刑事訴訟法 第277条
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裁判所がその権限を濫用して公判期日を変更したときは、訴訟関係人は、最高裁判所の規則又は訓令の定めるところにより、司法行政監督上の措置を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第277条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第277条の条文原文は「裁判所がその権限を濫用して公判期日を変更したときは、訴訟関係人は、最高裁判所の規則又は訓令の定めるところにより、司法行政監督上の措置を求めることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第277条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第277条の前の条は刑事訴訟法第276条です。
- 刑事訴訟法第277条の次の条は刑事訴訟法第278条です。
- 刑事訴訟法第277条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第277条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第277条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/277
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法277条は、裁判所が権限を濫用して公判期日を変更したとき、訴訟関係人が最高裁の規則・訓令に従い司法行政監督上の措置を求められると定める。ただし期日変更自体は取り消せない。
Q · 裁判所が理由もなく公判期日を延ばしたら、被告人は何も言えないの?
取り消せないが、司法行政監督上の措置は求められる
刑事訴訟法277条により、裁判所が権限を濫用して公判期日を変更したとき、訴訟関係人は最高裁判所の規則・訓令に従い司法行政監督上の措置を求められます。ただしこれは期日変更を取り消す手続ではなく、裁判所組織への内部監督を促す別ルートです。監督権は裁判内容に及びません(裁判所法81条)。実体的に争うなら、判決後に控訴審で訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法379条)を主張するのが本筋です。
解説
刑事裁判の被告人になったあなたが最も無力を感じる瞬間の一つは、自分の裁判の日取りを自分では一切動かせないと気づいたときだ。裁判所が「都合により次回は二ヶ月後」と告げれば、あなたはただ従うしかないように見える。だが刑事訴訟法277条は、その黒箱に細い隙間を一つ開けている。裁判所が権限を濫用して公判期日を変更したとき、訴訟関係人(被告人・弁護人・検察官)は、最高裁判所の規則や訓令の定めに従って「司法行政監督上の措置」を求めることができる。ここで絶対に取り違えてはならないのは、これが期日変更そのものを取り消す手続ではないという一点だ。あくまで裁判所という組織の内部監督を発動させる別ルートであり、裁判の中身には踏み込めない(裁判所法81条)。武器ではあるが、刃の届く範囲があらかじめ決まっている。それを知っているかどうかで、あなたがどこで戦うべきかが変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法277条は、裁判所が公判期日の変更権限を濫用した場合に、訴訟関係人が司法行政監督上の措置を求めうることを定める規定である。期日変更そのものを取り消す不服申立てではなく、裁判所組織の内部監督を発動させる別系統の手続であり、その効力は組織監督にとどまり裁判の内容には及ばない(裁判所法81条)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.変更の経緯を時系列で記録する 期日が変更された日付・回数・裁判所が示した理由を時系列で整理し、権限濫用といえるパターンかを見極める。記録がなければ濫用の主張は成り立たない
- 2.失った防御機会を公判調書に異議として残す 変更により失った証拠調べや証人尋問の機会を、その場で書面の異議として公判調書に記録する。後の控訴審での主張の成否がここで決まる
- 3.司法行政監督上の措置を申し立てる 最高裁判所の規則・訓令に従い、監督権者(高等裁判所長官・最高裁判所等)宛てに措置を求める。ただし期日決定自体は覆らない前提で動く
- 4.判決後は控訴審で訴訟手続の法令違反を主張する 変更が判決の結論に影響したといえる場合、控訴審で訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法379条)を主張する。これが実体的救済の本筋。控訴は判決宣告の日の翌日から14日以内
よくある質問 AI による整理
Q1司法行政監督上の措置とは何ですか?
裁判所組織の事務運営の適正を確保するための内部監督を、監督権者を通じて発動させる措置です。刑事訴訟法277条が刑事手続上の入口で、裁判の内容そのものには及びません。
Q2公判期日の変更は誰が決めるのですか?
裁判所の訴訟指揮に属し、職権または請求により決定します(刑事訴訟法273条・276条)。当事者が直接動かすことはできず、変更の当否は裁判所が判断します。
Q3公判期日が何度も延期されるのは違法ですか?
正当な理由のある変更は適法ですが、権限濫用に当たる場合は277条の監督措置の対象になります。違法性は変更の理由・回数・経緯から個別に判断されます。
Q4不当な期日変更を取り消す方法はありますか?
277条には取消権はありません。実体的に争うなら、判決後に控訴審で訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法379条)を主張するのが本筋の救済ルートです。
Q5刑事裁判の遅延は控訴理由になりますか?
期日変更が防御権を侵害し判決結論に影響したといえる場合、訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法379条)として控訴で主張できます。変更時の異議の記録が鍵になります。
Q6司法行政監督上の措置はどこに申し立てますか?
最高裁判所の規則・訓令に従い、監督権者(高等裁判所長官・最高裁判所等)宛てに求めます。法定の出訴期間はなく、職権発動を促す性質の手続です。
Q7監督権は裁判官の判断に影響しますか?
及びません。裁判所法81条が、司法行政の監督権は裁判官の裁判権を制限しないと定めており、監督請求が判決を不利にする設計にはなっていません。
Q8公判期日の変更に異議を述べる方法は?
変更が告げられたその場で、失った証拠調べや防御の機会を書面の異議として公判調書に残します。後の控訴審で訴訟手続の法令違反を主張する土台になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判所が勝手に裁判の日を延ばすの、文句も言えないんですか?
言えます。刑事訴訟法277条で、裁判所が権限を濫用して公判期日を変更したとき、訴訟関係人は最高裁判所の規則・訓令に従い司法行政監督上の措置を求められます。ただしこれは期日変更を取り消す手続ではなく、裁判所組織への内部監督を促すものです。実務のポイント:実務で監督請求が通って期日決定が覆ることはまずありません。本当に不利益を被ったなら、その変更を控訴審で「訴訟手続の法令違反」(刑事訴訟法379条)として争う方が実効的で、弁護人はこの二段構えを最初から想定して動きます
Q2監督を求めたら、その裁判官の心証が悪くなって不利になりませんか?
制度の建前では、司法行政の監督は裁判の内容に影響を及ぼせません(裁判所法81条、監督権は裁判官の裁判権を制限しない)。ですから監督請求自体が判決を不利にすることはない設計です。実務のポイント:とはいえ実務感覚として弁護人がこのカードを実際に切る例は稀で、多くは期日協議の段階で粘り、妥協点を探ります。277条は抜けば角が立つが存在を匂わせるだけで効く類の条文で、最大の使いどころは請求前の交渉局面にあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「監督措置を求めれば不当な期日変更を取り消せる」と考えるのは、問いの立て方そのものが誤っている。277条は期日変更を覆す不服申立てではなく、裁判所組織への監督発動を促す制度だ。取消しを期待してこのルートに乗った時点で、力の向け先を間違えている
- あなたから見れば理由なき延期は「裁判所の怠慢・不公正」だが、法律から見れば、それは個別の裁判の当否とは切り離された「司法行政」の問題だ。この落差を見ずに両者を混ぜて主張すると、本来訴えるべき場所でない窓口で力を使い果たし、何一つ動かせずに終わる
- 「監督上の措置を求められる」ことは知っていても、その措置が期日決定にも裁判官の判断にも及ばないこと(裁判所法81条、監督権は裁判権を制限しない)まで知る人は少ない。実効性の限界を知らないまま頼り切ると、本筋である控訴審での争い方を準備し損ねる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 277条:期日変更濫用への司法行政監督の発動 | 276条:公判期日の変更権限そのもの 379条:訴訟手続の法令違反による控訴 |
| 効果 | 裁判所組織への内部監督を発動(期日決定は覆らない) | 裁判所が職権または請求で期日を変更する 原判決を破棄・差戻ししうる実体的救済 |
| タイミング | 変更が権限濫用と判断できる時点 | 公判係属中いつでも 判決宣告の日の翌日から14日以内 |
| 裁判内容への影響 | 及ばない(裁判所法81条) | 期日の日時のみに作用 及ぶ(破棄・差戻しが可能) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も裁判所の司法行政監督を組織法で定め、監督権は審判の独立を害しない範囲にとどまる点で日本と類似する。
韓国も法院組織法で司法行政上の監督を規定し、監督が裁判官の裁判権に及ばない構造は日本と同趣旨である。
ドイツは裁判官に対する職務監督(Dienstaufsicht)を認めつつ、裁判の独立(richterliche Unabhängigkeit)を侵さない範囲に限定しており、277条と監督権の限界の発想が共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの刑事裁判の公判期日が明確な理由もなく三度立て続けに先送りされたら? 勾留が続けば身柄の負担は積み上がり、在宅でも社会復帰は遠のく。277条は、その変更が裁判所の権限濫用に当たるとき、訴訟関係人が司法行政監督上の措置を求める道を開く。ただし期日そのものを巻き戻す力はない、そこを取り違えると徒労に終わる
- 弁護人として、重要証人の出廷がようやく整った直後、裁判所が期日を一ヶ月先へ動かした。その証人は次回までに海外赴任が決まっている。これは単なる不便ではなく、防御権の侵害になりうる場面だ。監督措置の検討と並行して、変更に対する異議を必ず公判調書に残す。後の控訴審での主張の成否が、ここで決まる
- あなたは保釈中の被告人。検察側の準備不足を口実に、また期日が先送りされた。終わりの見えない宙吊りに、もう神経が持たない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 変更された期日・回数・裁判所が示した理由を時系列で記録化し、濫用といえるパターンか見極める2. 司法行政監督上の措置を求めるなら、最高裁判所の規則・訓令に従い監督権者(高等裁判所長官・最高裁判所等)宛てに申し立てる、ただし期日決定は覆らない前提で動く3. 並行して、その変更で失った証拠調べや防御の機会を、書面の異議として公判調書に残す4. 判決後、変更が結論に影響したと言えるなら控訴審で訴訟手続の法令違反(刑事訴訟法379条)を主張する、これが実体的救済の本筋
訴えられた側:1. あなたが期日変更を申請する側なら、変更の必要性(証人の都合・防御準備・正当事由)を書面で具体的に疎明し、濫用と見られる余地を消す2. 相手から監督措置をちらつかされても、変更が訴訟指揮の正当な範囲内なら動じる必要はない3. ただし安易な引き延ばしは、後に相手の控訴理由(刑事訴訟法379条)を育てる、理由の記録を必ず残す4. 期日協議の場で代替日を複数提示し、合意形成への努力を可視化しておく
時効(請求できる期限):司法行政監督上の措置の請求に法定の出訴期間はない。これは訴訟や行政不服申立てではなく、監督権者の職権発動を促す性質のためである。ただし期日変更による不利益を実体的に争う場合は各手続の期間に従う、例えば控訴は判決宣告の日の翌日から14日以内(刑事訴訟法373条)
学説
通説:277条の司法行政監督上の措置は、期日変更の当否を覆す不服申立てではなく、裁判所組織の内部監督を発動させる制度と理解される。監督権は裁判内容に及ばず(裁判所法81条)、実体的救済は控訴(刑事訴訟法379条)に委ねられるとするのが一般的な理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 制定:現行刑事訴訟法の制定に伴い、公判期日変更権限の濫用に対する司法行政監督上の措置を求める道として規定された。
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