刑事訴訟法 第266条
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- 裁判所は、第二百六十二条第一項の請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。
- 一請求が法令上の方式に違反し、若しくは請求権の消滅後にされたものであるとき、又は請求が理由のないときは、請求を棄却する。
- 二請求が理由のあるときは、事件を管轄地方裁判所の審判に付する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第266条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第266条の条文原文は「裁判所は、第二百六十二条第一項の請求を受けたときは、左の区別に従い、決定をしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第266条は第二章 公訴に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第266条の前の条は刑事訴訟法第265条です。
- 刑事訴訟法第266条の次の条は刑事訴訟法第267条です。
- 刑事訴訟法第266条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第266条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第266条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/266
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法266条は、付審判請求を受けた裁判所が、請求に理由がなければ棄却し、理由があれば事件を管轄地方裁判所の審判に付すと定める。検察の不起訴を覆す例外手続である。
Q · 検察が公務員の事件を不起訴にしたら、もう裁判にはできないの?
いいえ、付審判請求で裁判所が審判に付せます
刑事訴訟法266条により、付審判請求を受けた地方裁判所は、請求に理由があれば事件を審判に付し、検察官の不起訴処分を覆します。対象は公務員の職権濫用や特別公務員暴行陵虐罪など262条所定の犯罪に限られ、請求は不起訴処分の通知から7日以内に行う必要があります。付審判決定が出ると公訴の提起があったものとみなされ(267条)、検察官に代わり裁判所が指定した弁護士が訴追役を務めます(268条)。
解説
検察官が不起訴を決めたら、その判断は誰にも覆せない。多くの人はそう思い込んでいる。だが公務員が職権を濫用した犯罪、警察官や刑務官による暴行(特別公務員暴行陵虐罪)などに限っては、例外の扉がある。それが付審判請求(準起訴手続)だ。告訴・告発した者は不起訴処分に納得できないとき、地方裁判所に「この事件を裁判にかけろ」と直接請求できる(262条)。そして266条が、その請求を受けた裁判所が下す結論を定める。請求が筋違いなら棄却、理由があれば事件を裁判所の審判に付す。付審判決定が出れば、検察官の意思とは無関係に公訴が提起されたものとみなされ(267条)、検察官の代わりに裁判所が指定した弁護士が訴追役を務める(268条)。検察が身内をかばって不起訴にした、その疑いを市民が裁判所の手で検証させる。それがこの一条の正体だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法266条は、付審判請求に対する裁判所の決定を定める規定である。裁判所は、請求が法令上の方式に違反するか請求権消滅後にされたとき、又は理由がないときはこれを棄却し、理由があるときは事件を管轄地方裁判所の審判に付さなければならない。起訴独占主義の例外として、検察官の不起訴処分に司法的統制を及ぼす準起訴手続の核心をなす。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の被害が対象犯罪に該当するか確認 まず被害が刑法193条から196条の公務員職権濫用・特別公務員暴行陵虐罪など262条1項の列挙犯罪に該当するかを確認する。該当しなければ付審判は使えず、検察審査会など別ルートを検討する
- 2.不起訴処分の通知の日付を即確認し7日を逆算 検察官から不起訴処分の通知が届いたら、封筒の到達日をまず確認する。その日から7日以内が請求期限(262条2項)。直ちに弁護士へ連絡し、残り時間を逆算して準備を進める
- 3.付審判請求書を作成し検察官に差し出す 7日の窓内で、診断書・現場記録・告訴状などの疎明資料をまとめ、不起訴にした検察官に宛てて付審判請求書を提出する(262条1項)。請求の理由を具体的に記載する
- 4.地方裁判所の合議体による審理に対応 請求は管轄地方裁判所の合議体が審理し(265条)、266条により棄却または審判付しを決定する。付審判決定が出れば指定弁護士(268条)が公訴維持にあたり、通常の刑事裁判へ移行する
よくある質問 AI による整理
Q1付審判請求とは何ですか?
公務員の職権濫用や特別公務員暴行陵虐罪などについて、検察官の不起訴処分に納得できない告訴・告発人が、地方裁判所に直接「裁判にかけてほしい」と求める準起訴手続です(刑訴262条・266条)。
Q2付審判の対象になる犯罪は何ですか?
刑法193条から196条の公務員職権濫用・特別公務員暴行陵虐罪などと、破壊活動防止法・団体規制法の一部に限られます(刑訴262条1項)。痴漢や詐欺など一般の刑事事件は対象外です。
Q3付審判請求の期限はいつまでですか?
検察官の不起訴処分の通知を受けた日から7日以内です(刑訴262条2項)。極めて短く起算点は通知の到達時なので、通知が来てから弁護士を探しては間に合いません。
Q4付審判が決定されるとどうなりますか?
事件は管轄地方裁判所の審判に付され(266条2号)、公訴の提起があったものとみなされます(267条)。検察官ではなく裁判所が指定した弁護士が訴追役を務めます(268条)。
Q5付審判と検察審査会の違いは何ですか?
付審判は公務員犯罪限定で裁判官が直接判断します。検察審査会は全犯罪が対象で市民11人が議決し、二度の起訴議決で強制起訴になります。相手が公務員かで使い分けます。
Q6付審判請求は誰ができますか?
対象犯罪について告訴または告発をした者です(刑訴262条1項)。単なる被害者でも、まず告訴・告発を行い不起訴処分を受けたうえで請求権者となります。
Q7付審判の指定弁護士とは何ですか?
付審判決定後、検察官に代わって公訴の維持にあたる弁護士です(刑訴268条)。裁判所が指定し、検察官役として法廷で立証や論告を担います。
Q8付審判請求が棄却されたら不服申立てはできますか?
付審判請求を棄却する決定に対しては、原則として通常の抗告による不服申立てはできないと解されています。再度の請求も期限や要件の制約から事実上困難です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検察が不起訴にした事件、付審判請求すればだいたい裁判にしてもらえるんですか?
いいえ、実際に付審判決定が出る件数は年間でもごくわずかです。266条で裁判所は請求が「理由のあるとき」のみ事件を審判に付し、多くは棄却されます。実務のポイント:それでも請求する実益はある。請求があると裁判所が記録を精査するため、検察が不起訴理由を雑には作れなくなる。決定そのものより、検察の捜査と不起訴判断に緊張感を与える効果が大きい
Q2痴漢とか詐欺で不起訴にされたんですが、これも付審判請求できますよね?
できません。付審判の対象は262条1項が列挙する犯罪、つまり公務員の職権濫用・特別公務員暴行陵虐(刑法193条から196条)や破壊活動防止法・団体規制法の一部に限られ、一般の刑事事件は対象外です。実務のポイント:対象外の不起訴に不服なら、別ルートの「検察審査会」への申立てを使う。こちらは全犯罪が対象で、市民11人の審査会が起訴相当・不起訴不当を議決でき、二度の起訴議決で強制起訴になる。相手が公務員でなければ、まずこちらを検討する
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察が不起訴にしたら、もう打つ手はない」と思われているが、公務員の職権濫用・暴行陵虐などの特定犯罪に限っては、付審判請求で裁判所に直接判断を求められる。これらの犯罪では、検察の不起訴は最終決定ではない
- 「付審判請求すれば、どんな不起訴でもやり直してもらえる」という前提自体が誤り。対象は刑法193条から196条の公務員職権濫用系犯罪など、262条が列挙する犯罪に限定される。痴漢や詐欺の不起訴には使えない。あなたが立てるべき問いは「やり直せるか」ではなく「この犯罪が対象に入るか」だ
- 付審判請求が認められればすぐ有罪になる、と誤解されがちだが、付審判決定はあくまで「裁判にかける」入口にすぎない。そこから先は通常の刑事裁判で、指定弁護士(268条)が検察官役を担い、無罪に終わることも珍しくない。実際、付審判決定が出る件数自体が極めて少なく、決定後の有罪率も高くない。この制度の現実の威力を、過大評価も過小評価もしないことが肝心だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 266条:請求を受けた裁判所の決定(棄却か審判付し) | 262条:付審判請求の対象犯罪・請求権者・7日の期限 264条:検察官が自ら理由ありと認め公訴を提起する場合 |
| 判断主体 | 管轄地方裁判所(合議体・265条) | 告訴・告発をした請求権者 不起訴にした検察官自身 |
| 結論・効果 | 棄却(266条1号)または事件を審判に付する(266条2号) | 請求要件を満たせば裁判所の審理が始まる 検察官による公訴提起で通常の刑事裁判へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も不起訴・再議棄却後に裁判所へ交付審判を請求できる。2023年改正で「准許提起自訴」へ再編され、対象が公務員犯罪に限られない点が日本より広い
韓国の재정신청は検察の不起訴に対し高等法院へ申し立てる制度。当初は公務員犯罪中心だったが、その後対象が大幅に拡大された点で日本より広い
ドイツの起訴強制手続が日本の付審判の母法。検察の不起訴に対し被害者が高等裁判所へ起訴を求める。対象は親告罪等を除き広く、本制度の系譜上の起点にあたる
米国は連邦最高裁が私人に他人の訴追を強制する司法上の利益を否定し、検察の訴追裁量はほぼ司法審査に服さない。付審判のような統制回路は存在しない対照例
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 検察があなたの告訴を不起訴にして、その理由がどうにも腑に落ちなかったら、次に何ができるか知っているか。相手が警察官や公務員で職権濫用が絡むなら、付審判請求で裁判所に直接判断を仰げる。泣き寝入りが唯一の選択肢ではない
- 抗議活動の現場で警察官に押し倒され全治2週間、告訴したが検察は不起訴。残された時間はわずか。不起訴通知を受けた日から7日以内に付審判請求を出さなければ(262条2項)、この道は永久に閉じる。今夜から弁護士に連絡し、診断書と現場動画をまとめるしかない
- 入管施設で職員に暴行され、診断書も証言もある。検察は不起訴で幕を引こうとする。だがあなたの手には、もう一枚のカードが残っている
- あなたが職権を行使する立場の職員だとして、職権濫用の告発に検察が不起訴を出しても、それで安泰とは限らない。告発人が付審判請求をすれば、裁判所が266条で事件を審判に付し、検察官ではなく指定弁護士が法廷であなたを訴追する可能性が残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分の被害が対象犯罪(刑法193条から196条の公務員職権濫用・特別公務員暴行陵虐等)に該当するか確認、該当しなければこの制度は使えない2. 不起訴処分の通知が来たら日付を即確認、通知日から7日が請求期限(262条2項) 3. その7日で告訴状・診断書・現場記録をまとめ、不起訴にした検察官に宛てて付審判請求書を差し出す4. 請求は管轄地方裁判所が合議体で審理し(265条)、理由ありと判断されれば付審判決定、指定弁護士が公訴維持にあたる
訴えられた側:1. 付審判請求がなされても、それ自体は起訴ではない、裁判所が266条で棄却するか審判に付すかをまず判断する2. 請求が法令上の方式違反・請求権消滅後・理由なしなら棄却される(266条1号)、形式要件の不備は冷静に指摘する3. 付審判決定が出れば公訴提起とみなされ(267条)通常の刑事裁判に移行、ここからは無罪を争う通常の防御に切り替える4. 訴追役は検察官ではなく指定弁護士(268条)である点を踏まえ、攻め筋を弁護人と詰める
時効(請求できる期限):付審判請求は、検察官の不起訴処分の通知を受けた日から7日以内(刑事訴訟法262条2項)。この7日は極めて短く、起算点は通知の到達時。なお対象犯罪自体の公訴時効とは別管理であり、時効完成前であることも前提になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:付審判手続は起訴独占主義(刑訴247条)の例外として、検察官と同じ公務員による犯罪では身内意識から不当な不起訴がなされる構造的危険に対し、裁判所が直接訴追を起動できる司法的統制を及ぼす制度と理解される。対象犯罪は262条の列挙に限定される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 改正:現行刑事訴訟法の制定により、検察官の不起訴処分に対する司法的統制として準起訴手続(付審判手続)が整備され、266条が裁判所の決定を定めた
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