決すると、検察の判断を飛び越えて強制的に起訴される制度です。検察審査会法41条の6が根拠で、2009年から運用されています。
Q6不起訴処分に納得できないときどうすればいいですか?
まず付審判の対象犯罪かを確認し、当たれば7日以内に付審判請求、対象外または期限後は検察審査会へ審査申立てをします。証拠の早期確保も重要です。
Q7準起訴手続と付審判は違うものですか?
同じものを指します。検察官の起訴に準じて裁判所が審判に付すことから準起訴手続と呼ばれ、条文上は付審判の決定(266条2号)として現れます。
Q8指定弁護士とは何ですか?
付審判決定や強制起訴の後に、検察官の代わりに公訴の提起・維持を担う弁護士です。刑訴法268条や検察審査会法41条の9に基づき裁判所が指定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1付審判請求と検察審査会、結局どっちに出せばいいんですか?
対象犯罪が決め手です。付審判請求は公務員の職権濫用系の犯罪(刑訴法262条が列挙)に限られ、警察官や検察官などの権力濫用が典型。一方、検察審査会はどんな犯罪の不起訴でも申し立てられます。実務のポイント:付審判の対象は驚くほど狭く、ほとんどの市民にとって現実的な武器は検察審査会の方。弁護士は依頼者の事件がこの限定列挙に入るかを真っ先に確認し、入らなければ迷わず検察審査会へ切り替える
Q2検察審査会って、本当に起訴できるんですか? 素人の集まりでしょう?
起訴できます。2009年からの起訴議決制度(検察審査会法41条の6)で、検察審査会が二度「起訴すべき」と議決すると、検察の判断を飛び越えて強制的に起訴されます。福島原発事故やJR福知山線事故の経営陣が法廷に立ったのはこの仕組みです。実務のポイント:強制起訴では検察官ではなく裁判所が指定した弁護士(指定弁護士)が検察官役を務める。だから検察が乗り気でなくても公訴は維持される。ここが従来の「再考を促すだけ」の助言機関との決定的な違い
Q3付審判で裁判になったら、検察官が起訴したのと同じ扱いですか?
ほぼ同じです。付審判決定があると公訴の提起があったものとみなされ(刑訴法267条)、裁判所が指定した弁護士(指定弁護士、268条)が検察官の代わりに公訴を維持します。通常の刑事裁判と同じ土俵で審理が進みます。実務のポイント:指定弁護士は本来の業務の傍らで検察官役を担うため、組織的な捜査力では検察に劣ることがある。被害者側は決定後も証拠提供などで指定弁護士を実務的に支える動きが、有罪獲得の現実的な鍵になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察官が不起訴にしたら、もう打つ手はない」という前提そのものが誤っている。不起訴は最終確定ではなく、告訴・告発した者には付審判請求(公務員の職権濫用系の犯罪に限る)と検察審査会という二つの不服申立て回路が法律で用意されている。問いは「どうしようもないか」ではなく「どちらの回路を、いつ引くか」である
- 検察審査会の名前は聞いたことがあっても、その実力を知らない人が多い。かつては「検察に再考を促す」程度の助言機関だったが、2009年以降は起訴議決(検察審査会法41条の6)によって検察の判断を飛び越え、強制的に起訴させる権限を持つ。素人の集まりが、検察官を起訴に追い込める時代になっている
- あなたから見れば267条の2は「役所同士の事務連絡」にすぎない。だが法から見れば、これは同じ被害者を救う二つの装置が同時作動して手続が二重化・矛盾するのを防ぐ安全装置である。この一行がなければ、勝ち取った付審判決定と検察審査会の手続が衝突し、被害者がかえって不利益を被りかねない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる不起訴 | 付審判請求(262条):公務員の職権濫用系の犯罪に限定 | 検察審査会(検審法41条の6):犯罪の種類に限定なし 応訴・通常手続:適用なし |
| 申立先・期限 | 不起訴をした検察官へ7日以内(263条) | 検察審査会へ、公訴時効内なら期間は緩やか |
| 起訴の引き金 | 裁判所の付審判決定(266条2号)=公訴提起とみなす(267条) | 二度の起訴議決による強制起訴 |
| 公訴を維持する者 | 裁判所指定の指定弁護士(268条) | 裁判所指定の指定弁護士(検審法41条の9) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は交付審判制度を持ち、2023年改正で『准許提起自訴』へと再編。検察官の不起訴・再議棄却に対し裁判所へ持ち込む点で付審判と機能的に近い。
韓国の裁定申請は、当初は公務員犯罪に限定されていたが順次対象が拡大。裁判所が事件を公判に付す構造は付審判と類似する。
ドイツの起訴強制手続は、検察官の不起訴に対し被害者が高等裁判所へ起訴を強制させる制度で、付審判(準起訴手続)の比較法的母型とされる。
米国の大陪審は市民が起訴の当否を判断する制度で、戦後日本の検察審査会導入の参照モデルとなった。ただし強制起訴に至る構造は日本独自に発展した。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 留置場で警察官に暴行を受け、診断書も取って告訴した。だが返ってきたのは不起訴。付審判請求の期限は不起訴通知が届いてから7日。土日を挟めば実質数日しかない。この回路を逃すと、残るは検察審査会だけになる
- もし身内が取調べ中に特別公務員から暴行を受け、その公務員が不起訴になったら、あなたに何ができる? 付審判請求で裁判所に直接持ち込む道と、検察審査会に審査を申し立てる道、入口は二つある。どちらを引くかで戦い方が変わる
- あなたが公務員で、職務中の行為を巡り付審判請求をされた。裁判所が266条2号の決定を下せば、起訴されたのと同じ立場になる。指定弁護士が、あなたを追及する側に立つ
- 大規模事故で家族を失い、検察は「誰も起訴しない」と言った。あなたは検察審査会に審査を申し立て、強制起訴を目指す。同じ事件で付審判決定が出れば、裁判所からその通知が審査会に届き、回路の交通整理が始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不起訴通知が届いたら、まず日付を確認。付審判の対象犯罪(公務員の職権濫用、特別公務員暴行陵虐など、刑訴法262条)に当たるかを見極める2. 当たるなら不起訴処分をした検察官へ7日以内に請求書を提出(263条)、ここは絶対に遅れられない3. 対象外、または7日を過ぎたら検察審査会へ審査を申し立てる、こちらは期間が緩い4. 診断書・目撃者・記録などの証拠は早期に確保する。二つの回路はどちらも証拠が命
訴えられた側:1. 付審判請求をされても、それ自体は起訴ではない。裁判所が266条2号の決定を出して初めて被告人の立場になる2. 棄却(266条1号)を求め、不起訴が相当だった理由を裁判所に主張する書面を準備する3. 付審判決定が出れば指定弁護士(268条)が公訴を維持する。通常の刑事手続と同じく、早期に弁護人を選任して防御を固める4. 同じ事件が検察審査会でも動いていないか確認し、二回路の進行状況を把握しておく
時効(請求できる期限):付審判請求は不起訴処分の通知を受けた日から7日以内(刑訴法263条)、これを過ぎると回路が閉じる。検察審査会への審査申立てに法定の期間制限はないが、対象犯罪の公訴時効内であることが前提となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:起訴便宜主義(刑訴法248条)の下で検察官に集中する訴追裁量を外部から統制するため、裁判所型の付審判と市民型の検察審査会という二系統が併存する。267条の2は両系統の同一事件競合を回避する技術的調整規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)公布、平成21年(2009年)施行 検察審査会の起訴議決(強制起訴)制度を導入した司法制度改革に伴い新設。付審判決定と検察審査会の起訴議決という二つの訴追統制回路が同一事件で衝突しないよう、裁判所に通知義務を課した
改正の年表
- 1.平成16年(2004年)公布・平成21年(2009年)施行 新設:検察審査会の起訴議決(強制起訴)制度を導入した司法制度改革に伴い新設。付審判決定と起訴議決という二つの訴追統制回路が同一事件で衝突しないよう、裁判所に通知義務を課した。
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