刑事訴訟法 第278条の2
クイックジャンプ
保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受け正当な理由がなく公判期日に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第278条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第278条の2の条文原文は「保釈又は勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受け正当な理由がなく公判期日に出頭しないときは、二年以下の拘禁刑に処する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第278条の2は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第278条の2の前の条は刑事訴訟法第278条です。
- 刑事訴訟法第278条の2の次の条は刑事訴訟法第278条の3です。
- 刑事訴訟法第278条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第278条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第278条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/278_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法278条の2は、保釈中の被告人が正当な理由なく公判期日に出頭しない場合、二年以下の拘禁刑を科す規定。2023年改正で新設され、保証金没取とは別に処罰される。
Q · 保釈中に裁判を無断で欠席したら、どうなるの?
2023年から保証金没取に加え、二年以下の拘禁刑が科される
刑事訴訟法278条の2により、保釈または勾留の執行停止中の被告人が、召喚を受けながら正当な理由なく公判期日に出頭しないと、二年以下の拘禁刑に処されます。2023年改正で新設された規定で、従来は保証金の没取だけだった不出頭が、独立した犯罪へと格上げされました。病気や事故など正当な理由があり、診断書などの資料を提出すれば処罰されませんが、黙って欠席すれば前科がつくリスクがあります。
解説
保釈が認められた。保証金を積み、ようやく拘置所から外に出られた。その安堵の裏に、2023年の改正で新しく仕掛けられた地雷があることを、ほとんどの被告人は知らない。刑事訴訟法278条の2は、保釈または勾留の執行停止を受けた被告人が、召喚を受けながら正当な理由なく公判期日に出頭しないとき、それ自体を独立した犯罪として二年以下の拘禁刑で処罰する。従来、出頭しなければ保釈が取り消され、保証金が没取されるだけだった。お金で済んだ。だが今は違う。出頭しないこと自体が、新たな前科を生む犯罪になった。カルロス・ゴーン氏が保釈中に国外へ逃亡した事件で日本の保釈制度の穴が世界に晒された後、国はその穴を罰則で塞いだ。あなたが保釈中なら、公判期日の呼び出しを軽く扱うことは、元の事件とは別に、もう一つの刑罰リスクを背負うことを意味する。
法的な位置づけ
刑事訴訟法278条の2は、保釈または勾留の執行停止をされた被告人が、召喚を受けながら正当な理由なく公判期日に出頭しない行為を、二年以下の拘禁刑で処罰する規定である。2023年改正により新設され、保証金没取という財産的制裁とは別個の刑事罰として、被告人の出頭確保を担保する機能をもつ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
よくある質問 AI による整理
Q1不出頭罪とは?
保釈・勾留執行停止中の被告人が正当な理由なく公判期日に出頭しない行為を処罰する罪。刑事訴訟法278条の2が定め、二年以下の拘禁刑。2023年改正で新設されました。
Q2保釈中に裁判を欠席するとどうなる?
正当な理由がなければ保釈取消・保証金没取(96条)に加え、278条の2により二年以下の拘禁刑が科されます。財産と前科の二重の不利益を負います。
Q3不出頭罪 いつから?
2023年(令和5年)の刑事訴訟法改正で新設されました。カルロス・ゴーン氏の海外逃亡事件を契機に、保釈制度の穴を塞ぐ目的で導入されています。
Q4保釈 出頭しない 罰則
従来は保証金没取のみでしたが、2023年以降は二年以下の拘禁刑という刑事罰が独立して科されます。お金の問題から前科の問題に変わりました。
Q5不出頭罪 時効
法定刑が長期二年の拘禁刑にあたるため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項。最新の改正状況をご確認ください)。
Q6公判期日 行けない 連絡
出頭できない事情が生じたら、期日前に弁護人を通じて裁判所へ届け出るのが鉄則です。事前連絡があれば正当な理由が認められやすくなります。
Q7カルロス・ゴーン 保釈 法改正
ゴーン氏が2019年末に保釈中の日本から国外へ逃亡した事件が、278条の2新設の直接の契機です。逃亡・出頭確保対策として刑事罰が導入されました。
Q8勾留の執行停止 出頭義務
勾留の執行停止を受けた被告人も278条の2の対象です。一時的に身柄拘束を解かれても、召喚に応じて出頭する義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1急に高熱が出て裁判に行けなくなったら、それでも犯罪になるんですか?
なりません。高熱や急病は「正当な理由」にあたり、刑事訴訟法278条に従って医師の診断書その他の資料を提出すれば、不出頭罪は成立しません。問題になるのは、連絡もせず黙って欠席した場合です。実務のポイント:弁護士が必ず口にするのは「行けないと分かった瞬間に、まず弁護人へ電話しろ」です。事前連絡の記録が一本あるだけで、後から正当な理由を立証する難易度が劇的に下がる。事情が本物でも、黙っていれば疑われる
Q2保釈中に裁判を一回さぼっただけで、本当に刑務所に入ることもあるんですか?
理論上はありえます。278条の2は二年以下の拘禁刑を定めており、悪質な無断欠席や逃亡の意図がうかがえる場合は実刑もありえます。ただ一回の過失的な欠席ですぐ実刑になるわけではなく、事情・反省・その後の対応が量刑を左右します。実務のポイント:この罪が本当に怖いのは刑そのものより、元の事件への波及です。不出頭の事実は『この被告人は逃げる』という心証を裁判官に植え付け、元の事件の保釈再申請も量刑も一気に不利に振れる。一回の欠席が二つの不利益を連鎖させる
Q3「正当な理由」って、具体的にどこまで認められるんですか?
明確な線引きは条文になく、個別の事案ごとに裁判所が判断します。病気・事故・災害・近親者の不幸などは認められやすく、仕事の都合・寝坊・気が進まないは原則として認められません(実務上、解釈が分かれる領域です)。実務のポイント:実務では『理由の中身』より『事前に申告したか』が重く見られる傾向があります。同じ仕事の都合でも、期日前に届け出て期日変更を求めた人と、当日黙って欠席した人とでは扱いが正反対になる。理由を探す前に、まず申告する
間違えやすい点 AI による整理
- 「出頭しなくても、最悪は保証金を没収されるだけ」と思っている人が多い。2023年改正でこの前提は崩れた。保証金没取という財産的な制裁に加えて、二年以下の拘禁刑という刑事罰が独立して科される。もはやお金の問題ではなく、前科の問題になった
- 保釈中に出頭義務があること自体は知っていても、その違反が「独立した犯罪」に格上げされたことの重みを掴んでいる人は少ない。不出頭による新たな有罪は、元の事件の量刑判断でも「逃げる被告人」という心証を生み、二重に首を絞めてくる
- 「正当な理由さえあれば欠席していい」と考えるのは、問いの立て方が初めから外れている。法律が本当に求めているのは欠席の許可ではなく、事前または速やかな申告だ。理由があっても黙って欠席すれば、その理由が後から認められる保証はどこにもない。動くべきは欠席する前である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 278条の2:不出頭自体を処罰する刑事罰(二年以下の拘禁刑) | 96条:保釈・執行停止の取消しと保証金没取(財産的制裁) 278条:出頭不能時の診断書提出ルール(処罰の前提) |
| 発動の前提 | 召喚 + 正当な理由のない不出頭 | 逃亡・罪証隠滅のおそれ等の取消事由 疾病その他で出頭できない事情 |
| 効果 | 二年以下の拘禁刑(前科) | 身柄再拘束 + 保証金没取(金銭の喪失) 出頭義務の免除・期日変更の余地 |
| 目的 | 出頭確保を刑罰で担保 | 出頭確保を財産的圧力で担保 正当な理由の認定基準を提供 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は保証金没取と拘引が中心で、保釈中の不出頭を独立した犯罪として処罰する規定はない
韓国は保釈条件違反による保釈取消・保証金没収が中心で、日本のような独立犯罪化はしていない
ドイツは不出頭に対し勾引・勾留(§230)と保証金没取(§124)で対応し、独立した不出頭罪は設けていない
米国は連邦法で Failure to Appear を独立した犯罪として処罰しており、日本2023年改正のモデルに最も近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保釈中のあなたに公判期日の召喚状が届いた。だが仕事の都合がつかず、軽い気持ちで欠席を考えている。あと数日。正当な理由のない欠席は、保証金没取だけでなく、二年以下の拘禁刑という新たな罪を呼び込む。「行きたくなかった」は正当な理由にならない
- もし、保釈中に体調を崩して本当に出頭できなくなったら、それも犯罪になるのか。ならない。278条が定める通り、医師の診断書その他の資料を提出すれば「正当な理由」が認められる余地がある。罪を生むのは病気ではなく、連絡もせず黙って欠席する沈黙のほうだ
- うっかり期日を忘れ、当日になって気付いた。すぐ裁判所に連絡し事情を説明すれば、正当な理由の有無が個別に判断される。黙って一日をやり過ごせば、最悪の道に進む
- 友人が保釈中で、「もう面倒だから次の裁判は行かない」と漏らしている。あなたが止められるかどうかで、その友人が新たな前科を背負うかが変わる。出頭しない選択は、元の罪がどれほど軽くても、別の犯罪歴を作り出す
取るべき行動
被害を受けた側:本当に出頭できない事情があったのに不出頭罪を問われそうなとき。1. 事情を裏付ける客観資料を確保(診断書、事故証明、交通機関の遅延証明など)2. 可能な限り期日前または当日中に裁判所・弁護人へ連絡した記録を残す3. 278条の診断書提出ルートに乗せ「正当な理由」を主張4. 連絡が遅れた場合も、なぜ即時連絡できなかったかを資料で補強する
訴えられた側:保釈中に召喚を受けたが出頭できない、または既に不出頭罪を問われているとき。1. まず弁護人に即連絡し、自己判断で欠席しない2. 正当な理由があるなら期日前に書面で届け出て期日変更を申請3. すでに欠席した場合は速やかに出頭し事情を説明、逃亡の意思がなかったことを行動で示す4. 保釈取消し・保証金没取(96条)と刑事罰(278条の2)は別個に進むため、両方への対応を並行する
時効(請求できる期限):犯罪の成否は、正当な理由なく公判期日に出頭しなかったその時点で確定する。公訴時効は、長期二年の拘禁刑にあたるため3年(刑事訴訟法250条2項。最新の改正状況をご確認ください)。最も重要な時間軸は、出頭できない事情が生じてから期日までの間に届け出るかどうかである
学説
立法趣旨(通説的理解):本条は被告人の逃亡・出頭確保対策として2023年に新設された。従来の保証金没取が資力ある被告人に対して抑止力を欠いた点を、刑罰という非経済的圧力で補い、保釈を広く認めつつ出頭を確実にする趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)新設 刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和5年法律第28号)により新設。被告人の逃亡・出頭確保対策の一環として、保釈・勾留執行停止中の被告人の正当な理由のない不出頭を独立した犯罪として処罰する規定を創設した。従来の保証金没取に加え刑事罰を導入した点が画期的。刑種の『拘禁刑』表記は令和7年(2025年)6月1日施行の懲役・禁錮統合を反映する
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:刑事訴訟法等の一部を改正する法律(令和5年法律第28号)により新設。被告人の逃亡・出頭確保対策の一環として、保釈・勾留執行停止中の被告人の正当な理由のない不出頭を独立した犯罪として処罰する規定を創設した。
- 2.令和7年(2025年) 改正:懲役・禁錮を一本化する拘禁刑の創設(令和7年6月1日施行)に伴い、本条の刑種表記が「二年以下の拘禁刑」に整理された。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める