刑事訴訟法 第278条
クイックジャンプ
公判期日に召喚を受けた者が病気その他の事由によつて出頭することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、医師の診断書その他の資料を提出しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第278条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第278条の条文原文は「公判期日に召喚を受けた者が病気その他の事由によつて出頭することができないときは、裁判所の規則の定めるところにより、医師の診断書その他の資料を提出しなければならな…」で始まります。
- 刑事訴訟法第278条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第278条の前の条は刑事訴訟法第277条です。
- 刑事訴訟法第278条の次の条は刑事訴訟法第278条の2です。
- 刑事訴訟法第278条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第278条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第278条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/278
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法278条は、病気その他の事由で公判期日に出頭できない者に対し、医師の診断書その他の資料の提出を義務づける。電話連絡だけでは正当な理由と認められないことがある。
Q · 病気で公判に行けないとき、電話で「休みます」と伝えれば足りますか?
電話だけでは不十分。診断書その他の資料の提出が必要です。
刑事訴訟法278条により、病気その他の事由で公判期日に出頭できないときは、裁判所規則の定めに従い医師の診断書その他の資料を提出しなければなりません。口頭の連絡だけでは正当な理由と認められないことがあります。診断書には病名・症状・出頭できない見込み期間を明記してもらうのが実務上のコツです。提出を怠れば不出頭が正当な理由なしと扱われ、被告人なら勾引(刑訴58条以下)の対象となり、欠席のまま手続が進む危険もあります。
解説
裁判所から公判期日の呼出状が届いた。だが当日、高熱で起き上がれない。「体調不良なので欠席します」と電話一本で済むと思っていないか。刑事訴訟法278条は、病気その他の事由で出頭できないとき、医師の診断書その他の資料を提出しなければならないと定める。これは権利ではなく義務だ。診断書を出さずにただ休めば、裁判所は「正当な理由のない不出頭」と扱える。被告人なら勾引(強制的に身柄を裁判所へ引致される手続)の対象になりうるし、軽微事件以外では、あなた抜きで手続が進むこともある。さらに診断書なら何でもよいわけではない。病名、症状、出頭できない見込み期間まで具体的に書かれていなければ、裁判所はそれを欠席の正当化材料と認めない。一行の電話連絡と、要件を満たした診断書の間に、勾引されるかどうかの分かれ道がある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法278条は、公判期日に召喚された者が病気その他の事由により出頭できない場合の資料提出義務を定める手続規定であり、裁判所規則の定めに従い医師の診断書その他の資料を提出すべき旨を規律する。出頭できない事実を客観的資料で裏付けることを求め、主観的申告のみによる欠席を排除する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭が難しいと分かった時点で主治医に診断書を依頼 欠席が確定してからではなく、出頭が危ういと感じた段階で動く。主治医に病名・症状・出頭できない見込み期間を明記した診断書を依頼する。病名だけの簡素な診断書では足りない
- 2.診断書その他の資料を期日前に裁判所へ提出 診断書に加え、入院証明や検査結果など出頭困難を裏付ける資料をそろえ、期日前のできる限り早い時点で裁判所へ提出する。可能なら期日変更や続行期日の指定を併せて申し入れる
- 3.被告人は弁護人を通じて提出するのが確実 被告人の場合は弁護人を通じて提出するのが最も確実。弁護人がいなければ担当書記官に提出方法(持参・郵送・FAX 等)を確認してから送る
- 4.提出の記録を必ず残す 受領印のある控え、郵送なら配達記録、FAX なら送信票を必ず保存する。後日「正当な理由のある欠席」を主張する際の客観的証拠になる
よくある質問 AI による整理
Q1公判期日の召喚状とは何ですか?
裁判所が被告人や証人に対し、指定した日時に法廷へ出頭するよう命じる正式な書面です。受け取った以上、出頭は義務であり、無視すれば不利益が生じます。
Q2診断書には何を書いてもらえばいいですか?
病名・症状に加え、出頭できない見込み期間まで具体的に記載してもらう必要があります。病名だけで安静期間の記載がない診断書は不十分と判断されることがあります。
Q3勾引とはどういう手続ですか?
正当な理由なく出頭しない者を、強制的に身柄を裁判所へ引致する手続です。被告人なら勾引状(刑訴58条以下)が発付され、引き延ばし戦術はかえって身柄拘束を招きます。
Q4証人が病気で出頭できないときはどうなりますか?
証人も診断書その他の資料の提出が求められます。提出せず欠席すれば勾引(刑訴152条)の対象となり、過料や出頭費用の負担を命じられることがあります。
Q5診断書はいつまでに提出すればいいですか?
明確な日数制限はありませんが、出頭が危ういと分かった時点で早めに提出するのが鉄則です。期日当日に間に合わなければ無断欠席扱いとなる危険があります。
Q6軽微事件なら出頭しなくてもいいですか?
刑訴285条が定める一定の軽微事件では出頭義務が免除される場合があります。ただし対象は限定的で、自己判断で欠席するのは危険です。
Q7期日変更はどうやって申し入れますか?
診断書その他の資料を添えて、弁護人または書記官を通じて期日変更や続行期日の指定を申し入れます。余裕をもって動くほど応じてもらいやすくなります。
Q8うつ病など精神疾患で出廷できない場合はどうすればいいですか?
主治医に出頭困難な期間を明記した診断書を依頼し、通院記録で継続性を示します。出頭困難が長引くなら弁護人を通じ公判停止の可否を裁判所と協議します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ただ「熱があるので休みます」と電話したらダメなんですか?
それだけでは足りません。刑事訴訟法278条は医師の診断書その他の資料の提出を求めており、口頭の申告だけでは正当な理由と認められないことがあります。連絡は当然したうえで、診断書を提出するのが正攻法です。実務のポイント:裁判所は診断書の記載内容(刑事訴訟規則183条)を見ています。病名だけで安静期間や出頭可否の記載がない診断書は突き返されることがある。医師に『出頭が困難な期間を明記してほしい』と具体的に頼むのがコツ。
Q2仮病だとバレたらどうなりますか?
診断書の内容と実際の行動が矛盾すれば、裁判所は不出頭を正当な理由なしと判断し、被告人なら勾引状(刑事訴訟法58条以下)で強制的に引致されます。証人なら勾引に加え過料や費用賠償の対象です(刑事訴訟法150条、152条)。実務のポイント:診断書を出しても、その期間中に SNS で外出の様子を投稿していたりすると、それが仮病の証拠になることがある。出頭できないと主張する期間の行動は、想像以上に見られている。
間違えやすい点 AI による整理
- 「体調不良なら連絡すれば休める」と思いがちだが、278条は連絡では足りないと言っている。求められるのは医師の診断書その他の資料の提出であり、口頭の申告や家族による代理連絡だけでは正当な理由と認められないことがある。
- 診断書を出せばいいことは知っていても、その診断書の中身が審査されることを知らない人は多い。病名だけで安静期間や出頭可否の記載がなければ、裁判所は不十分と判断する。診断書を出したという事実だけでは安心できない。
- 「出頭は被告人の権利だから、行かない自由もあるはず」という問いの立て方そのものがずれている。法廷から見れば、被告人の出頭は防御の機会であると同時に手続進行のための義務でもある。権利と義務が同居するこの構造を見落とすと、欠席が不利益に直結する。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 刑訴278条:病気等で出頭できないときの資料提出義務 | 刑訴286条:被告人不出頭では開廷できない原則 刑訴285条:軽微事件における出頭義務の免除 |
| 求められる行為 | 医師の診断書その他の資料を提出する | 原則として被告人が出頭する 一定の軽微事件では出頭しなくてよい |
| 怠った場合の効果 | 不出頭が正当な理由なしと扱われ勾引の対象となりうる | 公判を開けず手続が停滞する 出頭義務がそもそも免除される |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では不出頭時の拘提(75条)と疾病による審判停止(294条)が機能的に対応する。診断書の提出を独立条文で義務づける明文は日本に特徴的。
ドイツは被告人の不出頭(Ausbleiben)に対し開廷を原則認めず、Vorführung(引致)や逮捕状で対応する。病気の証明は実務運用に委ねられる面が大きい。
米国は被告人の出頭義務を Rule 43で定め、不出頭には bench warrant が発付される。医師の診断書提出は手続規則ではなく裁判所の裁量運用による。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公判前日にインフルエンザで39度。開廷まであと十数時間。今夜中に医師の診断書を取り、病名と安静期間を明記してもらって裁判所に届けなければ、明日のあなたは「無断欠席」扱いになる。
- もし証人として呼ばれたのに持病の発作で動けなくなったら、どうなる? 診断書を出さずに欠席すれば、証人は勾引(刑事訴訟法152条)の対象になり、過料や出頭費用の負担まで命じられることがある。
- あなたが被告人で、出頭したくないあまり「体調不良」を口実に欠席を繰り返したとする。裁判所は診断書の記載を精査し、仮病と見れば不出頭を正当な理由なしと判断、勾引状を出す。引き延ばし戦術は、かえって身柄拘束を招く。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出頭が難しいと分かった時点で即、主治医に相談し、病名、症状、出頭できない見込み期間を明記した診断書を依頼する2. 診断書その他の資料(入院証明、検査結果など)を期日前に裁判所へ提出し、可能なら期日変更や続行期日の指定を申し入れる3. 被告人なら弁護人を通じて提出するのが確実、弁護人がいなければ担当書記官に提出方法を確認4. 提出した記録(受領印、送付控え)を必ず残す。
訴えられた側:1. 仮病を疑われている、または欠席を重ねて勾引を警告されている場合、次回は確実に出頭するか、客観的に争えない診断書を用意する2. 本当に病気なら、安静期間と通院記録で継続性を示し、一回限りの軽い診断書で済ませない3. 出頭できない状態が長引くなら、弁護人を通じて公判手続の進め方や公判停止の可否を裁判所と協議4. 引き延ばし目的と見られると心証を大きく損なう、誠実な対応が結局は有利に働く。
時効(請求できる期限):公判期日に出頭できないと判明したら、期日前のできる限り早い時点で診断書その他の資料を提出する。提出が遅れ期日当日に間に合わなければ、不出頭が正当な理由なしと扱われ、勾引や欠席のまま手続が進む危険がある。明確な日数制限はないが、実務上は判明後直ちに動くのが鉄則(最新の運用状況をご確認ください)。
学説
通説:278条の趣旨は、真に出頭困難な者を保護しつつ、出頭を口実とする訴訟遅延を排除する点にある。主観的な申告ではなく医師の診断書その他の資料という客観的裏付けを要求することで、被告人の防御の機会と訴訟の迅速な進行の均衡を図ると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い設けられた規定。公判期日に召喚された者が病気等で出頭できない場合の資料提出義務を明文化した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める